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【新規上場企業分析】STIフードホールディングスのIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

STIフードホールディングスの概要

STIフードホールディングスの基本情報

はじめに株式会社STIフードホールディングスの基本情報を紹介します。 上場予定日は2020年9月25日、市場は東証2部、想定時価総額は21.6億円です。

会社名 株式会社STIフードホールディングス
設立日 2017年11月27日
上場予定日 2020年9月25日(承認日:2020年8月20日)
市場 東証2部
証券コード 2932
業種 食料品
決算期 12月
ホームページアドレス https://www.shintokyo.co.jp/
発行済株式総数 5,000,500 株(2020年8月20日現在)
上場時発行済株式総数 5,300,500 株
※公募分(新株式発行)を含む。
公募株数 300,500 株
想定価格 1,790円
想定時価総額 94.9億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
資本金 100,000 千円(2020年8月20日現在)
1単元の株式数 100株
監査人 仰星監査法人
主幹事証券会社 野村證券
引受幹事証券会社 いちよし証券
エース証券

STIフードホールディングスの沿革

STIフードホールディングスのルーツは、1988年12月に水産原材料及び水産食材の輸出入販売を目的に設立された新東京インターナショナル株式会社です。新東京インターナショナルは、多額の設備投資などが原因で、2010年4月、資金繰りが悪化し、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請しました。
2010年9月、株式会社極洋をスポンサーとして、その連結子会社であるエス・ティ ー・アイ株式会社へ、民事再生手続きに基づき事業譲渡が行われます。
その後、エス・ティ ー・アイ株式会社の業容が拡大する中、もともと新東京インターナショナル株式会社の完全子会社であった株式会社新東京フードに吸収合併され、2017年11月にSTIフードホールディングスが誕生しました。

会社変遷 STIHD以下の表では、STIフードホールディングスが設立された2017年11月以降の沿革について記載しています。

2017年11月 株式会社新東京フードが株式会社STIフードホールディングスを東京都港区に設立
2018年1月 資本金を100百万円に増資
グループの事業再編を目的として、株式会社新東京フードと株式交換と吸収分割を行い、事業持株会社となる
2018年8月 家庭で焼いた手作りのサーモンフレークの食感、形状を有したおにぎり用サーモンフ レークの製造特許を出願し、製造販売に取り掛かる
2018年10月 グループ会社である株式会社新東京デリカが、ワタミ株式会社のワタミ手づくり厨房白岡センターにおける食品製造・販売事業を会社分割により承継
2019年2月 株式会社新東京デリカが、新しいジャンルの開発商品としてサラダフィッシュ(サーモン、サ バ、マグロ)を株式会社セブン-イレブン・ジャパン東日本地区中心に製造販売開始 。また、ノウハウをグループ共有し、西日本地区は株式会社新東京エナックにて製造販売開始
2019年6月 世界的水産機関であるMSC及びASCからMSC-CoC認証及びASC-CoC認証を取得
2019年7月 家庭で焼いた手作りの焼きタラコの様に、表面は焼成され、内側は生感や粒感を残した焼きタラコの製造特許を出願し、製造販売に取り掛かる
2019年12月 グループガバナンス体制の強化を目的として、三洋食品株式会社の株式を取得し、完全子会社化
2020年4月 支援先の株式会社ヤマトミの民事再生計画が確定したため、実質支配力基準に基づき株式会社ヤマトミを子会社化
2020年6月 グループガバナンス体制の強化を目的として、株式会社ヤマトミの全株式を取得、また、STI AMERICA Inc.の株式を取得し、完全子会社化

STIフードホールディングスの事業内容

STIフードホールディングスは、「社員の幸せと社会のより豊かな未来のために、国内外の食料資源を大切にし、価値ある食文化創造の責任を果たします。というミッションのもと、水産原料素材の調達から製造・販売までを一貫して行う食品製造販売事業を運営しています。
会社組織は、連結子会社6社、非連結子会社1社により構成されており、「食品」と「食材」に事業領域をわけて運営されています。
なお、セグメント自体は、食品製造販売事業の単一セグメントです。

