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【新規上場企業分析】バリオセキュアのIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

バリオセキュアの概要

バリオセキュアの基本情報

はじめに、バリオセキュア株式会社の基本情報を紹介します。
上場予定日は2020年11月30日、市場は東証2部、想定時価総額は82.4です。

会社名 バリオセキュア株式会社
設立日 2015年9月17日(実質上:2001年6月21日)
上場日 2020年11月30日(承認日:2020年10月23日)
市場 東証2部
証券コード 4494
業種 情報・通信業
決算期 2月
ホームページアドレス https://www.variosecure.net/
発行済株式総数 3,726,600 株(2020 年 10 月 23 日現在)
上場時発行済株式総数 3,726,600 株 
※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。
公募株数 2,365,000 株
想定価格 2,210円
想定時価総額 82.4億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
資本金 310,000 千円(2020 年 10 月 23 日現在)
1単元の株式数 100 株
監査人 EY 新日本有限責任監査法人
主幹事証券会社 野村證券
引受幹事証券会社 SMBC日興証券
大和証券
いちよし証券
みずほ証券
岡三証券
岩井コスモ証券
SBI証券
楽天証券
マネックス証券

バリオセキュアの沿革

バリオセキュア株式会社は、2001年6月21日、情報・通信システムとセキュリティシステムの開発・運用・コンサルティング業務を事業目的として設立された、アンビシス株式会社を前身とした企業であり、2006年6月29日に大証ヘラクレスへ上場しましたが、2009年に上場を廃止しました。
その後、複数回の吸収合併を経て、2015年9月には株式会社BAF5として設立され、2016年9月には吸収合併により現在のバリオセキュア株式会社に商号を変更しました。
以下の年表では前半が2015年9月の株式会社BAF5設立以前の経緯を、後半は設立後の経緯について記載してあります。

  株式会社BAF5設立以前
2001年6月 情報・通信システム及びセキュリティシステムの開発・運用・コンサルティング業務を事業目的とした、アンビシス株式会社を東京都港区に設立
2001年9月 インターネットサービスプロバイダ及び通信事業者向けセキュリティソリューションとしてファ イアウォール等を運用するマネージドセキュリティサービスの提供を開始
2002年5月 VariOSを搭載した統合型インターネットセキュリティアプライアンス機器を利用したマネージド セキュリティサービスを提供開始
2002年7月 本社を東京都港区に移転
2003年6月 アンビシス株式会社から商号を、バリオセキュア・ネットワークス株式会社に変更
2003年9月 ICSA(International Computer Security Association)によるファイアウォール認定を日本企業で初めて取得
2006年6月 バリオセキュア・ネットワークス株式会社が大阪証券取引所ヘラクレス市場に上場
2009年12月 バリオセキュア・ネットワークス株式会社が大阪証券取引所ヘラクレス市場の上場廃止
2010年6月 ファンド出資の受け皿として設立されたエー・シー・ピー・ワン・ホールディングス株式会社が バリオセキュア・ネットワークス株式会社を吸収合併し、同日、バリオセキュア・ネットワークス株式会社に商号変更
2011年3月 1stホールディングス株式会社(現ウイングアーク1st株式会社)はアント・カタライザー 3号投資事業有限責任組合からバリオセキュア・ネットワークス株式会社の全株式を取得し完全 子会社化
2012年7月 本社を東京都渋谷区に移転
2012年11月 Cyberoam Inc.(現SOPHOS Ltd.)からUTM(Unified Threat Management)機器のOEM供給を受け、 VCR(Vario Communicate Router)の販売を開始
2013年3月 商号をバリオセキュア・ネットワークス株式会社からバリオセキュア株式会社(旧バリオセキュ ア株式会社)に変更
2013年12月 VSRを利用したネットワークインフラの構築及び運用に加え、ネットワークにおける機器の調達 や、LAN構築・サーバー構築等をサポートするVario Plus(現IS)サービスの提供開始
2014年1月 データバックアップサービスVDaP(Vario Data Protect)の提供開始
  株式会社BAF5設立後
2015年9月 アイ・シグマ事業支援ファンド2号投資事業有限責任組合による投資のための特定目的会社とし て株式会社BAF5を東京都千代田区に設立
2016年6月 アイ・シグマ事業支援ファンド2号投資事業有限責任組合はウイングアーク1st株式会社から 旧バリオセキュア株式会社の株式を株式会社BAF5経由で取得し完全子会社化
2016年9月 株式会社BAF5が旧バリオセキュア株式会社を吸収合併し、同日、商号をバリオセキュア株式 会社(新バリオセキュア株式会社)に変更
本社を東京都渋谷区に移転
2016年10月 本社を東京都千代田区に移転
2019年3月 ブルーシフト株式会社からデータバックアップサービスを提供するデータプロテクト事業を譲受
2020年4月 企業の情報システム管理機能を統合した「Vario Network Security Suite」の提供を開始

