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【新規上場企業分析】プレミアアンチエイジングのIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

プレミアアンチエイジングの概要

プレミアアンチエイジングの基本情報

はじめに、プレミアアンチエイジング株式会社の基本情報を紹介します。 上場予定日は2020年10月28日、市場はマザーズ、想定時価総額は291.5億円です。

会社名 プレミアアンチエイジング株式会社
設立日 2009年12月1日
上場日 2020年10月28日(承認日:2020年9月24日)
市場 マザーズ
証券コード 4934
業種 化学
決算期 7月
ホームページアドレス https://www.p-antiaging.co.jp/
発行済株式総数 8,000,000 株(2020年9月24日現在)
上場時発行済株式総数
8,700,000 株

※公募分を含む。
※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。
公募株数 700,000 株
想定価格 3,350円
想定時価総額 291.5億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
資本金 15,000 千円(2020 年 9 月 24 日現在)
1単元の株式数 100 株
監査人 EY 新日本有限責任監査法人
主幹事証券会社 野村證券
引受幹事証券会社
SMBC日興証券
みずほ証券
SBI証券
楽天証券
岩井コスモ証券
岡三証券
東洋証券

プレミアアンチエイジングの沿革

プレミアアンチエイジング株式会社は、2009年に東京都で創業しました。
アンチエイジングを目的とした「DUO」クレンジングなどの販売を中核に事業を運営しています。

2009年12月 東京都港区虎ノ門において資本金500万円でプレミアアンチエイジング株式会社を設立
2010年2月 化粧品ブランド「DUO」を創出
2010年2月 「ザ クレンジングバーム」の発売開始
2011年10月 化粧品卸売業者と代理店契約を締結し、バラエティショップをはじめとした小売店への販売を開始
2012年7月 本社を東京都港区六本木に移転
2017年7月 資本金を1,500万円に増資
2019年4月 「DUO」の姉妹ブランドとして新ブランド「CANADEL」を創出
2020年3月 本社を東京都港区虎ノ門に移転

プレミアアンチエイジングの事業内容

プレミアアンチエイジングは、「人の時間解き放つ。」を理念に掲げ、「DUO」及び 「CANADEL」という2つの化粧品ブランドの開発・製造・販売を主要事業として展開する企業です。 アンチエイジングの事業モデルの特徴は、マーケティングと製品開発に経営資源を集中させ、実際の製造や販売を外部に委託することで経営効率の高いビジネスモデルで業務運用が行われている点です。

以下の図は、プレミアアンチエイジングを中心とした事業系統を表した図です。 プレミアアンチエイジングの事業系統図

① 主要なブランド 

プレミアアンチエイジングでは、「DUO」、「CANADEL」という2つのブランドをアンチエイジング効果のある化粧品として展開しています。
各ブランドの詳細は以下の通りです。

「DUO」ブランドシリーズ

  1. ブランドコンセプト
    「肌細胞が本来持つ自己回復力。まずそれを養わなければ、美は長続きしません。肌にとって自然であること。 科学に基づいた先端技術。どこまでも求める、やさしさと強さ。DUOは、この2つの高次元バランスの融合でアプ ローチします。だから実現しました。美の土台力が、違う。一生輝きつづけたいあなたへ。いま、肌に眠っていた美が、再び動き出します。」
  2. 取扱い製品
    ブランドを牽引する製品は2020年4月時点においてシリーズ累計販売個数1,500万個を突破したメイク落とし用化粧品「ザ クレンジングバーム」シリーズです。
    2019年7月期における売上構成比は89.3%を占めており、主要な売上を形成しています。
「DUO」シリーズ

「CANADEL」ブランドシリーズ

  1. ブランドコンセプト
    「毎日の食事も、服も、メイクも。私がイキイキと輝いていられるものが欲しい。自分の目を信じて、本当に私 が必要なものだけを選ぶ。そんな出会いにポジティブな大人の女性のブランド、CANADEL。確かなエビデンスに支 えられた、こだわりの素材と成分で、素肌に、髪に、生き方に、次々と驚きのアプローチを仕掛けていきます。」
  2. 取扱い製品
    「CANADEL」からは、2019年4月のブランド創出時に発売した製品は、「プレミアホワイト オールインワン」及び「プレミアリフト オールインワン」の2製品がリリースされており、現在も「CANADEL」ブランドの主力製品となっています。

    この2つの製品は、オールインワン利用者が増えている中で、”妥協や手抜きの罪悪感なく、肌悩みをケアするためにあえて使いたいオールインワンを開発するという軸で製品化に至りました。

② 事業モデル

プレミアアンチエイジングの製品は、「通信販売」「卸売販売」「その他」の3つのチャネルを利用して販売されています。

  1. 通信販売
    通信販売は、創業時から取り組間れている主力の販売形態であり、2019年7月期における売上構成比は、81.3%となります。

    自社ECサイトを利用した販売が行われており、販売手法は、1回の注文ごとに販売する「都度販売」、一定の間隔で同様の製品を継続的届ける「定期販売」の2つの方法が運用されています。

