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【新規上場企業分析】Sharing InnovationsのIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

Sharing Innovationsの概要

Sharing Innovations の基本情報

はじめに、株式会社Sharing Innovationsの基本情報を紹介します。 上場日は2021年3月24日、市場はマザーズ、想定時価総額は99.1億円、上場時の時価総額は172.5億円でした。

会社名 株式会社 Sharing Innovations
(しぇありんぐいのべーしょんず)
設立日 2008 年 6 月 6 日
上場日 2021 年 3 月 24 日(承認日:2021年2月19日)
市場 マザーズ 
証券コード 4178
業種 情報・通信業
決算期 12月
ホームページアドレス https://sharing-innovations.com/
発行済株式総数 3,660,000 株(2021 年 2 月 19 日現在)
上場時発行済株式総数 3,710,000 株 ※公募分を含む。 ※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。
公募株数 50,000 株
想定価格 2,670円
想定時価総額 99.1億円(※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
初値 4,650円
上場時時価総額 172.5億円 (※上場時発行済株式総数×初値で計算)
時価総額 127.3億円(2021年4月1日現在)
資本金 330,500 千円(2021 年 2 月 19 日現在)
1単元の株式数 100 株
監査人 EY 新日本有限責任監査法人
主幹事証券会社 SBI証券
引受幹事証券会社 野村證券
みずほ証券
SMBC日興証券
エース証券
岩井コスモ証券
松井証券

Sharing Innovationsの沿革

株式会社Sharing Innovationsは、2008年、東京都において株式会社あゆたとして設立されました。創業初期からソフトウェア開発などIT関連の事業を手がけ、2021年3月24日、東証マザーズに上場しました。

2008年6月 東京都江東区森下三丁目にソフトウエアの開発等を目的として株式会社あゆた(資本金3百万円)を設立
2014年12月 本社を東京都千代田区岩本町二丁目に移転
2017年6月 株式会社デジタルアイデンティティ(現:株式会社Orchestra Holdings)の100%子会社となる
2017年7月 株式会社セレッテよりスマートフォン向けアプリ開発、システム開発事業を事業譲受
2017年8月 本社を渋谷区恵比寿南一丁目に移転
2018年2月 株式会社グローバル・リサーチよりITソリューション事業を事業譲受
2018年4月 株式会社エス・エス・アヴェニューの全株式を取得し子会社化
2018年7月 商号を株式会社あゆたから株式会社Sharing Innovationsに変更 株式会社エス・エス・アヴェニューのITソリューション事業を吸収分割により承継
2019年1月 株式会社ファンステージ及び株式会社クラフトリッジの全株式を取得し子会社化 クラウドインテグレーションサービスの提供開始
2019年5月 株式会社ファンステージのWebサイト開発事業、アプリケーション開発事業を吸収分割により承継 株式会社ライフテクノロジーを吸収合併
2019年7月 株式会社クラフトリッジのシステム開発事業を吸収分割により承継 株式会社G clefの全株式を取得し子会社化
2020年5月 本社を渋谷区恵比寿四丁目20番3号(恵比寿ガーデンプレイスタワー)に移転 Mulodo Vietnam Co.,Ltd(現:SHARING INNOVATIONS VIETNAM CO.,LTD.)の全持分を取得し子会社化 株式会社セールスフォース・ドットコムが主催する「Salesforce Partner Summit 2020」において、「Trailhead of the Year (Partner)」を受賞
2020年7月 TABLEAU SOFTWARE, LLCとパートナー契約を締結

 

Sharing Innovationsの事業内容

Sharing Innovationsは、「ITエンジニアの教育・育成で日本の発展と生産性向上を牽引する」を経営理念に掲げ、システムソリューションやクラウドサービスの導入を対企業向けに提供する「デジタルトランスフォーメーション事業」、自社アプリの企画開発・運営を行う「プラットフォーム事業」の2つのセグメントが運営されています。

  1. デジタルトランスフォーメーション事業
  2. プラットフォーム事業

(1) デジタルトランスフォーメーション事業

デジタルトランスフォーメーション事業は、他社のシステムやアプリの開発を行う「システムソリューション」、 クラウドサービスの導入支援を行う「クラウドインテグレーション」の2つのサービスを運営する事業セグメントです。 この事業は、対法人顧客向けの事業として、近年、ニーズが高まっているAI活用やDX支援を目的としたサービスが提供されており、Salesforceを軸としたシステム開発が行われています。 以下は、デジタルトランスフォーメーション事業で展開される2つの主要なサービスです。

① システムソリューション

システムソリューションは、Sharing Innovationsが創業初期から運営しているサービスです。金融、流通、ウェブサービス、人材などの幅広い業種のクライアントに対し、社内情報管理システムやリスク管理システムの受託開発を行っています。 また、システムの要件定義から納品までプロジェクト全体に関わる「請負契約」、プロジェクトの一部を支援する「準委任契約」の2つの契約形態が用意されており、クライアントは条件やニーズに応じた契約形態を選択することが可能です。

