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【新規上場企業分析】 Fast Fitness Japan(ファストフィットネスジャパン)のIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

Fast Fitness Japanの概要

Fast Fitness Japanの基本情報

はじめに、株式会社Fast Fitness Japanの基本情報を紹介します。 上場予定日は2020年12月16日、市場はマザーズ、想定時価総額は201.8です。

会社名 株式会社 Fast Fitness Japan(ふぁすとふぃっとねすじゃぱん)
設立日 2010年5月21日
上場日 2020年12月16日 (承認日:2020年11月11日)
市場 マザーズ
証券コード 7092
業種 サービス業
決算期 3月
ホームページアドレス https://fastfitnessjapan.jp/
発行済株式総数 9,250,000 株(2020 年 11 月 11 日現在)
上場時発行済株式総数 10,850,000 株  ※公募分を含む。 ※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。
公募株数 1,600,000 株
想定価格 1,860円
想定時価総額 201.8億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
資本金 201,574 千円(2020年11月11日現在)
1単元の株式数 100 株
監査人 PwCあらた有限責任監査法人
主幹事証券会社 野村證券
引受幹事証券会社 SMBC日興証券
SBI証券
むさし証券
マネックス証券
岡三証券

Fast Fitness Japanの沿革

Fast Fitness Japanは、2010年にフィットネスクラブ運営事業を目的として、東京都で設立しました。 米国を本拠地とする「エニタイムフィットネス」のマスター・フランチャイジーとして2020年4月には全47都道府県への出店を達成しました。

2010年5月 フィットネスクラブ運営事業を目的として、当社を東京都杉並区に設立
2010年6月 当社がAnytime Fitness, LLCとマスター・フランチャイズ契約を締結
2010年7月 直営店の運営を行うことを目的として、当社の完全子会社株式会社AFJ Projectを設立
2010年10月 東京都調布市にエニタイムフィットネス1号店をオープン(調布店)
2011年4月 東京都杉並区から東京都調布市に本店移転
2011年5月 兵庫県神戸市長田区に近畿1号店をオープン(高速長田店)
2011年9月 東京都調布市から埼玉県草加市に本店移転
2013年11月 広島県福山市に中国1号店をオープン(福山新涯店)
2014年11月 当社が「ゲート管理システム及びゲート管理方法」の特許を取得
2015年3月 福岡県福岡市南区に九州1号店をオープン(高宮店) 愛知県名古屋市東区に中部1号店をオープン(新栄町店)
2015年6月 宮城県仙台市若林区に東北1号店をオープン(宮城の萩大通り店) 沖縄県那覇市に沖縄1号店をオープン(首里末吉町店)
2015年10月 エニタイムフィットネス100店舗目オープン
2017年12月 愛媛県松山市に四国1号店をオープン(松山久米店)
2018年4月 北海道札幌市中央区に北海道1号店をオープン(札幌山鼻店)
2019年3月 エニタイムフィットネス500店舗目オープン
2019年9月 埼玉県草加市から東京都新宿区に本店移転
2020年4月 高知県高知市に高知県第1号店をオープンし、47全都道府県への出店を達成

Fast Fitness Japanの事業内容

Fast Fitness Japanは、「ヘルシアプレイスをすべての人々へ!」を企業理念としており、健康を実現するための最適な“場”を提供することを使命として、米国に本拠地を持つ、フィットネスクラブチェーンである「エニタイムフィットネス」の日本におけるマスター・フランチャイジーとして、フィットネスクラブ運営事業を運営する企業です。
以下は、Fast Fitness Japanの事業系統を表した図です。

fast fitness japanの事業系統図

① エニタイムフィットネスとは? 

Fast Fitness Japanが日本国内でマスター・フランチャイジーとして展開するエニタイムフィットネスは、「私たち一般の生活者にとって “本当にいいフィットネスクラブ”とは何だろう?」という素朴な疑問からスタートし、2002年アメリカ・ミネアポリス市に立ち上げられました。 エニタイムフィットネスが提案する「新しいフィットネスクラブのあるべき形」は一般生活者のニーズを捉え、1号店の出店からわずか10年(2012年)で2,000店舗を達成し、さらに3年後の2015年、世界22ヶ国・3,000店舗超を達成しています。 フィットネス先進国のアメリカから生まれたエニタイムフィットネスは、現在、世界中の一般生活者に受け入れられており、2020年9月30日時点で、世界28の国と地域に展開し、約4,800店舗のうち2,000店舗以上がアメリカ・カナダ以外の店舗です。 日本では、Fast Fitness Japanが2010年6月にマスター・フランチャイジーとなり、2010年10月に日本におけるエニタイムフィットネス第1号店として東京都調布市に直営店をオープンしました。 また、2011年5月にFC店第1号を兵庫県神戸市長田区にオープンし、2020年9月30日時点で直営店とFC店を合わせて829店舗を展開してます。

