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ネットで誹謗中傷や名誉棄損をされた!発信者情報開示や犯人を特定する方法は?

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女子プロレスラーの木村花さんがネットの誹謗中傷が原因で亡くなるという痛ましい事件が起き、それに対して多くの芸能人たちも誹謗中傷に対して意見をするなど波紋を呼んでいます。

「誹謗中傷」がネット沸騰 芸能人たちが多数反応

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202005230000788.html

面白半分で投稿している人もいればそれを間に受けてしまう人もいる、SNSやインターネット上のコミュニケーションだと相手の顔が見えないからこそ言いたいことが言えてしまいます。いい面もあれば悪い面もあるのは明らかです。

インターネット上の誹謗中傷問題における最大の難点は、相手が匿名であるケースが大半であることです。
また、相手の本名や住所がわからない以上、法的に相手を取り締まることも、慰謝料を請求することもできません。
このことから、ネット上の誹謗中傷問題を解決するためには、匿名の加害者を特定することが最も重要なのです。

Twitterで誹謗中傷された!」
「ネットの掲示板にプライバシーが暴露されている」

このようにお困りの方はいらっしゃいませんか?

Twitterやネット掲示板は匿名性が高い一方、伝播性が非常に高いため、一度誹謗中傷的な書き込みがなされると一方的な被害を受けてしまいます。

ところが、運営会社やプロパイダ―に削除の依頼や書き込みをした人に関する情報の開示請求をしようとしても、書き込んだ側の個人情報も保護する必要があるため、簡単に情報を教えてくれるわけではありません。

しかし、ネットでの誹謗中傷は明確な犯罪行為です。
今回、この記事では、誹謗中傷をした匿名の加害者を特定するための正しい手続きや情報開示、加害者の責任の追及について詳しく解説します。

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この記事を読めば、加害者を特定し、投稿の削除や責任追及をするための流れが分かるようになります!

1.どのような投稿が名誉棄損的表現なのか?

ここでは、どのような投稿が、名誉毀損罪の要件や名誉毀損的表現に該当してしまうのかについて説明します。
名誉毀損とは、個人や法人の名誉を毀損するような事実を公然と適示した場合、成立する可能性がある罰則です。


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つまり、名誉毀損表現とは、不特定多数の目に触れる公然の場(インターネット上も含む)で、「AはBと不倫している」「C社は多額の脱税をしている」などの具体的な事例を挙げて個人の社会的評価を下げる表現を行うことです。

また、名誉棄損の要件に個人や法人の名誉を毀損するような事実を公然と適示した場合とありますが、この場合の「事実」とは、必ずしも真実である必要はなく、名誉を侵害する表現である以上、噂や風評であっても該当します。

(1)名誉棄損表現に該当する具体的事例

下記で、名誉毀損に関する実例を掲載するので、該当する方は、早めに弁護士へ相談する必要があります。

  1. ネット掲示板で実名を掲載され、「この人物は数年前に犯罪歴がある」と公表された場合。
  2. インスタグラムに告訴状など相手の社会的地位を下げる可能性のある書類の写真を投稿された場合。
  3. 飲食店の実名をツイッターに挙げて「この店は接客も最悪で、料理もまずい」と投稿された場合。
  4. 会社内のチャット上で上司が部下を執拗に「アホ」「バカ」などと罵られた場合。
  5. Twitterで本人以外に勝手になりすまされた場合。


①や②のケースは名誉毀損の実例としては、わかりやすい事例です。
名誉毀損的表現の要件にそのまま該当する内容となります。

③のケースですが、こちらは名誉毀損罪に該当するだけでなく、業務妨害罪として訴えられる可能性がある事例です。
店舗や法人などが誹謗中傷の被害を受け、売上などが著しく低下した場合、業務妨害罪として多額の損害賠償を請求される可能性があります。

④のケースも名誉毀損的表現ではありますが、「バカ」「アホ」など漠然とした悪口を繰り返した場合、侮辱罪に該当する可能性があります。具体例で挙げたような「アホ」「バカ」などの悪口は、「事実」を示しているわけではないので、厳密に定義すると名誉毀損罪ではなく侮辱罪に該当します。
なお、罰則としては、名誉毀損罪の方が社会的地位を低下させる可能性が高いとされており、一般的に侮辱罪の方が罪状が軽くなる傾向があります。

