個人再生

自己破産と個人再生の違いと選び方は?共通のデメリットも解説

さいむくん
さいむくん
借金が返せそうになくて、自己破産か個人再生をしようとを思っているんだけど、それぞれどう違うんですか?
自己破産と個人再生とではメリットもデメリットもまったく違うよ。

たとえば、自己破産は財産が没収されるけど、個人再生は没収されないといったように、リスクの大きさもそれぞれ違うんだ。

どっちの手続きがいいのかわからないと思うからこれからこのふたつの違いを教えてあげるね!

せんせい
せんせい

借金が返せなくなり、債務整理を考えている方いませんか?

自己破産と個人再生はどちらも裁判所を通す手続きですが、借金が減額されるのと免除されるのとで、大きな違いがあります。

資格の制限を受けるなど手続きの違いもありますので、自分に合った方を選択することが重要です。

この記事では、自己破産と個人再生の違い、どちらを選ぶべきかを解説します。

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この記事の内容
  1. 自己破産と個人再生の違い5つ
  2. 自己破産と個人再生にかかる費用や期間の違い
  3. 自己破産と個人再生に共通するデメリット
  4. 自己破産はこんな人におすすめ
  5. 個人再生はこんな人におすすめ
  6. 2回目の自己破産・個人再生には条件がある
  7. 任意整理の特徴も紹介
  8. 自己破産か個人再生か迷ったら無料相談で弁護士に相談しよう!
  9. まとめ

自己破産と個人再生の違い5つ

さいむくん
さいむくん
借金返せないよ…。もう自己破産するしかないのかなぁ。
さいむくん、債務整理は自己破産だけじゃないよ。

個人再生という方法もあるから、自己破産と個人再生の違いについて教えてあげるね!

せんせい
せんせい
個人再生 自己破産
借金の減額 1/51/10まで減額 借金の返済義務がなくなる
財産の処分 なし 手続きによっては処分される
手続きにかかる費用 弁護士費用:4050万円
申し立てにかかる費用:約3万円程度
個人再生委員の報酬:1525万円
トータル:約4070万円程度
同時廃止事件:数万円程度
管財事件:約20万円~借金総額に応じて
別途弁護士費用:4050万円
手続きにかかる期間 約半年~1 (管財事件)約半年~1
(同時廃止事件)3~4ヵ月
職業・資格制限 なし あり
借金の原因 問われない 問われる

1:返済義務が残るかどうか

せんせい
せんせい
自己破産と個人再生の大きな違いは返済義務が残るかどうかだよ。

自己破産をすると借金は返済義務が免除されるんだ。

個人再生は、借金を元本から最大10分の1まで減額できるけど、減額分は3年で完済していくことになるよ。

なるほど。じゃあ、本当に返済できない人にとっては自己破産のほうがいいんですね。
ともだち
ともだち

個人再生で借金が減額される基準

せんせい
せんせい
自己破産は借金の返済義務がなくなるけど、個人再生では減額された借金を返済していくことになる。

ここで、個人再生の借金が減額される基準をざっと紹介するね。

個人再生で借金が減額される基準は3つあるんだ。

①最低弁済基準 借金の総額に応じて返済する金額が決まる
②清算価値保障基準 所有している財産に応じて返済する金額が決まる
③可処分所得基準 税金や保険料・生活費を差し引いた収入の2年分が返済額として決まる。
これらは、個人再生の手続き2つ、どちらを選ぶかによって異なる
せんせい
せんせい
小規模個人再生 主に個人事業主を対象とした手続き
給与所得者等再生と比較して返済額が少なくなりやすいので個人再生のほとんどはこれ
減額される基準は①と②が対象になる
給与所得者等再生(きゅうよしょとくしゃとうさいせい) 主にサラリーマンを対象とした手続き
減額される基準は①~③が対象になる
せんせい
せんせい
①の最低弁済基準は、借金の総額に応じて返済する金額が決まるのでわかりやすいよ。
借金総額 最低弁済額
100万円以下 全額
100~500万円以下 100万円
500~1,500万円以下 借金総額の1/5
1,500~3,000万円以下 300万円
3,000~5,000万円以下 借金総額の1/10

