目次
ポピンズHDの概要
ポピンズHDの基本情報
はじめに、株式会社ポピンズホールディングスの基本情報を紹介します。
上場予定日は2016年10月3日、市場は東証1部または2部、想定時価総額は278.7億円です。
会社名 | 株式会社ポピンズホールディングス |
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設立日 | 2016年10月3日 |
上場日 | 2020年12月21日(承認日:2020年11月16日) |
市場 | 東証1部または2部 |
証券コード | 7358 |
業種 | サービス業 |
決算期 | 12月 |
ホームページアドレス | https://www.poppins.co.jp/ |
発行済株式総数 | 8,680,000 株(2020 年 11 月 16 日現在) |
上場時発行済株式総数 | 9,780,000 株 ※公募分を含む。 |
公募株数 | 1,100,000 株 |
想定価格 | 2,850円 |
想定時価総額 | 278.7億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算) |
資本金 | 90,000 千円(2020 年 11 月 16 日現在) |
1単元の株式数 | 100 株 |
監査人 | 海南監査法人 |
主幹事証券会社 | 大和証券 |
引受幹事証券会社 | SBI証券 みずほ証券 SMBC日興証券 |
ポピンズHDの沿革
ポピンズHDは、1987年に託児サービスを提供する企業であるジャフィサービス株式会社をルーツとする企業です。
その後、サービスの幅を拡げ、業容を拡大し、海外などとの関係性も構築し、2016年グループを統括するポピンズHDとして設立されました。
1987年3月 | ジャフィサービス株式会社設立 |
1987年10月 | ポピンズ初の事業所内保育所「セコムセンター内託児サービス」開設 |
1990年4月 | EXPO’90「国際花と緑の博覧会」会場にて国際博初のイベント託児ルームを企画、運営 芦屋支社 開設 |
1993年4月 | 「法人向け在宅保育サービス」を開始し、警視庁、郵政省(現日本郵政株式会社)、大蔵省(現 財務省)と法人契約締結 |
1994年2月 | ポピンズ初の病院内保育所「聖路加国際病院 院内保育所」開設 |
1994年3月 | ポピンズ初の病棟内保育所「慶應義塾大学病院 小児科病棟」開設 |
1994年4月 | 英国・ノーランドカレッジ・インターナショナル・ディプロマ開始 |
1994年9月 | ポピンズ初の公共施設内託児所「関西国際空港内ポピンズキッズルーム」開設 |
1996年9月 | 「株式会社ポピンズコーポレーション」に商号変更 高齢者在宅ケア事業に参入し、「VIPケアサービス」を開始 |
1998年4月 | ポピンズ初の横浜保育室事業「ポピンズナーサリー横浜」開設 |
1999年1月 | 厚生省(現厚生労働省)より「ホームヘルパー2級養成研修指定機関」として認定 |
1999年5月 | ISO9001認証取得(育児・介護サービス) |
1999年11月 | 厚生省(現厚生労働省)の駅型保育試行助成事業として「ポピンズナーサリー甲東園」開設 |
2000年4月 | 東京都より「訪問介護事業者」として認定 |
2001年11月 | ポピンズ初の東京都認証保育所「ポピンズナーサリー一之江」開設 |
2002年4月 | 名古屋支社 開設 |
2002年6月 | 「ポピンズナーサリー小机」がポピンズ初の認可保育所に移行 |
2003年9月 | 資生堂による複数社連携(コンソーシアム型)事業所内託児施設「カンガルーム汐留」開設 |
2004年5月 | 恵比寿ガーデンプレイス内「ポピンズインターナショナルプリスクール」開設 |
2005年7月 | ポピンズ初の大学内保育所「ナーサリー早稲田」運営受託 |
2006年4月 | 全国初のPFI事業による認可保育所「ポピンズナーサリー新浦安」開設 |
2006年11月 | 米国・スタンフォード大学への海外乳幼児教育研修開始 |
2007年4月 | ポピンズ国際乳幼児教育研究所(PIICS)開設 |
2007年6月 | 米国・ハーバード大学への海外乳幼児教育研修開始 |
