起業/会社設立

【経営者必見】イグジットの種類やメリットを基礎から徹底解説!

「イグジットにはどんな種類があるの?」
「そもそもイグジットって何?」

スタートアップ経営者の方やこれから起業を考えている方で、このようにお悩みの方はいませんか?

イグジットにはいくつかの種類がありますが、経営をしていくうえでは各種イグジットの理解は欠かすことができません。

そこで今回は、イグジットの種類やそれぞれのメリット・デメリットを簡単に説明しています。

この記事を読めば、イグジットに関する基礎知識をしっかりと身につけることができますよ!

1.イグジットとは?

イグジットとは、ベンチャービジネスや企業再生などにおいて、創業者やファンド(ベンチャーキャピタルや再生ファンドなど)が株式を売却し、利益を手にすることです。

上場前の企業の株式は含み利益でしかなく、出資者が利益を確定させるためには、イグジットにより株式をキャッシュ化しなくてはなりません。

具体的な方法として、IPO、M&A、MBOの3つがあります。

IPOとは、Initial Public Offeringの略称で株式公開の意味です。

経営陣や投資家などの限定された範囲内で所有していた株式を、マザーや東証一部といった公開された証券市場に対して上場することで流通可能にする事です。

M&Aとは、Mergers and Acquisitionsの略称で企業買収・合併の意味です。

会社や事業を他の事業会社やファンドに対して売却する事です。

MBOとは、Management Buy Outの略称で経営陣による会社の買収の意味です。

経営陣が自社株式を株主から買収するM&A手法です。

この記事ではIPOとM&Aに対象を絞り、後ほど具体的に説明しています。

2.イグジット戦略の必要性

スタートアップが資金を調達する場合、投資家からの出資を受けることが一般的です。

そして、投資家へ出資を促すためには、創業からイグジットまでどれだけ株式を発行し、どのタイミングでイグジットするのかプランがしっかりしている必要があります。

非上場ベンチャー・中小、中堅企業の(オーナー経営者を含む)投資家の立場から見れば、検討事項の中心はIPOとM&Aの2つの選択肢をどうするか、イグジット時の条件最大化をどう目指すかという観点が中心になります。