【参考:民事再生法 231 – e-Gov

小規模個人再生の場合、この最低弁済基準と、②の清算価値保障基準を比較して、高額なほうが返済額に決まるんだ。
せんせい
せんせい
さいむくん
さいむくん
清算価値保障基準って、持ってる財産で決まるってやつですか?
そうそう。さいむくんの借金が500万円で、財産として200万円の車を持ってるとするじゃない?

最低弁済基準では、借金は100万円まで減額されるけど、財産は200万円あるわけだから、200万円は返済しようねってことだね。

せんせい
せんせい
さいむくん
さいむくん
なんだ…財産が多い人は損なんですね…。
貸主(債権者)からしても、200万円の車があるなら売って返済してくれよって思うだろうからね。

でも、この後説明するけど、自己破産と違って財産を強制的に没収されたりはしないんだ。

せんせい
せんせい

2:認められる条件が違う

せんせい
せんせい
自己破産と個人再生、それぞれ裁判所に認められる条件が違うよ。
手続きが認められる条件
自己破産 個人再生
①支払不能であること(今すぐ返済しないといけない借金が今後も返済できる見込みがない) ①借金総額が、住宅ローン除いて5,000万円以下
②借金が税金や損害賠償ではないこと(非免責権) ②安定した収入がある
③不当な理由や悪質な行動をしていないこと(免責不許可事由)
上記のように、自己破産と個人再生でまったく条件が違うことがわかるかな。
せんせい
せんせい

【参考:個人再生手続利用にあたって仙台地方裁判所

自己破産は返済できないかどうかが重要になる

せんせい
せんせい
自己破産は、借金の返済がすでにできない状況であることが条件だよ。

自己破産の「支払い不能」とは、返済期限の来た借金を継続的に返済できない状態を指すんだ。

借金を滞納して、一括返済を求められたけど、将来的にも働けないような状態だと認められる可能性があるってことだね。

個人再生は収入や借金総額が関係する

せんせい
せんせい
個人再生は、借金総額が5,000万円以下(住宅ローンを除く)で安定した収入があることが条件だよ。

減額した借金を3年で完済することになるから、安定した収入が求められるんだね。

3:財産を処分するかどうか

せんせい
せんせい
自己破産と個人再生のもうひとつの大きな違いは、財産を処分するかしないかだよ。

自己破産はすべての財産が没収されるわけではない

せんせい
せんせい
自己破産は、20万円超以上の価値がある財産や99万円を超える現金があれば、没収される。

自己破産は、返済義務がなくなる代わりに、こうした財産を貸主(債権者)に分配する手続きだからだね。

自己破産で没収されるもの 20万円超以上の価値がある財産(持ち家・車・預貯金・生命保険の解約返戻金 など)
99万円を超える現金 など
自己破産で没収されないもの 20万円以下の価値しかないもの
99万円以下の現金
生活に必要な家財(寝具、台所用品、衣服) など
でも、持っている財産すべてが没収されるわけではないんですね。
ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
そうだね。自己破産も生活再建のための手続きだから、生活に必要なものは手元に残せる。

それに、財産自体がなければ、没収されることもないんだよ。よく、自己破産は全ての財産が没収されるとか、誤解している人も多い。

財産が20万円以下であれば、そもそも財産が没収されない「同時廃止(どうじはいし)」という手続きになるから安心してね。

個人再生は財産を処分されないが返済額が増える

せんせい
せんせい
個人再生は、自己破産のように持っている財産を没収されて分配されたりはしないよ。

ただし、「個人再生で借金が減額される基準」で話したように、財産によって返済額が左右されるんだ。

さっきの清算価値保障基準ってやつですね。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうだね。

自己破産をすれば、財産が分配されるけど、個人再生をしても財産は分配されない。

これじゃ債権者にメリットがないから、財産分は返済しようってことだね。

じゃあ、さっきみたいに、借金が500万円で、100万円まで減額もできるけど、財産が200万円あるなら200万円は返済しようねってなるんですよね?

