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【上場企業決算分析】GameWith(ゲームウィズ)の最新決算・事業内容・業績・歴史を徹底解説

株式会社GameWithは、国内最大級のゲームメディア「GameWith」を運営している企業です。現在では、国内だけでなく海外でも事業展開を行っています。

GameWithは、2013年に東京都で設立され、2017年6月にマザーズへの上場を果たしました。
さらに2019年8月には東証一部への市場変更を行っています。

① 決算データ

①-1 最新期の売上/売上総利益/営業利益/経常利益/当期純利益

決算年月(百万円) 20年5月(実績) 19年5月(実績) 前年比 20年5月(計画) 計画比
売上高 2,890 3,148 △8.2% 3,217 △10.2%
売上総利益
営業利益 408 808 △49.5% 616 △33.8%
経常利益 408 807 △49.4% 616 △33.8%
当期純利益 219 686 △68.0% 420 △47.9%

 

①-2 売上・営業利益・営業利益率の推移

以下の図は、5期にわたるGameWithの売上高、営業利益及び営業利益率をグラフ化したものです。2020年5月期の通期の売上高は28.9億円、営業利益は4.1億円であり、営業利益率は14.1%です。

営業利益の推移

※2020年5月期のみ連結の業績指標となります。

①-3 経営指標

2020年5月期の通期業績は以下の通りです。

  • 売上高:28.9億円(前年比△8.2%)
  • 経常利益:4.1億円(前年比△49.4%)
  • 当期純利益:2.2億円(前年比△68.0%)
決算年月 2019年5月期
2020年5月期
売上高(百万円) 3,148 2,890
経常利益(百万円) 807 408
当期純利益(百万円) 686 219
純資産額(百万円) 3,302 3,353
総資産額(百万円) 3,765 3,829
自己資本比率 87.7% 87.5%
営業キャッシュフロー(百万円) 341 437
投資キャッシュフロー(百万円) △116 △293
財務キャッシュフロー(百万円) 69 △167
現金・現金同等物の期末残高(百万円) 2,708 2,684

※2020年5月期のみ連結の業績指標となります。

4Q業績ハイライト (2020年5月期)

以下は、2020年5月期の業績を4Qに分けた指標です。
売上、利益とも3Q以降を境に下落しており、特に4Qの指標では急激な下落をしていることが読み取れます。
GameWithは、新型コロナウイルスの影響による広告収入の大幅な減少が原因であると発表しています。

期間 2020年5月期
1Q
2020年5月期
2Q
2020年5月期
3Q
2020年5月期
4Q
売上高(百万円) 748 751 708 683
粗利益(百万円)
販管費(百万円)
営業利益(百万円) 133 148 100 27
従業員数 248 244 251 247

※2020年5月期のみ連結の業績指標となります。

経営指標(過去5年分)

5期の指標を通して見ると、売上は、2019年5月期にピークを迎え、利益は2018年5月期にピークを迎えたのちその後減少傾向であることがわかります。
特に、2020年5月期の利益額は5年前の水準までに戻りつつあり、利益率は大幅に低下しています。

決算年月(百万円) 2016年5月 2017年5月 2018年5月 2019年5月 2020年5月
売上高 994 1,581 2,677 3,148 2,890
経常利益 329 654 1,168 807 408
当期純利益 220 465 816 686 219
純資産額 959 1,425 2,544 3,302 3,353
総資産額 1,211 1,815 3,187 3,765 3,829
自己資本比率 79.2% 78.5% 79.9% 87.7% 87.5%

※2020年5月期のみ連結の業績指標となります。

② 事業内容

②-1 GameWithとは?

GameWithは「ゲームをより楽しめる世界を創る」を経営理念として掲げ、国内最大級のゲームメディア「GameWith」を中心とした事業を運営している企業です。

GameWithの中心となるゲームメディア「GameWith」は、ゲーム攻略に関する情報を配信したり、ゲームの実況を動画配信することで、ゲームをより楽しめるような環境を提供することを主な趣旨としたサービスです。

言い換えれば、「ゲーム攻略本」がインターネットに接続され、より多機能になり進化したサービスであるといえます。

現在のGame Withのサービスは以下の3つのセグメントを中心に運営が行われています。

  • ゲーム攻略
  • ゲーム紹介
  • 動画配信

GameWithの収益の中心は広告収入であり、メディア上の広告枠を広告主である企業に提供し、企業が広告掲載を行うことで、広告枠に準じた料金をGameWithが獲得するビジネスモデルとなっています。

