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【新規上場企業分析】ハウテレビジョンのIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

ハウテレビジョンの概要

ハウテレビジョンの基本情報

はじめに、株式会社ハウテレビジョンの基本情報を紹介します。
上場日は2019年4月24日、市場はマザーズ、想定時価総額は14.8億円、上場時の時価総額は45.7億円でした。

会社名 株式会社ハウテレビジョン
設立日 2010年2月9日
上場日 2019年4月24日 (承認日:2019年3月20日)
市場 マザーズ
証券コード 7064
業種 サービス業
決算期 1月
ホームページアドレス https://howtelevision.co.jp/
発行済株式総数 1,000,000 株(2019 年 3 月 20 日現在)
上場時発行済株式総数 1,220,000 株
※公募分を含む。
※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある
公募株数 220,000 株
想定価格 1,210円
想定時価総額 14.8億円(※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
初値 3,745円
上場時時価総額 45.7億円 (※上場時発行済株式総数×初値で計算)
時価総額 27.9億 (2020年11月10日現在)
資本金 56,500 千円(2019 年 3 月 20 日現在)
1単元の株式数 100 株
監査人 有限責任監査法人トーマツ
主幹事証券会社 みずほ証券
引受幹事証券会社

野村證券
SBI証券
SMBC日興証券
マネックス証券
岩井コスモ証券
東海東京証券
いちよし証券

ハウテレビジョンの沿革

株式会社ハウテレビジョンは、2010年に東京都において設立されました。
ハウテレビジョンは、ハイクラス新卒向け就職活動サービスである「外資就活ドットコム」を創業初期から運営し、2019年4月に東証マザーズに上場しています。

2010年2月 東京都練馬区貫井において、キャリアプラットフォーム運営事業を主たる目的として、当社設立 (資本金400万円)
2010年4月 リクルーティング・プラットフォーム「外資就活ドットコム」をリリース
2011年3月 資本金650万円に増資
2011年12月 東京都港区六本木に本社移転
2012年8月 東京都渋谷区渋谷二丁目に本社移転
2014年1月 東京都渋谷区渋谷三丁目に本社移転
2014年2月 スマートフォンアプリ「外資就活ドットコム」をApp Store及びGoogle Playにてリリース
2015年10月 資本金5,650万円に増資
2016年2月 若手社会人のキャリアアップ支援サービス「Liiga」をリリース
2017年11月 広告配信プラットフォーム「Elite Youth Recruiting DSP」の運営管理を通じたDSPサービスを開始
2018年4月 「外資就活ドットコム」「Liiga」と「Elite Youth Recruiting DSP」を組み合わせた広告商品
「Elite Youth Marketing Platform」をリリース
2019年4月 東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場

 

ハウテレビジョンの事業内容

ハウテレビジョンは、「全人類の能力を全面開花させ、世界を変える」を経営理念として掲げ、求職者と企業をマッチングさせるサービスであるキャリアプラットフォーム事業を運営する企業です。
ハウテレビジョンで運営されている主要なサービスは、新卒学生向けリクルーティング・プラットフォーム「外資就活ドットコム」と、若手社会人向けリクルーティング・プラットフォーム「Liiga」の2つのサービスであり、主要サービスと事業系統を表した図は以下の通りです。

  1. 外資就活ドットコム
  2. Liiga

 

ハウテレビジョンの事業系統図

① 外資就活ドットコム

「外資就活ドットコム」は、国内外の難関大学に所属する学生の利用を想定した、新卒学生リクルーティング・プラットフォームです。

このサービスの特徴は、ハウテレビジョンが選んだ外資系企業や入社難易度が高いと注目されている企業の募集情報のみを掲載している点であり、毎年多くの新卒学生がこのような企業に入社しています。
このように「外資就活ドットコム」は、外資系コンサルティング会社や外資系金融機関などが中心的なクライアントとなることで、競合サービスとは異なる傾向が表れており、他社競合サービスと比較した場合、強い独自性を持つサービスであるといえます。