財産を「強制的に没収」はされないけど、財産に応じた金額は返済しないといけないんですね。

さいむくん
さいむくん

ローンが残るものはローン会社に回収される可能性がある

せんせい
せんせい
前提として覚えておきたいのは、ローンが残るものは、ローンが返済できなくなると、担保としてローン会社に回収されることが多いよ。

例えば、ローン返済中の車の所有者は、ローン会社などになっている場合がある。

債務整理をすると、ローンが返済できないってことになるから、債務整理をしたことで、ローン会社に回収される可能性はあるね。

例えば、ローン返済中の車や持ち家などだね。

なるほど。

つまり、自己破産は裁判所が財産を没収するし、個人再生は裁判所が財産を没収することはないけど…ローン返済中だと、ローン会社に回収されることはあるんですね…。

ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
その通り。だから、ローン返済中のものがある場合は注意が必要だよ。

個人再生は住宅ローンが残る家だけ残せる

せんせい
せんせい
ローン返済中のものは、債務整理をするとローン会社に回収されるって話を今したけど…個人再生では、住宅ローンが残る家だけは残せるんだ。

個人再生の大きなメリットだね。

どうして、個人再生では住宅ローンが残る家を残せるんですか?

住宅ローンを貸してる銀行に担保として売却されないんですか?

さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
個人再生には、「住宅ローン特則」って制度がある。

普通は、個人再生をするとすべての借金が減額の対象となるし、「返済できない」と判断されるんだね。

住宅ローン特則を使うと、例外的に住宅ローンだけ個人再生から除外できる。

住宅ローン以外の借金は減額されて返済していくことになるし、住宅ローンだけは今のまま返済していくことになるんだ。

継続した返済を行うためにも、生活基盤である家は例外的に残せる制度なんだね。

へぇ…!ローンの残る持ち家を残したいなら、個人再生がおすすめってことですね!
さいむくん
さいむくん

4:手続き中の制限があるかないか

せんせい
せんせい
自己破産と個人再生の違いは、手続き中制限があるかどうかだよ!
自己破産


・手続き中は特定の資格を使って仕事ができない

・手続きによっては許可なく引っ越しや海外旅行ができない
・郵便物は破産管財人が確認してから渡される
・財産の処分や特定の相手にだけ返済はできない

個人再生 ・財産の処分や特定の相手にだけ返済はできない
こんな感じだね。もちろん、手続き中に借り入れをするなどの行為はどっちもNG。
せんせい
せんせい
ともだち
ともだち
自己破産は手続き中、弁護士や司法書士など一定の資格制限を受けるんですよね。

だから、こういう資格で仕事をしている人は、制限を受けない個人再生を利用したほうがいいですね。

5:借金の原因によっては利用できない

せんせい
せんせい
自己破産では、借金の原因によっては、自己破産が認められない可能性もあるよ。

例えば、ギャンブルや浪費の場合は、借金が認められない「免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)」というものに該当するからなんだね。

ギャンブルで遊んでおいて、都合よく自己破産はできないからねって法律では決まってるってことだね。

ああ…聞いたことある…。ってことは僕も自己破産できないんですか!?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
安心して、さいむくん。確かに、免責不許可事由は破産法で定められているけど、実務上は裁判所の裁量により、自己破産が認められることがほとんどなんだ。

真面目にやり直そうという姿勢があれば、自己破産を認めてもらえる可能性があるよ。

一方で、個人再生には免責不許可事由はない。個人再生の場合は、借金が減額されるものの、ちゃんと返済しないといけないからだね。

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せんせい
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自己破産と個人再生にかかる費用や期間の違い

せんせい
せんせい
こんな風に、自己破産と個人再生は全然違う手続きってわかったよね!

