目次
きずなホールディングスの概要
きずなホールディングスの基本情報
はじめに株式会社きずなホールディングスの基本情報を紹介します。
上場日は2020年3月6日、市場はマザーズ、想定時価総額は75.8億円、上場時の時価総額は76.5億円でした。
会社名 | 株式会社きずなホールディングス |
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設立日 | 2017年6月1日(実質上:2000年7月4日) |
上場日 | 2020年3月6日(承認日:2020年1月30日) |
市場 | マザーズ |
証券コード | 7086 |
業種 | サービス業 |
決算期 | 5月 |
ホームページアドレス | https://www.kizuna-hd.co.jp/ |
発行済株式総数 | 3,394,235 株(2020 年 1 月 30 日現在) |
上場時発行済株式総数 | 3,444,235 株 ※公募分を含む。 ※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。 |
公募株数 | 50,000 株 |
想定価格 | 2,200円 |
想定時価総額 | 75.8億円(※上場時発行済株式総数×想定価格で計算) |
初値 | 2,220円 |
上場時時価総額 | 76.5億円(※上場時発行済株式総数×初値で計算) |
時価総額 | 56.7億(2020年9月3日現在) |
資本金 | 100,000 千円(2020 年 1 月 30 日現在) |
1単元の株式数 | 100 株 |
監査人 | 太陽有限責任監査法人 |
主幹事証券会社 | 野村證券 |
引受幹事証券会社 | みずほ証券 SBI証券 マネックス証券 楽天証券 いちよし証券 |
きずなホールディングスの沿革
きずなホールディングスは、2000年に設立された(旧)株式会社エポック・ジャパンを前身とした葬儀業を運営する企業です。
エポック・ジャパンは、複数回にわたる吸収合併を行い、2018年から、持株会社である「きずなホールディングス」の事業会社である「株式会社家族葬のファミーユ」として事業運営を行っています。
以下は、きずなホールディングスが誕生するまでの経緯を表した図になります。
また、以下の表では、前半では、2000年のエポック・ジャパンの創業から(株)家族葬のファミーユの沿革を記載し、後半では、きずなホールディングスの沿革について記載しています。
「エポック・ジャパン」の創業から「(株)家族葬のファミーユ」の誕生までの沿革 | |
2000年7月 | 東京都港区赤坂六丁目に、フランチャイズチェーンシステムによる葬儀葬祭業の経営等を目的として、資本金12,000千円で株式会社エポック・ジャパン設立、髙見信光が代表取締役に就任 |
2000年8月 | 従来の葬儀社にない明朗な価格サービス体系の葬儀社チェーン構築を目指し、「エポック」ブランドでのフランチャイズ加盟店募集を開始 |
2000年10月 | 綜合葬祭株式会社みやそう(本店・宮崎県宮崎市)にて、「ファミーユ」ブランド1号店の「ファ ミーユ大塚ホール」(宮崎県宮崎市)を出店 |
2001年10月 | 故人との最期の別れを親しい家族のみで営むことができる空間の提供を目的に、ブランド名称を 「家族葬のファミーユ」へと変更 |
2002年11月 | 東京都港区浜松町一丁目に本店移転 |
2004年10月 | 業務拡大により、東京都港区芝二丁目に本店移転 |
2005年3月 | フランチャイズよりも収益力の高い直営ホールの展開を進めるべく、綜合葬祭株式会社みやそうを M&Aにより吸収合併。宮崎県宮崎市内7ホール、千葉県松戸市内1ホール、千葉県船橋市内2ホ ールを直営ホールとする |
2006年12月 | 熊本県熊本市(現 熊本県熊本市東区) に「ファミーユ花立」出店、熊本市内にて直営ホール展開 を開始 |
2011年4月 | フランチャイジーのGEN株式会社(本社・北海道札幌市手稲区)が運営するホール建物設備一 式を取得、「ファミーユみなみ(現 ファミーユ川沿、北海道札幌市南区)」とし、札幌市内にて直 営ホール展開を開始 |
2013年4月 | 北海道エリアでの展開拡大のため、GEN株式会社の全株式を取得し完全子会社化 |
2013年9月 | 本店所在ビル建て直しのため退去し、東京都港区芝四丁目に本店移転 |
2014年2月 | 子会社経営合理化のため、GEN株式会社を吸収合併 |
