今後結婚も考えてるし、ローンが組めないんだったら債務整理しない方がいいのかと思って…。
だけど、債務整理をしたあとでも絶対にローンが組めないってわけじゃないんだよ。
現状借金の返済が辛いのであれば、早めに債務整理をして今後の生活を立て直すのがおすすめだよ!
債務整理とは、法律の力を使って借金を減額・免除してもらう手続きです。
債務整理をすると信用情報に傷がつくため、一定期間は住宅ローンを組むのが難しくなってしまいます。
この記事では、以下の3点を中心に、債務整理と住宅ローンの関係について詳しく解説していきます。
- 債務整理後に住宅ローンが組めなくなる仕組み
- 住宅ローンの審査に通りやすくするコツ
- 住宅ローンの返済中に債務整理をするとどうなる?
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債務整理後に住宅ローンは組める?手続きごとに解説
債務整理とは、法律の力を使って借金を減額・免除してもらう手続きであり、「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つがあります。
任意整理 | 弁護士などの専門家を通じて債権者(お金を貸している側)と交渉し、借金の利息や遅延損害金(延滞料のようなもの)をカットしてもらう |
個人再生 | 裁判所に申し立てて、借金額に応じて最大で10分の1まで減額してもらう |
自己破産 | 裁判所に申し立てて、ほぼすべての借金の返済義務を帳消しにしてもらう |
どの手続きをとった場合でも、債務整理をしたという情報は信用情報機関に記録されてしまいます。
銀行などの金融機関は、ローンの契約の際にほぼ必ず信用情報機関の情報を参考に審査を行うため、債務整理をした方は審査に落ちやすくなります。
債務整理をした記録が残る期間は、手続きによって以下のように異なります。
任意整理後|最長で手続きから8~10年は組めない
任意整理をしたという信用情報は、「任意整理によって減額された借金を完済してから最長で5年間」残り続けます。
任意整理は、債権者と交渉して利息を減額してもらった上で、残された元金を返済していく手続きです。
基本的に、3~5年で完済するように債権者と和解するケースが多いです。
そのため、任意整理の手続きをしてから完済までの3~5年間、完済してから5年間、あわせて8~10年間は信用情報に傷がついた状態が続きます。
個人再生後|最長で手続きから8年は組めない
個人再生をした記録は、任意整理と同様に「減額された借金を完済してから最長で5年間」残り続けます。
個人再生後の借金は、原則3年間で完済するように計画するため、完済までの3年間、完済してからの5年間であわせて最長8年間は信用情報に傷がつき続けます。
そのため、個人再生後に新たに住宅ローンを組むのは難しいです。
しかし、個人再生をした段階で契約している住宅ローンは、手続きから除外する制度があります。
そのため、ローン返済中の持ち家を失わずに、他の借金だけ減額可能です。
自己破産後|最長で手続きから7年は組めない
自己破産をした記録は、自己破産の手続き開始決定から最長で7年間信用情報機関に残り続けます。
そのため、自己破産をしてから最長で7年間は住宅ローンは組めない可能性があるでしょう。
債務整理後に住宅ローンの審査に通りやすくするコツ
債務整理後に住宅ローンを組む場合は、以下のコツを押さえておくと審査に通りやすくなります。
- 信用情報が回復した後に申し込む
- 一つの会社に正社員として長く勤める
- 今まで利用したことのない会社に申し込む
- クレジットカードやローンを利用してクレヒスを積む
- 配偶者や家族名義で申し込む
それぞれ簡単に解説していきます。
信用情報が回復した後に申し込む
債務整理をした後は、一定期間信用情報に傷が残り続けてしまいます。
銀行などの金融機関は、個人の信用情報を閲覧する権限を持っているため、信用情報に傷がついていることは審査の際に必ずバレてしまいます。
過去に債務整理をした方と、住宅ローンのように多額のローンを契約するのは銀行にとってとてもリスクがあります。