さらに、自己破産と個人再生とでは、かかる費用や期間が変わってくるからここで説明するね!

自己破産にかかる費用は数万円~100万円程度

せんせい
せんせい
自己破産には3種類の手続きがあり、持っている財産に応じて、どの手続きになるか、費用がいくらになるか決まるんだ。下記のような感じになるよ。
裁判所の費用 弁護士費用
①同時廃止事件 23万円 4045万円
②少額管財事件 20万円~ 4050万円
③管財事件 70万円~ 4050万円
どの手続きになるのかは、財産の調査が必要かどうかによって変わる。

例えば、財産が全然ないような場合は、財産調査って手間がかからないから、①の同時廃止事件になって、費用も安いんだ。

せんせい
せんせい
さいむくん
さいむくん
弁護士費用も高いんですね…。
自己破産や個人再生は、裁判所を通すし、専門性が高い手続きだ。だから、弁護士費用もかかるんだね。

でも、弁護士費用は分割払いだから、そこまで心配しなくていいよ。

せんせい
せんせい

個人再生にかかる費用は40万円~

せんせい
せんせい
個人再生にかかる費用はおよそ40万円~だよ。内訳は弁護士に払う費用と裁判所に払う費用と大きく2つに分かれているから下記の表を見てみてね。
必要な費用 内訳
弁護士に払う費用 4060万円程度 ・相談料
・着手金
・成功報酬など
裁判所に払う費用 2万円程度
予納金のみ1520万円
・予納金
・個人再生委員の報酬
・収入印紙
・郵便切手
個人再生では、裁判所によっては個人再生委員が選任される。

個人再生委員は、財産の調査や収入などの調査や、再生計画案(返済計画)のチェックを行う、裁判所の補佐みたいな役割の人なんだ。

この個人再生委員が選任されると、費用も高額になるんだ。でも選任されるかどうかは各裁判所によって運用が異なる。

例えば、処理件数が多い東京の場合は、全件で選任されるよ。

せんせい
せんせい

自己破産にかかる期間は数ヶ月から1

せんせい
せんせい
自己破産にかかる期間はそれぞれ下記の通りだよ。
同時廃止事件 申し立てから約34ヵ月
少額管財事件 申し立てから約46ヵ月
管財事件 申し立てから約612ヵ月
自己破産にかかる費用は数万円~100万円程度」でも話したけど、自己破産は財産の調査が必要かどうかによって手続きは大きく異なる。

財産の調査がない同時廃止事件なら、比較的早く手続きが終わるんだ。

せんせい
せんせい

個人再生にかかる期間は半年から1

せんせい
せんせい
個人再生は、申し立てから約6ヶ月~1年の期間がかかるよ。

個人再生は専門的な手続きだし、本当に返済できるかどうかのテストがある所もある。結構時間がかかるんだね。

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自己破産と個人再生に共通するデメリット

せんせい
せんせい
自己破産と個人再生の違いについてわかったかな?ここでは、自己破産と個人再生に共通するデメリットを紹介するよ。

官報に氏名・住所がのる

せんせい
せんせい
自己破産と個人再生共通のデメリットの1つは、官報に氏名・住所が掲載されてしまうことだね。

官報ってのは、国が発行する新聞のようなものだよ。他には、法令や大臣の人事異動などがのってるんだ。

えっ…どうして官報にのってしまうんですか?拒否はできないんですか?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
自己破産や個人再生、裁判所を通す手続きの場合、手続きから漏れた債権者がいないかとか、金融機関に共有する意味もあって、官報にのるんだね。

だから拒否はできないんだ。

そんなのに名前がのって、大丈夫なの?色んな人に知られちゃうじゃない…!
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうだね。ただし、官報をチェックしているのは金融関係や一部の公務員だけなんだ。