主要なビジネスモデルの体系は以下の図の通りです。

gamewith ビジネスモデル

 

②-2 セグメント別の事業内容/ビジネスモデル

GameWithは、ゲーム攻略に関する記事を中心に配信し、人々がゲームをより楽しむために展開されているメディアです。
主な事業セグメントとしては、「ゲーム攻略」「ゲーム紹介」「動画配信」の3つのセグメントを中心とした事業運営が行われています。
また、海外展開も進められており、日本語以外でのメディア配信も行われています。
ビジネスモデルとしては、GameWith内の広告枠を企業へ提供することで、広告枠に応じた料金を企業から受け取ることで収益を獲得しています。

以下で、主要な3つのセグメントに関する説明を行います。

  • ゲーム攻略
    ゲーム攻略は、GameWithの事業の中心となるセグメントです。
    ゲームを有利に進めるためにユーザーへ向けて配信されるサービスであり、GameWith内で最も売上が高いセグメントとなっています。
    情報が配信されるだけでなく、チャット機能なども提供されており、ユーザー同士がゲーム攻略についてインターネット上でコミュニケーションをとることが可能です。
  • ゲーム紹介
    ゲーム紹介はユーザーへ新しいゲームやオススメのゲームを紹介し、ゲームを始めるきっかけを作ってもらうことを目的としたサービスです。
    ゲーム攻略に次いで売上比率の高いセグメントとなっています。
  • 動画配信
    ゲームタレントやeスポーツ選手によるゲーム実況を動画配信するサービスです。
    eスポーツは、世界的にメジャーな分野へと成長しつつあり、多数のファンを抱えるeスポーツ選手も現在では少なくありません。
    動画配信によって、ユーザーは動画を通してeスポーツ選手のゲームテクニックやノウハウを学ぶことなどができます。
    また、動画配信はゲーム実況をする人々にとって、自分のテクニックをPRしたり、ファンを増やすための場にもなります。

②-3 売上構成比/セグメント別売上の推移

以下のグラフは、GameWithのセグメント別の売上構成を表したグラフです。
一貫して「ゲーム攻略」部門が全体の過半数以上の売上を占めるセグメントであり、GameWithの中心的な収入源となっています。

セグメント別の売上

 

③ 主要KPIとその数値推移

③-1 ゲーム攻略

以下のグラフは、2019年5月期から2020年5月期の「ゲーム攻略」部門の月間平均PV数とPV単価の指標を四半期毎に表したグラフです。
PV数(ページビュー数)とは、メディアのページを訪れてそのページを閲覧した人数を表す数値であり、PV単価とはPV数に対して広告主がメディア(GameWith)へ支払う費用を示します。
この2つの数値はインターネットメディアを運営する上で非常に重要な指標です。
2020年5月期4Qは、PV数がその前のタームと比較して回復したにも関わらず、PV単価が下落し「ゲーム攻略」部門の売上は2期で最低の売上となりました。(上記グラフ参照)
GameWithは、新型コロナウイルスの影響によって、海外からの広告出稿が大幅に減少したことが原因であると決算報告において説明しています。

 

ゲーム攻略KPI

③-2 ゲーム紹介

以下の図は、「ゲーム紹介」部門における過去2期の売上高推移を示しています。
クォーター別に見ると売上高は上下していますが、期を通して見ると「ゲーム紹介」部門の売上高は増加傾向であることがわかります。
※2019年5月期(607百万円)に対し、2020年5月期(673百万円)の推移※

GameWithは、「ゲーム紹介」部門を次なる成長分野と位置付け、「ゲーム攻略」と並ぶ第二の柱として成長させる方針であることを表明しています。

 

ゲーム紹介のKPI

③-3 動画配信

以下のグラフは、2019年5月期から2020年5月期の「動画配信」部門の平均動画視聴回数と視聴単価の指標を四半期毎に表したグラフです。
視聴単価とは前述したPV単価に似た指標であり、動画視聴回数に対して広告主がメディア(GameWith)へ支払う費用を示します。
2020年5月期 4Qは、「ゲーム攻略」部門と同様に新型コロナウイルスの影響で、海外からの広告出稿が大幅に減少したことで視聴単価は過去の数値と比べて大幅に下落しました。
一方で、平均視聴回数は3Qと比較し2倍に増えたため、全体的な収益は増加し、「動画配信」部門の売上高は過去2期で最も高い数値を示しています。(3つ前のグラフ参照)