② 主な特徴 

エニタイムフィットネスの主な特徴は、年中無休24時間営業を実現している点と、マシンジム特化型のモデルを採用している点であり、このような仕組みによって低価格でのサービス提供が可能となっています。 エニタイムフィットネスは、多様なライフスタイルに応じた利用を実現するため、24時間営業を行っており、顧客は、昼夜関係なく好きな時にトレーニングすることが可能です。 これは、独自に開発した入館管理システム・セキュリティーシステムによって、無人化営業となる夜間でも安心してトレーニングができる環境が構築されているためです。 また、エニタイムフィットネスでは、マシン特化型のモデルを採用しているため、喧騒を感じることなくトレーニングに集中ができる環境が整備されています。 これらのマシンは、Anytime Fitness, LLCが指定する 世界的ブランドから厳選した機種である点が特徴です。 これらの夜間の無人化営業やマシンジムへ特化したモデルは、人件費・設備費・維持費などの削減に繋がり、 低価格でのサービス提供を可能としています。 なお、エニタイム専用のセキュリティーキーを持っていれば、日本に存在する829店舗(2020年9月30日時点)だけでなく、世界中に存在する約4,800店舗(2020年9月30日時点)のエニタイムフィットネスの店舗を追加料金なしで利用することが可能です。

有価証券報告書情報

連結の経営指標(過去2期分)

第10期の連結の業績は以下の通りです。

  • 売上高:113.3億円(前年比+41.2%)
  • 経常利益:28.3億円(前年比+69.3%)
  • 当期純利益:16.3億円 (前年比+75.6%)
第9期 第10期
決算年月 2019年3月 2020年3月
売上高(千円) 8,024,399 11,333,891
経常利益(千円) 1,671,222 2,828,683
当期純利益(千円) 928,320 1,627,860
純資産額(千円) 1,718,633 3,318,735
総資産額(千円) 10,746,213 15,624,237
自己資本比率 16.0% 21.2%
営業キャッシュフロー(千円) 2,669,715 2,327,565
投資キャッシュフロー(千円) △1,873,741 △3,624,976
財務キャッシュフロー(千円) 1,088,876 2,471,740
現金・現金同等物の期末残高(千円) 3,535,059 4,709,390
従業員数 110人 163人

 

経営指標(過去5期分)

過去5期の業績を見ると、売上高は、第6期と比較して約7.2倍に増加しており、終始右肩上がりに増加しています。 また、利益に関しても、右肩上がりで増加を続けており、過去5期で赤字で計上されたタームは一度もありません。 なお、Fast Fitness Japanは、2019年8月29日付で普通株式1株につき500株の株式分割を実施しました。

第6期 第7期 第8期 第9期 第10期
決算年月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月 2020年3月
売上高(千円) 839,877 1,442,516 2,750,401 4,198,652 6,085,771
経常利益(千円) 74,723 229,423 389,097 1,005,465 2,234,486
当期純利益(千円) 40,561 147,139 199,480 616,763 1,367,304
資本金(千円) 161,175 161,175 201,574 201,574 201,574
発行済株式総数 16,650 16,650 18,500 18,500 9,250,000
純資産額(千円) 272,873 403,372 658,655 1,247,557 2,587,103
総資産額(千円) 995,081 1,397,582 2,612,260 4,284,725 6,659,074
自己資本比率 27.4% 28.9% 25.2% 29.1% 38.9%
従業員数 39人 58人 92人 110人 163人

 

株主構成

上位10位までの主要な株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
株式会社オーク 4,877,500 47.43% 90日間
大熊 章 1,647,500 16.02% 90日間
RM Japan, LLC 925,000 9.00% 90日間
土屋 敦之 550,000 5.35% 90日間
特定有価証券信託受託者 野村信託銀行株式会社 (信託口2052248) 450,000 4.38% 90日間
特定有価証券信託受託者 野村信託銀行株式会社 (信託口2052249) 450,000 4.38% 90日間
加藤 薫 350,000 3.40% 90日間
高嶋 淳 350,000 3.40% 90日間
稲垣 稔 250,000 2.43% 90日間
森 保平 166,500 1.62% 90日間

新規上場(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

想定価格は1,860円、吸収金額(調達額)は38.5億円と予想されています。

仮条件 未発表
公募・売出価格 未発表
想定価格 1,860 円
初値
公募株数 1,600,000 株
売出株数 200,000 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 270,000 株
吸収金額(調達額) 38.5 億円 (※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算)

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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