⑤のなりすましによって、あたかも本人が操作しているように装ったアカウントを作ることは名誉毀損に該当し、投稿した内容自体はもちろんのこと、「なりすまし行為」自体にも名誉棄損が成立する可能性があります。
また、なりすまし行為に関連して、「捨て垢」と呼ばれる匿名性が高いアカウントを多数作って誹謗中傷をする行為も問題となる行為です。

上記で説明した「名誉毀損罪」「業務妨害罪」「侮辱罪」は全て刑事上の責任と、民事上の責任を両面から追求できます。
一方で、住所や電話番号などの個人情報がネット上に書き込まれた場合は、名誉毀損ではなく、プライバシー権の侵害が該当します。
これらの情報は、個人情報ではありますが、必ずしも相手の社会的地位を低下させるような内容ではないためです。
なお、プライバシーを侵害された場合は、刑事上の責任は追求されませんが、民事上の責任は追求されるため、慰謝料などを請求される可能性があります

(2)名誉棄損表現であっても違法性がない場合

ここまで、名誉毀損罪や名誉毀損的表現に該当する事例について詳しく解説しました。

一方、受け取り側が名誉毀損だと思っても全てが法的にも名誉毀損として違法となるわけではなく、名誉棄損表現であっても、例外的に、違法性がないと判断される場合があります。

刑法230条の2第1項は、次のように規定しています。

刑法230条の2第1項

本文(名誉棄損の)行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

同条は個人の名誉と正当な言論の保証との調和を図るために創設された規定です。

なお、内容が真実ではなかったとしても、投稿者がその事実を真実であると誤信し、その誤信したことについて確実な資料・根拠に照らし相当の理由がある場合にも犯罪が成立しないとされています。

(3)リツイートであっても名誉棄損になる可能性もある

Twitterで自らのアカウントで名誉棄損表現をした場合はもちろんのこと、他人のツイートをリツイートした場合であっても、名誉棄損について法律上の責任を負う場合があります。

リツイートによる名誉棄損に対する損害賠償請求の可否が争われた事件において、大阪地裁(令和元年9月12日判決)は以下のように判示しています。

大阪地裁令和元年9月12日判決

他者の元ツイートの内容を批判する目的や元ツイートを他に紹介(拡散)して議論を喚起する目的で当該元ツイートを引用する場合、何らのコメントも付加しないで元ツイートをそのまま引用することは考え難く、投稿者の立場が元ツイートの投稿者とは異なることなどを明らかにするべく、当該元ツイートに対する批判的ないし中立的なコメントを付すことが通常であると考えられる。
したがって、…前後のツイートの内容から投稿者が当該リツイートをした意図が読み取れる場合など、一般の閲読者をして投稿者が当該リツイートをした意図が理解できるような特段の事情が認められない限り、リツイートの投稿者が、自身のフォロワーに対し、当該元ツイートの内容に賛同する意思を示して行う表現行為と解するのが相当である。

ただし、この判決に対しては「Twitterの実態に即していない」などの批判も多く、今後の訴訟展開次第では裁判所による判断が覆る可能性もあります。

2020年6月23日、大阪高裁は一審判決を支持し、リツイートの経緯や意図、目的を問わず、名誉毀損による不法行為責任を負うとの判断を示したうえ、被告の控訴を棄却しました。

2.民事責任と刑事責任の違いは?