特にベンチャーキャピタル(VC)と呼ばれる創業したばかりの会社へ投資を行うファンドは、回収までの期間を定めている事が多く、早期の利益回収が求められます。

起業前からイグジットを意識し、投資家の採算性を訴求することで、出資者は出資に対する見返りがわかりやすくなります。

イグジットまでのプランを明確にすることは、出資を促すだけでなく、創業者やマネジメントメンバーのモチベーション向上にもつながります。

具体的で魅力的な目標は、彼らの金銭的欲求に応えるとともに、自己実現欲求を刺激し、事業を進めていく上での大きな推進力となりうるからです。

3.IPOとは

IPOとはInitial Public Offeringの略称で株式公開の意味です。

非公開会社が、自社の株式を証券取引所などで流通させ、不特定多数の投資家が売り買いを自由にできるようにすることをいいます。

非公開会社が自社発行する株式は、譲渡制限のある株式(企業の承認がなければ譲渡することができない株式)となっています。

株式を取得した投資家などは、IPOすることにより、保有する株式を自由に譲渡できるようになり、そこから利益を得ることができるようになります。

IPOの際には、新株発行数と既存株の売り出し数を決める必要があります。

新株発行(公募増収)はIPOの主目的ともいえるもので、一般投資家向けに広く増資を募り、多額の資金調達を実行することを意味します。

そして、当然その対価は「会社」に対して払い込まれます。

一方、既存株の売り出しは、IPOの公募と同時に、オーナー経営者やVCなどが、その保有する株式の一部または全部を売却することを指します。

この場合にはじめて「会社」ではなく、「既存株主」が売却対価を受領できます。
これが経営者や出資者にとってのイグジットと言われるものです。

(1)メリット

IPOには他に比べて下記のようなメリットがあります。

メリット①:経営者が経営権を失わない

上場する際に一定数の持ち株は売却するケースが多いのは間違いありません。

しかしながら、持ち株の全てを売却するわけでなく、IPO後も経営に携わることができます。

メリット②:資金集めの簡易化

上場により社会的な信用が高まることによって、各種の金融機関などから融資を受けやすくなります。

また、株式を公開したことで、株式の公募により資金調達することが可能になるなど資金調達がしやすくなります。

メリット③:採用活動の拡大

知名度や社会的信用の上昇に伴い、人材を採用しやすくなり、事業をさらに拡大させるために必要なリソースを集めやすくなります。

また、各種就職サイトにおいて上場会社というカテゴリに入ることになるため、学生などのリクルーティングにも結びつきやすくなるなど、採用活動を拡大することができます。

(2)デメリット

IPOを行う場合には、経営への透明性と健全性が要求されます。そのため、メリットだけでなく、下記のようなデメリットもあります。

デメリット①:多大なコスト

IPOを検討する際には、多大なコストがかかることがデメリットとして挙げられます。

多くの場合、証券会社や監査法人などに、IPOのための業務を担ってもらう必要があります。(年間5,000万円程度)

会社法や独占禁止法、金融商品取引法といったものに精通した弁護士と、税理士を顧問でつけることになります。(月5万から15万程度)

さらに、マザーズの場合、上場審査料として200万円、新規上場料として100万円などがかかります。

デメリット②:短期的な経営が求められる

株式を保有する投資家は、売却益を得るために株式を購入していることがほとんどですから、短期的に業績を上げて欲しいと考える傾向にあります。

そのため、中長期的な経営ではなく、短期的な経営を求められやすくなり、経営の難易度が高くなります。

デメリット③:敵対的M&A

敵対的M&Aとは、買収の対象となる企業の経営陣や親会社に事前の通知や同意、相談なく流通している株式を買い占めることで他社を買収することをいいます。

株式が公開されると、誰でも自由に株式を売買できるようになります。

そのため、敵対的M&Aを企図する他社から、株式を買い占められ、買収されるリスクが生じます。

(3)IPOで注意すべき点

IPOは、つまり株式市場に上場する事です。

上場するためには様々なルールがあり、それをクリアしなくてはいけません。

まず、どの市場に株式を公開するかを検討する必要があります。

上場を目指す市場を決定したら、市場ごとに設けられている上場基準(上場形式基準)を確認します。

必要な株主数や株式事務代行機関の設置、株式譲渡制限の解除が必要です。

実際には、「主幹事証券会社」「監査法人」「コンサルティング会社」協力の下で準備を進めることになります。

また、上場に際して会社内部の大改造が必要になる事があります。

それにより権限や体制が変わり、経営者の収入が減少する可能性があります。

4.M&Aとは

M&AとはMergers and Acquisitionsの略称で企業買収・合併の意味です。

創業者や投資家が売主となり、株式譲渡契約を交わすことにより行われるのが一般的です。

M&Aをどのように行い、どのような企業と交渉するのかといった方針を社内で決定する事から始めます。

会社を売却するのか、事業を売却する(事業譲渡では、事業を譲渡する法人において売上が発生するため、創業者などがその売却益を得ることはできません。)のか、また、どこに売却するのかを専門家に相談します。

