目次
アララの概要
アララの基本情報
はじめに、アララ株式会社の基本情報を紹介します。 上場予定日は2020年11月19日、市場はマザーズ、想定時価総額は84.8億円です。
会社名 | アララ株式会社 |
---|---|
設立日 | 2006年8月16日 |
上場日 | 2020年11月19日(承認日:2020年10月14日) |
市場 | マザーズ |
証券コード | 4015 |
業種 | 情報・通信業 |
決算期 | 8月 |
ホームページアドレス | https://www.arara.com/ |
発行済株式総数 | 5,744,300 株(2020 年 10 月 14 日現在) |
上場時発行済株式総数 | 6,125,400 株 ※公募分を含む。 ※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。 |
公募株数 | 381,100 株 |
想定価格 | 1,385円 |
想定時価総額 | 84.8億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算) |
資本金 | 337,400 千円(2020 年 10 月 14 日現在) |
1単元の株式数 | 100 株 |
監査人 | EY 新日本有限責任監査法人 |
主幹事証券会社 | SMBC日興証券 |
引受幹事証券会社 | 大和証券 SBI証券 楽天証券 みずほ証券 松井証券 |
アララの沿革
アララ株式会社は、2006年に東京都で株式会社レピカとして創業しました。
企業の販促活動を推進する事業を軸にサービス領域を拡大し、2016年に現在の社名へ変更しています。
2006年8月 | キャッシュレスサービス事業を目的として、東京都品川区において株式会社レピカ(資本金 1,000万円)を設立、「レピカシステム(現 point+plus)」サービスを開始 |
2007年4月 | 本社を東京都港区に移転 |
2007年12月 | メッセージングサービス事業「repicaメールソリューション(現 araraメッセージ ングソリューション)」の提供開始 |
2008年9月 | プライバシーマーク認証取得(登録番号第10823049(06)号) |
2010年10月 | AR事業を目的とし、完全子会社としてアララ株式会社を設立 |
2012年1月 | 開発技術力の強化を目的とし、株式会社VARCHAR(現 株式会社SYSTEM CONCI ERGE)の株式51%を取得し、子会社化 |
2013年8月 | 株式会社VARCHAR(現 株式会社SYSTEM CONCIERGE)の株式49%を取得し、完全子会社化 |
2013年10月 | KLab株式会社よりメール配信システム「ACCELMAIL」とデータセキュリティサービ ス事業である個人情報検出ソフト「P-Pointer」の事業譲渡を受け、当社で提供を開始 |
2014年11月 | キャッシュレスサービス事業の推進を目的とし、株式会社デンソーウェーブと協業契約を締結 |
2016年4月 | 完全子会社のアララ株式会社を吸収合併し、商号を株式会社レピカからアララ株式会社に変更 |
2018年4月 | 株式会社VARCHAR(現 株式会社SYSTEM CONCIERGE)の全株式を売却し、 非子会社化 |
2020年9月 | キャッシュレスサービス事業におけるチャージバックシステム(注2)の顧客店舗等への提供を 目的として東芝テック株式会社と業務提携契約締結 |
アララの事業内容
アララは、「アイディアとテクノロジーで革新的なサービスを提供し、便利で楽しい、みんながハッピーになる社会を創る。」というミッションを掲げ、BtoBtoCを中心とした企業が事業の販促に利用するためのSaaS型のシステムの提供を主要なサービスとして運営する企業です。
SaaSとは、Software as a Service(サービスとしてのソフトウェア)の略称であり、利用者がソフトウェアを直接インストールして利用するのではなく、 インターネット上のクラウド経由で利用するサービスを示します。
また、SaaS型のシステムは、月や年などの期間をベースとした定額課金によって一定の収益を計上するストック型と呼ばれる仕組みによって運営されるため、安定的な収益を獲得する上で有効な手法とされています。
アララの事業は、4つの事業セグメントに分割されており、各セグメントと事業系統を表した図は以下の通りです。
- キャッシュレスサービス事業
- メッセージングサービス事業
