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【新規上場企業分析】 東京通信のIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

東京通信の概要

東京通信の基本情報

はじめに、株式会社東京通信の基本情報を紹介します。
上場予定日は2020年12月24日、市場はマザーズ、想定時価総額は61.7億円です。

会社名 株式会社東京通信
設立日 2015年5月15日
上場日 2020年12月24日(承認日:2020年11月19日)
市場 マザーズ
証券コード 7359
業種 サービス業
決算期 12月
ホームページアドレス https://tokyo-tsushin.com/
発行済株式総数 4,327,500 株(2020 年 11 月 19 日現在)
上場時発行済株式総数 4,937,500 株
※公募分を含む。
※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。
公募株数 610,000 株
想定価格 1,250円
想定時価総額 61.7億円(※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
資本金 120,525 千円(2020 年 11 月 19 日現在)
1単元の株式数 100 株
監査人 有限責任監査法人トーマツ
主幹事証券会社 野村證券
引受幹事証券会社 みずほ証券
岩井コスモ証券
いちよし証券
SBI証券
マネックス証券
楽天証券
松井証券

東京通信の沿革

東京通信は、2015年に東京都において創業しました。
その後、事業の多角化や複数の子会社設立などを行い、現在に至ります。

2015年5月 スマートフォン向けアプリケーションの開発・運用を主な目的として、東京都目黒区三田に株式会社東京通信を設立(資本金300万円)し、スマートフォンメディア事業(現アプリ事業)を開始
2016年6月 スマートフォンメディア事業(現アプリ事業)の強化及び効率化を図るため、東京都渋谷区恵比寿南にMASK合同会社(連結子会社)を設立
2016年11月 スマートフォンメディア事業(現アプリ事業)の強化及び効率化を図るため、東京都目黒区三田に Babangida合同会社(連結子会社)を設立
スマートフォンメディア事業(現アプリ事業)の強化及び効率化を図るため、東京都目黒区三田に fty合同会社(連結子会社)を設立
2017年2月 事業ポートフォリオの拡充を図るため、東京都渋谷区恵比寿に株式会社テクノロジーパートナー (連結子会社)を設立し、広告代理事業を開始
2017年7月 事業ポートフォリオの拡充を図るため、東京都渋谷区恵比寿南にBASE Partners有限責 任事業組合(連結子会社、現basepartners有限責任事業組合)を設立
2017年8月 スマートフォンメディア事業(現アプリ事業)の強化及び効率化を図るため、東京都目黒区三田に BLUEBIRD STUDIO合同会社(連結子会社)を設立
2018年8月 広告代理事業の強化及び効率化を図るため、東京都渋谷区渋谷に株式会社スマートプロダクト(連結子会社)を設立
2018年10月 スマートフォンメディア事業の名称をアプリ事業へ変更
2019年11月 BLUEBIRD STUDIO合同会社を「東京通信キャピタル合同会社」へ商号変更し、事業目的を投資事業へ変更
2020年10月 株式会社テクノロジーパートナーを完全子会社化

東京通信の事業内容

東京通信は、『 MISSION IS TO MAKE YOU “LAUGH OUT LOUD” ~たのしいコミュニケーションを創る。~ 』を経営理念に掲げ、ゲームアプリを中心としたアプリの開発・提供を行う「アプリ事業」、成果報酬型の広告を運営する「アフィリエイト広告事業」、投資事業などを展開する「その他事業」の3つが事業セグメントとして運営されています。

  1. アプリ事業
  2. 広告代理事業
  3. その他事業

 

東京通信のビジネスモデル

① アプリ事業 

アプリ事業は、主にスマートフォン向けの無料ゲームアプリの企画・開発を行う事業セグメントです。

この事業では、性別を問わず、幅広い年齢層が気軽に楽しむことができるシンプルなゲームアプリを開発しており、 アプリを大別すると、カジュアルゲームアプリとハイパーカジュアルゲームアプリの2つに分類されます。
カジュアルゲームアプリとは、短時間でのプレイが可能な簡単に遊べるゲームです。
また、ハイパーカジュアルゲームアプリは、カジュアルゲームをよりシンプルな設計としたゲームとなります。
東京通信では、カジュアルゲームアプリは国内外において展開、ハイパーカジュアルゲームアプリは海外での展開を主軸としています。

なお、アプリ事業では、アプリ内の一部スペースを広告枠として、広告を出稿したい広告主へ提供することでユーザーのクリック数を獲得し、広告収入を収益として獲得するビジネスモデルによる運営が行われています。