そのため、信用情報が回復する前に住宅ローンを申し込んでも、住宅ローンの審査に通る可能性は非常に低いでしょう。
自分の信用情報が回復したかどうかは、信用情報機関に対して信用情報の開示請求をすれば確認できます。
日本には3つの信用情報機関があり、債務整理をしたタイミングで契約していた会社が加盟している信用情報機関に開示請求をすれば、自分の信用情報が回復したかどうか確認できます。
信用情報機関名 | 加盟会社 |
株式会社シーアイシー(CIC) | 消費者金融、クレジットカード会社など |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | クレジットカード会社、信販会社など |
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 銀行、信用金庫など |
一つの会社に正社員として長く勤める
住宅ローンを契約する際は、信用情報だけでなく年収や家族構成などのさまざまな要因をもとに、総合的な審査をされます。
特に、正社員として勤続年数が長い方は、今後も安定した収入を得られる可能性が高いため、住宅ローンの審査に有利になります。
そのため、債務整理をした後でも、一つの会社に長く勤めることで住宅ローンの審査に通りやすくなります。
今まで利用したことのない会社に申し込む
信用情報機関が保有している情報とは別に、各金融機関は独自に顧客データを管理しています。
過去に債務整理によって借金を減額または免除したという情報は、各金融機関には半永久的に保存されている可能性が高いです。
この状態を、信用情報に傷がついている状態であるブラックリストになぞらえて「社内ブラック」と呼びます。
社内ブラックになった会社だと、信用情報が回復した後でも審査に通らないことが考えられるでしょう。
また、一社で社内ブラックになっている方は、関連会社やグループ会社にもその情報が共有されている可能性もあります。
そのため、債務整理後に住宅ローンを組む際は、過去に契約したことのない会社に申し込むのがおすすめです。
クレジットカードやローンを利用してクレヒスを積む
債務整理をした後でも、一定期間が経てば信用情報は綺麗になります。
しかし、債務整理後に信用情報が綺麗になった時には、過去にローンやクレジットカードを利用した記録も残っていない「スーパーホワイト」という状態になっています。
国土交通省の調査によると、住宅ローンを組む方は30~40代が大多数です。
その時点でローンやクレジットカードを利用した記録がないと、「これまでにローンを使ってないのは不自然」「債務整理をした後なのではないか?」と疑われる可能性があります。
そのため、債務整理を利用したあとに住宅ローンを組む際は、信用情報が回復したのを確認した後に、クレカやカードローンなどを利用してクレヒスを積むのがおすすめです。
配偶者や家族名義で申し込む
配偶者や親などの家族名義で住宅ローンを組んでもらうのも確実です。
債務整理によって信用情報に傷がつくのは、債務整理をした本人のみであり、家族の信用情報に影響はありません。
そのため、債務整理後でなかなか住宅ローンの審査に通らない際は、家族に協力してもらうことも検討するべきです。
住宅ローンの審査で重視されるポイント
国土交通省住宅局の調査結果によると、住宅ローン(固定金利・長期)の審査において、銀行などの金融機関が重視するポイントは以下の通りです。
年収や勤続年数、連帯保証人の有無などは、やはり住宅ローンの審査において重視されます。
また、もっとも重視されているのは、完済時の年齢や健康状態などです。
今後も住宅ローンの完済まで働き続けられることが、ローン返済の上でもっとも重要であると言えるでしょう。
それに対して、借金の状況やこれまでの返済履歴などを重視すると答えた金融機関は60%程度です。
年齢や健康状態などに比べると、実は返済履歴はそこまで重視されていないと言えます。
住宅ローンの返済が苦しい時は債務整理するべき?
「住宅ローンの返済が苦しいけれど、リスクを考えると債務整理に踏み切れない」という方も多いのではないでしょうか?
