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【新規上場企業分析】アイキューブドシステムズのIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

アイキューブドシステムズの概要

アイキューブドシステムズの基本情報

まずはアイキューブドシステムズの基本情報を紹介します。
上場日は2020年7月15日、市場はマザーズ、想定時価総額は135.7億円です。

会社名 株式会社アイキューブドシステムズ
設立日 2001年9月27日
上場日 2020年7月15日 (承認日:2020年6月12日)
市場 マザーズ
証券コード 4495
業種 情報・通信業
決算期 6月
ホームページアドレス https://www.i3-systems.com/
発行済株式総数 5,011,350 株(2020年6月11日現在)
上場時発行済株式総数 5,161,350株
※公募分を含む
※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある
公募株数 300,000株
想定価格 2,630円
想定時価総額 135.7億円
(※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
資本金 100,000,000円(2020年6月11日現在)
1単元の株式数 100株
監査人 EY 新日本有限責任監査法人
主幹事証券会社 野村證券
引受幹事証券会社 大和証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
SBI証券
マネックス証券
西日本シティTT証券
岡三証券
岩井コスモ証券

アイキューブドシステムズの沿革

アイキューブドシステムズは、クラウドを利用したITソリューションの提供を目的として創業し、2001年、福岡市において「有限会社アイキューブドシステムズ」を設立しました。
その後、同事業の拡大を目的として有限会社から組織変更を行い、「株式会社アイキューブドシステムズ」の設立に至りました。
2010年には東京オフィスを開設し、現在の中核事業であるライセンス販売事業を開始しました。

2001年9月 福岡県福岡市西区に有限会社アイキューブドシステムズを設立
2004年2月 更なる事業の拡大を目的として株式会社に組織変更
2004年4月 福岡県大野城市に本社事務所を移転
2010年7月 ライセンス販売事業の販路拡大のため東京オフィスを東京都港区に新設
2010年11月 MDMサービス「CLOMO MDM」を提供開始
2011年7月 法人向けモバイルアプリシリーズ「CLOMO SECURED APPs」を提供開始
2011年12月 福岡県福岡市南区に本社事務所を移転
2015年3月 モバイル、IoTのセキュリティを強化する「センサーデータの管理機構」に関する特許を取得
2015年10月 日本マイクロソフト株式会社とモバイルデバイス/IoT市場で協業を開始
モバイル、IoTのセキュリティを強化する「位置情報と連動した機能制限」に関する特許を取得
2016年8月 MDMサービス「CLOMO MDM」がGoogle EMM製品に認定
2017年5月 「CLOMO MDM」“ワーク・スマート”を提供開始
2019年1月 MDMサービス「CLOMO MDM」が「Android Enterprise Recommended」を取得
2019年4月 福岡県福岡市中央区に本社事務所を移転
2020年3月 ライセンス販売事業の販路拡大のため大阪オフィスを大阪府大阪市北区に新設

アイキューブドシステムズの事業内容

アイキューブドシステムズは、「ITをもっと身近に」のミッションのもと、IT機器を導入している法人向けに、端末を管理するためのマネジメントサービスの提供を行っています。

マネジメントサービスは大きく以下2つに区分されており、主要事業のビジネスモデルは図の通りです。

  1. CLOMO
  2. SECURED APPs
アイキューブドシステムズのビジネスモデル

①CLOMO

「CLOMO」は企業や学校法人で利用するIT端末向けに「管理」機能を提供するツールです。
「CLOMO」は、管理者が組織内の個人やグループのデバイスを遠隔でコントロールするための設計になっています。「CLOMO」を利用することで、管理者はデバイスロックや初期化など、様々な指示を強制的に実行することができます。
また、「CLOMO」には「働き方改革」を支援するワーク・スマートという機能があります。この機能は、法人の管理者が設定した勤務時間に応じて端末の利用を許可・制限する機能であり、「働き方改革」を支援できる特徴があります。

①-1「CLOMO」の製品概要

「CLOMO」の主な製品について説明します。

  • CLOMO MDM
    CLOMO MDM」は大量のモバイル端末を、安全で効率的に運用・管理するための機能を持つツールです。企業の管理者は、このツールを利用してIT機器を導入する際の「状態の監視」「利用ルールの適用」「情報漏洩対策」をモバイル端末・アプリケーション・情報コンテンツ、それぞれに対して簡単に行うことができます。
  • CLOMO MOBILE APP PORTALCLOMO
    「CLOMO MOBILE APP PORTALCLOMO」は、企業の管理者が利用者に対し業務で使用するアプリ(メール、アドレス帳、ファイル共有など)をワイヤレスで配信することができるツールです。
    また、MDMとセットで利用することで、「アプリの遠隔配信・削除」「企業内のアプリ管理」「アプリライセンスの配布・回収」などを可能にしています。