2015年3月 | 自宅のような「空間」と家族がひとつになる「時間」を提案する新ブランド「邸宅型家族葬 弔家の 灯(とむりえのひ)」ブランド1号店を宮崎県宮崎市内に出店し、営業開始 |
2015年11月 | 株式会社アドバンテッジパートナーズ(本社・東京都港区)が運用受託するファンド所有の会社で ある株式会社AP51が、株式会社エポック・ジャパン株式の過半数を取得 |
2016年4月 | 株式会社AP51を存続会社として株式会社エポック・ジャパンを吸収合併し、同日付で株式会社AP51 は「株式会社エポック・ジャパン」に商号変更 |
2016年11月 | 愛知エリアでの直営ホール展開を目指し、株式会社エポック・ジャパンにて当社フランチャイジー の株式会社ファミーユ(本社:愛知県刈谷市)の葬儀事業を譲り受け、愛知県内の7ホールを取得 |
2017年6月 | 純粋持株会社として株式会社エポック・ジャパン・ホールディングス(現 当社)を株式移転により 設立、株式会社エポック・ジャパンは当社の完全子会社となる |
2018年4月 | 京都エリアでのサービス展開開始のため、株式会社花駒(本社:京都府相楽郡精華町)の全株式を 取得、「イマージュ」ブランドを含む京都府内の3ホールを当社グループ化 |
2018年6月 | 商号を「株式会社家族葬のファミーユ」へと変更 |
きずなホールディングスの沿革 | |
2017年6月 | 新株式会社エポック・ジャパンからの株式移転により、純粋持株会社として株式会社エポック・ジ ャパン・ホールディングスを設立 |
2018年6月 | 商号を「株式会社きずなホールディングス」へと変更 |
2020年3月 | 東証マザースへ上場 |
きずなホールディングスの事業内容
きずなホールディングスは「葬儀再生は、日本再生」を企業理念として、複数のブランドを全国に展開し葬儀業を運営する企業です。
売上区分によって事業領域が分割されており、「葬儀売上」部門と「仲介手数料収入」部門の大きく2つの事業区分によって業務運営がなされています。
きずなホールディングスの事業モデルは、葬儀業界にフランチャイズモデルやインターネット事業を組み込んだ特徴的な事業モデルであるといえます。
以下は、きずなホールディングスの主要な事業系統を表した図です。
① 「葬儀売上」部門
「葬儀売上」部門は、葬儀施行業を行い売上を計上する部門であり「直営モデル」と「委託モデル」の2つの形態によって、葬儀の運営や管理が行われています。
「直営モデル」で展開するか「委託モデル」で展開するかは、ホール建設などの初期投資の投資効率を踏まえたうえで選択されています。
また、葬儀のプランニングに関しては、顧客の予算や参列規模に合わせて複数のセット内容が用意されており、顧客と相談した上で規模感や予算に合わせたプランを選択できる形となっています。
- 直営モデル
きずなHDは、直営ホールで行う葬儀がメインとなっており、全体の葬儀件数の約8割は、直営ホールで開催されています。
ビジネスモデルの特徴は、地域集中出店によってドミナントを構成し、人材配置や広告宣伝を効率化させることで高い収益性を実現している点です。
2019年12月時点で全国7道府県で計79箇所の直営ホールが運営されています。 - 委託モデル
きずなHDでは、地価相場が家賃相場が高く、初期投資の回収期間が長期にわたるため直営モデルでは十分な投資効率を得られない地域では、公営斎場などを活用し、葬儀の施行を提携葬儀社に委託するモデルを採用しています。
この事業モデルは「委託モデル」と呼ばれており、2019年12月時点で49社の業務委託先のもと4都県で展開されています。
② 「仲介手数料収入」部門
「仲介手数料収入」部門は、ネット集客業と仏壇など葬儀後に購入されるアフター商材販売の収益で構成されています。
このうちネット集客業は、 提携葬儀社や代理店のマーケティング支援を行う業務です。
インターネットを使ったプロモーションを行い、ネット経由での顧客からの依頼を各葬儀社に仲介する形の業務運営を行っています。
収益モデルは、仲介先から仲介手数料を獲得し売上を計上するモデルであり、2019年12月時点で全国29道府県で展開されています。
有価証券報告書情報
連結の経営指標(過去3期分)
第3期の業績は以下の通りです。
- 売上高:76.8億円(前年比+6.7%)
- 経常利益:3.3億円(前年比+△45.9%)
- 当期純利益:2.1億円(前年比+△48.2%)