金融関係の人は仕事柄破産者情報をチェックしないといけないからね。一般の人はほぼ知らないし、そこからバレる可能性は低いよ。

だから心配しなくても大丈夫だよ。

官報に関しては、もっと詳しく解説してくれている記事があったね。詳しくはこっちを読んでみて!
ともだち
ともだち

ブラックリストになる

せんせい
せんせい
これは債務整理共通のデメリットだね。債務整理をすると、ブラックリストになるから、5~7年は借り入れができないんだ。

正確にいえば、信用情報に傷がつくってことだね。

信用情報というのは、クレジットカードやローンなどの返済状況を記録してるんですよね。

クレジットカードやローンの審査の際にも参照とされる重要な情報なんだけど、この信用情報に債務整理をしたって記録も残るんですね。

ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
そうだね。だから、債務整理後にクレジットカードやローンで借り入れをしようと思っても、信用情報を見られて審査に通らなくなってしまうんだ。

5~7年経過すれば、債務整理の記録も消えるから、借り入れができる可能性があるよ。

なるほど。これ以上借金をせずに生活を立て直せるって意味ではいいのかもしれないですね。
ともだち
ともだち

保証人に迷惑がかかる可能性がある

せんせい
せんせい
保証人や連帯保証人は、借金をした人が返済できなくなった時の代打なんだ。

だから、自己破産や個人再生をすると、借金が返済できないと判断されて、今度は保証人に請求が行ってしまうよ。

そ…そんな…親にバレたくないですし、何か方法はないんですか?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうだね…保証人も一緒に自己破産や個人再生をするか、複数社から借金をしている場合は任意整理を選択したほうがいいね。

任意整理は裁判所を通さない任意の交渉。だから、保証人のついている借金だけ交渉しなければ、保証人が請求を受けずに済むよ。

家族に知られる可能性がある

せんせい
せんせい
自己破産や個人再生をすると、家族に知られてしまう可能性はあるね。

自己破産は一定以上の財産は没収されてしまうから、家族に隠し通すのは難しいんだ。

それに、自己破産と個人再生はどちらも同居してる家族の収入を裁判所に報告しないといけない。

正確な財産や収支を把握するために、家族の収入証明が必要になるんだね。

財産の処分や、家族が保証人であるようなケースを除いて、うまくごまかせるのなら、バレない可能性もゼロではないと思うけどね。

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自己破産はこんな人におすすめ

さいむくん
さいむくん
自己破産と個人再生の違いはわかりました!じゃあ自己破産はどんな人に向いてるんですか?
自己破産はこんな人におすすめだね。
せんせい
せんせい

自己破産はこんな人におすすめ

  • 収入が減った・借金総額が大きすぎるなどで返済ができない
  • 生活保護を受ける予定がある
  • 失う財産がない

収入が減った・借金総額が大きすぎるなどで返済ができない

せんせい
せんせい
もし収入に対して借金が多すぎて、今後も返済が難しいとか、収入が減ったとか働けないって人は、自己破産がおすすめだね。

自己破産は今後も返済が難しいってことが条件になるからだ。

じゃあ、借金が1000万円くらいあれば、自己破産できますね。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
と思うでしょ?でも借金が1000万円でも、年収が何億円もあれば返済はできるわけだ。

反対に借金が100万円以下でも無収入なら自己破産をすべきだよ。

自己破産で重要なのは、借金の額ではなく、今後返済ができるかできないか。

だから借金が少なくても、今後も返済できないのなら、自己破産したほうがいいんだよ。

生活保護を受ける予定がある

せんせい
せんせい
もしこれから生活保護を受ける予定があるのなら、自己破産がおすすめだよ。

というのも、生活保護費で借金を返済すると、生活保護費を打ち切られる可能性があるからね。

生活保護費は最低限の生活をおくるためのお金で、借金返済で使うことはできないんだ。

それに個人再生は、今後も借金が返済できるだけの安定した収入が必要になるからね。

だから生活保護を受給する予定なら自己破産がおすすめだね。

失う財産がない

せんせい
せんせい
借金の返済ができず、そのうえもう失う財産もないって人は自己破産がおすすめだね。
確かに、自己破産では20万円以上価値のあるものは没収されてしまいますもんね…。