② クラウドインテグレーション

クラウドイインテグレーションは、salesforce.com社が提供するクラウドベースのCRM(顧客管理)・SFA(営業支援)ツールを中心としたクラウドサービスの導入支援を企業向け提供するサービスです。 具体的には、クライアントからのヒアリング内容を基に要件定義を行い、その要件定義に従った設計・テストを実施、最終的にはクライアントが自らクラウドサービスを運用できるように、クライアントニーズに合わせたカスタマイズや導入をサポートする業務が行われています。

(2) プラットフォーム事業

プラットフォーム事業は、Sharing Innovationsの自社アプリの企画・開発・運営を中心に行い、 「App Store」や「Google play」スマートフォンユーザーに提供するサービスを運営する事業セグメントです。 占いアプリの開発・提供を主要なサービスとしており、「チャットで話せる占いアプリ-ウラーラ」は、占い師とユーザーをチャットで繋ぐ設計であり、文字数に応じて鑑定料が課金されるビジネスモデルで運営されています。 また、ウラーラでは、占いコンテンツ販売、電話占い鑑定も実施しており、ユーザーのニーズに応じたサービスラインナップを拡充されており、ウラーラの2021年1月末の在籍占い師数は900名、2020年12月期の平均月間利用者数は8,400名以上であり、アプリ企画から運営までが内製化されているため、ユーザーニーズを反映したサービスを提供することが可能です。

有価証券報告書情報

連結の経営指標(過去3期分)

第12期の連結指標の数値は以下の通りです。

  • 売上高:27.2億円 (前年比+302.8%)
  • 経常利益:1.5億円 (前年比+156.2%)
  • 当期純利益:0.7億円 (前年比+19.6%)
第11期 第12期
決算年月 2018年12月 2019年12月
売上高(千円) 676,430 2,724,748
経常利益(千円) 58,737 150,507
当期純利益(千円) 61,832 73,971
純資産額(千円) 387,903 866,434
総資産額(千円) 580,522 1,420,360
自己資本比率 66.8% 60.9%
営業キャッシュフロー(千円) 215,784 187,007
投資キャッシュフロー(千円) △328,764 △336,076
財務キャッシュフロー(千円) 220,000 333,991
現金・現金同等物の期末残高(千円) 123,312 319,571
従業員数 118人 168人

 

単体の経営指標(過去5期分)

過去5期の業績を見ると、売上高は、第8期と比較して約27.4倍に増加しており、右肩上がりの成長を続けています。 また、利益に関しても、右肩上がりに増加している傾向です。 また、Sharing Innovationsは、2020年12月2日付で普通株式1株につき1,000株の株式分割を実施しました。

第8期 第9期 第10期 第11期 第12期
決算年月 2016年3月 2017年3月 2018年12月 2019年12月 2020年12月
売上高(千円) 75,880 97,080 141,941 568,241 2,076,778
経常利益(千円) 363 566 15,875 61,503 127,897
当期純利益(千円) 215 373 11,457 64,702 71,480
資本金(千円) 3,000 3,000 48,000 158,000 330,500
発行済株式総数 60 60 960 3,160 3,660
純資産額(千円) 4,240 4,613 106,071 390,773 866,813
総資産額(千円) 41,110 37,054 132,814 572,716 1,420,036
自己資本比率 10.3% 12.5% 79.9% 68.2% 60.9%
従業員数 11人 14人 31人 118人 168人

 

主要なセグメント別の業績

以下は、Sharing Innovationsのセグメント別の指標です。 デジタルトランスフォーメーション事業が全体の大半を占めており、売上も大きく伸びていることから、デジタルトランスフォーメーション事業がSharing Innovationsの売上の主軸になっていることがわかります。

  • デジタルトランスフォーメーション事業:91.6%
  • プラットフォーム事業:8.4%
指標 全体 デジタルトランス フォーメーション 事業 プラットフォーム 事業
売上高(千円) 2,724,748 2,495,745 229,003
前年同期比 269.0%
セグメント利益(千円) 250,093 7,282
前年同期比 70.8%

 

上場時の株主構成

上位10位までの株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
Orchestra Holdings 3,660,000 87.21% 180日間
有田  佳史 284,000 6.77%
飯田  啓之 96,400 2.30%
根本  崇司 96,400 2.30%
柳  径太 20,000 0.48%
女鹿 慎司 16,000 0.38%
中川  義則 10,000 0.24%
久田 友紀 3,500 0.08%
山下  祐介 3,500 0.08%
足立 研一郎 3,500 0.08%

上場時(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

公募価格は2,850円、吸収金額(調達額)は28.3億円とされています。 また初値は、4,650となりました。

仮条件 2,670円 ~ 2,850円
公募・売出価格 2,850円
想定価格 2,670円
初値 4,650円 (公募価格比+63.2%)
公募株数 50,000 株
売出株数 985,000 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 25,800 株
吸収金額(調達額) 28.3 億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算)

 


この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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