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【新規上場企業分析】 ウェルスナビのIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

ウェルスナビの概要

ウェルスナビの基本情報

はじめに、ウェルスナビ株式会社基本情報を紹介します。
上場予定日は2020年12月22日、市場はマザーズ、想定時価総額は494.6です。

会社名 ウェルスナビ株式会社
設立日 2015年4月28日
上場日 2020年12月22日(承認日:2020年11月18日)
市場 マザーズ
証券コード 7342
業種 証券、商品先物取引業
決算期 12月
ホームページアドレス https://www.wealthnavi.com/
発行済株式総数 42,467,649 株(2020 年 11 月 18 日現在)
上場時発行済株式総数 44,967,649 株
※公募分を含む。
※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。
公募株数 2,500,000 株
想定価格 1,100円
想定時価総額 494.6億円(※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
資本金 100,000 千円(2020 年 11 月 18 日現在)
1単元の株式数 100 株
監査人 有限責任 あずさ監査法人
主幹事証券会社 SBI証券
引受幹事証券会社 大和証券
みずほ証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
野村證券
岡三証券

ウェルスナビの沿革

ウェルスナビは、2015年に東京都で創業した企業です。
資産運用サービスウェルスナビの運用を創業初期から行い、各金融機関などと提携を組むことで業績を急速に伸ばしてきました。

2015年4月 東京都中央区にウェルスナビ株式会社設立
2015年9月 東京都中央区から東京都千代田区に本店移転
2015年12月 第一種金融商品取引業、投資運用業、投資助言・代理業の登録
2016年1月 資産運用サービス「WealthNavi(ウェルスナビ)」を招待制で提供開始
2016年7月 資産運用サービス「WealthNavi(ウェルスナビ)」を正式リリース
2017年1月 東京都千代田区から東京都渋谷区に本店移転 株式会社SBI証券と提携、「WealthNavi for SBI証券」の提供を開始
2017年2月 住信SBIネット銀行株式会社と提携、「WealthNavi for 住信SBIネット銀行」の提供を開始
2017年5月 おつりで資産運用アプリ「マメタス」の提供を開始
2017年9月 全日本空輸株式会社と提携、「WealthNavi for ANA」の提供を開始
2017年12月 ソニー銀行株式会社と提携、「WealthNavi for ソニー銀行」の提供を開始
2018年3月 株式会社イオン銀行と提携、「WealthNavi for イオン銀行」の提供を開始
2018年4月 株式会社横浜銀行と提携、「WealthNavi for 横浜銀行」の提供を開始
2018年5月 日本航空株式会社と提携、「WealthNavi for JAL」の提供を開始
2018年11月 東急カード株式会社と提携、「WealthNavi for TOKYU POINT」の提供を開始
2019年1月 株式会社じぶん銀行と提携、「WealthNavi for じぶん銀行」の提供を開始
2019年4月 株式会社SBIネオモバイル証券と提携、「WealthNavi for ネオモバ」の提供を開始
2019年8月 東京海上日動火災保険株式会社と提携、「WealthNavi for 東京海上日動」の提供を開始
2019年10月 株式会社北國銀行と提携、「北國おまかせNavi」の提供を開始
2019年11月 小田急電鉄株式会社と提携、「WealthNavi for ODAKYU」の提供を開始 資金移動業の登録
2020年4月 株式会社東京スター銀行と提携、「WealthNavi for 東京スター銀行」の提供を開始
2020年8月 株式会社三菱UFJ銀行と「WealthNavi for 三菱UFJ銀行(仮称)」の提供に向けた業務提携 浜松いわた信用金庫と資産運用サービスの共同開発・提供に向けた業務提携
2020年9月 岡三証券株式会社と提携、「岡三Naviハイブリッド」の提供を開始

ウェルスナビの事業内容

ウェルスナビは、「働く世代に豊かさを」というミッションを掲げ、働く世代の豊かな老後のために、「長期・積立・分散」の資産運用を全自動化し、スマートフォンやパソコンを通じてユーザーの資産運用に関する提案・自動運用を行うサービス(ロボアドバイザー)「WealthNavi(ウェルスナビ)」を提供する企業です。


