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【新規上場企業分析】 SANEI(さんえい)のIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

SANEIの概要

SANEIの基本情報

はじめに、SANEI株式会社の基本情報を紹介します。
上場予定日は2020年12月25日、市場は東証2部、想定時価総額は45.5億です。

会社名 SANEI(さんえい)株式会社
設立日 1960年12月21日
上場日 2020年12月25日(承認日:2020年11月19日)
市場 東証2部
証券コード 6230
業種 機械
決算期 3月
ホームページアドレス https://www.sanei.ltd/
発行済株式総数 1,960,000 株(2020 年 11 月 19 日現在)
上場時発行済株式総数 2,220,000 株
※公募分を含む。
公募株数 260,000 株
想定価格 2,050 円
想定時価総額 45.5億円(※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
資本金 98,000 千円(2020 年 11 月 19 日現在)
1単元の株式数 100 株
監査人 ひびき監査法人
主幹事証券会社 大和証券
引受幹事証券会社

野村證券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
SBI証券
SMBC日興証券

SANEIの沿革

SANEIは、1954年に大阪府において三栄水栓製作所として創立しました。
その後、徐々に業容を拡大し、2018年には、現在の社名に変更しています。

1954年9月 大阪市東成区東小橋にて三栄水栓製作所を創立。水道用品の卸販売を開始。
1958年10月 水栓、シャワー等の組立作業を開始。
1960年12月 株式会社に改組し、株式会社三栄水栓製作所を設立。
1965年11月 関東方面の販売会社として東京都江東区亀戸に東京三栄水栓株式会社を設立。
1966年6月 大阪市東成区玉津に機械工場を建設し、水栓金具の製造を開始。
1967年4月 ツーバルブシャワー混合栓の製造を開始。
1968年4月 大阪市東成区玉津に本社ビルを建設。
1971年2月 大阪市東成区玉津に倉庫・真空包装工場を建設。
1972年12月 大阪市城東区鴫野に鴫野工場および倉庫を建設。
1973年4月 東大阪市高井田に鋳造工場を建設。
1974年2月 鴫野真空包装工場を増築、玉津の機械工場を移転し、玉津工場跡地を倉庫に改造。
1975年3月 シングルレバー混合栓(ユーミックス)を製造、販売。
1980年2月 岐阜県各務原市に株式会社岐阜三栄水栓製作所を設立。
1982年11月 株式会社岐阜三栄水栓製作所を吸収合併、 岐阜工場として鋳造、加工、組立の一貫工場が完成。
1985年4月 大阪市城東区鴫野に鴫野配送センターを開設。
1985年5月 関東方面の販売会社である東京三栄水栓株式会社を吸収合併。同時に東京支店を開設。
大阪市東成区玉津に大阪営業所を開設。
1988年5月 東京都足立区加平に足立配送センター(現関東物流センター)を開設。
1992年3月 包装を目的とした有限会社サンエースを岐阜県関市に設立。
1993年8月 名古屋市緑区浦里に名古屋支店を開設。
1994年9月 岐阜県各務原市鵜沼朝日町に中部物流センターを建設。
1995年7月 岐阜県各務原市鵜沼大伊木町に大伊木工場(鍍金工場)を建設
1996年12月 鴫野工場がISO 9001の認証取得。
1997年11月 岐阜工場内にバフ研磨工場を建設。
1998年4月 岐阜工場と大伊木工場がISO 9001の認証取得。
岐阜工場に研磨工場を建設。
2001年3月 鴫野工場がISO 14001の認証取得。
2001年5月 岐阜工場・大伊木工場・中部物流がISO 14001の認証取得。
2003年2月 中国・大連経済技術開発区に大連三栄水栓有限公司を設立。
2003年4月 水道工事の施工を目的とした株式会社近藤エンジニアリング(現株式会社アクアエンジニアリング)を大阪市東成区玉津に設立。
2004年4月 新本社ビル建設。
2007年4月 東京都渋谷区神宮前にコンセプトショップ「WAILEA」を開設。
2010年9月 株式会社三栄を吸収合併。
2015年9月 不動産の管理及び賃貸業等を目的とした株式会社アクアラボを完全子会社化。
有限会社サンエースの株式を売却。
2016年1月 株式会社アクアエンジニアリングを完全子会社化。
2018年3月 株式会社アクアラボを吸収合併。
2018年4月 株式会社三栄水栓製作所からSANEI株式会社に社名変更。
2020年7月 高級バスの製造・販売を目的としたFLUSSO株式会社を東京都渋谷区神宮前に設立。

SANEIの事業内容

SANEIは、 『「人類ある限り水は必要である」との理念のもと人間の乾きを潤す水まわりを中心に生活の泉、憩の泉の想像を実現する事で社会に貢献し会社繁栄と全社員の幸福の源とする』を経営理念に掲げ、給水栓・給排水金具・継手、配管部材の製造・販売を主な事業として運営する企業です。

