テレビやマンガだと闇金から嫌がらせされているシーンもあるし、実際のところ嫌がらせされないのか先生に聞いてみよう!
自己破産をご検討中の方で、このようにお悩みの方はいませんか?
実は、自己破産後の嫌がらせ行為は禁止されているため、実際に嫌がらせを受けるケースはほとんどありません。
ただし、個人や闇金からの借り入れの場合、嫌がらせをされる可能性もあります。
そこで今回は、自己破産後に嫌がらせをされない理由や嫌がらせの例、そして嫌がらせへの対処法をわかりやすく解説します。
自己破産は、法律によって正式に認められた制度です。
銀行や消費者金融から借りていた借金を自己破産で解決したとしても、嫌がらせを受ける心配はほとんどありません!
それよりも、借金を放置していると厳しい取り立てを受けたり、差し押さえを受けたりと多大なリスクがあります。
少しでも早く弁護士に相談して、自己破産を検討しましょう!
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自己破産しても債権者から嫌がらせをされないの?
「貸したものを返せよ!」って嫌がらせされないのか心配だよ…。
金融機関・貸金業者・債権回収業者の場合は嫌がらせされない
後で詳しく説明するけど、自己破産した人への嫌がらせ行為は法律で禁止されている。
それに実は、毎年約7万人が自己破産している(多重債務者対策をめぐる現状及び施策の動向 ‐ 金融庁/消費者庁/厚生労働省/法務省)。
だから、いちいち嫌がらせをしていたら他に仕事ができなくなってしまうから、嫌がらせをされることはないよ。
個人や闇金の場合には嫌がらせされる可能性がある
債権者が個人の場合、法律で取り立てが禁止されることを知らず、自己破産後の取り立て行為などをする可能性がある。
また、取り立てや嫌がらせ行為が禁止されていることを知っていても、闇金は手段を選ばずに借金を回収しようとするんだ。
だから、自己破産後に取り立てをされたり、嫌がらせを受けたのなら警察や弁護士に相談する必要があるよ。
闇金からの借入れに返済義務がないことの詳しい説明や、闇金への対応については、以前にもお話してくれましたね!
自己破産後に借金の請求をされても返済する必要はない
闇金の場合だと、違法な金額での返済を求めてくることもあるから、絶対に支払ってはいけない。
今から詳しく自己破産後の取り立てについて法律上の内容を説明するね。
自己破産すると借金の返済義務がなくなる
自己破産すると「借金自体は存在するが、法律によって取り立てできなくなる」というのが正確な自己破産の効果だよ。
つまり、債権者が取り立てすることができなくなるから、債務者も無理に返済する必要がなくなるってことだよ。
弁護士に依頼すると本人へ直接取り立てをすることは禁止されている
弁護士は、依頼を受けると債権者に「受任通知」を送る。
この受任通知が届いた時点で、法律上、債権者は債務者に対して一切の取り立てを行うことが禁止されるよ。
(取立て行為の規制)
第二十一条 貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。
九 債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。
【引用:貸金業法 – e-Gov法令検索】
禁止されている直接取り立てをすると刑事罰や行政処分が課される
例えば、行政処分として「業務改善命令(貸金業法24条の6の3第2項)」や「1年以内の業務停止命令(貸金業法24条の6の4第2号)」がある。
そして、行政処分だけでなく、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金といった刑事罰を科されることもあるよ(破産法275条、貸金業法47条の3第1項3号)。
(業務改善命令)
第二十四条の六の三 内閣総理大臣又は都道府県知事は、その登録を受けた貸金業者の業務の運営に関し、資金需要者等の利益の保護を図るため必要があると認めるときは、当該貸金業者に対して、その必要の限度において、業務の方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置を命ずることができる。
2 内閣総理大臣は、その登録を受けた貸金業者が第十二条の三第四項、第十二条の六から第十二条の八まで又は第十三条から第二十二条までの規定(これらの規定に基づく命令の規定を含む。次項及び次条第三項において同じ。)に違反した場合(その違反行為に係る資金需要者等に個人(事業を営む場合におけるものを除く。次項、第二十四条の六の十一第二項及び第四十四条第三項において同じ。)が含まれる場合に限る。)において、前項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、消費者庁長官に協議しなければならない。
(監督上の処分)
第二十四条の六の四 内閣総理大臣又は都道府県知事は、その登録を受けた貸金業者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該貸金業者に対し登録を取り消し、又は一年以内の期間を定めて、その業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
二 貸金業の業務に関し法令(第十二条、第十二条の五、第二十四条第三項及び第四項、第二十四条の二第三項及び第四項並びに第二十四条の三第三項及び第四項を除く。)又は法令に基づく内閣総理大臣若しくは都道府県知事の処分に違反したとき。