バリオセキュアの事業内容

バリオセキュア株式会社は、「インターネットを利用する全ての企業が安心で快適にビジネスを遂行できるよう、日本そして世界へ全力でサービスを提供する。」という経営理念のもと、インターネットに関するセキュリティサービスを提供する企業です。
具体的には、ネットワーク攻撃や侵入行為、ウィルスの感染やデータ盗用などの脅威から企業のネットワークを守り、安全なインターネットを利用をサポートするための事業運営が行われています。

バリオセキュアのサービスは、「マネージドセキュリティサービス」と「インテグレーションサービス」の2軸で構成されており、これらのサービスは、システム利用料を月額費用によって計上するリカーリングレベニューモデルと呼ばれる収益モデルを基礎とした運用がなされています。

① マネージドセキュリティサービス 

マネージドセキュリティサービスでは、 インターネットからの攻撃や内部ネットワークへの侵入行為、またウィルスの感染やデータの盗用などから企業のネットワークを守ることを目的とした「統合型インターネットセキュリティサービス」と、企業が保有するデータを保護する「データのバックアップサービス」を運営しています。


マネージドセキュリティーサービスのモデル

統合型インターネットセキュリティサービス

統合型インターネットセキュリティサービスは、複数のセキュリティ機能を1台に統合したタイプの自社開発機器の提供が特徴であるサービスです。

この機器は、インターネットと顧客企業の社内ネットワークとの間に設置し、攻撃や侵入行為、ウィルスなどの脅威を取り除くフィルタとして作動します。
また、このサービスでは、24時間365日のサポートセンターが構築されており、国内全都道府県に対応した保守網や機器の設定変更などの運用支援体制が構築されています。

統合型インターネットセキュリティサービスは、ネットワークセキュリティの導入から管理、運用・保守までを一括したサービスとして提供されており、顧客から初期費用と定額の月額費用を徴収するビジネスモデルが採用されており、メインとなる顧客は中堅、中小企業であり、2020年9月末で2,913社に導入されるサービスです。

データのバックアップサービス

バックアップサービスは、ハードウエアの機器にバックアップデータが保存される機能とデータセンターへの保存を組み合わせたデータバックアップを行うサービスです。

このサービスは、一時的に企業のデジタルデータをハードウェアにバックアップした後に、自動的にデータセンターへもデータを転送することで、耐障害性が一層高められている点が特徴です。
また、このサービスには、統合型インターネットセキュリティサービスの監視/運用サービスにおける経験が生かされており、機器の設置、障害時の対応にその仕組みを活用することで効率的に全国をカバーしたサービスが提供されています。

インテグレーションサービス

インテグレーションサービスには、中小企業向けの統合セキュリティ機器であるVCR(Vario Communicate Router)を販売する事業と、ネットワーク機器の調達や構築を行うネットワークインテグレーションサービス(IS)の2軸で事業が構築されています。

VCR

VCR販売事業は、従業員数50名未満の事業者やクリニックなどにおけるセキュリティ意識が高まりを受け、このように中小企業を対象とした統合セキュリティ機器を販売する事業です。

VCRは、マネージドセキュリティサービスと異なり、この分野において世界有数の企業であるSOPHOS Ltd.の製品を自社ブランドとして輸入し、販売代理店を通じて中小企業に販売するモデルを採用しています。
なお、販売した機器やハードウエア障害などは、バリオセキュアもしくは販売代理店がサポートする体制が構築されています。

