目次
ダブルエーの概要
ダブルエーの基本情報
はじめに株式会社ダブルエーの基本情報を紹介します。上場日は2019年11月1日、市場はマザーズ、想定時価総額は220.4億円、上場時の時価総額は220.0億円でした。
| 会社名 | 株式会社ダブルエー |
|---|---|
| 設立日 | 2002年2月12日 |
| 上場日 | 2019年11月1日(承認日:2019年9月27日) |
| 市場 | マザーズ |
| 証券コード | 7683 |
| 業種 | 情報・通信業 |
| 決算期 | 7月 |
| ホームページアドレス | https://www.wa-jp.com/ |
| 発行済株式総数 | 4,000,000 株(2019 年 9 月 27 日現在) |
| 上場時発行済株式総数 |
|
| 公募株数 | 500,000 株 |
| 想定価格 | 4,690円 |
| 想定時価総額 | 220.4億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算) |
| 初値 | 4,680円 |
| 上場時時価総額 | 220.0億円(※上場時発行済株式総数×初値で計算) |
| 時価総額 | 157.6億(2020年9月18日現在) |
| 資本金 | 50,000 千円(2019 年 9 月 27 日現在) |
| 1単元の株式数 | 100株 |
| 監査人 | 有限責任 あずさ監査法人 |
| 主幹事証券会社 | みずほ証券 |
| 引受幹事証券会社 |
SMBC日興証券 |
ダブルエーの沿革
株式会社ダブルエーは、2002年に直通企画有限会社として設立した、婦人靴の企画・販売を事業の中核として運営する企業です。
複数のブランドを展開しつつ、海外への販路開拓やECでの販売を行うことで事業を拡大し、2019年11月に東証マザーズへ上場しました。
| 2002年2月 | 「直通企画有限会社」を設立 |
| 2002年3月 | 東京都世田谷区下北沢に「ORientalTRaffic」1号店を出店 |
| 2004年1月 | 「直通企画株式会社」に組織変更 |
| 2004年4月 | 商業施設へ初出店(ORientalTRafficファミリ柏店) |
| 2005年4月 | 大きいサイズの商品を取扱開始 |
| 2006年1月 | ECモールへ初出店(ORientalTRaffic楽天市場店) |
| 2007年7月 | 「株式会社ダブルエー」に社名変更 東京都渋谷区恵比寿(旧)へ本社を移転 |
| 2008年2月 | 自社EC店舗(ORientalTRafficONLINESTORE)を出店 |
| 2011年3月 | アウトレット形態店舗「ORientalTRafficOUTLET」を展開 |
| 2012年7月 | 東京都渋谷区恵比寿(現)へ本社を移転 |
| 2013年3月 | 台湾へ初出店(台北SOGO忠孝店) |
| 2013年9月 | 国内出店数累計50店舗を達成 |
| 2013年11月 | 香港へ初出店(香港YuenLongYOHOMallII店) |
| 2013年12月 | 新ブランド「WAORientalTRaffic」を展開 |
| 2014年9月 | テレビCMを放送 |
| 2015年9月 | 新ブランド「NICAL」と「ORKIDS」を展開 |
| 2016年4月 | 中国最大のECモールへ出店(天猫店) |
| 2017年7月 | 海外販路拡大のため「CAPITALSEASHOESCOMPANYLIMITED」(香港)の株式を取得し子会社化 生産管理・品質管理のため「江蘇京海服装貿易有限公司」(中国)を設立 |
| 2017年8月 | 取り扱い商品を11サイズ(21.5cm~26.5cm)へ拡大 |
| 2018年3月 | 新ブランド「WA!KARU」を展開 国内出店数累計100店舗を達成 |
| 2018年10月 | 「ORientalTRaffic公式アプリ」をリリース |
| 2019年6月 | 「WA!KARU」初の実店舗(WA!KARU吉祥寺店)を出店 |
| 2019年7月 | 中国初の実店舗(上海人民広場来福士店)を出店 |
| 2019年9月 | マカオへ初出店(澳門信達城店) |
| 2019年11月 | 東京証券取引所マザーズに株式を上場 |
ダブルエーの事業内容
株式会社ダブルエーは、「いつでも 想像以上に満足の出来る商品・サービスを提供します」を経営理念に掲げ、婦人靴を中心とした自社商品の企画・販売を行う企業です。
ダブルエーの事業運営は、3つの部門に分割して行われており、複数のブランドが展開されています。
以下は、ダブルエーの主要な事業部門と事業系統を表した図です。
① 事業区分とビジネスモデル
ダブルエーでは、婦人靴の企画・販売を運営するにあたり、事業区分を「企画」「検品」「販売」の3領域に分割しています。
以下は、各事業領域の具体的な概要です。
- 企画開発業務
企画開発業務では、主に市場調査やサンプル製品の開発が行われています。
商品企画スタッフが定期的に販売員として実際に店頭に立ち、顧客や現場スタッフから、リアルな意見や要望を聞くことによって、消費者ニーズや販売員のニーズをとらえ商品の原案に反映させます。
その後、商品の企画(素材・製法・デザインなど)を具体的に立案した後に、パートナー工場へ相当数のサンプル商品の製造を依頼し、履き心地、素材感、安全性、履いた時のシルエットなどを検討し、商品化の判断を行います。 - 検査検品業務
検査検品業務では、パートナー工場の生産管理業務が主に行われています。
ダブルエーでは、商品の製造を外部の工場に委託することで、他の部門へ経営資源を集中させており、外部工場の管理やマネジメント業務は、この部門の業務区分となります。 - 販売業務
販売業務の部門では、直営店舗、販売代行店舗、ECサイトを通じて商品の販売を行っています。
この部門の具体的な役割は、複数のチャネルを利用してより多くの顧客に商品を届けること、また商品の売れ行きを分析することで、需要予測を立てたり在庫の最適化を図ることとです。
② 主要なブランド
ダブルエーの所有する主要なブランドとその特徴は、以下の通りです。
- ORiental TRffic
定番ものからトレンド感を取り入れたデザイン性のあるものまで幅広いアイテムを取り揃えていることや、カラーバリエーションの豊富さが特徴。