財産がなければ失うものは何もないですもんね…(涙)

さいむくん
さいむくん
ともだち
ともだち
例えば、持ち家があるとか、持ち家や財産を残したいのなら個人再生のほうがいいんですね。

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個人再生はこんな人におすすめ

さいむくん
さいむくん
自己破産はわかりました。じゃあ、個人再生はどんな人に向いてるんですか?
個人再生はこんな人におすすめだね。
せんせい
せんせい
個人再生はこんな人におすすめ
  • 財産を失いたくない・持ち家を残したい
  • 自己破産だと資格制限にかかる可能性がある
  • ギャンブルや浪費が原因でも確実に借金を減らしたい
  • 7年前に既に自己破産している
  • 借金を完済できる収入がある

財産を失いたくない・持ち家を残したい

せんせい
せんせい
何度も話したけど、自己破産は20万円以上価値のある財産は没収されちゃうんだ。

だから財産を失いたくないって人や、持ち家を残したいって人は、個人再生がおすすめだね。

個人再生なら、住宅ローンが残っていても、住宅ローン特則で持ち家が残せますもんね。
ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
何度も話したけど、自己破産は20万円以上価値のある財産は没収されちゃうんだ。

だから財産を失いたくないって人や、持ち家を残したいって人は、個人再生がおすすめだね。

自己破産だと資格制限にかかる可能性がある

せんせい
せんせい
手続き中の制限があるかないか」でも話したけど、自己破産の手続きが開始されると、一部の資格は制限を受けてしまう。

資格を使って働くことができないんだね。

自己破産で資格制限を受ける資格の例
  • 弁護士
  • 公認会計士や税理士
  • 警備員
  • 固定資産評価員
  • 交通事故相談員 など

もし自分がこうした資格に該当するなら、個人再生を選ぼう。
せんせい
せんせい

ギャンブルや浪費が原因でも確実に借金を減らしたい

せんせい
せんせい
「借金の原因によっては利用できない」でも解説したけど、自己破産ではギャンブルや浪費による借金は認められないって決まってるんだ。

要するに、ギャンブルや浪費で遊んだ人は都合よく自己破産はできないよってことなんだね。

一方で個人再生は、借金が減額されるものの、返済義務が残るから、原因は問われないんだ。

じゃあ、ギャンブルや浪費で借金の原因を問われたくない人は個人再生のほうがいいってことですね。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうだね。ただし、実務上じゃ事情はちょっと違う。