インターネット上で名誉棄損や誹謗中傷的な表現がなされた場合、法的には刑事上の責任と民事上の責任のいずれも追及できる可能性があります。

これら両者の関係について誤解されている方も多いので、以下からはそれぞれの内容について説明します。

なお、これら両者の関係は完全に独立しているため、両方または一方のみを追求することも可能です。

(1)刑事責任

ネット上での名誉棄損的表現をした加害者に対しては、名誉棄損罪(刑法2301項)または侮辱罪(同231条)などが成立する場合があります。

したがって、書き込みの内容がこれらの罪に該当する場合、逮捕・起訴といった刑事手続きを経て、罰金や懲役といった刑事罰が科される可能性もあり、刑事責任を追及したい場合には、警察署で被害届・告訴状を提出します。

なお、この際、証拠や民事責任を追及していることを証明する証拠(判決書など)をともに持参すると、警察による捜査がよりスムーズに行われる傾向があります。


また、名誉毀損的表現で抵触する可能性のある主な法律と罰則の目安は、以下の通りです。

  1. 名誉毀損罪
    3年以下の懲役/50万円以下の罰金
  2. 侮辱罪
    拘留(1日以上30日未満の収監)/科料(1,000円以上1万円未満の納金)
  3. 脅迫罪
    2年以下の懲役/30万円以下の罰金
  4. 業務妨害罪
    3年以下の懲役/50万円以下の罰金

となります。

(2)民事責任

ネット上に名誉棄損等の表現がなされた場合、民法上の不法行為(民法709条)が成立する可能性があります。

民法上の不法行為制度とは、他人の行為によって権利を侵害された者(被害者)が、その他人または他人とかかわりのある人(事業主など)に対して、侵害からの救済を求めることができる制度のことです。

名誉棄損等の表現がなされた場合、救済の手段としては、主に

  1. 慰謝料請求
  2. 投稿の削除
  3. 謝罪広告の掲載

の三種類が考えられます。

なお、民事責任を追求する制度の一つとして慰謝料請求が該当しますが、以下は各制度ごとの慰謝料の目安です。

  1. 名誉毀損
    10〜50万円前後(一般人)/50〜200万円前後(有名人)
  2. 侮辱罪
    10〜50万円前後
  3. 業務妨害(事業主)
    100万円以内
  4. プライバシー権の侵害
    5〜10万円(一般人)/50〜1000万円(著名人)

上記がおおよその慰謝料の目安です。
民事責任で争われる慰謝料や損害賠償は、被害状況や社会的影響によって左右されるます。
また、示談交渉で成立した場合は目安よりも安い金額となり、逆に相手が自殺しまった場合などは請求される金額が非常に高額になる傾向があるといえます。

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3.発信者情報開示請求の流れ


ここまでの解説では、どのような行為が誹謗中傷に該当し、誹謗中傷を行った相手にはどのような罰則や金銭的負担が課されるのかについて解説しました。

ここからは、インターネット上で発生する誹謗中傷事件を解決する上で最大のポイントである「匿名である加害者の特定」について集中的に解説します。

例えば、民事上の責任追及として慰謝料を請求する場合、通常はまず内容証明郵便を相手方に送付しますが、相手方の氏名や住所が分からなければ送付の仕様がありません
そのため、加害者に罰則を課したり慰謝料を請求する場合は、発信者(投稿者)の氏名や住所などを特定する必要があります。

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発信者情報開示は、ネット上で発生する犯罪の対策として一番重要です。

しかし、twitterなど氏名を明記していないSNSやネット5ちゃんねるなどの掲示板の場合、相手の特定は困難を極めます。

発信者情報開示請求の第一段階は、サイトの運営者等に対し、任意に発信者情報の開示に応じるようメール等で問い合わせを行うことです。
ところが、発信者が明らかに不法行為の加害者であったとしても、表現の自由やプライバシー権による保護の対象となるため、運営会社等に開示請求をしても直ちに応じてくれるわけではありません。

任意に情報の開示が行われなかった場合には、以下に述べる法的な手続きへと移行します。

(1)発信者情報開示の仮処分を申請

被害者は、サイトの運営者等に対し、発信者情報開示を行う仮処分命令を裁判所に申立てることができます(民事保全法232項)。

仮処分の申立てをする際には、裁判所が判断を行うための資料となる証拠(疎明資料)を提出しなければなりません(同13条)。

そのため、この段階までに、名誉棄損等の表現がなされた書き込みをプリントアウトしたものなどの証拠を収集しておく必要があります。

また、発信者情報の開示請求が認められるためには、以下の2つの要件を充たす必要があります。

・被保全権利があること
・保全の必要性があること

発信者情報の開示について定めたプロパイダ責任制限法4条1項は、「開示請求者の権利が侵害されたことが明らかなとき」に限り、開示請求ができるとしています。

そのため、開示請求を行う際には名誉権やプライバシー権、営業権などが侵害されていることを裁判所に疎明する必要があります。

また、投稿された内容が一般人の感覚からして明らかに名誉権などを侵害しており、このまま放置するべきではないという「保全の必要性」も、請求者側が疎明しなければなりません。