2008年10月 | 米国ハワイ州公認キッズルーム「ハワイ・ポピンズ・キッズルーム」開設 |
2010年4月 | ポピンズ初の児童館「富士見わんぱくひろば」、初の学童保育「富士見わんぱくひろば学童クラ ブ」他、あわせて12ヶ所の保育・教育施設を開設 |
2010年7月 | 東京ミッドタウン内に子どもたちの主体的な学び(Active Learning)を支援するスクール「ポピ ンズアクティブラーニングスクール」開設 |
2011年4月 | 阪神間でポピンズ初の認可保育所「ポピンズナーサリースクール伊丹」開設 |
2011年9月 | 本社を広尾プラザ(渋谷区・広尾)に移転し、「株式会社ポピンズ」に商号変更 |
2012年4月 | 長野県・蓼科に「ポピンズ蓼科研修センター」開設 |
2013年3月 | 保育スタッフの教科書として『ポピンズアプローチ』出版 |
2014年4月 | 恵比寿ガーデンプレイス内に「ポピンズ アクティブラーニング インターナショナルスクー ル(PALIS)」開設 |
2014年10月 | 邸宅型デイサービス施設「ポピンズ芦屋サロン」を開設 |
2015年3月 | ポピンズアプローチ第2版『0歳からのエデュケア:どの子も伸びる保育への誘い』出版 |
2015年4月 | 北海道でポピンズ初の認可保育所「ポピンズナーサリースクール札幌白石」開設 |
2015年12月 | 大阪支社 開設 |
2016年4月 | 大阪市にポピンズ初の認可保育所「ポピンズナーサリースクール天王寺」開設 |
2016年6月 | ポピンズナニーサービスが第1回日本サービス大賞 厚生労働大臣賞を受賞 |
2016年10月 | 「株式会社ポピンズホールディングス」設立 |
2017年2月 | ベビーシッターマッチングサイトを運営する「スマートシッター株式会社」を子会社化 |
2018年10月 | 保育士の人材紹介会社「株式会社保育士GO」設立 |
2019年3月 | 保育所や学童施設運営を行う「株式会社ウィッシュ」を子会社化 |
2020年10月 | 「スマートシッター株式会社」を「株式会社ポピンズシッター」に商号変更 |
ポピンズHDの事業内容
ポピンズホールディングスは、「働く女性を 最高水準のエデュケアと介護サービスで支援します。」をミッションに掲げ、介護・家事代行・保育などの事業を運営するポピンズグループの経営管理を行う企業です。
ポピンズグループで運営される事業は、「在宅サービス事業」、「エデュケア事業」、「その他サービス事業」の3つの事業セグメントに分割されており、主要なセグメントと事業系統を表した図は以下の通りです。
- 在宅サービス事業
- エデュケア事業
- その他サービス事業
① 在宅サービス事業
在宅サービス事業は、ナニー(母親に代わって子育てをする女性)やベビーシッターを中心とした在宅保育サービス、高齢者向け在宅ケアサービス、家事支援サービスの3つのサービスを主に運営する事業セグメントです。
また、以下は各サービス別の説明となります。
チャイルドケアサービス事業(ナニーサービス)
「ポピンズ ナニーサービス」は、ナニーを派遣する事業であり、『働く女性の支援』という想いを掲げて立ち上げたポピンズの創業以来のサービスです。
ナニーとは、英国では国家資格であり、おむつ交換や授乳などの基本的な身の回りの世話や、送迎や教育、しつけなどを親に代わって行う子育てのプロフェッショナルとされています。
ポピンズでは、ナニーの研修を本場英国で行ったり、現地の講師を招いた研修などを実施することで、ハイレベルなナニーの育成に注力されています。
このサービスの基本的なサービスは、ポピンズの個人会員や顧客企業の役職員に対し、ポピンズに所属するナニーがベビーシッターサービスを時間単位で提供することです。
また、オプション・サービスとして、お子様の食事作りや家庭教師、アスリートレッスン、受験指導、カウンセリングなど顧客のニーズに合わせたサービスが提供されています。
過去10年でナニーサービスの会員数は約5倍に増加しており、企業の福利厚生サービスとして契約している法人数は、約600社となっています。
チャイルドケアサービス事業(ベビーシッターサービス)
「チャイルドケアサービス事業」で運営されている、ポピンズシッターは、ユーザーがナニーのベビーシッターとして登録ベビーシッターをを選んで必要な時間単位での予約をするためのマッチングサービスです。