ウェルスナビを利用することで、ユーザーは、従来自分自身で行っていた資産運用のプロセスである、「目標設定からポートフォリオの構築」、 「発注・積立・再投資」、「リバランスや税金最適化」まで、すべてのプロセス高度な知識や手間なし運用することが可能となります。


以下は、ウェルスナビの概要を表した図です。  




ウェルスナビのビジネスモデル

① 「WealthNavi(ウェルスナビ)」の概要 

ウェルスナビのサービス「WealthNavi(ウェルスナビ)」は、2016年7月に正式リリースされたロボアドバイザーです。


このシステムは、リリース以降、新機能の拡張を繰り返していますが、機能追加の度、コラム、ビデオメッセージ、セミナーなどを通じて、ユーザーに対し 「長期・積立・分散」の資産運用に関するサポートを行い続けています。
その結果、2020年9月末時点で預かり資産2,892億円、運用者数22.5万人を突破するサービスへ成長しました。


また、より多くのユーザーが利用可能なサービスを目指し、ウェルスナビは金融機関をはじめとする提携パートナーを増やすことに注力しています。
ウェルスナビの基本的なビジネスモデルは、直接的顧客であるダイレクトユーザーからは手数料を獲得し、提携パートナーを通じて獲得したユーザーからは、提携先と顧客から獲得した手数料をシェアすることで収益を計上しています。

② 「WealthNavi(ウェルスナビ)」の特徴

以下は、ウェルスナビが提供するロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」の主な特徴です。  


ウェルスナビの特徴の多くは、ロボットによる自動運用特有の性質に由来する特徴であるといえます。

資産運用の自動化

ウェルスナビでは、「長期・積立・分散」の資産運用をすべて自動化されており、世界の富裕層や機関投資家が実践している「長期・積立・分散」の資産運用を、テクノロジーの活用による自動運用が行われています。

この自動運用では、従来ユーザー自身が行っていた、目標設定からポートフォリオの構築、発注・積立・再投資、リバランス・税金最適化まで、すべてのプロセスを自動化し、オンラインですべての人に提供しており、世界約50カ国、1万1,000銘柄以上に投資することが実質的に可能なサービスとなります。


また、ユーザーが利用を開始する際には、スマートフォンやパソコンで、5つの質問に回答するだけで、ユーザー個々のリスク許容度に応じた運用プランが提案され、また手軽に申し込むことができるます。


そのため、投資の知識が足り無かったり、投資の検討に十分な時間がとれなくても、世界の富裕層や機関投資家が実践している「長期・積立・ 分散」の運用が可能です。

多様な機能

ウェルスナビは、単に投資運用を自動で行うだけでなく、顧客サポートのために様々な機能が据付けられています。

主な機能は、

  • ユーザーの税負担を自動的に最適化する「自動税金最適化(DeTAX)機能」
  • 追加投資等を行う際、 運用が最適化されるように、売買する銘柄や口数を選定する「リバランス機能付き自動積立」
  • 投資金額が少額でも最適な投資運用が可能となる「ミリトレ(少額ETF取引機能)」
  • 長期投資に挫折しそうなケースにおいてAIを活用してアドバイスを行う「AIによる資産運用アドバイス機能」
  • ユーザーに必要な老後資金を試算し、退職時までに目標を達成するための投資計画を提案し、その進捗状況を管理する「ライフプラン機能」

などのオプション機能です。

このような多彩な機能によってユーザーは、より利便性の高いサービスとしてウェルスナビを運用することが可能となります。  

客観的なアルゴリズム

ウェルスナビは、ロボットによる運用が行われているため、投資信託のようにファンドマネージャーが投資対象資産を選定するのではなく、金融工学の理論に基づき構築された資産運用アルゴリズムに従い運用が行われており、投資運用を算出する際は、客観的なデータにのみ基づき算定が行われています。

また、ユーザーの安心を担保するために、資産運用アルゴリズムの中身はブラックボックス化されておらず、公開されている点もウェルスナビの特徴です。  

シンプルで分かりやすい手数料

ウェルスナビでは、ユーザーのからの預かり資産の1%を手数料として受領するシンプルな手数料設計がなされています。

また、手数料は、預かり資産に連動しており、ユーザーの資産が増加すれば手数料も増加し、逆に、ユーザーの資産が減少すれば手数料も減少するという手数料体系となります。

有価証券報告書情報

経営指標(過去2期分)

