目次
ニューラルポケットの概要
ニューラルポケットの基本情報
まずはの基本情報を紹介します。
上場日は2020年8月20日、市場はマザーズ、想定時価総額は181.9億円です。
会社名 | ニューラルポケット株式会社 |
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設立日 | 2018 年 1 月 22 日 |
上場日 | 2020 年 8 月 20 日 (承認日:2020年7月10日) |
市場 | マザーズ |
証券コード | 4056 |
業種 | 情報・通信業 |
決算期 | 12月 |
ホームページアドレス | https://www.neuralpocket.com/ |
発行済株式総数 | 13,369,000 株(2020 年 7 月 10 日現在) |
上場時発行済株式総数 | 13,784,000 株 ※公募分を含む ※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある |
公募株数 | 415,000 株 |
想定価格 | 1,320円 |
想定時価総額 | 181.9億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算) |
資本金 | 100,000 千円(2020 年 7 月 10 日現在) |
1単元の株式数 | 100株 |
監査人 | 有限責任監査法人トーマツ |
主幹事証券会社 | みずほ証券 |
引受幹事証券会社 | 野村證券 SMBC日興証券 大和証券 いちよし証券 SBI証券 マネックス証券 楽天証券 岡三証券 |
ニューラルポケットの沿革
ニューラルポケットは、代表取締役である重松路威が「AIエンジニアリングで未来の社会を形にする」をミッションとして掲げ、 2018年1月に設立しました。 AIによる動画や画像の解析、データ解析などを中心的な事業として行っています。
2018年1月 | 東京都千代田区麹町においてファッションポケット株式会社(現:ニューラルポケット株式会社) を資本金5,000千円で設立 |
2018年3月 | 東京都千代田区霞が関に本社移転 |
2018年6月 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会 正会員 入会 |
2018年8月 | アパレル企業向けファッショントレンド解析関連サービス/ AI MD®(エーアイ エムディー)の サービスリリース |
2018年11月 | 東京都千代田区有楽町に本社移転 |
2019年3月 | ニューラルポケット株式会社に社名変更 |
2019年5月 | 一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)入会 |
2019年11月 | 物流施設内での業務効率・動線可視化ソリューションの提供を開始 |
2019年12月 | AI搭載スマートフォン・ドライブレコーダー「スマートくん」リリース、 MONETコンソーシアム加盟 |
2020年4月 | シンガポール支店を登記 |
2020年6月 | 北海道室蘭市に対し、観光施設の利用可視化ソリューションの提供を開始 |
ニューラルポケットの事業内容
ニューラルポケットは、「AIエンジニアリングで未来の社会を形にする」をミッションに掲げ、ビジネスにインパクトを与える「AIサービス」の創出を目的としています。
独自開発のAIアルゴリズムによる画像・動画解析と端末関連のデータ解析を活用することで社会に貢献し、顧客の成長に資するAI技術の開発を進め、AIエンジニアリング事業を展開しています。
ニューラルポケットの事業は、以下のように3つのカテゴリーに区分されており、主要事業のビジネスモデルは以下の通りです。
- スマートシティ関連サービス
- サイネージ広告関連サービス
- ファッショントレンド解析関連サービス
① スマートシティー関連サービス
ニューラルポケットのスマートシティー関連サービスとは、人口の都市集中や高齢化が進む中で、AIの活用によって、サービスの効率化及び最適化を目指すものです。
主なものとしては、AI活用による小売業の効率化、物流や工場の効率化、AIを利用したモビリティ(乗物・移動手段)を用いた地方都市再生、工事現場や作業現場空間の空間認識・デジタル化を通じた作業改善を行います。
①-1 スマートシティー関連サービスの主な運用事例