しかし、現段階で借金の返済によって生活が圧迫されているのであれば、早めに債務整理した方が結果的に生活が楽になるケースが多いです。
ただし、債務整理のなかでも、ほぼすべての借金の返済義務を帳消しにする自己破産をすると、せっかく購入してローンを返済している家を没収されてしまいます。
自己破産をすると住宅ローンの支払いも免除されます。
そのため、契約通りの支払いを受けられなかった銀行などの金融機関は、ローンの担保になっている住宅を引き上げてしまうのです。
住宅ローンの返済が苦しいが、購入した家はなんとかして残したいという方は、個人再生か任意整理のいずれかを検討しましょう。
個人再生であれば持ち家を残しながら借金を減らせる
個人再生は、裁判所に申し立てて、借金を最大で10分の1にまで減額できる手続きです。
個人再生をする際は、原則として消費者金融や銀行のカードローン、クレカのリボ払い残高などすべての借金が減額対象になります。
債務整理をすると、ローン返済中のものは、ローンを返済できないと判断されて、ローン会社が回収や売却をすることになります。
しかし、個人再生の「住宅ローン特則」という制度を利用すれば、持ち家を失わずに済みます。
住宅ローン返済中の持ち家は減額対象から除外してこれまで通りに返済しながら、他の借金だけ減額できる制度です。
ローンを返済中の持ち家を残しながら借金を減らしたい方は、個人再生の利用をぜひ検討してみてください。
住宅ローン以外の借金について任意整理をするのもおすすめ
また、任意整理でも住宅ローン返済中の持ち家を残しながら借金の減額が可能です。
任意整理は、弁護士などの専門家を通じて債権者と直接交渉して借金の利息を減額する手続きです。
個人再生や自己破産とは異なり、交渉相手の債権者は自由に選べます。
そのため、住宅ローンを組んでいる金融機関の債権者に対してのみ任意整理をして、住宅ローンの返済は続けながら、それ以外の借金を減額できるのです。
任意整理で減額できるのは利息や遅延損害金のみですが、消費者金融や銀行などからの借入が多く、月々の支払いのうち利息が占める割合が多い方には非常に効果が大きいです。
毎月の支払いに悩んでいる方は、ぜひ任意整理も検討してみてください。
債務整理と住宅ローンの関係についてよくある質問Q&A
最後に、債務整理と住宅ローンの関係についてよくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。
債務整理後でも住宅ローンを組めた人っている?
債務整理後でも、住宅ローンを組める可能性はあります。
住宅ローンを提供している金融機関が審査の際にもっとも重視する点は、健康状態や完済時の年齢です。
そのため、債務整理によって信用情報に傷がついていても、住宅ローンが絶対に組めないわけではありません。
ローンが組めるかどうかは、金融機関の判断次第です。
ただし、債務整理直後にローンの契約は難しいため、できれば信用情報が回復するまで待ってから申し込むのがおすすめです。
夫が債務整理したら住宅ローンはどうなる?
債務整理の中でも任意整理や個人再生であれば住宅ローンへの影響は少ないですが、自己破産する際は注意が必要です。
住宅ローンの名義が夫のものである場合は、住宅ローンの支払いが免除される代わりに住宅が引き上げられる恐れがあります。
夫婦でペアローンを組んでいる場合も、夫の持分が債権者に分配されることになり、住宅が第三者と共有の状態となってしまいます。
第三者同士で一つの不動産を所有していると、権利関係が複雑になるため、裁判所の担当者から住宅を売却するように迫られるケースもあります。
持ち家の売却を免れるためには、事前に家族などの第三者に家を買い取ってもらうか、ローンを立て替えて一括で支払ってもらう必要があります。
住宅ローンは任意整理で減額できない?
住宅ローンの減額は任意整理でも可能ですが、おすすめできません。
任意整理は、借金の利息や遅延損害金のみをカットしてもらう手続きです。
元々、住宅ローンは年数%の低金利であるため、任意整理をしても借金の返済は楽になりません。
それどころか、住宅ローンを減額対象にすると、持ち家が売却されてしまう可能性が高いです。
任意整理をするなら、住宅ローン以外のカードローンやリボ払い残高など、高金利のものだけを減額対象にしましょう。
まとめ
- 債務整理をすると最長で7~10年は信用情報に傷がつき続けるため、そのあいだは住宅ローンを組むのが難しい
- 住宅ローンを提供している金融機関が審査の際にもっとも重視するのは健康状態や完済時の年齢であるため、債務整理後でも住宅ローンを組める可能性はある
- 住宅ローン返済中の方が持ち家を残しながら借金を減額するには、個人再生か任意整理がおすすめ
僕にはどの債務整理が適しているのか、一度弁護士に相談してみようと思います!
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。