目次
ツクルバの概要
ツクルバの基本情報
はじめに株式会社ツクルバの基本情報を紹介します。
上場日は2019年7月31日、市場はマザーズ、想定時価総額は191.3億円、上場時の時価総額は191.3億円でした。
会社名 | 株式会社ツクルバ |
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設立日 | 2011年8月22日 |
上場日 | 2019年7月31日 (承認日:2019年6月28日) |
市場 | マザーズ |
証券コード | 2978 |
業種 | 不動産業 |
決算期 | 7月 |
ホームページアドレス | https://tsukuruba.com/ |
発行済株式総数 | 8,796,700 株(2019 年 6 月 28 日現在) |
上場時発行済株式総数 | 9,331,700 株 ※公募分を含む ※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。 |
公募株数 | 535,000 株 |
想定価格 | 2,050円 |
想定時価総額 | 191.3億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算) |
初値 | 2,050円 |
上場時時価総額 | 191.3億円(※上場時発行済株式総数×初値で計算) |
時価総額 | 86.7億円(2020年10月13日現在) |
資本金 | 90,000 千円(2019 年 6 月 28 日現在) |
1単元の株式数 | 100 株 |
監査人 | 有限責任 あずさ監査法人 |
主幹事証券会社 | 大和証券 |
引受幹事証券会社 | みずほ証券 いちよし証券 SBI証券 マネックス証券 楽天証券 |
ツクルバの沿革
株式会社ツクルバは、2011年に東京都において、コワーキングスペースをの運営企業として設立されました。
その後、主要サービスである「cowcamo」の運営などをスタートさせ、2019年7月にマザーズに上場しました。
2011年8月 | 東京都渋谷区において、株式会社ツクルバを設立 |
2011年12月 | 東京都渋谷区にコワーキングスペース「co-ba shibuya」を開業 |
2012年6月 | 空間デザイン・ プロデュース事業(現・シェアードワークプレイス事業)を開始 |
2012年10月 | 株式会社マチニワ(現非連結子会社)を東京都渋谷区に設立 |
2015年1月 | ITを活用したリノベーション・中古住宅の流通プラットフォーム「cowcamo」ベータ版を公開 |
2015年3月 | 空間活用事業などを展開する株式会社アプトを100%子会社化 |
2015年6月 | 「cowcamo」正式版を公開、オンラインメディア「cowcamo magazine」の提供を開始 |
2016年3月 | 一級建築士事務所登録 |
2016年9月 | 「cowcamo」がソフトウエア・サービス・システム部門にてグッドデザイン賞を受賞 |
2016年10月 | 事業拡大のため本社を東京都目黒区に移転 |
2017年11月 | 株式会社アプトの全株式を譲渡 「cowcamo」にて事業者向けデータ提供サービスを開始 「cowcamo」のiOSアプリを正式公開 |
2018年2月 | エンジニアリングカンパニーの株式会社Hanoi Advanced Labと合弁の株式会社KOUを設立 |
2018年3月 | 「cowcamo」にてパートナー仲介事業者との連携開始 |
2018年5月 | ISO/IEC27001:2013/JIS Q 27001:2014認証取得(認証機関 BSIグループジャパン株式会社)(認証 登録番号IS689552) |
2018年7月 | 「cowcamo」のAndroidアプリを正式公開 |
2018年12月 | 「cowcamo」のAndroidアプリが「Google Play ベスト オブ 2018」隠れた名作部門にて優秀賞を受賞 |
2019年7月 | 東京証券取引所マザーズに株式を上場 |
ツクルバの事業内容
ツクルバは、「「場の発明」を通じて欲しい未来をつくる。」をミッションに掲げ、ITを活用した不動産関連のビジネスを展開する企業です。
ツクルバでは、リノベーション・中古住宅流通プラットフォームとしての事業を展開する「cowcamo(カウカモ)事業」、リノベーションされたコワーキングオフィスを提供する「シェアードワークプレイス事業」の2つのセグメントによって事業運営が行われています。
以下は、ツクルバの主要なセグメントと事業系統を表した図です。
- cowcamo(カウカモ)事業
- シェアードワークプレイス事業

① cowcamo(カウカモ)事業