なお、「外資就活ドットコム」は、登録会員である大学生に対しては無償でサービスを提供されている一方、募集企業に対してはサービス内での広告掲載料、内定後の成約課金などの手数料によって収益が計上されています。

② Liiga

「Liiga」は、ケーススタディや業界研究などを通じて登録会員である若手社会人のスキルアップやキャリア観構築をサポートすることを目的としたサービスです。
また、「Liiga」は、若手社会人向けの転職サービスとしての機能も同時に備えています。
このサービスの特徴は、登録会員の40%程度が「外資就活ドットコム」の登録会員出身者である点であり、これは、学生時代に「外資就活ドットコム」を利用していたハイクラス層に企業がアプローチしやすいサービスであることを意味します。
なお、「Liiga」の収益は、主にクライアント企業が支払うシステム利用料と、転職が実現した場合の成功報酬によって計上されています。

有価証券報告書情報

経営指標(過去3期分)

第10期の連結指標の数値は以下の通りです。

  • 売上高:8.3億円 (前年比+26.7%)
  • 経常利益:0.8億円 (前年比+17.2%)
  • 当期純利益:0.5億円 (前年比△12.8%)
第8期 第9期 第10期
決算年月 2018年1月 2019年1月 2020年1月
売上高(千円) 390,259 658,529 834,502
経常利益(千円) 10,751 69,463 81,398
当期純利益(千円) 36,036 52,131 46,235
純資産額(千円) 93,792 145,923  490,329 
総資産額(千円) 246,427 307,325 637,926
自己資本比率 38.1% 47.5% 76.9%
営業キャッシュフロー(千円) 71,028 88,061 100,704
投資キャッシュフロー(千円) 18,833 △43,191  △142,634 
財務キャッシュフロー(千円) △17,188 △18,504 248,169
現金・現金同等物の期末残高(千円) 154,306 180,671 386,911
従業員数 20人 30人 37人

 

経営指標(過去5期分)

過去5期の業績を見ると、売上高は、第6期と比較して約2.8倍に増加しており、終始右肩上がりに増加しています。
また、利益に関しては、7期までは赤字で計上されていますがその後は黒字で推移しており、概ね右肩上がりです。

なお、ハウテレビジョンは、2016年11月14日付で普通株式1株につき10,000株の株式分割を実施しました。

第6期 第7期 第8期 第9期 第10期
決算年月 2016年1月 2017年1月 2018年1月 2019年1月 2020年1月
売上高(千円) 299,211 324,486 390,259 658,529 834,502
経常利益(千円) △22,643 △11,445 10,751 69,463 81,398
当期純利益(千円) △23,127 △11,830 36,036 52,131 46,235
資本金(千円) 56,500 56,500 56,500 56,500 205,584
発行済株式総数 100 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,267,900
純資産額(千円) 69,586 57,756 93,792 145,923  490,329 
総資産額(千円) 254,148 193,001 246,427 307,325 637,926
自己資本比率 27.4% 29.9% 38.1% 47.5% 76.9%
従業員数 23人 18人 20人 30人 37人

 

上場時の株主構成

上場時の上位10人までの株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
音成 洋介 700,000 65.79% 180日間
音成 恵里 200,000 18.80% 180日間
エン・ジャパン株式会社 100,000 9.40% 180日間
長村 禎庸 15,000 1.41%
津田 泰之 11,000 1.03% 継続保有
西塚 慎太郎 8,000 0.75%
佐々木 康太朗 8,000 0.75%
千田 拓治 2,500 0.23%
大里 健祐 2,000 0.19% 継続保有
丸山 紀一朗 2,000 0.19%

上場時(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

公募価格は1,210円、吸収金額(調達額)は4.4億円とされています。 また初値は、3,745となりました。

仮条件 1,060円 ~ 1,210円
公募・売出価格 1,210円
想定価格 1,210円
初値 3,745円 (公募価格比+209.5%)
公募株数 220,000 株
売出株数 96,000 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 47,400 株
吸収金額(調達額) 4.4億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算)

 


この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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