会社設立

これから起業する人必見!起業して会社設立するときに必要な登記手続き完全まとめ

いざ起業を決意して、最初にすることの一つに会社を設立することが含まれると思います。会社設立したことのある人はわかると思いますが、手続きがそれなりに大変です。

登記にかかる業務をしている専門家としては司法書士が有名ではありますが、スタートアップにとって司法書士の知り合いがいる人もそう多くはないと思います。

そこで、会社設立は一体どのような手続きなのか、どのように手続きをするのか、その際に必要書類は何が必要なのか、など簡単に説明していきます。

1. 最初に決めること

株式会社の設立を決定したら、まずは会社の設計図ともいうべき定款を作成する必要があります。定款にはおおよそ以下のような事項を決めておく必要があります。
司法書士や弁護士、会計士に依頼すると設立チェックシートなる書面を受け取り、それに合わせて記載していくことで完了することもあります。

①社名

わたしたちにも名前があるように、会社にも法人と呼ばれるには、名前が必要です。
社名に使えない文字、記号がありますので、注意しましょう

②本店住所

会社の本拠地たる住所は、社長個人の自宅でも構いませんが、登記簿に記載される項目でもあるため、注意が必要です。会社を設立したら税理士事務所や記帳代行、OA機器会社からたくさんのDMが届くようになります。

最近は、本店住所として使用できるコワーキングスペースやシェアオフィスもあるので積極的に活用するのが良いと思います

③事業の目的

設立した会社で実際に何をやるのか、何をやる予定なのか決定しておく必要があります。
もちろん後から変更が可能ですので、本当にやる事業のみに絞るのではなく周辺事業や想定される事業まで含めて記載しておくのが良いでしょう

特に人材紹介業や不動産業、旅館業など許認可が必要な事業を行う場合には、この目的に記載がないと許認可が下りないことになるので、注意が必要です
目的を検索するサイトもありますので、気になる事業について検索してみてください。
また、類似事業を実施している会社の登記簿を取り寄せて確認するのも効果的です

④資本金

資本金は、1円以上であれば問題ありません
ただし、銀行口座を作る場合や、銀行や公庫から借り入れをする場合、信用力に影響します。
また、VCや投資家から出資を受ける場合には株式の価値を算定することになるので、一般的には10万円から900万円程度とすることが多いでしょう

⑤発行株式数

会社がすでに発行している株式の数です。
資本金と1株あたりの株価が決まっていれば自動的に決まります。
資本金を10万円として1株10万円だと1株となります。
外部からの出資による調達を考えている場合には、細かくしておくのが良いと思います。
1株1万円以下にしている会社が多いと思います

⑥発行可能株式総数

発行可能株式総数には上限がありません。
そのため、できるだけ多くしておくことをおすすめします。
上場企業には25%ルールというものがありますが、後から変更も可能なので、100万株にしておくなど多い分に越したことはないでしょう

⑦株券発行の有無

現在は株券不発行が主流です。
株券発行にすると株主の数だけ記名押印が必要になり、管理コストがかさむので、特段希望がなければ株主名簿だけで管理できるように不発行会社にしておきましょう

⑧公告方法

定番は官報公告です。
そのほか、日刊工業新聞など新聞公告などを選択することができます。
会社は毎年決算公告を行うことが義務付けられております。
官報だと数万円の掲載コストが発生しますが、自社のホームページ等を指定することも可能で、その場合にはコストは安くすみます

ただし、合併や会社分割など組織再編を行う場合に、公告をすることが必要になるのですが、自社のホームページ公告だと認証?が必要になることもあるため、ある程度の費用はかかりますが、無難な定番の公告方法である官報公告をおすすめします

(参考)
公告方法一覧
・官報
・日刊紙
・電磁的公示
・電子公告

⑨事業年度

個人事業主だと1月から12月が事業年度になりますが、法人の場合は、自らその期間を選択することができます。
通常は、設立する時期に合わせて決定します。

⑩取締役会設置の有無

取締役会を設置するには取締役が3名必要になります。

⑪代表取締役の選定方法(取締役会設置会社にする場合は不要です)