カウカモ事業は、ITを活用したリノベーション・中古住宅流通プラットフォームである「cowcamo」を運営する事業セグメントです。
「cowcamo」上では、物件情報の掲載・提供を行う「メディアサービス」、リノベーションされた住宅や中古住宅の不動産仲介を行う「エージェントサービス」、売主向けの物件を事業支援サービスである「売主向け支援サービス」の3つのサービスが運営されています。
また、カウカモ事業の事業モデルは、リノベーション・中古マンションの取引で発生する売買仲介手数料や、「売主向け支援サービス」を提供した際の業務委託手数料を主要な収益とする事業モデルとなります。
以下は、カウカモ事業の主要サービスである「cowcamo」の特徴です。
- リノベーション・中古マンション購入における一連の顧客体験の統合・刷新
「cowcamo」では、web上の住宅情報メディアを中心に、リノベーション・中古マンションの購入体験の統合・刷新が図られています。
具体的には、従来の店舗やチラシ、物件情報検索サイトに対して、ソーシャルメディアなどのチャネルに特化し、独自に撮影した画像や取材記事を中心としたタイプのメディア運営を行うことで、Webの特性を最大限に活用したサービスモデルが確立されています。
また、メディアの会員向けに、独自の物件情報データベースからユーザーの嗜好にあった物件を選定・提案する仕組みや、住宅購入検討する際のエージェントとなるスタッフとのコミュニケーションをより円滑に進めるためにチャット型のアプリが導入されています。なお、「cowcamo」における2019年7月時点での会員数は10.2万人となりました。 - 住宅デザイン企画・メディア運営・エージェントサービスの一連のオペレーションの統合・最適化
「cowcamo」の第2の特徴は、一連の業務フローにおいて自社開発したシステムを活用することによって、生産性の向上と顧客満足の両立が図られている点です。具体的には、顧客管理システム、エージェントによる顧客への提案支援、顧客とのアポイントメント管理を行う業務支援システムと、顧客とのコミュニケーションに利用されるチャットアプリなど、一連の業務が全て自社開発によりシステム化されています。このように、システムを自社開発し内製化することで、業務プロセスの生産性向上や、非熟練者のオペレーション習得におけるスピードアップが期待できます。
② シェアードワークプレイス事業
シェアードワークプレイス事業は、リノベーションしたオフィスをコワーキングスペースといて展開する事業セグメントです。
この事業で展開されるサービスは、スタートアップ、個人事業主、クリエイターなどの”チャレンジする人・組織”を主要な顧客とした「co-ba(コーバ)」、成長中のスタートアップ企業を対象として、成長や変化に合わせて柔軟にオフィススペースをレンタルすることができる「HEYSHA(ヘイシャ)」となります。
また、ワークスペースの仲介・設計を請け負うサービスが、「オフィスソリューション」として展開されています。
シェアードワークプレイス事業の特徴の特徴は、オフィスの床のみを貸し出して賃料を得る従来のオフィス賃貸と異なり、既に内装や家具が施された空間に様々なソフトサービスを統合した空間を「働く場」として提供することで、期間単位での利用料金を獲得するサブスクリプション型のモデルを採用している点です。
「co-ba(コーバ)」は月単位または一日単位でのサービス利用料、「HEYSHA(ヘイシ ャ)」は月額のサービス利用料によって計上される収益を得ています。
有価証券報告書情報
経営指標(過去3期分)
第8期の業績は以下の通りです。
- 売上高:15.2億円(前年比+185.3%)
- 経常利益:0.07億円
- 当期純利益:0.1億円
期 | 第6期 | 第7期 | 第8期 |
決算年月 | 2017年7月 | 2018年7月 | 2019年7月 |
売上高(千円) | 346,851 | 531,013 | 1,515,187 |
経常利益(千円) | △91,201 | △486,813 | 7,451 |
当期純利益(千円) | 27,435 | △401,721 | 10,735 |
純資産額(千円) | 221,055 | 446,646 | 1,475,192 |
総資産額(千円) | 498,150 | 975,812 | 1,869,062 |
自己資本比率 | 44.4% | 45.6% | 78.9% |
営業キャッシュフロー(千円) | △81,457 | △618,340 | 399,741 |
投資キャッシュフロー(千円) | 77,454 | △135,110 | △169,543 |
財務キャッシュフロー(千円) | 28,254 | 753,149 | 837,471 |