以下の図は、STIフードホールディングスの事業系統を表した図です。

事業系統図 STIHD

① 「食品」部門

「食品」部門では、主にコンビニエンスストア向けの水産惣菜(焼き魚、煮魚、シメサバ、サラダフィッシュ等) や冷凍惣菜の製造販売が行われています。
この部門では、特殊な包装用の機械が導入されており、この包装用機械を使用することで、消費期限の延長が可能であるため、フードロスの減少につなげることができます。
また、「食品」部門では、オリーブオイルを豊富に使用した健康志向の商品を新たに開発することで、女性顧客層の開拓に注力しています。

③ 「食材」部門

前述した。「食品」部門は、コンビニエンスストアなどで販売される水産惣菜や冷凍惣菜を製造し販売する部門でした。
一方、「食材」部門は、主にコンビニエンスストア向けおにぎり・弁当・パスタ・サラダ等に使用される原料である水産食材(サーモンフレーク、イクラ、辛子明太子等)を、メーカー向けに製造販売する事業運営が行われています。
商品として完成した食品を製造するのか、商品の原料となる食材を製造するのかが両部門の大きな違いです。
このように「食材」部門では複数の水産加工品が製造されていますが、特に、サーモンフレークの製造に関しては、特殊な製法によって家庭での味や食感の再現に成功しており、この製法技術は特許を取得しています。 

以下の図は、STIフードホールディングスによって製造されている商品の事例の一部です。

商品ラインアップ

有価証券報告書情報

連結の経営指標(過去2期分)

3期の業績は以下の通りです。

  • 売上高:206.4億円(前年比+15.7%)
  • 経常利益:5.9億円(前年比△20.2%)
  • 当期純利益:4.6億円(前年比△11.1%)
第2期 第3期
決算年月 2018年12月 2019年12月
売上高(千円) 17,843,530 20,644,845
経常利益(千円) 710,571 591,348
当期純利益(千円) 506,780 456,006
純資産額(千円) 1,769,461 1,959,835
総資産額(千円) 9,147,544 9,200,877
自己資本比率 18.9% 21.1%
営業キャッシュフロー(千円) 1,869,679 622,609
投資キャッシュフロー(千円) △1,237,598 △63,861
財務キャッシュフロー(千円) 684,713 △1,160,127
現金・現金同等物の期末残高(千円) 2,044,033 1,441,026
従業員数 257 260

参考となる経営指標(過去5期分)

以下の表は、STIフードホールディングスの事実上の前身であり、現連結子会社である株式会社新東京フードの過去5期にわたる経営指標です。
STIフードホールディングスは、グループの事業再編を目的として、2018年1月、新東京フードと株式交換と吸収分割を行い事業持株会社となりました。
5期の売上を見ると第15期以降売り上げが下り坂であるのに対して、利益は逆に上昇しています。また、第14期と15期以降では従業員数が大幅に減少しており、なんらかの形で吸収分割の影響が生じていることが予測できます。

第12期 第13期 第14期 第15期 第16期
決算年月 2015年12月 2016年12月 2017年12月 2018年12月 2019年12月
売上高(千円) 7,630,209 12,130,662 12,575,525 9,044,007 7,548,507
経常利益(千円) 261,688 589,240 504,386 443,447 545,683
当期純利益(千円) 178,438 340,624 313,052 316,692 365,172
資本金(千円) 50,000 100,000 100,000 100,000 100,000
発行済株式総数 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000
純資産額(千円) 395,099 733,618 1,047,178 591,261 656,433
総資産額(千円) 3,896,618 3,907,897 3,683,959 1,961,628 1,963,234
自己資本比率 10.1% 18.8% 28.4% 30.1% 33.4%
従業員数 62 62 72 23 20

 

株主構成

上位10位までの株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
株式会社十見 1,980,000 36.00 90日間
株式会社極洋 1,500,000 27.27 90日間
十見 裕 1,020,000 18.55 90日間
株式会社セブン‐イレブン・ジャパン 500,000 9.09 90日間
川島 渉 250,000 4.55
株式会社キャメル珈琲 100,000 1.82 90日間
柳澤 重英 30,000 0.55
山﨑 敬介 15,000 0.27
野田 和哉 7,500 0.14
小川 隆 5,000 0.09

新規上場(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

想定価格は1,790円、吸収金額(調達額)は26.8と予想されています。

仮条件 未発表
公募・売出価格 未発表
想定価格 1,790円
初値
公募株数 300,500 株
売出株数 1,000,000 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 195,000 株
吸収金額(調達額) 26.8億円(※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算)

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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