キャリア

アソシエイトとは?パートナーとの違いは?弁護士の働き方を徹底解説

「司法試験に合格し、実際に弁護士事務所で働くことになれば、どのような生活が待っているのだろう?」
「法律事務所に入所した後のキャリアプランを知り、人生設計をしたい!

弁護士を目指している方、興味のある方で、このようにお悩みの方はいませんか?

そう思って調べてみても、なかなか詳しい情報は出てきませんよね。

弁護士にはアソシエイト、パートナー、カウンセル、などの働き方があると聞いたことがあると思いますが、実際にそれぞれどのような立場なのか詳しく説明しているサイトは多くありません。

なぜなら、そもそもこれらの肩書は慣習上の呼び方であって、明確な定義があるわけではなく、各事務所によって様々な用いられ方をしているからです。

今回は、弁護士の役職であるアソシエイト・パートナー・カウンセルについて、実際に法律事務所ではどのような立場にいるのか、それぞれの意味や違いについて紹介しています。

そして、職務内容や年収、さらにキャリアアップのためのモデルプランを知り、弁護士としてのキャリア設計について実際に考えていきましょう。

この記事を読めば、具体的に思い描くことのできなかった司法試験合格後の人生設計を考え始めることができるようになりますよ!

法律事務所で勤務しない、最近注目される「インハウスローヤー」については、こちらの記事をご覧ください。

インハウスローヤーとは?就職方法や業務内容、必須スキルを紹介!

1.アソシエイト弁護士とは?

アソシエイト弁護士とは、パートナー弁護士の部下として働く弁護士のことをいいます。

事務所ごとにそのポジションは異なりますが、若手弁護士、新人弁護士が就任する最初のポジションといえます。

そして、弁護士としての勤務年数に応じて、実務経験5年以内をジュニア・アソシエイト、5年以上をシニア・アソシエイトと呼ぶこともあります。

一般的にはこのように区別されますが、法律事務所ごとに区別の基準も異なり、実際上、区別自体にそもそもの意味がないといえる場合も多くあります。

もっとも、このようにアソシエイト弁護士は法律事務所に所属する弁護士ですが、会社員のような雇用形態ではなく、あくまで個人事業主であることには注意が必要です。

(1)アソシエイトの職務内容

アソシエイトは、大規模法律事務所(数百人規模の事務所)の場合、パートナーの補佐など先輩弁護士とともに仕事をすることで経験を積むことがメインとなり、単独で仕事をすることはあまり多くありません。

そのため、契約書のファーストチェックや案件スケジュールの管理、訴訟書面等の準備など、事務的な作業が多いという特徴があります。

他方、中小規模法律事務所(1人から数人、数十人規模の事務所)の場合、パートナーとの仕事のほか、アソシエイト個人が仕事を引き受けることも多々あります。

そのため、大規模法律事務所のアソシエイト弁護士と同じように事務作業を行うこともあれば、個人受託した案件について、調査したり、書面などの準備を行うなど弁護士として1人で活動することもあります。

したがって、大規模法律事務所であれば専門性をもった先輩弁護士やパートナーの背中を追いかけることができる一方、中小法律事務所の方がさまざなな経験をすることができるため早い段階で1人で仕事をするようになります。

すなわち、その後のキャリアを考えた場合、プロフェッショナルを目指すのであれば前者ジェネラリストを目指すのであれば後者のほうが向いているという傾向があります。

最初に入所する事務所の規模や取り扱い業務は、その後のキャリアプランにも大きく影響するため、まずはどのような弁護士像を目指すのかを明確にしておきましょう。

(2)アソシエイトの年収

では、気になるアソシエイトの年収について見ていきましょう。

アソシエイトの年収は法律事務所ごとに異なるので一概にはいえませんが、おおむね600万円前後です。

これはあくまで中央値として考えれる年収であって、個々人によって大きく異なります。

たとえば、キャリアプランとしてのちほど解説するような、五大法律事務所に就職した場合には、初年度から1000万円を超えた年収を期待することもできます。

五大法律事務所とは、西村あさひ法律事務所、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、長島・大野・常松法律事務所、TMI総合法律事務所、森・濱田松本法律事務所(順不同)をいいます。

アソシエイトの年収はおおよそ600万円前後と紹介しましたが、これは初年度の年収の中央値であって、経験年数や固定給のみならず歩合制支給の事務所である場合には、年収がまったく異なり、5年も経てば800万円前後まで増加することもあります。

また、弁護士会費を事務所が負担するのか否か、個人受注案件の可否など、さまざまな条件によって収入は大きく異なります。

(3)アソシエイトになるためには?