期 | 第1期 | 第2期 | 第3期 |
決算年月 | 2018年5月 | 2019年5月 | 2020年5月 |
売上高(千円) | 6,417,226 | 7,193,505 | 7,676,394 |
税引前利益(千円) | 465,621 | 616,237 | 333,574 |
当期純利益(千円) | 293,364 | 406,446 | 210,426 |
親会社の所有者に帰属する持分(千円) | 2,856,520 | 3,268,689 | 3,587,110 |
資産合計(千円) | 15,457,152 | 16,677,503 | 17,540,549 |
親会社所有者帰属持分比率 | 18.5% | 19.6% | 6.1% |
営業キャッシュフロー(千円) | 1,328,040 | 1,233,294 | 1,211,973 |
投資キャッシュフロー(千円) | △883,114 | △488,072 | △554,891 |
財務キャッシュフロー(千円) | △836,911 | △526,201 | △840,042 |
現金・現金同等物の期末残高(千円) | 477,802 | 696,823 | 513,863 |
従業員数 | 175人 | 187人 | 201人 |
※上記指標は国際会計基準(IFRS)により作成されています。
単体の経営指標(過去3期分)
3期の業績を見ると、2年間で売上は15倍以上の増加をしています。
また、利益に関しては第1期は赤字を計上しましたが、第2期以降は黒字に転換し第3期は増収増益を達成しています。
期 | 第1期 | 第2期 | 第3期 |
決算年月 | 2018年5月 | 2019年5月 | 2019年5月 |
売上高(千円) | 39,534 | 190,842 | 609,088 |
経常利益(千円) | △147 | 15,389 | 27,436 |
当期純利益(千円) | △1,921 | 12,432 | 14,867 |
資本金(千円) | 100,000 | 100,000 | 153,360 |
発行済株式総数 | 3,394,235 | 3,394,235 | 3,444,235 |
純資産額(千円) | 2,630,223 | 2,642,655 | 2,765,516 |
総資産額(千円) | 2,679,044 | 6,684,308 | 6,550,716 |
自己資本比率 | 97.9% | 39.4% | 42.1% |
従業員数 | 9人 | 15人 | 17人 |
※上記指標は、日本基準によって作成されています。
上場時の株主構成
上位10位までの株主は、以下の通りです。
株主 | 所有株式数 | 比率 | ロックアップ |
投資事業有限責任組合アドバンテッジパートナーズV号 | 2,325,195 | 66.89% | 90日間 |
AP Cayman Partners III, L.P. | 795,168 | 22.87% | 90日間 |
Japan Fund V, L.P. | 205,303 | 5.91% | 90日間 |
アドバンテッジパートナーズ投資組合 64号 | 68,569 | 1.97% | 90日間 |
中道 康彰 | 50,000 | 1.44% | – |
関本 彰大 | 25,000 | 0.72% | – |
岡崎 仁美 | 2,500 | 0.07% | – |
下田 啓明 | 500 | 0.01% | – |
宮本 和信 | 500 | 0.01% | – |
高尾 幸雄 | 500 | 0.01% | – |
上場時(IPO)の募集・売出し情報
公募・売出し・調達額情報
公募価格は2,320円、吸収金額(調達額)は46.6億円とされています。
また初値は、2,220円となりました。
仮条件 | 2,200円 ~ 2,320円 |
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公募・売出価格 | 2,320円 |
想定価格 | 2,200円 |
初値 | 2,220円 (公募価格比△4.3%) |
公募株数 | 50,000 株 |
売出株数 | 1,697,200 株 |
オーバーアロットメントによる売出し株数 | 262,000 株 |
吸収金額(調達額) | 46.6億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算) |