- モビリティ
ニューラルポケットの「モビリティ」サービスとは、最新のAI/IoT技術によって、運転における安全性・利便向上に貢献するものです。世界初となる、スマートフォンアプリケーションによる、AI搭載ドライブレコーダー「スマートくん」の提供を行っています。また、道路・沿道における公益性の高い情報をデータ化し、街づくりや道路インフラの整備、自動運転開発への支援を行っています。 - スマートインフラ
「スマートインフラ」サービスは、製造業や物流、建設業の現場において、人材不足を解消するための生産性や効率性の向上、業務の安全対策強化、業務従事者のケアなど様々な課題に取り組むサービスです。
そうした業界のニーズに対応するため、AIカメラ解析を用いた導線解析や作業者見守りサービス、ドローンを活用したインフラ点検支援など最新鋭のIoTデバイスを活用した現場の円滑なデジタル化を支援します。 - 人流・セキュリティ
「人流・セキュリティ」サービスは、AIとIoT技術を活用して、街を行きかう人や車、モノの動きを見える化した安全で効率的な都市空間の実現に貢献することを目的としたサービスです。
AIカメラ解析を活用した街空間や商業施設での利用者の導線や混雑状況の把握と安心・安全を確保するための見守りサービスなど多様な形態のサービスを提供し、官公庁や自治体、不動産デベロッパーなど業界横断的な取り組みを支援します。
①-2 スマートシティー関連サービスの強み・特徴
- 情報の可視化
製造業や建設業におけるた熟練工の経験・ノウハウに基づく動きはこれまで暗黙知とされてきました。AIカメラを用いることで、そのような目に見えない経験やノウハウなどの情報を可視化し、新人工員の稼働管理に役立てることができます。 - ビッグデータの取得
運転や道路情報に関するビックデータは、「モビリティ」サービスをユーザーが利用することによって取得することができます。また、AIが解析したこのようなビッグデータは、自動車会社、タクシー会社や保険会社といった事業者にとって貴重な情報となります。
② サイネージ広告サービス
従来のデジタルサイネージは、広告を掲示するだけで、視聴者の属性や視聴率、視聴後の動向などを解析できませんでした。また、ネットワークに接続されておらず、設置するデバイス毎に個別でシステムを設定する必要があるため、設置の際の初期投資が大きく、作業にも時間がかかりました。ニューラルポケットのサイネージ広告サービスとは、上記のような問題を解決し、AI技術を活用することで、街なかや施設にある張り紙広告のデジタル化・最適化を目指すサービスです。
②-1 サイネージ広告サービスにおける位置付け
サイネージ広告は、通信業者と広告代理店の協業によって成立しています。
通信業者は、サイネージ機器の調達や設置先への営業活動、またサイネージ機器への通信機能提供等を行います。
一方、サイネージで放映する広告コンテンツの広告主集めや広告コンテンツの制作等は大手広告代理店の担当です。
ニューラルポケットは、AIアルゴリズムの提供・機能更新、AIで検知した数字(広告視聴率、属性解析等)のデータレポーティングを行い、大手通信事業者と契約を締結することで固定報酬を受領しています。
②-2 サイネージ広告サービスの強み・特徴
都市部の駅や街中で見かける、ディスプレイで表示されていて、一定の時間で広告が入れ替わる広告をサイネージ広告と呼びます。
- サイネージ機器で取得できる数値・指標の多さ
AI技術を用いることで、これまでのサイネージ広告では収集されていなかった、歩行者の年齢・性別の推定、 視線の検知、歩行速度解 析、グループ属性など多くの数値・指標 をリアルタイムで収集できます。 - エッジ処理技術の活用
エッジ処理技術とは、エッジ上の機器でデータ処理を完結する技術のことであり、ニューラルポケットが関わるサイネージ広告には、この技術が使用されています。
昨今、多くの機器やセンサーから発信されるデータは、クラウドなどへ送られ、その後データ解析が行われる仕組みとなっています。
しかし、エッジ技術を利用すると、クラウドへデータを送るプロセスの省略することが可能です。
その結果、通信コストの削減や、データ転送のタイムラグ解消に伴うリアルタイム性の確保などのメリットがあります。
③ ファッショントレンド解析サービス
現在、日本国内のアパレル市場規模は、年々減少する傾向に直面しています。
こうした傾向は、余剰在庫の拡大や商品の値崩れ、 焼却廃棄等の問題を引き起こします。