ギャンブルや浪費でも、ちゃんと生活を再建させる努力ができるのなら、裁判所の判断で自己破産が認めてもらえるんだ。

だからこの辺はそこまで気にせず、あくまでも返済できるかどうかで判断したほうがいいよ。

7年以内に既に自己破産している

せんせい
せんせい
自己破産をする回数は人生で〇回なんて回数制限はないけど、自己破産後にまた自己破産をしたいと思っても、7年間を空けないといけないんだ。

つまり、もし前回の自己破産から7年経過してなければ、自己破産はできないから、個人再生を選ぶことになるね。

債務整理をしたことがない人には無関係だけどね。

借金を完済できる収入がある

せんせい
せんせい
減額された借金が3年で完済できるって人は個人再生を選択することになるね。

自己破産では今後も返済できないかどうかが重視される。安定した収入がある人はそもそも自己破産が難しい可能性があるね。

この辺は、借金総額と収入の兼ね合いもあるから、弁護士に相談してみたほうが確実だね。

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2回目の自己破産・個人再生には条件がある

せんせい
せんせい
「7年以内に既に自己破産している」でも解説したけど、2回目の債務整理で自己破産・個人再生を選ぶ際は、条件があるから注意が必要だよ。

下記のようなケースだと自己破産や個人再生はできないからね。

1回目 2回目 できるかどうか
自己破産 自己破産 7年経過しないとできない
自己破産 小規模個人再生 できる
自己破産 給与所得者等再生 7年経過しないとできない
小規模個人再生 自己破産 できる
給与所得者等再生 自己破産 7年経過しないとできない
個人再生の手続きには2種類あるって話は「個人再生で借金が減額される基準」でしたよね?
せんせい
せんせい
小規模個人再生 主に個人事業主を対象とした手続き
給与所得者等再生と比較して返済額が少なくなりやすいので個人再生のほとんどはこれ
債権者の同意が必要
給与所得者等再生(きゅうよしょとくしゃとうさいせい) 主にサラリーマンを対象とした手続き
債権者の同意は不要
せんせい
せんせい
自己破産と給与所得者等再生は、債権者の同意がなくても手続きできてしまうんだ。

それなのに、短期間に何度も制度を利用すると、債権者は損をしちゃうよね?

だから債権者の同意がなくてもできてしまう手続きには一定の期間が設けられているんだね。

任意整理の特徴も紹介

せんせい
せんせい
ここまでは、自己破産と個人再生の違いについて解説してきた。ついでに、もう一種類の債務整理である「任意整理」についても紹介するね!
任意整理の特徴
  • 任意整理は利息のカットに落ち着くのが一般的
  • 裁判所を通さない任意の交渉なので借金を選べる
  • 費用は12~5万円程度で期間は3~6ヶ月
  • 家族に知られにくい
  • 財産を強制的に没収されることはない
  • 手続き中の制限はなく借金の原因も問われない
  • 利息がカットできるかどうかは相手次第

任意整理は利息のカットに落ち着くのが一般的

せんせい
せんせい
自己破産・個人再生と同じで、債務整理の1つが任意整理だよ。

任意整理は、賃金業者と直接交渉して借金を減額する手続きのことだよ。

任意整理は利息がカットされて、だいたい3~5年で完済することになるね。

利息のカットだけか…ちょっとショボい感じもしますけど…。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうでもないよ。それに、「個人再生で借金が減額される基準」でも話したけど、個人再生では100万円以下は全額弁済になるんだ。

だから100万円以下だと個人再生は意味がないんだね。

任意整理なら、100万円以下の借金でも交渉はできる。利息がカットされて3~5年で完済できるのなら、任意整理で事足りるんだよね。

なるほど…個人再生じゃカバーできない部分を上手くカバーしてるんですね。
さいむくん
さいむくん

裁判所を通さない任意の交渉なので借金を選べる

せんせい
せんせい
任意整理の特徴の1つは、自己破産・個人再生と違って、裁判所を通さない点だ。

任意整理はあくまでも任意の交渉なんだね。

裁判所を通すと、すべての借金は減額・免除対象となる。

一方任意整理の場合、複数借り入れがある場合、交渉したい業者を自分で選べるんだ。

だから「保証人に迷惑がかかる可能性がある」で解説したように、保証人がついた借金や、ローンの返済が残ってる借金は除外するなんて柔軟な対応ができるのも強みだよ。

費用は12~5万円程度で期間は3~6ヶ月

せんせい
せんせい
任意整理にかかる弁護士費用の相場は、交渉1社につき、2~5万円と安い。

手続きの期間も3~6ヶ月程度なんだ。

これは、裁判所を通さないしてまもかからないからこの費用と期間で済むんだね。

そもそも債務整理する上で、費用はかなりネックですもんね…。

個人再生は大幅に減額できるけど、費用も結構かかりますもんね…。

さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうだね。借金の額にもよるけど、費用の負担が苦しいっていうなら、1社から任意整理をしてみるってのもアリだよ。