株主総会による選定か、取締役の互選で決定するかを選択します。
取締役が1人である場合や、株主構成イコール取締役構成である場合は、どちらも同じですが、株主構成と取締役構成が異なる場合は、慎重に決めてください。

⑫取締役の任期

最大10年まで設定が可能です。
1-2年にしている企業が多い印象ですが、短いと任期満了のタイミングで重任決議が必要になり、その度に登記費用がかかることになります。

※1人で起業する場合、いきなり取締役会設置会社にすることはあまりないと思いますので、以下の13番と14番はいったん無視しておいても問題ないでしょう。

⑬監査役設置の有無(取締役会設置会社にする場合は必要です)

起業していきなり監査役を設置する会社はさほど多くはないと思います。
通常は、規模が大きくなり取締役会を設置するタイミングで監査役も同時に選任します。

⑭監査役の任期

監査役の任期も10年が上限ですが、下限4年という制限があります。
監査役という独立した機能を有する役職の特性上、設けられているものです。

⑮株式の譲渡制限の有無(取締役会を設置しない場合は必要です)

通常、上場企業は譲渡制限がないので、市場で売買することが可能です。
他方、非上場企業は、株主も少数であることも多く、第三者に容易に売却されることを防ぐため譲渡制限をつけておくことがほとんどです。

⑯株式譲渡を承認する機関

株式譲渡の承認機関は、株主総会、代表取締役の承認などがあります。
1人会社であれば株主総会も代表取締役の承認も同じですが、複数株主がいる場合や外部からの出資による資金調達をする場合には、株主総会としておくことが無難でしょう

⑰発起人と出資額、出資額を振り込む口座

設立時の資本金を出資する人とその出資額を決めてください。
複数人で出資する場合は、その割合の記載も必要になります。
この時点では会社の口座が存在しないので、発起人のうちの1人の個人口座に、発起人名義で振込みをします

法人が発起人になることも可能で、いわゆるジョイントベンチャー(合弁会社)を作る場合は、法人が発起人になります。

⑱取締役

取締役の住所と名前が必要です。
登記申請時に本人確認書類が必要になります。
外国籍であっても取締役になることはできます。

⑲設立日

会社の設立日は、希望の日を選択するのではなく、法務局に提出した日が設立日になります。
1日など指定の日がない場合は、なんとなく大安吉日を好むケースが多いです。

2. 定款の作成

上記の項目が決まったら、それを定款という書式に落とし込みます。
雛形が出回っているので、それを活用することで作成ができます。もちろん、司法書士や行政書士などの専門家に作成を依頼することもできます。

どうしても費用を抑えるのであればfreee会社設立などのサービスを使うこともありでしょう。

定款を作成したら発起人全員の個人の実印で押印をします。
複数ページになるはずなので、ホチキスで綴って、割印をしてください割印方法はこちら)。
製本テープを使うと押印箇所が減らせます。

この後の認証手続きで使用するため3部製本しておいてください。

定款を作成したら以下の書類を用意してください。

①発起人の印鑑証明書

②会社の印鑑

通常、会社の実印、銀行印、角印の3点セットを用意することが多いです。
実印のみ1cm超3cm以内の大きさに収まるようなサイズを購入してください。
印鑑屋さんで購入すると数万円することもありますが、インターネット通販等で購入すれば数千円でも作成可能です

また、会社設立後、各種届出等に住所や社名を記載することが多くなるので、住所、社名、代表者名等を記載したゴム印を用意することも便利です。

3. 定款の認証・資本金の振込

書類が揃ったら、次は定款認証をして資本金を振り込みます。

3-1.定款の認証

まず、定款を作成して製本したら、公証人役場に行って認証を受けます。
このあたりから自分でやることを断念する人も多いですw

会社の本店所在地を管轄する公証役場を調べます。
渋谷だと渋谷公証役場があります(リンク)。
わからない場合は、日本公証人連合会のホームページで検索が可能です。
公証役場を見つけたら、電話等で連絡をして事前に認証をしてくれる公証人という人と日程調整をします。