第5期の業績は以下の通りです。

  • 売上高:52.6億円(前年比+19.5%)
  • 経常利益:2.0億円(前年比+145.6%)
  • 当期純利益:1.4億円(前年比+106.5%)
第4期 第5期
決算年月 2018年12月 2019年12月
売上高(千円) 881,171 1,552,903
経常利益(千円) △1,718,020 △2,057,005
当期純利益(千円) △1,721,820 △2,060,805
純資産額(千円) 3,187,586 5,260,455
総資産額(千円) 7,588,546 12,697,470
自己資本比率 42.0% 41.4%
営業キャッシュフロー(千円) △2,658,429 992,561
投資キャッシュフロー(千円) △23,929 △113,189
財務キャッシュフロー(千円) 3,731,601 4,103,674
現金・現金同等物の期末残高(千円) 3,483,327 8,475,947
従業員数 65人 85人

 

経営指標(過去5期分)

過去5期の業績を見ると、売上高は、創業以来断続的に右肩上がりで成長しています。

一方、利益については、5期の間は終始赤字であり、赤字額も増加の一途を辿っています。

ウェルスナビのように、インターネットを利用してユーザーから手数料を収益計上するタイプのビジネスは、黒字化までに比較的長い時間を費やす傾向が頻繁に見かけられます。
なぜなら、このようなタイプのビジネスは、収益化までセールス・マーケティングに多額の費用を費やす傾向があるからです。


第5期は、販売費・一般管理費は35億95百万円(前年比10億13百万円の増加)となり、主な内訳は、事業拡大に伴う広告宣伝費及び支払手数料などの取引関係費の増加7億16百万円、人件費の増加2億28百万円となっています。


なお、ウェルスナビは、2016年12月31日付で株式1株につき400株、2020年8月30日付で株式1株につき3株の分割を実施しました。

第1期 第2期 第3期 第4期 第5期
決算年月 2015年12月 2016年12月 2017年12月 2018年12月 2019年12月
売上高(千円) 0 3,007 207,048 881,171 1,552,903
経常利益(千円) △65,079 △353,304 △762,812 △1,718,020 △2,057,005
当期純利益(千円) △65,818 △354,254 △776,375 △1,721,820 △2,060,805
資本金(千円) 134,950 100,000 475,000 2,075,800 100,000
発行済株式総数 31,996 20,566,000 21,069,699 22,814,739 24,433,883
純資産額(千円) 194,081 1,734,180 1,707,80 3,187,586 5,260,455
総資産額(千円) 207,975 1,848,215 4,436,407 7,588,546 12,697,470
自己資本比率 93.3% 93.8% 38.5% 42.0% 41.4%
従業員数 11人 26人 41人 65人 85人

 

ウェルスナビは、2019年11月、複数のファンドなどから約41億円の資金調達を実施しました。
この資金調達により、2015年4月の創業からの資金調達額は総額約148億円となります。
なお、この資金調達は、開発体制の強化、経営基盤の拡充、マーケティングの推進を目的とした資金調達であると公表されています。

No.1ロボアドバイザー「WealthNavi」を提供するウェルスナビが約41億円の資金を調達

株主構成

上位10位までの主要な株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
柴山和久 12,164,034 24.84% 180日間
AT-I投資事業有限責任組合 4,496,400 9.18% 90日間
SBIホールディングス株式会社 3,162,540 6.46% 180日間
Infinity e.ventures Asia III,L.P. 3,129,600 6.39% 90日間
グローバル・ブレイン6号投資事業有限責任組合 2,921,412 5.96% 90日間
FinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合 2,635,896 5.38% 90日間
株式会社SMBC信託銀行 1,729,446 3.53% 90日間
DBJキャピタル投資事業有限責任組合 1,372,623 2.80% 90日間
協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合 1,175,088 2.40%
株式会社SBI証券 1,175,088 2.40%

新規上場(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

想定価格は1,100円、吸収金額(調達額)は 188.7億円と予想されています。

仮条件 未発表
公募・売出価格 未発表
想定価格 1,100 円
初値
公募株数 2,500,000 株
売出株数 13,094,300 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 1,559,400 株
吸収金額(調達額) 188.7 億円 (※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算)

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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