幅広い年齢層を対象としている。 - ORTR(オーアールティーアール)
スニーカーなどがメイン商材となっており、カジュアルスポーツを中心とした、幅広いターゲットに向けた商品を揃えている。
“機能性とファッション性”の双方を融合したデザインが特徴。 - WA!KARU
思わず、「軽い!」と言ってしまうような軽さと履き心地で、機能性に特化していることが特徴。
カラーバリエーションの豊富さが魅力であり、路面店を中心とした地域密着型の店舗で主に展開されている。
有価証券報告書情報
連結の経営指標(過去3期分)
第19期の業績は以下の通りです。
- 売上高:140.1億円(前年比+9.7%)
- 経常利益:13.9億円(前年比+17.8%)
- 当期純利益:7.6億円(前年比△1.7%)
| 期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 |
| 決算年月 | 2018年1月 | 2019年1月 | 2020年1月 |
| 売上高(千円) | 11,784,381 | 12,773,447 | 14,009,939 |
| 経常利益(千円) | 1,053,671 | 1,180,185 | 1,390,790 |
| 当期純利益(千円) | 660,897 | 770,058 | 757,481 |
| 純資産額(千円) | 2,442,851 | 3,195,140 | 7,130,933 |
| 総資産額(千円) | 5,472,189 | 6,097,788 | 9,278,771 |
| 自己資本比率 | 44.6% | 52.4% | 76.9% |
| 営業キャッシュフロー(千円) | 467,112 | 814,979 | 1,719,984 |
| 投資キャッシュフロー(千円) | △187,350 | △448,840 | △402,318 |
| 財務キャッシュフロー(千円) | 50,556 | △153,612 | 1,166,817 |
| 現金・現金同等物の期末残高(千円) | 1,213,462 | 1,417,618 | 3,900,325 |
| 従業員数 | 314人 | 361人 | 375人 |
単体の経営指標(過去5期分)
過去5期の業績を見ると、売上、利益とも右肩上がりで推移していることがわかります。
過去5期は、どのタームも黒字で計上されており、売上は4年間で約1.2倍に成長、利益に関しては1.5倍以上の成長となっています。
なお、下記の経営指標に関する主な注釈は以下の通りです。
- 第17期から決算期を8月31日から1月31日に変更したため、第16期は、決算期変更により2016年9月1日から2017年1月31日までの5ヶ月間の数値を示している。
- 2017年8月25日付で普通株式1株につき200株の株式分割を実施。
-
2019年7月11日付で普通株式1株につき20株の株式分割を実施。
| 期 | 第15期 | 第16期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 |
| 決算年月 | 2016年8月 | 2017年1月 | 2018年1月 | 2019年1月 | 2020年1月 |
| 売上高(千円) | 10,039,600 | 4,323,051 | 10,383,120 | 11,073,601 | 12,350,474 |
| 経常利益(千円) | 717,753 | 354,264 | 975,493 | 1,008,566 | 1,348,428 |
| 当期純利益(千円) | 478,172 | 207,111 | 603,039 | 634,929 | 725,046 |
| 資本金(千円) | 50,000 | 50,000 | 50,000 | 50,000 | 1,643,339 |
| 発行済株式総数 | 1,000 | 1,000 | 200,000 | 200,000 | 4,746,900 |
| 純資産額(千円) | 1,582,562 | 1,784,555 | 2,390,178 | 3,017,418 | 6,920,195 |
| 総資産額(千円) | 4,083,348 | 5,018,945 | 5,244,908 | 5,746,838 | 8,363,979 |
| 自己資本比率 | 38.8% | 35.6% | 45.6% | 52.5% | 82.7% |
| 従業員数 | 225人 | 214人 | 220人 | 254人 | 258人 |
上場時の株主構成
上位10位までの株主は、以下の通りです。
| 株主 | 所有株式数 | 比率 | ロックアップ |
| 肖 俊偉 | 3,354,000 | 82.64% | 180日間 |
| 趙 陽 | 272,000 | 6.70% | 90日間 |
| 丁 蘊 | 200,000 | 4.93% | 180日間 |
| PANG KWAN KIN | 120,000 | 2.96% | 90日間 |
| 中井 康代 | 20,000 | 0.49% | 180日間 |
| 劉 成 | 12,000 | 0.30% | 90日間 |
| 北岡 慧太 | 8,000 | 0.20% | – |
| 丹下 祐二 | 6,000 | 0.15% | – |
| 菅沼 匠 | 4,000 | 0.10% | 180日間 |
| 佐川 明生 | 4,000 | 0.10% | 180日間 |
上場時(IPO)の募集・売出し情報
公募・売出し・調達額情報
公募価格は4,690円、吸収金額(調達額)は48.5億円とされています。
また初値は、4,680円となりました。
| 仮条件 | 4,490円 ~ 4,690円 |
|---|---|
| 公募・売出価格 | 4,690円 |
| 想定価格 | 4,690円 |
| 初値 | 4,680円 (公募価格比-0.2%) |
| 公募株数 | 500,000 株 |
| 売出株数 | 485,000 株 |
| オーバーアロットメントによる売出し株数 | 147,700 株 |
| 吸収金額(調達額) | 48.5億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算) |

赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。