- データセキュリティサービス事 業
- 「その他の事業(ARサービス)

① キャッシュレスサービス事業
キャッシュレスサービス事業は、顧客店舗が販促活動に利用することを目的としたSaaS型のサービスである「point+plus」を提供する事業セグメントです。
このサービスでは、電子マネーとポイント付与を紐付けた機能など、店舗集客に必要な販促機能をパッケージ化されています。
具体的な機能としては、「point+plus」を利用することで、顧客店舗は、自店舗のユーザーが電子マネーにチャージする際のインセンティブ付与や支払時のポイント付与などを自由に行うことができます。
このような仕組みは、再来店客の増加、エンドユーザーの愛着や信頼向上に繋げることが可能です。
さらに、「point+plus」の付加サービスとして、地域のスーパーマーケットなどで、ユーザーが電子マネーを利用して特定のメーカーの商品を購入した場合、その情報をリアルタイムで吸収し、 そのユーザーにメーカーから一定額の電子マネーが付与されるチャージバックシステムを東芝テック株式会社と共同で開発しています。
② メッセージングサービス事業
メッセージングサービス事業は、適切なタイミングで、電子メールを一時に大量に配信したいというニーズを持つ企業や自治体を対象としたSaaS型サービスの提供を行う事業セグメントです。
アララが運営するメール配信システム「arara messaging solution」は、業界トップクラスのメールの高速配信を可能にしたシステムであり、顧客企業はユーザーとリアルタイムにコミュニケーションをとることを可能としたシステムです。
このシステムを利用することで、顧客企業はメールマガジンやDM、一斉に大量のメールを送る場合でも、遅延することなく、到達率の高いメール配信が可能となります。
③ データセキュリティサービス事業
データセキュリティサービス事業は、個人情報の保護に関する法律に基づき、情報漏洩の防止など、顧客がデータの適切な管理を実現することを目的としたサービスである「P-Pointer File Security」を提供する事業セグメントです。
このサービスでは、顧客が自身のPC、ファイルサーバ内に「P-Pointer File Security」をインストールすることによって、個人情報等の検出、適切な保管場所への移動、削除等の適切な管理を顧客自ら行うことを可能としています。
また、このサービスはSaaS型を採用しておらず、顧客がソフトウェアをPCやサーバーにインストールするオンプレミス型のみでの提供が行われており、金融機関や個人情報を多く取り扱う情報通信事業者、サービス事業者などが主要な顧客として位置付けられています。
④ その他の事業(ARサービス)
4つ目の事業セグメントである「その他の事業」は、ARサービスを運営する事業セグメントです。
ARとは、Augmented Realityの略で、一般的には拡張現実と訳され、実在する風景に、バーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を仮想的に拡張することを指します。
現在、ARは、書籍や、新聞、チラシ、ポスターなどに音や映像といったデジタルの付加価値をつけるために幅広く利用されている技術です。
アララでは、スマートフォンARアプリ「ARAPPLI」のサービス提供を行ったり、米国Facebook社が運営する「Facebook」や「Instagram」上で動作するカメラエフェクト「Spark AR」のコンテンツ制作を受注しています。
有価証券報告書情報
経営指標(過去2期分)
第14期の連結の業績は以下の通りです。
- 売上高:10.4億円(前年比+1.4%)
- 経常利益:1.1億円(前年比+748.8%)
- 当期純利益:1.1億円
期 | 第13期 | 第14期 |
決算年月 | 2018年8月 | 2019年8月 |
売上高(千円) | 1,027,878 | 1,042,777 |
経常利益(千円) | 13,177 | 111,841 |
当期純利益(千円) | △113,337 | 114,791 |
純資産額(千円) | 161,867 | 276,658 |
総資産額(千円) | 430,482 | 555,554 |
自己資本比率 | 37.6% | 49.8% |
営業キャッシュフロー(千円) | 90,000 | 145,973 |
投資キャッシュフロー(千円) | △50,043 | △63,210 |
