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【新規上場企業分析】リビン・テクノロジーズのIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

リビン・テクノロジーズの概要

リビン・テクノロジーズの基本情報

はじめにリビン・テクノロジーズ株式会社の基本情報を紹介します。 上場日は2019年6月28日、市場はマザーズ、想定時価総額は50.8億円、上場時の時価総額は119.7でした。

会社名 リビン・テクノロジーズ株式会社
設立日 2004年1月15日
上場日 2019年6月28日(承認日:2019年5月24日)
市場 マザーズ
証券コード 4445
業種 情報・通信業
決算期 9月
ホームページアドレス https://www.lvn.co.jp/
発行済株式総数 1,240,000 株(2019 年 5 月 24 日現在)
上場時発行済株式総数 1,330,000 株
※公募分を含む。
公募株数 90,000 株
想定価格 3,820円
想定時価総額 50.8億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
初値 9,000円
上場時時価総額 119.7億円 (※上場時発行済株式総数×初値で計算)
時価総額 52.9億円 (2020年10月23日 現在)
資本金 31,000 千円(2019年5月24日現在)
1単元の株式数 100 株
監査人 EY 新日本有限責任監査法人
主幹事証券会社 みずほ証券
引受幹事証券会社

SBI証券
SMBC日興証券
楽天証券
マネックス証券
いちよし証券
東海東京証券
丸三証券
岩井コスモ
証券
エース証券

リビン・テクノロジーズの沿革

リビン・テクノロジーズ株式会社は、2004年に東京都において株式会社シースタイルとして設立されました。
広告代理事業から徐々に事業領域を拡大し、2019年6月にマザーズへ上場しました。

2004年1月 東京都中央区新川において、資本金1,000万円で株式会社シースタイルを設立
2004年2月 インターネット広告代理店事業開始
2005年6月 本社移転(東京都中央区日本橋馬喰町)
2005年12月 第三者割当増資実施(資本金3,100万円)
2006年12月 不動産売却一括査定で不動産プラットフォーム事業に進出
2007年12月 本社移転(東京都中央区日本橋箱崎町)
2009年12月 任意売却比較サービス開始
2011年10月 土地活用会社比較サービス開始
2012年1月 本社移転(東京都中央区日本橋箱崎町)
2012年9月 賃貸管理会社比較サービス開始
2013年2月 不動産買取一括査定サービス開始
2013年3月 大阪オフィスを開設(大阪府大阪市北区南扇町)
2013年6月 福岡オフィスを開設(福岡県福岡市博多区博多駅東)
2013年12月 本社移転(東京都中央区日本橋堀留町)
2014年1月 各種査定サービスを統合したサイト(現「リビンマッチ」)の運営開始
2015年9月 リノベーション会社比較サービス開始
2016年11月 本社移転(東京都中央区日本橋堀留町) 査定書作成の取引サポートシステム提供開始
2017年10月 不動産に特化した人材紹介サービス開始
2017年11月 注文住宅会社比較サービス開始
2018年6月 商号をリビン・テクノロジーズ株式会社に変更
2018年11月 サイト名を「リビンマッチ」に変更
2019年6月 東京証券取引所マザーズに株式を上場
2019年9月 名古屋オフィスを開設(愛知県名古屋市中区丸の内)

 

リビン・テクノロジーズの事業内容

リビン・テクノロジーズは、「インターネットを利用して、人々の生活に密着した手放せないサービスを提供し、世の中に必要不可欠な企業になる」という企業理念を掲げ、「不動産プラットフォーム事業」として、不動産・住宅業界に特化したインターネットマーケティングサービスを提供する企業です。

「不動産プラットフォーム事業」として運営されるサービスは、不動産関連の企業とユーザーを繋ぐ「マッチングサービス」広告を利用して顧客企業のマーケティング支援を行う「ブランディングサービス」に2分されており、どちらのサービスにも不動産会社比較メディア「リビンマッチ」が利用されています。

以下は、リビン・テクノロジーズの主要なサービスと事業系統を表した図です。

リビン・プラットフォームの事業系統図

① マッチングサービス     

リビン・テクノロジーズのマッチングサービスは、主に不動産関連の顧客企業とそのサービスを利用するユーザーをマッチングするインターネットサービスです。

このマッチングサービスには、リビン・テクノロジーズが運営する不動産会社比較メディア「リビンマッチ」が利用されています。
「リビンマッチ」上で、ユーザーは、無料で複数の加盟企業に一括で問い合わせを行うことで不動産価格の比較などが可能となる
一方、顧客企業は、ユーザーからの問い合わせを通じて、ユーザーを見込客とした営業活動を行うことができます。
なお、「リビンマッチ」は、2,605社の加盟企業と年間9万件を超えるユーザーからの問い合わせを有するメディアです。(2019年9月時点)