アソシエイト弁護士になるためには、まずなによりも司法試験に合格し、法曹資格を得ることです。

そのうえで、司法修習生として就職活動をし、各法律事務所に採用され、アソシエイト弁護士として弁護士キャリアをスタートするということになります。

学部生やロースクール生の方であれば、法律事務所のインターンに参加しておき、司法修習が始まる前に事実上の内定を得ておくという手もあります。

司法修習はどの地域で行うか直前までわからず、場合によっては就活に大きなコストがかかることになるため、早いうちに内定を得ておくことで経済的・心理的に安心できるといえるでしょう。

法律事務所でのインターンについては、こちらで詳しく紹介しています。

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2.パートナー弁護士とは?

パートナー弁護士とは、法律事務所における所長以外の者で、共同経営者として働く弁護士をいいます。

イメージとしては、会社の役員といった感じでしょうか。

五大法律事務所などの数百人規模の弁護士が所属するような大手事務所には、必ずといっていいほどパートナー弁護士がいます。

このパートナーという呼び方は弁護士業界の慣習的な呼び方ですが、コンサル業界でも同様の使われ方をしていることもあり、最近では一般的にも認知されるようになってきました。

パートナーもまた、勤続年数や業務評価に応じてジュニア・パートナー、シニア・パートナーと分かれている場合があります。

これらの区別については、海外ドラマ「SUITS」の影響もあって、一般にもよく知られるようになりました。

それでは、以下からはパートナー弁護士の実態について紹介していきます。

(1)パートナーの職務内容

パートナー弁護士の職務内容としてまず挙げるべきは、共同経営者であることから、やはり法律事務所の経営事務です。

法律事務所には所長としての、いわゆるボス弁がいますが、パートナー弁護士もまた経営者であることには代わりがなく、アソシエイトとは異なり、弁護士を雇う側の弁護士という立ち位置にあります。

そのため、法律事務所の運営に関することが職務の大半を占める場合が多いようです。

たとえば、顧客や顧問企業の獲得等の営業関連、アソシエイト等の新人採用をする人事関連、マスコミ対応等の広報関連などが職務の一例です。

もっとも、パートナーもまた弁護士であることには変わりがないので、事務所にとって重要な案件や高額依頼にはパートナー自らが担当することもあります。

特に、専門的知識が求められる社外取締役への就任や、各種団体への顧問としての参加は、パートナーに就任してからの場合が多いようです。

(2)パートナーの年収

それでは次にもっとも気になるのであろうパートナーの年収について見ていきましょう。

しかし、残念ながらパートナー弁護士の年収については、共同経営者であることからも特に具体的数字を出すことが困難です。

なぜなら、経営者であるため法律事務所からの収入は年俸制などの固定給ではなく、その法律事務所があげた収益に比例し、その分配によって報酬という形で収入を得ることが一般であるからです。

たとえば、年収数千万円の場合もあれば、数億円という年収を得るパートナー弁護士も存在します。

いずれにせよ、このように年収の面でみれば、やはりアソシエイトに比べ、パートナーの年収は大きく上昇する傾向にあります。

(3)パートナーになるためには?