財務キャッシュフロー(千円) | △36,864 | △42,974 |
現金・現金同等物の期末残高(千円) | 212,343 | 252,132 |
従業員数 | 66人 | 75人 |
経営指標(過去5期分)
過去5期の業績を見ると、売上は1.3倍ほどの増加を見せています。
また、利益に関しても、過去に赤字のタームはあるものの、第14期は経常益、当期純利益共に黒字に転換し、過去5期で最も高い数値を記録しました。
期 | 第10期 | 第11期 | 第12期 | 第13期 | 第14期 |
決算年月 | 2015年8月 | 2016年8月 | 2017年8月 | 2018年8月 | 2019年8月 |
売上高(千円) | 793,632 | 962,456 | 1,143,734 | 1,027,878 | 1,042,777 |
経常利益(千円) | 32,651 | 46,442 | △62,893 | 13,177 | 111,841 |
当期純利益(千円) | 19,946 | △4,822 | △81,384 | △113,337 | 114,791 |
資本金(千円) | 330,100 | 330,100 | 331,500 | 331,500 | 331,500 |
発行済株式総数 | 56,573 | 56,573 | 56,853 | 56,853 | 56,853 |
純資産額(千円) | 358,612 | 353,789 | 275,205 | 161,867 | 276,658 |
総資産額(千円) | 606,678 | 665,348 | 622,202 | 430,482 | 555,554 |
自己資本比率 | 59.1% | 53.2% | 44.2% | 37.6% | 49.8% |
従業員数 | 41人 | 66人 | 78人 | 66人 | 75人 |
セグメント別業績
第14期のセグメント別経営成績は表の通りです。
売上構成比は以下の通りで、キャッシュレスサービス事業とメッセージングサービス事業がメイン事業となっています。
第14期は、前年比で減収となったセグメントもある一方、メイン事業がいずれも伸長したため、全体としては増収となりました。
- キャッシュレスサービス事業:31.0%
- メッセージングサービス事業:50.4%
- データセキュリティサービス事業:13.4%
- その他事業:5.2%
指標 | 全体 | キャッシュレスサービス 事業 |
メッセージングサービス 事業 |
データセキュリティサービス 事業 |
その他事業 |
売上高(千円) | 1,042,777 | 322,879 | 525,880 | 140,165 | 53,851 |
売上高前年同期比 | 101.4% | 107.4% | 107.4% | 92.3% | 62.8% |
株主構成
上位10位までの株主は、以下の通りです。
株主 | 所有株式数 | 比率 | ロックアップ |
岩井 陽介 | 1,874,300 | 28.73% | 90日間 |
Livio株式会社 | 398,000 | 6.10% | 90日間 |
ドコモ・イノベーションファンド投資事業組合 | 370,000 | 5.67% | 90日間 |
大和ベンチャー1号投資事業有限責任組合 | 370,000 | 5.67% | 90日間 |
株式会社デンソーウェーブ | 370,000 | 5.67% | 90日間 |
EEIクリーンテック投資事業有限責任組合 | 370,000 | 5.67% | 90日間 |
IWAI GROUP PTE.LT D. | 250,000 | 3.83% | 90日間 |
寺田倉庫株式会社 | 250,000 | 3.83% | 90日間 |
井上 浩毅 | 237,300 | 3.64% | 90日間 |
ビットキャッシュ株式会社 | 202,000 | 3.10% | – |
新規上場(IPO)の募集・売出し情報
公募・売出し・調達額情報
想定価格は1,385円、吸収金額(調達額)は12.6億円と予想されています。
仮条件 | 未発表 |
---|---|
公募・売出価格 | 未発表 |
想定価格 | 1,385円 |
初値 | – |
公募株数 | 381,100 株 |
売出株数 | 412,000 株 |
オーバーアロットメントによる売出し株数 | 118,900 株 |
吸収金額(調達額) | 12.6 億円 (※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算) |