以下は、SANEIの事業系統を表した図です。


SANEIの事業系統

製品の特徴 

SANEIが製造する給水栓とは単水栓、湯水混合水栓、止水栓、ボールタップ、洗浄弁・洗浄水栓の総称を表しますが、SANEIは、業務の特徴として、特に水栓金具を専門で取り扱うメーカーとなります。

また、商品の特徴として、従来とは異なるデザイン性の高い水栓を提案しているため、インテリアを構成する素材の一つとして、その空間のコンセプトに調和するようなデザインの選択肢を提供する製品の製造・販売が大きな特徴であり、スウィートルームやペントハウスなどの高級なゾーンでも採用される商品となります。

製品開発面では、エレクトロニクスとの融合が目指されており、一般向け水栓や給排水用品などの水まわり商材のほか、付加価値の高いデザインや水の流れにこだわった高級水栓や、スマホのような静電タッチ水栓が製品化されています。

主な販売チャネル・販路

SANEIで製造される水洗金具は、主に以下の4つのルートで販売が行われています。

  • 管工機材ルート
    水まわり資材を取り扱う管材店への販売を主に行うルートです。
    このルートでは、ホテル、病院、介護老人保健施設など非住宅関連の施設や住宅内の水まわり設備などの需要へ向けて販売が行われています。

  • リテールルート
    リテールルートは、量販店への販売を主に行うルートです。
    ホームセンターや家電量販店などのリアル店舗の他、テレビ通販、インターネット販売を経由した販売も併行して行われています。

  • メーカールート
    メーカールートは、システムキッチンやユニットバスなどの住宅設備機器メーカーへの製品供給を主に行うルートです。このルートでは、高級感やデザイン性の高い製品が比較的高い割合で販売されています。

  • 海外ルート
    海外ルートは、海外市場への輸出を行うルートであり、国内同様、現地の管工機材業者やリテール、メーカールートを経由して製品が販売されています。
    なお、主な販売国は、中国、台湾、インドネシア、タイ等のアジア諸国です。


有価証券報告書情報

連結の経営指標(過去2期分)

第60期の業績は以下の通りです。

  • 売上高:213.5億円(前年比+2.6%)
  • 経常利益:11.0億円(前年比+16.8%)
  • 当期純利益:7.3億円(前年比+19.3%)
第59期 第60期
決算年月 2019年3月 2020年3月
売上高(千円) 20,805,926 21,346,079
経常利益(千円) 938,064 1,095,716
当期純利益(千円) 608,972 726,550
純資産額(千円) 8,237,469 8,894,309
総資産額(千円) 16,863,672 17,878,171
自己資本比率 48.8% 49.7%
営業キャッシュフロー(千円) 750,787 1,164,840
投資キャッシュフロー(千円) △239,091 △566,317
財務キャッシュフロー(千円) △543,545 △293,390
現金・現金同等物の期末残高(千円) 604,175 895,273
従業員数 731人 754人

 

単体の経営指標(過去5期分)

過去5期の業績を見ると、売上高は、約5.5%成長していますが、毎年微増を繰り返している状態であり、概ね横ばいの推移となっています。

一方、利益に関しては、過去5期で2倍近くの成長を達成しており、売上げよりも高い成長率で成長している状態です。

また、SANEIは、2020年1月2日付けで普通株式1株につき普通株式10株の割合で株式分割を実施しました。

第56期 第57期 第58期 第59期 第60期
決算年月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月 2020年3月
売上高(千円) 20,124,965 20,564,462 20,771,938 20,658,859 21,234,104
経常利益(千円) 490,455 916,799 1,033,159 821,325 964,876
当期純利益(千円) 320,722 620,466 513,745 524,886 631,263
資本金(千円) 98,000 98,000 98,000 98,000 98,000
発行済株式総数 196,000 196,000 196,000 196,000 1,960,000
純資産額(千円) 6,429,945 7,043,910 7,540,549 7,993,698 8,556,093
総資産額(千円) 16,311,787 16,328,417 16,368,918 16,601,609 17,515,181
自己資本比率 39.4% 43.1% 46.1% 48.2% 48.8%
従業員数 577人 561人 570人 597人 632人

 

株主構成

上位10位までの主要な株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
西岡 利明 760,000 38.78% 180日間
吉川 正弘 680,000 34.69% 180日間
吉川 弘二 100,000 5.10% 180日間
SANEI従業員持株会 100,000 5.10% 180日間
夏目 和典 60,000 3.06% 180日間
尼見 幸一 40,000 2.04% 180日間
岸田 敏雄 25,000 1.28% 180日間
新田 裕二 20,000 1.02% 180日間
株式会社岡本製作所 20,000 1.02% 180日間
株式会社坂井製作所 20,000 1.02% 180日間

新規上場(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

想定価格は2,050円、吸収金額(調達額)は 10.8億円と予想されています。

仮条件 未発表
公募・売出価格 未発表
想定価格 2,050 円
初値
公募株数 260,000 株
売出株数 200,000 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 69,000 株
吸収金額(調達額) 10.8 億円 (※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算)

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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