では、実際にパートナー弁護士になるにはどうしたらよいのでしょうか。

その方法は、大きく2つに分けられます。

#1:アソシエイトからパートナーへ

パートナー弁護士になるためにまず考えられる方法としては、アソシエイト弁護士から出世する方法です。

この場合には、まずパートナー弁護士が複数在籍するような大規模法律事務所にアソシエイト弁護士として採用される必要があります。

たとえば、五大法律事務所のいずれかへの就職を考えてみましょう。

五大法律事務所は採用人数も多く、所属弁護士数が多いため、少人数の法律事務所に比べ、採用されるのが簡単に思えるかもしれません。

しかし、弁護士業界は、少人数事務所がむしろスタンダードであり、大規模事務所というのはとても稀有な存在です。

そして、五大法律事務所ともなれば、年収や知名度の点から人気が高く、司法試験合格者でも上位合格者という極めて能力の高い法曹資格者でなければ採用されることすら困難と言わざるを得ません。

さらにそこから同期アソシエイト弁護士たちとの競争に打ち勝ち、生き残った者のみがアソシエイトからパートナーへと出世することができるのです。

#2:事務所の立ち上げ

次に考えられる方法としては、自ら法律事務所を新規開業し、共同経営者であるパートナー弁護士という地位に就くという方法です。

この方法は、単純で、新規開業の法律事務所発足に際して、出資をし、事務所の共同経営者としてパートナー(あるいは、いわゆるボス弁)になります。

自ら事務所を立ち上げた場合、ゼロからのスタートになるため経営等に対する自由度が高い一方、一般的には経営基盤や営業基盤がない状態から経営を開始することになるため、より経営者としての手腕が問われることになります。

3.カウンセル弁護士とは?

カウンセル弁護士とは、多くの場合、雇用されている点ではアソシエイト弁護士と同じですが、それとは区別され、事務所内でも重要なポジションを与えられている者をいいます。

近年、増えつつあるポジションで、明確な定義がなく、肩書が同じであったとしても法律事務所ごとに全く同じポジションとは言えない場合もあります。

そのため、アソシエイトでもなく、パートナーでもないが、事務所内において一定の重要ポジションを任せられている者と捉えれば十分です。

(1)カウンセルの職務内容

カウンセルが担当する職務内容は、その個々人の職務形態等によって異なります。

たとえば、事務所内で多くの時間を取ることができない法曹資格者であれば、契約書のチェック、法律問題のリサーチ、各種資料作成を担当します。

また、弁護士としてある程度のキャリアがある場合には、若手アソシエイトを指導等を行うこともあります。

実務家としてではなく、法学者等が弁護士資格を取得してカウンセルに就任する場合もあります。

このような場合には、法的理論が非常に複雑で難解な事案や、未だ判例や学説の蓄積のない未知の分野での活躍が期待されます。

このようにカウンセルは、法律事務所内でも他のアソシエイトやパートナーとは異なるポジションであって、個人の能力や事情によって全く異なる職務を内容とします。

(2)カウンセルの年収

多くの法律事務所では、各々の能力ごとに年収を査定するため、カウンセルごとに全く異なる報酬制度になります。

例えば憲法学者がカウンセルとして参画した場合、憲法訴訟はそう多く行われるものではないため、事務所がそうした事案をどの程度取り扱うのかによって収入は大きく変動します。

とはいえ、高度の専門性や学識を評価され、時間単位でみればアソシエイト(場合によってはパートナー)よりも報酬が高くなる傾向にあります。

もっとも、大学等での研究や子育て等さまざまな事情でフルタイムでの稼働が難しい場合など、カウンセルという立場であっても他のアソシエイトやパートナーと同等の年収となる場合もあります。

(3)カウンセルになるためには?

カウンセルになるのは、学者や、法曹資格を有していないが元各省庁等の行政官である者、弁護士業務以外にも高い専門性を有している者、引退したパートナーなどが多いようです。

そのため、最初からカウンセルを目指すというよりは、弁護士業務以外に高い専門性を備えた人が結果的にカウンセルになるといったケースが多くみられます。

もっとも、法曹資格者であって、弁護士として働いていたが、育児等の事情によって、今まで通りのように働くことができなくなった場合に「カウンセル」として採用をする法律事務所も近年現れ、弁護士としての雇用形態の多様化が進んでいます。