【引用:貸金業法 – e-Gov法令検索】
(破産者等に対する面会強請等の罪)
第二百七十五条 破産者(個人である破産者に限り、相続財産の破産にあっては、相続人。以下この条において同じ。)又はその親族その他の者に破産債権(免責手続の終了後にあっては、免責されたものに限る。以下この条において同じ。)を弁済させ、又は破産債権につき破産者の親族その他の者に保証をさせる目的で、破産者又はその親族その他の者に対し、面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
【引用:破産法 – e-Gov法令検索】
第四十七条の三 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知つて、第六号又は第七号に該当する者から信用情報の提供を受けた者も、同様とする。
三 第二十一条第一項(第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項、第二十四条の五第二項及び第二十四条の六において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
【引用:貸金業法 – e-Gov法令検索】
自己破産完了後に返済してしまったお金は返ってこない
さっきも言った通り、実は自己破産しても借金自体が消滅するわけじゃない。
免責を受けた後も、自分の意思で返済することは法律上可能なんだ。
自己破産後でも一度支払ってしまうと、法律で正当に返したということになるんだ。
知り合いなどの個人や闇金から払えと言われても返済しないようにしようね。
取り立てについて下記のリンクで詳しく紹介しているから良かったら一緒に参考にしてね。
闇金からの借金は元本も利息も返済する必要なし
闇金とは、「貸金業の登録の有無にかかわらず、刑罰が課される出資法の上限金利を超える金利で金銭貸付を行う違法な金融業者」(金融広報中央委員会)と定義されているよ。
出資法で定められている上限利率は、下記の通りだから借り入れのときの契約書を確認してみよう。
元本の金額が10万円未満のとき |
年20% |
元本の金額が10万円以上から100万円未満のとき |
年18% |
元本の金額が100万円以上のとき |
年15% |
自分の借入先が闇金だった場合に返済ってどうしたらいいのでしょうか?
闇金の貸付は、違法な貸付だから、法律上「不法原因給付(民法708条)」にあたり、返済する必要はない。
民法708条(不法原因給付)
不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
【引用:民法 – e-Gov】
でも、すでに返済していた場合にはそのお金ってどうなってしまうのですか?
だから、闇金から借り入れしてしまったという場合には弁護士に相談して返済した分も返還してもらえないか聞いてみよう。
闇金についてもっと知りたい人は下記のリンクもあわせて確認してみてね!
最高裁判決平成20年6月10日民集62・6・1488
本件ヤミ金融業者が借主(被害者)に対して行った一連の行為(著しく高利での貸付けや、弁済の名目で金銭を受領した行為)は不法行為となる。借主(被害者)はヤミ金融業者に元利金の弁済として支払った金額全額を損害として、損害賠償請求をすることができる。
闇金からの5つの嫌がらせ
順番に紹介するからもしどれかひとつでも当てはまったなら警察や弁護士にすぐに相談しよう!
- 実家や知人などに借金の督促をされる
- 督促の電話を一日中かけてくる
- 会社に嫌がらせ電話をかけてくる
- 子供の学校などで待ち伏せされる
- 家に出前や救急車を呼ばれる
嫌がらせ1|実家や知人などに借金の督促をされる
借金した本人から回収できないと判断して、親や知人に対して高圧的な態度で借金の返済をするよう迫るんだ。
実際にしつこい電話やさまざまな嫌がらせに耐えられなくなって両親が借金の肩代わりしてしまうケースもある。
闇金は、そもそも違法な利率での貸付をしているから、一度返済するとまだまだ絞り取れると思われて、いつまでも利息の返済を請求してくる。
それにたとえ借金を完済しても、まだ残っていると脅されてしまうこともある。
だから、絶対に支払いに応じてはダメだし、すぐに警察や弁護士に相談するべきだね。
嫌がらせ2|督促の電話を一日中かけてくる
滞納日から少しずつ電話の回数が増えて、最終的には一日中電話をかけてくるようになる。
電話に出ると、高圧的に返済するように脅され、電話に出ないといつまでも電話が鳴りやまない。
着信拒否しても他の番号からかけてくるだろうし、警察や弁護士に相談しないと止まらないってことだね…。
嫌がらせ3|会社に嫌がらせ電話をかけてくる
電話だけでなく、FAXで何十枚もの督促の手紙が送られてくることもあれば、電話に出てしまった会社の人が返済するように脅されてしまうこともある。
このような状況になると、会社に闇金の借金があることもバレてしまうし、そもそも会社に居られなくなってしまう可能性があるよ。
嫌がらせ4|子供の学校などで待ち伏せされる
子供の学校の前で待ち伏せたり、子供に金を返せということもある。
そうすると、子供にも悪影響があるし、なにより子供が学校で親の借金を理由にいじめられる可能性もある。
なんとしても子供に影響が出る前に警察や弁護士に相談して対処することが大事だよ!
