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海外商標を検索する方法とは?アメリカや中国など主要国の検索方法を解説!

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海外の商標登録を検討していて、まずは実現可能性を探るために簡易的に海外商標を検索したい場合、さまざまなデータベースがあり、どのように検索すれば良いのか分からないことが多いかと思います。

今回の記事では、海外商標の検索方法や注意点、弁理士に依頼する場合の費用などをまとめています。

1.海外商標とは

それでは、まずは海外商標の概要について紹介させていただきます。

(1)海外商標とは

商標とは、商品やサービスを「だれが作ったものか」を認識するために使用される標識(文字、図形、記号、立体的形状など)を指す言葉です。例えば「コカコーラ」はコカコーラ社が製造する清涼飲料水の商品名を表す商標であり、「宅急便」はヤマト運輸株式会社のサービス名を表す商標です。

これらの商標は商品の識別だけではなく、品質保証まで示すことができ、ほかの類似商品・サービスとの差別化や広告宣伝効果の役目も果たします。商品名やサービス名を商標として取り扱うためには、各国の特許庁が定める商標権が必要です。

商標権を得た商品やサービスは「登録商標」となり、登録者はその商標を独占的、排他的に使用することができます。こうした商標は、国ごとに成立するものであるため、日本で商標を取得していたとしても、他の国において自動的に商標が取得されることはありません。

したがって、海外の国々においても商標権を取得しようと考えた場合、各国に対して個別に出願をして権利化を行う必要があります。

(2)海外商標を取るメリット

海外商標を取ることは費用や期間もかかりますが、多くのメリットが得られまず。

まず第一に、世界のほぼ全ての国では商標権は各国領域内に属される、という属地主義の考え方を取っています。そのため、あらかじめ海外進出を視野に入れた商品やサービスを提供する場合、同一商標を扱うためには日本国内だけではなく進出したい国への商標登録もあわせて行なう必要があります。

日本国内で商標を登録したとしても、そのままでは海外での製造・販売に対しての効力は認められません。また海外での商標登録を行なう際、先に類似した商標でビジネスを行なっている企業があった場合は、その国では商標権が認められないということも起こり得ます。【全世界に効力を持つ商標はない】ということを念頭に置いて、海外商標の取得を検討する必要があります。

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2.海外商標検索のプロセス

(1)海外商標を登録する目的の整理

まず、なぜ海外商標を取得するかという目的を整理します。商品を輸出したい、商品を製造したい、サービスを海外展開させたい、海外店舗を持ちたい、外国で他社にライセンスを付与したいなど、登録商標の内容に則った多種多様な目的があるかと思います。

海外商標において考えるべきことは、自社の強みをきちんと外国でも活かせるかどうかです。例えば、日本の先進的な技術によって製造している製品を海外に輸出したい場合、外国で製造している日本製を装った類似商品とは差別化しなくてはなりません。国内で人気の製品だった場合は商標登録の段階ですでに他社に模倣されている場合もあるため、必ずしも日本国内と同じ商標で取ろうとする必要はありません。その国の製品展開や経済、言語や文化に沿ったデザイン、ロゴ、名前などをつけることでより効果的なブランディングにつながります。

どのような商品やサービスを、現地の方にどのように受け入れられたいのか、競合他社とどのように競っていくのか、という海外商標登録の目的を最初に整理し、商品やサービスの内容、それらを展開する国に沿った商標を考えることが重要です。

(2)海外商標を登録する対象国を決める

目的が定まったら、どこの国で海外商標を登録するか、また登録対象商標の範囲を決定します。それぞれの国の法律によって法律や区分が異なるため、後述する簡易的な検索データベースを利用して商標を決めることをお勧めします。

アメリカ、イギリスの商標を検索する場合のポイント

日本では先に商法を出願した方が優先される「出願主義」を採用していますが、アメリカやイギリスでは先にビジネス利用していた方が優先される「使用主義」となっています。

そういった使用主義を採用している国で商標を検索するには、商標登録簿を探すだけでは不十分で、似たような商標がすでに使用されていないかどうかの実態調査が必要となります。

EUの商標を検索する場合のポイント

EU加盟国に商標を登録する場合、欧州連合商標制度を利用し、EU知的財産庁に商標登録を行う方法があります。一度の申請でEU加盟国すべてに商標登録の権利が得られるため、各国の手続きを省略することができます。