② 広告代理事業

広告代理事業では、主にテクノロジーを活用したアフィリエイト広告(成果報酬型広告)代理事業を運営する事業セグメントです。


広告代理事業では、アフィリエイターを発掘し、タッグを組むことで事業運営が行われています。アフィリエイターとは、自分のWebサイトやSNSなどで商品やサービスを紹介し、閲覧者がそのリンクから広告主のサイトで商品を購入したり、サービスに登録した際に支払われる成果報酬を得る人物です。

なお、この事業では、アフィリエイト広告の成果によって広告主から支払われた成果報酬をアフィリエイターと分け合うことで収益が計上されています。

③ その他事業

その他事業は、投資事業、ソリューションセールス事業などを運営する事業セグメントです。
投資事業では、主にインターネット企業を対象とした投資を行っており、投資ラウンドがシード、アーリー、またはシリーズAの投資規模が概ね2,000万円から5,000万円となります。
なお、ソリューションセールス事業では、OA機器などの販売代理が主力事業とされています。

有価証券報告書情報

連結の経営指標(過去2期分)

第5期の業績は以下の通りです。

  • 売上高:16.4億円(前年比+32.6%)
  • 経常利益:2.7億円(前年比+12.3%)
  • 当期純利益:1.4億円(前年比+%)
第4期 第5期
決算年月 2018年12月 2019年12月
売上高(千円) 1,236,847 1,640,088
経常利益(千円) 238,769 268,026
当期純利益(千円) 90,576 144,978
純資産額(千円) 944,025 591,523
総資産額(千円) 1,175,001 874,492
自己資本比率 32.2% 56.8%
営業キャッシュフロー(千円) 19,247 166,345
投資キャッシュフロー(千円) △340,916 △91,148
財務キャッシュフロー(千円) 372,031 74,600
現金・現金同等物の期末残高(千円) 582,510 384,892
従業員数 31人 44人

 

単体の経営指標(過去5期分)

過去5期の業績を見ると、売上高は、約37倍と大きく成長しています。

一方、利益については、5期の数値をみると第3期がピークとなっており、増員などによるコスト面での影響からか売上数値の上昇に必ずしも連動しない値となっています。

なお、東京通信は、2018年9月28日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を実施しました。

第1期 第2期 第3期 第4期 第5期
決算年月 2015年12月 2016年12月 2017年12月 2018年12月 2019年12月
売上高(千円) 36,629 251,941 839,365 934,102 1,355,691
経常利益(千円) △30,886 △4,290 187,334 34,761 72,507
当期純利益(千円) △30,927 6,710 104,819 △8,111 66,006
資本金(千円) 3,000 65,500 95,500 95,500 95,500
発行済株式総数 60 3,100 4,300 860,000 860,000
純資産額(千円) △27,927 103,783 268,602 239,528 279,734
総資産額(千円) 73,356 186,634 591,297 531,026 517,728
自己資本比率 △38.1% 55.6% 45.4% 45.1% 54.0%
従業員数 6人 19人 26人 27人 38人

 

セグメント別業績

第5期のセグメント別経営成績は表の通りです。
売上構成比は以下の通りで、アプリ事業がメインとなっており、売上高比率が8割以上であり、全体の収益の牽引役となっていることがわかります。

  • アプリ事業:82.4%
  • 広告代理事業:17.3%
  • その他事業:0.3%
指標 全体 アプリ事業 広告代理事業 その他事業
売上高(千円) 1,640,088 1,351,510 283,632 4,945
前年同期比 132.6% 144.6% 107.3%     13.1%
セグメント利益(千円) 335,495 198,718 △32,972
前年同期比 111.0% 93.2%

       

株主構成

上位10位までの主要な株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
株式会社YSホールディングス 2,740,000 62.15% 90日間
株式会社monolice 430,000 9.75% 90日間
外川 穣 413,000 9.37% 90日間
古屋 佑樹 313,865 7.12% 90日間
村野 慎之介 100,000 2.27% 90日間
SHINOSKAL合同会社 100,000 2.27% 90日間
株式会社セレス 80,000 1.81% 90日間
寺山 隆一 64,500 1.46% 90日間
サンエイト・PS1号投資事業組合 37,500 0.85% 90日間
みずほ成長支援第3号投資事業有限責任組合 27,500 0.62% 継続保有

新規上場(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

想定価格は1,250円、吸収金額(調達額)は 14.4と予想されています。

仮条件 未発表
公募・売出価格 未発表
想定価格 1,250 円
初値
公募株数 610,000 株
売出株数 390,000 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 150,000 株
吸収金額(調達額) 14.4 億円 (※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算)

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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