動画配信のKPI

 

④ コスト構造

④-1 販売管理費

以下の図は、GameWithのコスト構造と2019年5月期から2020年5月期の推移を示したグラフです。
グラフで示されている人材関連費用とは、売上原価と販売費及び一般管理費を足し合わせた費用です。
どの指標も概ね横ばいで推移していますが、2020年5月期2Qから計上され始めた広告宣伝費が2020年5月期4Qまでに4(百万円)から24(百万円)へ増加していることが読み取れます。

 

game with コスト構造

 

④-2 営業利益の推移

以下の図は、2期の売上、営業利益、営業利益率の推移を示したグラフです。
クォーター毎に数値が分けられて計上されており、最も営業利益率が高かった2019年5月期1Qは32.1%の営業利益率でした。
その後もおおよそ15%以上の営業利益率をキープしていましたが、2020年5月期4Qになると、3.9%へ営業利益率が急落しています。
原因としては、前述した新型コロナウイルスの影響に伴う「ゲーム攻略」部門の大幅な数値下落であることが考えられます。

 

 

ゲームウィズ 利益率推移

 

⑤ 投資領域

⑤-1 海外事業

GameWithは、日本語版だけでなく、英語版や台湾版などでもリリースされていますが、その一つである英語版GameWithは、直近でのPV数を急速に伸長させています。

GameWithは、今後英語版GameWithがさらに拡大していくと目論んでおり、記事の取り扱いタイトルを増加させたり、英語版記事のライター育成に注力すると発表しています。

Game With海外事業

⑤-2 海外eスポーツ運営会社への投資

「英語版GameWith」の拡大やeスポーツの流行については前述しましたが、このような流れのなか、GameWithは、タイでeスポーツ競技場運営を行うシンガポールのインフォフェド社へ2019年11月に出資を行いました。
出資額は500万円で、投資の目的はeスポーツ大会の企画・運営などの新規事業領域の拡大であると発表しています。
以下は、この投資に関する詳細についての記事URLです。

2019年11月のインフォフェド社への投資に関する記事

⑤-3 東証一部への市場変更

GameWithは、2017年6月に東証マザーズへ上場しました。
そして、2019年8月に東証一部への市場変更を行っています。
以下のURLは、2019年8月の市場変更に伴い発行された記事のURLです。

2019年8月 東証一部への市場変更に関する記事

⑥ 株価・時価総額推移

以下の図は、GameWithの株価の変化を表したグラフです。

 

ゲームウィズ 株価推移

 

 

GameWithの2020年8月6日時点の株価は595円、時価総額は104.8億円です。
2020年5月期の通期の営業利益4.1億円に対して26.3倍という評価を受けている計算となります。

⑦ 会社情報

まずはGameWithの基本情報を紹介します。
市場は東証一部で、決算月は毎年5月です。

基本情報

会社名 株式会社GameWith
設立日 2013年6月3日
市場 東証一部
証券コード 6552
業種 サービス
決算期 5月
ホームページアドレス http://gamewith.co.jp
発行済株式総数 18,217,900(株)
普通株式数 18,217,900(株)
資本金 543,000,000円 (2020/5現在)
1単元の株式数 100(株)
従業員数 247人
平均年齢 30.5歳
平均年収 6,151,000 円

沿革

GameWithは2013年に東京都で設立され、2017年6月にマザーズへの上場を果たしました。
さらに2019年8月には東証一部への市場変更を行っています。

2013年6月 ゲームの攻略情報サイトの運営を目的として、東京都港区に設立
2013年9月 ゲーム攻略情報サイト「GameWith」をリリース
2014年3月 本社を東京都港区内で移転
2015年6月 本社を東京都港区内で移転
2016年9月 ゲーム攻略等の動画実況に係る広告の事業化を開始
2017年6月 東京証券取引所マザーズに株式を上場
2017年11月 サービスを網羅したiOS、Android向けアプリをリリース
2017年12月 台湾版「GameWith」をリリースし海外展開を開始
2018年7月 英語版「GameWith」をリリース
2019年8月 東京証券取引所市場第一部に市場変更

 


この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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