4.弁護士としてのキャリアプラン

ここまでは、弁護士としての働き方について、アソシエイト・パートナー・カウンシルを例に挙げて具体的に紹介してきました。

それでは最後に、これから弁護士を目指すという方に向けて、弁護士としてのキャリアプランの一例をご紹介します。

こうしたキャリアを積むためにはどうすれば良いのか、以下から具体的に検討してみましょう。

皆さんの年齢やこれまでのキャリアに応じて、これからのプランを考える際のベースとしていただければと思います。

(1)第1の関門:司法試験合格・就職

上にキャリアプランのフローを掲示しましたが、実際のところ、これはレアケースであるといわなければなりません。

まず、大学在学中に予備試験に合格し、そのまま司法試験にも合格するということ自体が非常に困難であり、多くの場合は法科大学院を経由し、司法試験合格を目指します。

そのため、法科大学院卒業後すぐに司法試験に合格したとしても上記のプランから2年若しくは3年遅れることになります。

しかし、大手法律事務所への就職を目指す場合には、出来る限り大学在学中の予備試験および司法試験をパスするか、法科大学院を経由する場合には司法試験に上位合格することが望ましいといえます。

もちろん、司法試験の成績と実務での能力は必ずしも一致するわけではありませんが、「実務家登用試験」とも評される司法試験への上位合格は、倍率の高い大手事務所を目指すのであれば必須のものとなってきます。

(2)第2の関門:就職から留学まで

大手法律事務所であれば、就職して5年程度勤続すると、主に米国NY州などの海外の大学院(ロースクールやビジネススクール)への留学支援が行われます。

海外の大学院では軒並み高額な入学費用や学費が必要ですが、これらの費用を事務所が負担するとともに、現地の提携事務所でインターン等として働くことによって給与収入を得ることさえできます。

外国の弁護士資格やMBAを取得することによって、渉外案件や国内で判例の蓄積のない先端分野での業務に携わることができるようになり、その後のキャリアに飛躍的な進歩をもたらします。

しかし、一般に大規模弁護士事務所は肉体的にも精神的にもとても激務であることが知られており、留学支援が始まるまでの5年間を勤続することも簡単ではありません。

多くの場合にはそれまでの間に、あまりの過酷さから他の事務所に移動したりインハウスローヤーとして企業に就職すると言われています。

(3)第3の関門:帰国後

さて、新人として就職して厳しい日々を戦い、留学をこなして無事に帰国してくると、今度は同様のルートを生き抜いてきた優秀なアソシエイト同士の熾烈な競争が待っています。

ここまで生き残っている弁護士たちはみな百戦錬磨の弁護士であるため、そこでさらに頭角を示し、シニアアソシエイトやジュニアパートナーへの出世を勝ち取ることは至難の業です。

他方、帰国を目途に今までの事務所を辞め、独立して自分の法律事務所を立ち上げたり、他の事務所にパートナーとして引き抜かれたり、インハウスローヤーとしてのキャリアを進むことも考えられます。

事務所にもよりますが、留学後の短い期間に事務所を退所すると、留学にかかった費用を返還しなければならない義務が生じることもあるため、事前にしっかりと確認する必要があります。

5.まとめ

今回は、アソシエイト・パートナー・カウンセルといった働き方について解説したうえ、ひとつの事務所で出世を重ねることをモデルとしたプランも提案しました。

弁護士としてのキャリアプランには、1つの法律事務所で出世を目指す以外にも、独立開業やインハウスローヤー等さまざまな選択肢があります。

昨今、弁護士人口の増加やAI技術の発達により、弁護士ニーズが低下していると指摘されることもありますが、現代社会にまだ顕在化していないが弁護士にしか対応できないリーガルサービスも確実に存在します。

そうした弁護士としてのフロンティアを開拓するために、専門分野についての案件を受託するような法律事務所を開業することや、ベンチャー企業にインハウスローヤーとして転職することも魅力的なキャリアプランです。

あるいは、弁護士の都市部集中に意義を唱え、思い入れのある土地で街の法律家としてジェネラリストとして活躍することも非常に有意義な弁護士人生でしょう。

弁護士は職務範囲が広く、自由な働き方をすることができるため、少ない選択肢や「理想的な」キャリアプランに縛られず、弁護士として行い得るさまざまな形態や職務内容について考えながら、自分なりのプランを考えましょう。

スタートアップドライブでは、インハウスローヤーや弁護士の就職関連記事など、弁護士のキャリア設計について皆さんの役に立つ知識をこれからも提供していくので、ぜひ定期的にチェックしてみてください!

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