ニューラルポケットのファッショントレンド解析サービスは、こうした問題の解決を目指すサービスです。
③-1 ファッショントレンド解析サービスの位置付け
ニューラルポケットのファッショントレンド解析サービスは、AIを使用した独自の画像解析エンジンによって膨大な量のファッションコーディネートデータをビックデータ化し、ユーザーとなるアパレル企業へ提供するサービスです。
アパレル企業は、提供されたデータ解析結果を利用することで、それまで属人的な勘と経験によって断定されていたファッション特性を定量化することが可能になります。
定量化されたデータによって、アパレル企業にトレンドの的確な把握や利益率の改善を行うことができます。
③-2 ファッショントレンド解析の強み・特徴
- 投入商品の最適化
AIによるファッション解析を行うことで、アパレル企業は、トレンドに合わせた投入計画を策定できるようになります。投入計画の最適化は、プロパー消化率(定価で販売した割合)の向上に繋がり、商品の値崩れを防ぎます。
有価証券報告書情報
経営指標(過去2期分)
第2期の業績は以下の通りです。
- 売上高:3.1億円(前年比+417.4%)
- 経常利益:-1.4億円(前年比+31.1%)
- 当期純利益:-1.4億円(前年比+31.0%)
2期の業績を見ると、売上が大きく拡大していることが読み取れます。
また、利益に関しては、依然赤字ではあるものの、改善の傾向を見せています。
ニューラルポケットは、2019年3月の時点で、11億円の資金調達を行っています。
以下、参考記事です。
期 | 第1期 | 第2期 |
決算年月 | 2018年12月 | 2019年12月 |
売上高(千円) | 60,208 | 311,491 |
経常利益(千円) | △182,355 | △139,103 |
当期純利益(千円) | △182,620 | △139,393 |
資本金(千円) | 100,000 | 100,000 |
発行済株式総数 | 12,157 | 13,369,000 |
純資産額(千円) | 158,342 | 625,860 |
総資産額(千円) | 318,759 | 1,056,928 |
自己資本比率 | 49.67% | 59.22% |
営業キャッシュフロー(千円) | △158,546 | △198,747 |
投資キャッシュフロー(千円) | △91,966 | △46,493 |
財務キャッシュフロー(千円) | 455,963 | 860,568 |
現金・現金同等物の期末残高(千円) | 210,451 | 825,778 |
従業員数 | 7人 | 25人 |
株主構成
上位10位までの株主は、以下の通りです。
株主 | 所有株式数 | 比率 | ロックアップ |
重松 路威 | 10,000,000 | 68.54% | 90日 |
UTEC4号投資事業有限責任組合 | 1,074,000 | 7.36% | 90日 |
株式会社SMBC信託銀行(特定運用金外信託 未来創生2号ファンド) | 698,000 | 4.78% | – |
株式会社オフィス千葉 | 485,000 | 3.32% | – |
篠塚 孝哉 | 309,000 | 2.12% | – |
ミシュースティン ドミートリ | 294,000 | 2.02% | – |
佐々木 雄一 | 288,000 | 1.97% | 90日 |
シニフィアン・アントレプレナー ズファンド投資事業有限責任組合 | 199,000 | 1.36% | – |
染原 友博 | 177,000 | 1.21% | 90日 |
周 涵 | 135,000 | 0.93% | 90日 |
新規上場(IPO)の募集・売出し情報
公募・売出し・調達額情報
想定価格は1,320円、吸収金額(調達額)は8.8億円と予想されています。
仮条件 | 未発表 |
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公募・売出価格 | 未発表 |
想定価格 | 1,320円 |
初値 | − |
公募株数 | 415,000 株 |
売出株数 | 163,000 株 |
オーバーアロットメントによる売出し株数 | 86,700 株 |
吸収金額(調達額) | 8.8億円 (※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算) |