持参する書類

  • 製本した定款 3部
  • 発起人全員の印鑑証明書
  • 発起人全員の身分証明書

定款認証時にかかる費用

  • 公証人へ支払う認証手数料:5万円
  • 定款の写し交付手数料:250円×定款のページ数
  • 収入印紙:4万円分(※電子定款の場合は不要ですので、電子定款の作成をおすすめします)

3.2 資本金の振込み

定款の認証が完了したら、発起人による資本金の振込みをします。

上述のとおり、この時点では会社口座がまだ存在しないので、発起人のうちの誰か1人の個人口座に、発起人名義で振込みをします
1人の場合であっても、自分で自分の口座に振込を行います。
振込人名義は発起人と一致しているようにしてください。

資本金を振り込みしたら、通帳を記帳して、以下のコピーもとっておきます。

  • 資本金が振り込まれた記帳のあるページ
  • 通帳の表紙
  • 通帳の1枚目の中表紙(表紙を開いた裏にある支店名や口座名義などが記載されているページ

ジャパンネット銀行など通帳がない銀行に振り込む場合は、ウェブ明細のPDFを印刷することで大丈夫です

4. 登記申請を行う

最後に登記申請書の作成と付属書類の準備をします。

法務省のホームページからテンプレートや記載例をダウンロードすることができます。
書類のサイズは全てテンプレート通りにA4で統一してください

登記に必要な書類は以下の通りです。

①登記申請書

登記に必要な情報を頭出しする目次のような書類です。
次の収入印紙を貼付した書類と一緒にホチキスで綴じます。

② 収入印紙を貼り付けた用紙

登録免許税という税金を支払うため収入印紙が必要です。
資本金の額×0.7%相当額が必要になりますが、下限は15万円です。
たとえば、資本金を2200万円とすると15万4000円となります。
15万以下の場合は15万円分の印紙が必要です

収入印紙は郵便局や法務局で購入することができます。

③取締役の就任承諾書

「取締役に就任したことを承諾した」ということを証明するための書類です。

④代表取締役の就任承諾書

取締役が複数人の場合に必要です。
1人会社で、取締役と代表取締役が兼務している場合は必要ありません。

⑤取締役の印鑑証明書

発起人と取締役が重複している場合は、定款認証の手続き時に使用しているのでそれを流用できます。
取締役が複数人いる場合は、全員分の印鑑証明書が必要になるので、早めに取得してもらっておいてください
(ただし、取締役会設置会社にする場合は、代表取締役の印鑑証明書のみで大丈夫です。)

⑥資本金の払込を証明する書類

上記「3.2 資本金の振込み」で実施した資本金の振込みを証明する書類です。
印刷した通帳の写し等を一緒に綴じて契印をします。

⑦印鑑届出書

購入した法人実印の届け出をするために必要な書類です。
法務局のホームページからテンプレート用紙と記載例をダウンロードできるので、テンプレートに従って記入をしていってください

⑧登記すべき事項を記載したCD-R

これらの書類は紙媒体でも作成可能ですが、用紙を法務局まで取りに行かなければならないので、PCで作成した方が効率的です。
法務省のホームページから作成例をダウンロードして作成していきます。
CD-RではなくFD(フロッピーディスク)でも可能ですが、書き込むドライブが少なくなっているのでCD-Rをおすすめします。
記載方法がわりと細かく決まっているため、注意が必要です。

⑨発起人の決定書

会社の本店所在地が町名までになっている場合などに必要なる書類です。
代表取締役の選定方法が株主総会の決議による場合、発起人の決定書に基づき、代表取締役を選定します。

以上の書類がすべて用意できたら、法務局に提出です。

5. 費用一覧

  • 登録免許税:15万円
  • 定款認証手数料:5万
  • 定款交付手数料:250円×定款のページ数
  • (収入印紙:4万円 ※電子定款にする場合は不要です)
  • 専門家に依頼する場合:報酬

6. まとめ

会社設立は所定の手続きを淡々と進めることでできるものですが、公証役場での認証や電子定款など日常生活で使用しない、馴染みのない手続きや必要書類が必要になってきます。
登録免許税などの実費のほか、報酬として10万円程度(場合によってはもっと安い報酬で対応する専門家もいます。)の報酬でサポートをしてくれる司法書士や弁護士などの専門家もいますので、困ったら相談することがよいでしょう。