家族に知られにくい

せんせい
せんせい
任意整理は、裁判所を通さないので官報にのることはないんだ。とはいえ、官報から知られる可能性はかなり低いけどね。

また、自己破産や個人再生のように家族の書類の提出を求められることもないから、比較的バレにくいと思うよ。

債権者とのやり取りは弁護士がやってくれるしね。

財産を強制的に没収されることはない

せんせい
せんせい
裁判所を通さない任意の交渉なので借金を選べる」で解説した通り、任意整理は裁判所を通さないので、自己破産のように強制的に財産を没収されることはないよ。

また、ローン返済中のものを債務整理してしまうと、ローン返済中のものは、ローン会社に担保として回収されてしまうけど、任意整理なら交渉から除外することもできるんだ。

手続き中の制限はなく借金の原因も問われない

せんせい
せんせい
同じように、任意整理は裁判所を通さないので、交渉に細かい条件や制限もないんだ。

だから借金の原因がどうであれ、貸金業者が交渉に応じれば、借金が減額できる可能性があるよ。

裁判所を通す手続きだと、ルールががっちり決まってるんですね。
さいむくん
さいむくん

利息がカットできるかどうかは相手次第

せんせい
せんせい
任意整理では、利息のカットが一般的ではあるけど、利息をカットしてもらえるか、業者が交渉に応じるかどうかは、相手次第なんだ。

自己破産や個人再生のように、裁判所を通すのなら、手続きも強制的に行われるんだけど…任意整理はあくまでも任意の交渉。

自由度が高い代わりに強制力もないんだね。

利息のカットも、自己破産で合法的に踏み倒されるくらいなら、応じたほうがマシって判断によるものなんですよね。

業者によっては、応じないって方針もあるみたいですね。

ともだち
ともだち

任意整理はこんな人におすすめ

ともだち
ともだち
じゃあここまでの話をまとめると…任意整理はこんな人におすすめですね。
任意整理はこんな人におすすめ
  • 借金の利息をカットして3~5(36~60回払い)で完済できる
  • 今後も返済できる収入がある
  • 交渉する借金を自分で選びたい
  • 費用や期間を抑えたい
  • 家族に知られたくない
  • 手続きの制限を受けたくない・借金の原因を問われたくない

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自己破産か個人再生か迷ったら無料相談で弁護士に相談しよう!

せんせい
せんせい
今日は、自己破産と個人再生の違い、任意整理についても解説してきたよ。

一応特徴を解説したけど、どの手続きが適しているのかは、借金や収入・財産の状況、本人の希望によっても左右される。

自分でこの手続きがいいと思っても、実は思わぬデメリットがあったなんてケースもあるかもしれないよね。

だからどの手続きがベストなのか、一度弁護士に相談してみるのがおすすめだよ。

確かに、条件は色々とあるみたいだし、ちょっと見ただけでどれがベストなのか判断するのは難しいですね。

幸い最近は無料相談やLINEで手軽に相談できる所があるんで、ちょっと相談してみようと思います!

さいむくん
さいむくん

まとめ

ともだち
ともだち
自己破産と個人再生についてはわかったかな?ここまでの内容をまとめてみよう!
個人再生 自己破産
借金の減額 1/51/10まで減額 借金の返済義務がなくなる
財産の処分 なし 手続きによっては処分される
自宅が残せるか 残せる 基本は残せない
職業・資格制限 なし あり
借金の原因 問われない 問われる
手続きにかかる期間 約半年~1 (管財事件)約半年~1
(同時廃止事件)3~4ヵ月
自己破産と個人再生それぞれメリットやデメリットがあり、自分に合った方法はどの手続きなのか、判断するのは難しいよね。

だから、悩んだらまずは弁護士に相談してみよう!

せんせい
せんせい
弁護士に相談することで
借金を大幅に減らせる可能性があります。
催促の電話を止めたい
毎月の返済額を減らしたい
返済するのが難しくなった
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著者情報

この記事の監修者
赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

監修者の詳細なプロフィール
この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。

20代後半に作ってしまった借金100万円を自力で完済した。

筆者の詳細なプロフィール