嫌がらせ5|家に出前や救急車を呼ばれる
自分が知らぬ間に呼ばれてしまうから、その度に理由を説明して帰ってもらうことになる。
何度も救急車などが呼ばれると近隣の人に不審に思われてしまい、今の家に住み続けることが難しくなってしまう。
だから、さまざまな嫌がらせをされる前に警察や弁護士に相談して対処してもらうことが必要なんですね。
嫌がらせを受けた場合の対処法
警察へ通報する
嫌がらせを放置すると周囲や子供に影響が生じることもあるし、どんどんエスカレートする。
だから、嫌がらせの影響が大きくなる前に警察に通報して、嫌がらせを止めてもらおう。
借金問題の嫌がらせでも警察はなにかしてくれるのでしょうか?
ただ、刑事事件に発展する可能性があるような場合には、警察の仕事になるよ。
例えば、取り立てに来て帰ってくれない、暴力をふるわれる、家族に返済を迫るなどの場合には刑事事件化することがあるよ。
だから、まずは警察に相談して、警察が介入してくれないときには弁護士に相談しよう。
刑事事件化する可能性がある取り立て行為 |
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建造物等侵入罪 |
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不退去罪 |
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強要罪 |
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脅迫罪 |
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暴行罪 |
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傷害罪 |
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器物損壊罪 |
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業務妨害罪 |
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弁護士に相談する
弁護士に依頼をすれば、これ以上取り立てや直接連絡しないよう交渉をしてくれるよ。
弁護士なら法律を武器にこれ以上の嫌がらせ行為をするのなら「裁判も視野にいれる」など嫌がらせをやめるように言ってくれる。
だから、あまりに嫌がらせが酷い場合には、警察と弁護士両方に相談して、すぐにでも嫌がらせを止めさせよう。
法律のプロである弁護士を敵に回すと厄介だからもう相手にしない、という意味だ。
それくらい、弁護士は闇金に恐れられているんだね!
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自己破産のデメリット
- 5~7年ブラックリストに載る
- ローンやクレジットカードを利用できない
- 家や車を没収されてしまう
- 保証人が借金を肩代わりすることになる
- 個人情報が官報に掲載される
自己破産をすると5~7年ブラックリストに載る
この信用情報に事故情報が残ることを一般的にブラックリストに載ると言うよ。
だから、この信用情報に事故情報があると、ローンやクレジットカードの審査が通らなくなってしまう。
でも、借入先によって登録期間が決まっているからこの期間さえ過ぎれば情報が削除されるよ。
そうすれば、またローンやクレジットカードを利用できるようになるから安心してね!
情報機関 |
登録期間 |
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クレジットカード会社が加盟する信用情報機関 |
5年 |
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消費者金融が加盟する信用情報機関 |
5年 |
|
銀行や信用金庫、信用保証協会などが加盟する信用情報機関 |
7年 |
※KSCに関しては2022年11月4日から登録期間が10年から7年に変更されました。
【参考:一部情報の登録終了および登録期間の短縮について – 全国銀行信用情報センター】
社内ブラック制度がある金融機関もある
でも、社内ブラック制度がある金融機関の場合には借り入れをすることができない。
社内ブラックとは、その会社内で独自に作っているブラックリストのこと。
過去に金融事故を起こしてしまうと同じ会社から借り入れをすることができなくなるんだ。
この社内ブラックは、グループや系列会社で共有されていることも多い。
だから、自己破産したときには返済できなかった系列会社での借り入れは今後できない可能性が高いと思っておいてね。
ローンやクレジットカードを利用できない
そのため、ブラックリスト入りをしているとその期間は基本的にローンを組むこともクレジットカードを利用することもできないよ。
もしキャッシュレス決済をしたいと考えるなら家族カードやデビットカードを利用することになるね。
家や車を没収されてしまう
基本的には、お金にかえたとき20万円以上の物は没収されてしまう可能性が高いよ。
例えば、家や車が没収されてしまう代表的な財産だね。
だから、家や車を残したいと考えているなら他の手続きを検討する必要があるよ。
保証人が借金を肩代わりすることになる
つまり、本人の代わりに保証人が借金を肩代わりすることになるんだ。
さらにそのときの請求は、一括払いで請求される可能性が高い。
場合によっては、保証人も一緒に自己破産しなければならない可能性もあるから、事前に保証人や弁護士とよく相談することが大事だよ。
個人情報が官報に掲載される
官報とは、国が発行する機関紙、つまり国が作っている新聞ってイメージかな。
この官報は、多くの人は見ていないし存在すら知らないから、掲載されるデメリットはあまりない。
ただ、闇金などの業者はこの官報をチェックして取り立てしてくることがあるから、もし闇金から連絡がきたらすぐに弁護士に相談しよう。
まとめ
これで安心して自己破産することができるよ!
- 金融業者・貸金業者からは嫌がらせされない
- 個人や闇金の場合には嫌がらせされる可能性がある
- 自己破産後には借金の請求されても返済する必要はない
- ただし、返済してしまった場合にはお金が返ってこない
- 闇金からの借金は元本も利息も返済する必要はない
- 嫌がらせを受けたら警察か弁護士にすぐに相談する
嫌がらせを受けることがないように対処してくれるよ。
それともし今嫌がらせを受けているなら大事になる前に警察に通報して、弁護士に相談しようね!
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。