選定した買収企業と基本合意書を交わし、最終契約を締結します。

買収企業に株を売却することにより、経営者や出資者は利益を得る事ができます。

M&Aについては、こちらでも詳しく説明しています。

スタートアップが知っておくべきM&A【基礎から徹底解説!】

(1)メリット

M&Aには他と比べて下記のようなメリットがあります。

メリット①:短期間で実行できる

上手くいけば半年くらいで実行することが可能で、準備に時間のかかるIPOと比べて短期間でイグジットできる可能性があります。

メリット②:簡単に実現できる

M&Aは買収企業とのシナジー(相乗効果)を期待することができます。

会社の経営状態などに関わらず、将来の事業の成長が期待できれば実現可能です。

メリット③:信用力の向上

買収した企業が上場企業や、大企業である場合は、その傘下に入ることで信用力が大きく向上します。

資本的なバックアップにとどまらず、買収の過程で社内の問題がない(もしくは取り除かれた)ことが証明されるからです。

(2)デメリット

メリットだけでなく下記のようなデメリットもあります。

デメリット①:経営権限の縮小

大企業の傘下に入ると、創業者(創業株主)の経営権限は縮小されます。

交渉段階に経営権限について交渉することはもちろん可能ですが、一定の方針転換や子会社化に伴う権限の縮小はやむを得ないかと思われます。

デメリット②:取引先との関係悪化の可能性

経営母体が変わることにより、取引条件が変わることがあります。

最悪の場合、契約解除も考えられます。

デメリット③:適正評価手続きによる情報の流出

M&Aの際に、買収対象企業のリスクや収益性を多くの観点から調査が行われます。

当然、秘密保持契約は結ばれておりますが、自社の重要な情報を開示することに変わりはなく、情報漏洩のリスクを完全に排除することはできない為、デメリットとなりえます。

(3)M&Aで注意すべき点

M&Aは、買い手が買収したいと思えば取引が成立し、簡単にイグジットすることができます。

しかし、取引内容にもよりますが、通常経営権は買収企業に移ります。

完全に経営権が無くなることもあるため、身売りとも受け取る事ができます。

創業者が引き続き経営に携わることを望む場合は、その旨を交渉する必要があります。

また、利益があまり出ていない状態での売却は、企業価値が下がってしまいます。

5.イグジット事例

最後に、近年話題となったイグジット事例について紹介します。

いずれも大型のイグジットであり、自社のビジネスモデルと比較しながら、参考にできる点を探してみましょう。

(1)ヤフーによるZOZO買収(M&A)

2019年9月12日、ヤフー株式会社は株式会社ZOZOを株式公開買付により子会社化しました。

買収額がおよそ4000億円という大型M&Aであり、ZOZO社長の前澤氏が以前からメディア露出が多かったこともあり、大きな話題となりました。

ZOZOはファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営しており、ヤフーとしては注力しているEコマース分野での強化を図ったものと考えられています。

(2)楽天によるFablic買収(M&A)

2016年9月、楽天株式会社はフリマアプリ「フリル」を運営する株式会社Fablicの発行済み株式を全部取得し、完全子会社化しました。

楽天としては、Fablicの運営する「フリル」の顧客層を取り込むことにより、フリマアプリ市場を独走しているメルカリを追随したい狙いがあったものと考えられます。

2018年には楽天の運営していた「ラクマ」とFablicが運営していた「フリル」はサービス統合されることとなりました。

(3)HEROZ(IPO

2018年、人工知能開発を手がけ、将棋ゲーム「将棋ウォーズ」を運営するHEROZが東証マザーズに上場しました。

公募価格が4500円であったのに対し、初値は49000円と10倍以上の値をつけるなど、歴史的なIPOを果たしています。

その背景として、近年のAI技術の発展に対して大きな期待が寄せられていたこと、著名な投資家がHEROZに投資していたこと、同時期に日本株式市場全体が落ち込んでいたことなどが挙げられます。

6.まとめ

出資者は、還元される利益がはっきりしていると安心して出資できます。

起業家がより多くの出資を集めるためには、出資者に対してある程度明確なプランを提示できることが必要です。

イグジットは直訳で「出口」です。投資における出口、すなわち利益の現金化のことです。

そのプランを、会社を興す段階で考えておけば、起業家・経営者として安定した結果を出すことができるのではないでしょうか。

イグジット戦略についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

スタートアップの売却(イグジット)戦略−M&AとIPO徹底比較

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