VCRのビジネスモデル


ネットワークインテグレーションサービス(IS)

ISは企業のネットワーク周辺機器の調達や設定、インターネットへの接続全般の設計や構築のニーズに対応したサービスです。

このサービスでは、通信ネットワーク機器導入のための設計、調達、構築を専門に行う人員を配置し、ネットワークの設計/調達/構築全般を実施することで企業ネットワーク領域全般へのサービス領域の拡大を目的としたサービスとなります。
なお、販売した機器、ハードウエア障害などは、バリオセキュアもしくは販売代理店がサポートする体制が構築されています。


ISのビジネスモデル

有価証券報告書情報

経営指標(過去2期分)

第5期の連結の業績は以下の通りです。

  • 売上高:25.1億円(前年比+9.3%)
  • 経常利益:5.0億円(前年比+11.8%)
  • 当期純利益:2.6億円(前年比+10.6%)
第4期 第5期
決算年月 2019年2月 2020年2月
売上高(千円) 2,299,255 2,513,337
経常利益(千円) 443,621 495,894
当期純利益(千円) 235,406 260,402
純資産額(千円) 2,332,290 2,592,692
総資産額(千円) 6,003,264 6,194,121
自己資本比率 38.9% 41.9%
営業キャッシュフロー(千円) 389,018 894,187
投資キャッシュフロー(千円) △50,726 △149,285
財務キャッシュフロー(千円) △401,000 △400,996
現金・現金同等物の期末残高(千円) 288,323 632,229
従業員数 66人 70人

 

経営指標(過去5期分)

第5期のバリオセキュアの経営指標は、売上、利益とも現行の体制に以降後としては最も高い数値となりました。

なお、バリオセキュアの経営指標に関する主な注釈は以下の通りです。

  • 第1期は2015年9月17日から2016年2月29日までであり、実質的な営業活動は旧バリオセキュア株式会社が行っているため、売上高はありません。
  • 第2期は2016年3月1日から2017年2月28日ですが、2016年9月1日に旧バリオセキュア株式会社を吸収合併し営業活動を全面的に継承しており、第2期の実質的な営業活動期間は2016年9月1日から 2017年2月28日となります。
  • バリオセキュアは、2019年11月21日付で普通株式1株につき、20株の株式分割を実施しました。
第1期 第2期 第3期 第4期 第5期
決算年月 2016年2月 2017年2月 2018年2月 2019年2月 2020年2月
売上高(千円) 1,056,138 2,226,157 2,299,255 2,513,337
経常利益(千円) △320 119,381 507,797 443,621 495,894
当期純利益(千円) △349 22,768 275,535 235,406 260,402
資本金(千円) 10 310,000 310,000 310,000 310,000
発行済株式総数 1 186,330 186,330 186,330 3,726,600
純資産額(千円) △339 1,821,347 2,096,883 2,332,290 2,592,692
総資産額(千円) 10 6,584,352 6,173,760 6,003,264 6,194,121
自己資本比率 △3,398.4% 27.7% 34.0% 38.9% 41.9%
従業員数 49人 56人 66人 70人

 

株主構成

上位10位までの株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
アイ・シグマ事業支援ファンド2号 投資事業有限責任組合 3,720,020 91.66% 90日間
稲見 吉彦 82,680 2.04% 90日間
山森 郷司 15,780 0.39% 90日間
亀松 節子 14,500 0.36% 90日間
梶浦 靖史 14,180 0.35% 90日間
市瀬 敦彦 14,040 0.35%
バレス ティモシー 11,820 0.29%
池田 毅 9,540 0.24%
伊藤 英明 9,540 0.24%
佐々木 大祐 9,540 0.24%

新規上場(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

想定価格は2,210円、吸収金額(調達額)は60.1億円と予想されています。

仮条件 未発表
公募・売出価格 未発表
想定価格 2,210円
初値
公募株数 0 株
売出株数 2,365,000 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 354,700 株
吸収金額(調達額) 60.1億円 (※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算)

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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