現金・現金同等物の期末残高(千円) | 304,603 | 304,302 | 1,371,971 |
従業員数 | 48人 | 99人 | 121人 |
経営指標(過去5期分)
過去5期の業績を見ると、売上高は、第4期と比較して約7倍に増加しています。
利益に関しては、第4期が黒字でしたが、その後赤字計上を続けました。
しかし、第8期に移ると黒字回復に成功していることがわかります。
数値の推移に関する正確な理由は不明ですが、ツクルバは、この5年間で事業拡大に伴うオフィス移転や資金調達を実施していることから、先行的に事業投資を行ったとの予測できます。
なお、ツクルバは、2015年9月25日付で普通株式1株につき100株の株式分割、2017年7月24日付で普通株式1株及びA種優先株式1株につき10株の株式分割、2019年5月8日付で普通株式1株につき10株の株式分割を実施しました。
期 | 第4期 | 第5期 | 第6期 | 第7期 | 第8期 |
決算年月 | 2015年7月 | 2016年7月 | 2017年7月 | 2018年7月 | 2019年7月 |
売上高(千円) | 217,608 | 223,348 | 346,851 | 531,013 | 1,515,187 |
経常利益(千円) | 4,797 | △29,862 | △91,201 | △486,813 | 7,451 |
当期純利益(千円) | 3,830 | △33,507 | 27,435 | △401,721 | 10,735 |
資本金(千円) | 56,250 | 111,000 | 95,400 | 90,000 | 594,505 |
発行済株式総数 | 750 | 81,000 | 813,170 | 879,670 | 9,331,700 |
純資産額(千円) | 120,543 | 191,496 | 221,055 | 446,646 | 1,475,192 |
総資産額(千円) | 158,615 | 432,877 | 498,150 | 975,812 | 1,869,062 |
自己資本比率 | 76.0% | 44.2% | 44.4% | 45.6% | 78.9% |
従業員数 | 13人 | 32人 | 48人 | 99人 | 121人 |
セグメント別業績
第8期のセグメント別経営成績は表の通りです。
売上構成比は以下の通りであり、売上構成の8割以上はカウカモ事業の収益によって構成されています。
第8期は、両セグメントともに前年比でプラス計上されており、全体の売上は約プラス185%と大幅に増加しました。
- カウカモ事業:83.7%
- シェアードワークプレイス事業:16.3%
指標 | 全体 | カウカモ事業 | シェアード ワークプレイス事業 |
売上高(千円) | 1,515,187 | 1,268,596 | 246,591 |
売上高前年同期比 | 185.3% | 231.3% | 66.6% |
上場時の株主構成
上位10位までの株主は、以下の通りです。
株主 | 所有株式数 | 比率 | ロックアップ |
村上 浩輝 | 2,281,300 | 23.43% | 90日間 |
中村 真広 | 2,168,800 | 22.27% | 90日間 |
株式会社エイチ | 1,000,000 | 10.27% | 90日間 |
合同会社エム | 1,000,000 | 10.27% | 90日間 |
株式会社アカツキ | 624,000 | 6.41% | 90日間 |
イーストベンチャーズ投資事業有限責任組合 | 600,000 | 6.16% | 90日間 |
佐藤 裕介 | 222,000 | 2.28% | 90日間 |
筧智 家至 | 220,000 | 2.26% | 90日間 |
株式会社シーラホールディングス | 220,000 | 2.26% | 継続保有 |
北原 寛司 | 189,200 | 1.94% | 90日間 |
上場時(IPO)の募集・売出し情報
公募・売出し・調達額情報
公募価格は2,050円、吸収金額(調達額)は45.1億円とされています。 また初値は、2,050円となりました。
仮条件 | 1,900円 ~ 2,050円 |
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公募・売出価格 | 2,050円 |
想定価格 | 2,050円 |
初値 | 2,050円 (公募価格比+0.0%) |
公募株数 | 535,000 株 |
売出株数 | 1,380,000 株 |
オーバーアロットメントによる売出し株数 | 287,200 株 |
吸収金額(調達額) | 45.1億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算) |