これらの疎明資料をもとに仮処分命令が下されると、サイト管理者等から発信者のIPアドレスやタイムスタンプなどの情報が開示されます。

(2)発信者情報消去禁止の仮処分を申請

上の手続きによって発信者のプロパイダが明らかになると、次はプロパイダに対して投稿者の情報を削除しないように「発信者情報消去禁止」の仮処分を行います。

これは、プロパイダは投稿情報を定期的に削除するため、発信者の情報まで削除されないようにするための申立てです。

こちらも先ほどと同様、裁判所に対する仮処分の申立てのため、被保全権利の存在と保全の必要性を疎明する必要があります。

(3)発信者情報開示の訴訟を提起

発信者の使用したプロパイダ等が明らかになり、プロパイダ等に対する情報消去禁止の仮処分まで認められたら、最後にプロパイダ等に対する発信者情報開示請求を行います。

この場合に用いられる手段はここまで用いてきた「仮処分の申立て」ではなく、通常の民事訴訟手続きとなります。

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4.情報開示をする際の注意点2つ

ここまでは、インターネット上で名誉棄損等の表現をされた場合の情報開示の方法や、民事・刑事上の責任追及の方法について紹介してきました。

以下からは、これらの手続きを行う上での注意点を2つ紹介します。

法的な手段を用いる場合には、これらの点に注意して行うようにしましょう。

(1)証拠の保全をする

名誉棄損等の表現をされた場合、まず何よりも証拠の保全を行うようにしましょう。

インターネット上の情報はすぐに削除されてしまうおそれがあるため、書き込み等を見つけた場合には直ちに保全を行うようにしましょう。

民事上の手続きにおいて、裁判所を通じた手段を用いる場合には自ら証拠を提出する必要があります。

証拠の保全を行う場合、①画面を印刷する、②画面をスクリーンショットで保存する、の2通りの方法があります。

ただし、いずれの場合であっても、投稿先のURLと記録した時間が印刷ないし保存されるように設定してください。

また、問題となる投稿だけでは責任追及の対象となる書き込みかの判断が難しくなるため、掲示板やTwitter等であれば、前後の投稿も同時に保存するようにしましょう。

(2)専門家に依頼する

名誉棄損等の表現をされ、投稿者の特定や責任追及を考えている場合、なるべく早い段階で弁護士などの専門家へ相談することをおすすめします。

上に述べた法的手続きは弁護士に依頼せずに自力で行うこともできますが、法的な専門知識や経験が必要な場合もあります。

また、インターネット上の情報はすぐに削除されてしまうおそれがあるため、できる限り早めに相談するようにしましょう。

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5.誹謗中傷・名誉毀損の簡易診断

今回はインターネット上で名誉棄損等の表現をされた場合の各種手続きについて紹介しましたが、自力で法的手続き行うことはなかなか難しいため、スタートアップドライブでは専門家の相談窓口を用意しています。

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※診断ツールご利用にあたっての注意

本診断ツールは、オンライン上でなされた誹謗中傷等の不法行為該当性について、あくまで簡易的にチェックするものであり、刑法上の強要罪・偽計業務妨害罪・威力業務妨害罪は除外してあります。また、公人や故人に対する名誉毀損罪等の成立範囲については特に個別事情を判断する必要があるため、診断ツールでは違法性なしと判断しています。どのような発言が不法行為に該当するかは、当事者間の関係や前後の文脈等を総合的に考慮して判断されます。したがって、本診断ツールをご利用になられるにあたっては、あくまで参考程度にするにとどめ、具体的事案についてはお問い合わせフォームからご連絡ください。

 

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Seven Rich法律事務所 代表弁護士弁理士