特定の国だけを指定することはできませんが、EUエリア内の1ヶ国以上で使用しつづける限り、効力は継続します。主要な進出国がEUエリア内にあるときに役立つ手段です。

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(3)各国の商標が入ったデータベースにて検索

WIPO

WIPOが提供しているグローバルブランド検索データベースです。マドリッド制度を通じた国際商標登録、リスボン協定に基づく原産地表示、パリ条約に基づく紋章などを検索できることに加え、各国における商標登録の情報も検索可能です。

グローバルブランドデータベースには相当数の商標登録のデータが蓄積されておりますが、すべてのデータが確実に蓄積されていない場合もあります。あわせて各国におけるデータベースにおいても、その登録を確認することをおすすめします。

■対象国/地域■

EUTM、ARIPO(ガーナ、ガンビア、ケニア、ジンバブエ、エスワティニ、チュニジア、トンガ、ナミビア、ボツワナ、マラウィ、モザンビーク)、アイスランド、アメリカ合衆国、アラブ首長国連邦、アルジェリア、イスラエル、イタリア、インドネシア、エジプト、エストニア、オーストラリア、オマーン、カナダ、カンボジア、クウェート、ジョージア、コスタリカ、サモア、シンガポール、スイス、スーダン、スペイン、タイ、チリ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、バーレーン、パプアニューギニア、フィリピン、フランス、ブルネイ、ベトナム、北マケドニア、マレーシア、メキシコ、モルドバ、モロッコ、モンゴル、ヨルダン、ラオス、韓国、日本、リスボン原産地名称、パリ条約6条の国・国際機関の名称・紋章・旗章・記章、WHO国際一般名、WIPO(国際登録)

TM view

ヨーロッパ特許庁が運営している「 TM view」という商標検索用データベースがあります。「find term」に検索する英文やカタカナを入力すると検索結果が表示されます。

■対象国/地域■

アルバニア、ARIPO(アフリカ広域知的財産機関)、アルゼンチン、オーストリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、ブラジル、ベネルクス、カナダ、スイス、チリ、コロンビア、コスタリカ、キプロス、チェコ共和国、ドイツ、デンマーク、エストニア、スペイン、フィンランド、フランス、英国、ジョージア、ギリシャ、クロアチア、ハンガリー、アイルランド、イスラエル、インド、アイスランド、イタリア、ヨルダン、日本、カンボジア、韓国、リトアニア、ラトビア、モロッコ、モナコ、モルドバ、モンテネグロ、北マケドニア、マルタ、メキシコ、マレーシア、ノルウェー、ペルー、フィリピン、ブルネイ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、ロシア連邦、スウェーデン、スロベニア、スロバキア、サンマリノ、チュニジア、トルコ、米国、ウルグアイ、EUTM、WIPO(国際登録)

中国商标网(中国商標網)

中国での商標を検索する場合は、中国の商標局が運営する「中国商标网」で検索します。注意事項の同意画面が最初に出てくるので、「我接受」というボタンを押せば、漢字や英語での検索が可能になります。

▪️対象国

中国

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(4)海外商標検索・調査の費用、期間

海外での知的財産権の取り扱いは各国の有資格者に限られるため、一般的に海外商標の検索や調査に感しても、商標登録対象国の弁護士・弁理士に依頼する必要があります。

海外の弁護士事務などに直接依頼することも可能ですが、言語や知識のハードルが高いため、日本の弁護士・弁理士を通じて海外での商標調査を行なうことをおすすめします。

海外での商標調査の場合は、期間、費用が国によって異なります。日本の会社が商標を登録する主要国での現地代理人を雇った海外商標調査の期間、費用の相場は以下の通りです。

  • 中国:約5日、1万円~3万円
  • 韓国・台湾:約5日、3万円~5万円
  • 香港:約1週間~2週間、7万円~15万円
  • アメリカ:約1週間~2週間、12万円~23万円
  • ヨーロッパ:約1週間~3週間、7万円~25万円

ヨーロッパは国によって違いが大きいため、相場の幅が大きくなっています。

なお、これらは1商標1区分についての調査費用となります。また、この費用に日本の代理人費用がプラスされます。

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3. まとめ

この記事では、商標の検索方法の中でも「海外商標」に特化して商標の検索について記述しました。
このような方法は知識として知っておくことは、大変重要ですが、実務に関しては、非常にハードルが高く、弁理士など専門家の助言が不可欠です。

信頼のおける専門家の支援を受けながら、商標を武器として戦っていきましょう!

ABOUT ME
知財編集部
知財に関する専門家です。 わかりやすい記事の監修を心がけています。

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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