マッチングサービスでは、反響課金型と定額課金型の利用料体系が採用されています。
特に、反響課金型の利用料体系では、顧客企業がユーザーからの問い合わせの獲得数など成果をベースとした費用を利用料として支払う仕組みであるため、初期費用・月額固定費用ゼロでユーザーからの問い合わせを獲得することが可能となります。

また、マッチングサービスは単に企業とユーザーをマッチングさせるだけでなく、ユーザーと加盟企業との間の円滑なやり取り・コミュニケーションを可能にし、業務管理を効率化する取引サポートシステムが構築されています。
具体的には、利用した不動産会社に対するユーザーの評価を不動産会社自身が確認できるシステム(ユーザー評価)や、ユーザーへ案内する査定書を自動で作成できるシステム(査定書作成)、案件の進捗状況を管理できるシステム(進捗管理)などです。
このようなシステムは、マッチング後の取引の成約率を高め、エンドユーザー・加盟企業双方の満足度向上を図ることを目的としており、取引サポートシステムの利用料は、原則として無料で提供されています。

② ブランディングサービス

ブランディングサービスは、インターネット上の広告を利用することで、企業のマーケティングを支援することを目的としたサービスです。
またこのサービスにも、前述した不動産会社比較メディア「リビンマッチ」が利用されています。
具体的なサービスとしては、「リビンマッチ」上で、
自社の強みや特長に関するコンテンツを掲載する「掲載型広告」や、Yahoo!やGoogleなど検索エンジン広告枠を利用した「ネット広告」などが運用されており、不動産関連の企業を対象としたインターネット上におけるブランドイメージ構築の支援が行われています。

有価証券報告書情報

経営指標(過去3期分)

2019年9月期の経営指標の数値は以下の通りです。

  • 売上高:18.7億円(前年比+2.6%)
  • 経常利益:2.6億円(前年比+3.9%)
  • 当期純利益:1.7億円(前年比△3.2%)
第14期 第15期 第16期
決算年月 2017年9月 2018年9月 2019年9月 
営業収益(千円) 1,557,173 1,825,897 1,872,935
経常利益(千円) 61,613 251,064 260,816
当期純利益(千円) 42,075 176,258 170,757
純資産額(千円) 130,642 306,900 800,722
総資産額(千円) 678,623 993,682 1,288,840
自己資本比率 19.3% 30.9% 62.1%
営業キャッシュフロー(千円) 12,129 302,282 83,411
投資キャッシュフロー(千円) △12,005 △11,789 △18,304
財務キャッシュフロー(千円) 24,870 △35,174 238,321
現金・現金同等物の期末残高(千円) 317,660 572,979 876,408
従業員数 50人 46人 49人

 

経営指標(過去5期分)

過去5期の業績を見ると、売上高は、第12期と比較して3倍近く増加しており、右肩上がりに推移しています。 また、利益に関しては、第12期は赤字で計上されていましたが、その後黒字に転換し、特に第14期から15期の間に大きく伸長しました。 なお、リビン・テクノロジーズは、2018年5月23日付で普通株式1株につき100株の割合で、2018年9月11日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を実施しました。

第12期 第13期 第14期 第15期 第16期
決算年月 2015年9月 2016年9月 2017年9月 2018年9月 2019年9月 
売上高(千円) 655,731 1,349,333 1,557,173 1,825,897 1,872,935
経常利益(千円) △2,524 65,821 61,613 251,064 260,816
当期純利益(千円) △5,166 45,557 42,075 176,258 170,757
資本金(千円) 31,000 31,000 31,000 31,000 192,532
発行済株式総数 3,100 3,100 3,100 1,240,000 1,333,600
純資産額(千円) 43,009 88,566 130,642 306,900 800,722
総資産額(千円) 251,150 608,456 678,623 993,682 1,288,840
自己資本比率 17.1% 14.6% 19.3% 30.9% 62.1%
従業員数 29人 40人 50人 46人 49人

 

上場時の株主構成

上位10位までの株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
川合 大無 840,000 66.64% 180日間
川合商会株式会社 400,000 31.73% 180日間
小櫻 耕一 3,268 0.26% 継続保有
佐藤 慎也 2,424 0.19% 継続保有
辻 準 1,956 0.16% 継続保有
田中 靖宏 1,584 0.13% 継続保有
平石 英皓 1,220 0.10% 継続保有
新藤 正幸 1,200 0.10% 継続保有
栗林 正樹 1,156 0.09% 継続保有
國藤 直樹 1,128 0.09% 継続保有

上場時(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

公募価格は3,900円、吸収金額(調達額)は14.6億円とされています。 また初値は、9,000となりました。

仮条件 3,700円 ~ 3,900円
公募・売出価格 3,900円
想定価格 3,820円
初値 9,000円 (公募価格比+130.8%)
公募株数 90,000 株
売出株数 242,500 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 49,800 株
吸収金額(調達額) 14.6億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算)

 


この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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