ユーザーは、スマートフォンやPCからベビーシッターを検索、プロフィールや写真・動画、評価・口コミなどを参考に、利用者に合ったベビーシッター選択することができます。
このサービスに登録するベビーシッターは、保育士・幼稚園教諭・助産師・看護師などの有資格者と保育・子育て経験者などから構成されており、ポピンズによる研修を受講した登録者となります。
シルバーケアサービス事業
「シルバーケアサービス事業」は、介護保険サービスや介護保険適用外のケアサービスを提供する事業です。
ポピンズでは、主に保険適用外となる会員制のVIPケアサービスに力を入れており、介護や看護の有資格者だけでなく、高齢者心理、ホスピタリティ、料理、秘書など様々なスキルセットを持つ人材が登録している点が特徴です。
また、このサービスは法人向けの介護コンサルティングサービスとしても運営されており、ナニーサービスでの在宅ケアのノウハウが活用されたサービスとなっています。
家事支援サービス事業
「家事支援サービス事業」は、女性活躍推進には、子育て支援や介護支援だけでは充分ではないとの考えから、働く女性の支援を目的としたサービスを運営する事業です。
具体的なサービス内容としては、家庭の様々な家事の要望に対して、オーダーメイドの家事サービスを提供しています。
② エデュケア事業
「エデュケア事業」は、「認可保育事業」と「認可外保育事業」の2つのサービスを運営する事業セグメントです。
この事業の特徴は、保育施設だけでなく、学童施設やラーニングスクールなど多様な形態の施設をしているため、ユーザーの多様なニーズに応えられる点です。
認可保育事業
「認可保育事業」では、認可保育所の運営が行われています。
認可保育所とは、児童福祉法に基づき、国が定めた設置基準(施設の広さ、保育士等の職員数、給食設備、 防災管理、衛生管理等)を満たし、都道府県知事などに認可された児童福祉施設を示し、利用者(保護者)からの保育料と自治体からの交付によって運営される施設です。
以下は、認可保育所の仕組みを表した図になります。
認可外保育事業
「認可外保育事業」とは、現在の認可保育所だけでは応えきれていない大都市のニーズに対応するため、東京都独自の基準に基づいて設置された保育所である認可外保育所を運営する事業です。
認可外保育所は、多様化したサービス提供が特徴であり、利用者からの保育料と、自治体からの補助金により運営されており、利用者が保育料を自治体ではなく、保育所を運営する組織へ直接支払う形態であるため、柔軟な形態での運営が可能となります。
このことから、ポピンズでは保育所の他、児童館やラーニングスクールなどをこの事業で運営しており、認可外保育所の仕組みを表した図です。
③ その他のサービス
「その他サービス事業」は、ポピンズがこれまで培ってきた乳幼児教育ノウハウや海外の教育施設などとのネットワークを活かした国内研修、海外研修、調査・研究事業のサービスを提供する事業セグメントです。
この事業では、主にナニーサービスにおけるノウハウを生かした「国内研修」や「海外研修」を通して、乳幼児の教育についてのノウハウを提供したり、大学などの高等教育期間と連携した乳幼児教育における共同研究などが実施されています。
また、高齢者向けのサービスとして、デイケアサービスなども併せて運営されています。
有価証券報告書情報
連結の経営指標(過去2期分)
第4期の業績は以下の通りです。
- 売上高:215.5億円(前年比+25.8%)
- 経常利益:13.6億円(前年比+36.3%)
- 当期純利益:9.0億円(前年比+305.4%)
期 | 第3期 | 第4期 |
決算年月 | 2018年12月 | 2019年12月 |
売上高(百万円) | 17,127 | 21,548 |
経常利益(百万円) | 998 | 1,360 |
当期純利益(百万円) | 222 | 900 |
純資産額(百万円) | 1,240 | 1,941 |
総資産額(百万円) | 8,438 | 10,092 |
自己資本比率 | 14.7% | 19.2% |
営業キャッシュフロー(百万円) | 19 | 1,295 |
投資キャッシュフロー(百万円) | △399 | △716 |