    特に、「定期販売」の手法は、発送や決済処理が定期化することで事務作業が効率化できることや、安定した売り上げを確保することができるストック型のビジネスモデルであると認識されています。

    また、顧客に対しても都度商品を購入する手間が省けることや都度購入より割安に購入できるなどのメリットがある手法であり、通信販売売上高に占める定期販売は、2019年7月期で約90%となっており、定期販売数は毎年堅調に増加している傾向です。


    新規顧客の獲得に関しては、主にネット広告を利用したマーケティングが運用されていますが、 定期的なメール送付や、会員向け会報誌「the Beauty」の送付なども活用し、追客や休眠中の顧客の掘り起こしなどにつなげています。


  2. 卸売販売
    プレミアアンチエイジングでは、2011年10月から、販売チャネルの強化として化粧品卸売業者と代理店契約を締結し、バラエティショップをはじめとした小売店への販売を開始しました。

    2018年10月からは、卸売販売専用の部署を新設し、チャネル拡大を積極的に進めた結果、卸売販売による売上が急増し、卸売業者経由で商品を配荷している小売店の数は11,961店となりました。(2020年4月時点)


  3. その他
    「その他」の事業モデルには、Amazonに出店することで行われる小売や海外において展開される販売が該当します。

    特に、中国を中心としたアジア圏での日本の化粧品は定評があり毎年輸出額が伸びている実態を背景に、中国、台湾、香港への販売を行われています。 なお、2019年7月期におけるこの販売チャネルの売上構成比は 2.4%です。

有価証券報告書情報

経営指標(過去2期分)

第10期の連結の業績は以下の通りです。

  • 売上高:119.3億円(前年比+139.8%)
  • 経常利益:2.4億円(前年比+67.4%)
  • 当期純利益:1.7億円(前年比+82.6%)
第9期 第10期
決算年月 2018年7月 2019年7月
売上高(千円) 4,975,241 11,929,294
経常利益(千円) 140,892 235,860
当期純利益(千円) 95,480 174,339
純資産額(千円) 132,088 306,428
総資産額(千円) 1,595,832 3,045,723
自己資本比率 8.28% 10.06%
営業キャッシュフロー(千円) 67,369 △238,938
投資キャッシュフロー(千円) △41,131 △54,396
財務キャッシュフロー(千円) △135,900 692,498
現金・現金同等物の期末残高(千円) 313,399 712,562
従業員数 24人 47人

 

経営指標(過去5期分)

5期の業績を見ると、売上は14倍以上の増加を見せています。

また、利益に関しても、概ね右肩上がりで進捗しており、第10期は過去最高の増収増益を達成しています。 また、第8期には一時的に純利益が一時的にマイナスで計上されていますが、その後黒字に転換しています。 なお、プレミアアンチエイジングの経営指標における注釈は以下の通りです。

  • 2017年7月25日付で、第三者割当増資により普通株式を200株発行し、資本金が10,000千円増加。
  • 2018年10月1日付で普通株式1株につき1,000株、2020年8月29日付で普通株式1株につき20株の割合で株式分割を実施。
  • 第8期は、決算期変更により2016年12月1日から2017年7月31日までの8ヶ月間となる。
第6期 第7期 第8期 第9期 第10期
決算年月 2015年7月 2016年7月 2017年7月 2018年7月 2019年7月
売上高(千円) 842,253 1,517,270 2,328,397 4,975,241 11,929,294
経常利益(千円) 11,601 10,610 4,664 140,892 235,860
当期純利益(千円) 3,590 7,704 △12,496 95,480 174,339
資本金(千円) 5,000 5,000 15,000 15,000 15,000
発行済株式総数 200 200 400 400 400,000
純資産額(千円) 21,400 29,104 36,608 132,088 306,428
総資産額(千円) 325,135 617,089 1,041,414 1,595,832 3,045,723
自己資本比率 6.58% 4.72% 3.52% 8.28% 10.06%
従業員数 13人 13人 20人 24人 47人

 

株主構成

上位10位までの株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
プレミアマネジメント株式会社 3,978,000 49.51% 90日間
松浦 清 3,700,000 46.05% 90日間
松浦 和子 180,000 2.24%
越智 恵美 120,000 1.49%
プレミアアンチエイジング従業員持株会 18,000 0.22%
外園 明美 12,000 0.15% 継続保有
河端 孝治 6,000 0.07% 90日間
戸谷 隆宏 6,000 0.07% 90日間
石田 美佳穂 4,000 0.05% 継続保有
小林 佑季 2,000 0.02% 継続保有

新規上場(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

想定価格は3,350円、吸収金額(調達額)は90.5と予想されています。

仮条件 未発表
公募・売出価格 未発表
想定価格 3,350円
初値
公募株数 700,000 株
売出株数 1,650,000 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 352,500 株
吸収金額(調達額) 90.5億円 (※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算)

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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