② CLOMO SECURED APPs

「CLOMO SECURED APPs」は、モバイル端末の「活用」を支援する企業向けのモバイルアプリケーションです。
前述した「CLOMO」が管理者が使用者の端末を一元管理する仕様であった一方、「CLOMO SECURED APPs」は、アプリケーションを利用することで企業の管理者が使用者のデバイスをコントロールする仕組みになっています。
そのため、「CLOMO SECURED APPs」を導入することで、管理者は監督下にある個人が私用デバイスを利用していたとしても、共有アプリを導入によって管理や機密情報の保護が可能となります。
「CLOMO SECURED APPs」は、法人向けアプリに求められるセキュリティに関する要件などを満たしたうえで、個人向けアプリのような使い勝手を両立させたサービスです。このような機能は、リモートワークにおけるセキュリティ管理を目的として設計されています。

②-1 「CLOMO SECURED APPs」の管理機能

「CLOMO SECURED APPs」によって提供される主な管理機能は以下の通りです。

  • CLOMO SecuredBrowser
    業務外サイトの閲覧制御が可能なブラウザアプリです。
  • CLOMO SecuredDocs
    機密情報のファイルコピーを防ぐドキュメント共有アプリです。
  • CLOMO SecuredMailer
    社外秘のメールデータを守るメーラーアプリです。
  • CLOMO SecuredContacts
    重要な連z絡先情報を保護する共有アドレス帳アプリです。
  • CLOMO SecuredCalendar
    社外秘の商談予定などを安全に共有できるカレンダーアプリです。

     

    アイキューブドシステムズのマネジメントサービスの特徴・強み

    ・統合的な一貫体制(競争力の源泉)
    ・独立的で自由な販売戦略
    ・低コストの収益構造
    ・サブスクリプションビジネスによる収益の安定性と成長性

    有価証券報告書情報

    経営指標(過去2期分)

    第18期の業績は以下の通りです。

    • 売上高:14億円(前年比+20.6%)
    • 経常利益:2.5億円(前年比+113.2%)
    • 当期純利益:2.2億円(前年比+4.1%)
第17期 第18期
決算年月 2018年6月 2019年6月
売上高(千円) 1,160,320 1,399,288
経常利益(千円) 116,055 247,415
当期純利益(千円) 212,337 221,126
純資産額(千円) 165,350 386,476
総資産額(千円) 611,467 757,351
自己資本比率 14.8% 35.7%
営業キャッシュフロー(千円) 458,784 337,164
投資キャッシュフロー(千円) △51,988 △136,506
財務キャッシュフロー(千円) △65,243 △303,859
現金・現金同等物の期末残高(千円) 818,768 715,659
従業員数 58人 61人

経営指標(過去5期分)

5期の業績を見ると、売上高は4年で2倍以上増加しています。
また、利益に関しては第14期、第15期において赤字であるものの、第16期以降黒字の状態が続いており、大きく黒字転換していることがわかります。

また、アイキューブドシステムズは、2018年6月に財政基盤の強化を目的とした4億円の資金調達を実施しています。

2018年6月に4億円の資金調達

第14期 第15期 第16期 第17期 第18期
決算年月 2015年6月 2016年6月 2017年6月 2018年6月 2019年6月
売上高(千円) 625,017 765,210 976,500 1,160,320 1,399,288
経常利益(千円) △226,557 △80,527 76,920 116,055 247,415
当期純利益(千円) △228,767 △133,853 75,012 212,337 221,126
資本金(千円) 282,500 282,500 282,500 100,000 100,000
発行済株式総数 445,000 445,000 445,000 501,135 501,135
純資産額(千円) △393,198 △527,052 △452,039 165,350 386,476
総資産額(千円) 696,517 538,833 729,135 1,120,013 1,083,121
自己資本比率 14.8% 35.7%
従業員数 74人 62人 56人 58人 61人

株主構成

上位10位までの株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
佐々木 勉 2,709,530 52.27% 90日
ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合 866,670 16.72% 90日
畑中 洋亮 511,530 9.87% 90日
TNP中小企業・ベンチャー企業成長応援投資事業有限責任組合 200,000 3.86% 90日
NCB九州活性化投資事業有限責任組合 200,000 3.86% 90日
蓑宮 武夫 114,710 2.21% 90日
平 強 100,000 1.93% 90日
株式会社ジャフコ 66,670 1.29% 90日
大野 尚 60,000 1.16% 90日
ビッグ・フィールド・マネージ メント株式会社 60,000 1.16% 90日

新規上場(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

想定価格は2,630円、吸収金額(調達額)は4.5億円と予想されています。

仮条件 2,720円~3,120円
公募・売出価格 未定
想定価格 2,630円
初値
公募株数 150,000株
売出株数
オーバーアロットメントによる売出し株数 22,500株
吸収金額(調達額) 4.5億円
(※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算)

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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