財務キャッシュフロー(百万円) | 1,377 | 68 |
現金・現金同等物の期末残高(百万円) | 3,411 | 4,058 |
従業員数 | 1,986人 | 2,543人 |
単体の経営指標(過去4期分)
過去4期の業績を見ると、売上高に関しては第4期の売上高が、ほぼ横ばいであった前期・前々期と比較して大幅に伸長したことがわかります。
また、利益に関しても期によって変動はありますが、これまでに赤字で計上されたタームはなく、第4期が最高益となっています。
なお、ポピンズHDそのものは、2016年10月3日に設立されたため、第1期の会計期間は2か月と29日となります。
また、ポピンズHDは、2018年2月19日付で普通株式50株につき1株の割合で株式併合、2019年12月3日付で普通株式1株につき 40,000株の割合で株式分割を実施しています。
期 | 第1期 | 第2期 | 第3期 | 第4期 |
決算年月 | 2016年12月 | 2017年12月 | 2018年12月 | 2019年12月 |
売上高(百万円) | 119 | 833 | 883 | 1,454 |
経常利益(百万円) | 119 | 325 | 295 | 440 |
当期純利益(百万円) | 73 | 219 | 147 | 300 |
資本金(百万円) | 90 | 90 | 90 | 90 |
発行済株式総数 | 10,863 | 10,863 | 217 | 8,680,000 |
純資産額(百万円) | 1,293 | 1,406 | 1,313 | 1,414 |
総資産額(百万円) | 1,346 | 3,968 | 5,739 | 6,284 |
自己資本比率 | 96.1% | 35.4% | 22.9% | 22.5% |
従業員数 | – | 26人 | 23人 | 36人 |
セグメント別業績
第4期のセグメント別の売上実績は、以下の表の通りです。
販売実績の内訳は以下の通りで、保育所事業を運営する「エデュケア事業」が全体の約8割を占めるサービスとなっています。
一方、売上比率は4%程度であるものの、前年と比較した場合、最も成長率が高いのは、研修をメインに運営する「その他事業」です。
- 在宅サービス事業:14.9%
- エデュケア事業:80.8%
- その他事業:4.3%
指標 | 全体 | 在宅サービス事業 | エデュケア事業 | その他事業 |
売上高(百万円) | 21,548 | 3,220 | 17,411 | 916 |
売上高前年同期比 | 125.8% | 113.7% | 126.3% | 179.4% |
株主構成
上位10位までの主要な株主は、以下の通りです。
株主 | 所有株式数 | 比率 | ロックアップ |
株式会社スピネカ | 3,960,000 | 46.72% | 180日間 |
轟 麻衣子 | 1,760,000 | 20.76% | 180日間 |
中村 紀子 | 1,520,000 | 17.93% | 180日間 |
軣 怜 | 300,000 | 3.54% | 180日間 |
軣 有紗 | 300,000 | 3.54% | 180日間 |
森 榮子 | 240,000 | 2.83% | 180日間 |
杉本 五十洋 | 120,000 | 1.42% | 180日間 |
中村 靖 | 40,000 | 0.47% | 180日間 |
井上 正明 | 10,000 | 0.12% | – |
田中 博文 | 10,000 | 0.12% | – |
新規上場(IPO)の募集・売出し情報
公募・売出し・調達額情報
想定価格は2,850円、吸収金額(調達額)は 106.5億円と予想されています。
仮条件 | 未発表 |
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公募・売出価格 | 未発表 |
想定価格 | 2,850円 |
初値 | – |
公募株数 | 1,100,000 株 |
売出株数 | 2,150,000 株 |
オーバーアロットメントによる売出し株数 | 487,500 株 |
吸収金額(調達額) | 106.5億円 (※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算) |