目次
ビザスクの概要
ビザスクの基本情報
はじめに株式会社ビザスクの基本情報を紹介します。上場日は2020年3月10日、市場はマザーズ、想定時価総額は171.9億円、上場時の時価総額は107.2億円でした。
会社名 | 株式会社ビザスク |
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設立日 | 2012年3月19日 |
上場日 | 2020年3月10日(承認日:2020年2月3日) |
市場 | マザーズ |
証券コード | 4490 |
業種 | 情報・通信業 |
決算期 | 2月 |
ホームページアドレス | https://visasq.co.jp/ |
発行済株式総数 | 7,685,000 株(2020 年 2 月 3 日現在) |
上場時発行済株式総数 | 8,185,000 株 ※公募分を含む。 ※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。 |
公募株数 | 500,000 株 |
想定価格 | 2,100円 |
想定時価総額 | 171.9億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算) |
初値 | 1,310円 |
上場時時価総額 | 107.2億円(※上場時発行済株式総数×初値で計算) |
時価総額 | 270.6億(2020年9月3日現在) |
資本金 | 18,682 千円(2020年2月3日現在) |
1単元の株式数 | 100株 |
監査人 | 有限責任監査法人トーマツ |
主幹事証券会社 | みずほ証券 |
引受幹事証券会社 |
大和証券 |
ビザスクの沿革
株式会社ビザスクは、2012年に東京都で株式会社walkntalkとしてスタートしました。
創業当初から、企業とそのアドバイザーとなる知見者をマッチングさせるプラットフォームビジネスの運営を行う事業を展開しています。
また、ビザスクは2020年3月に東証マザーズへ上場しました。
2012年3月 | 東京都千代田区に株式会社walkntalk設立 |
2012年12月 | 「ビザスク」(セルフマッチング形式の現「ビザスクlite」)のβ版運用開始 |
2013年7月 | 経済産業省「多様な「人活」支援サービス創出事業」を受託 |
2013年10月 | 「ビザスク」(フルサポート形式の現「ビザスクinterview」及びセルフマッチング 形式の現「ビザスクlite」)を正式リリース |
2014年11月 | 株式会社walkntalkから株式会社ビザスクへ商号変更 |
2015年9月 | 本店を東京都千代田区から東京都新宿区へ移転 |
2016年9月 | プライバシーマーク認証取得 |
2016年10月 | 社外の知見を活用した新規事業創出支援を目的としてオープンイノベーション推進室設置を設置 |
2016年12月 | 「社内事業提案制度」の初支援案件として、帝人「One Teijin Award」の包括的支援プロジェクトを初受託 |
2017年2月 | 本店を東京都新宿区から東京都目黒区へ移転 |
2017年3月 | 東京都目黒区に本社を移転 |
2017年4月 | 海外対応専任チーム「VQ Global」(現 グローバル事業開発グループ)を発足 |
2018年1月 | オンライン・アンケート調査「エキスパートサーベイ」(現「ビザスクexpert survey」)を提供開始 |
2018年2月 | 第4回「日本ベンチャー大賞」女性起業家賞(経済産業大臣賞)を受賞 |
2018年6月 | 経済産業省により「J-Startup」企業に選定 |
2018年12月 | フルサポート形式「ビザスク」において社外メンターを活用して女性管理職育成を支援する女性管理職育成プランを提供開始 |
2019年6月 | 「ビザスクweb展示会」をリリース |
2019年8月 | 「ビザスク」のサービス名称を下記の通り変更 フルサポート形式:「ビザスク」(英語名称は「VQ」) セルフマッチング形式:「ビザスクlite」 |
2019年12月 | シンガポールに駐在員事務所を設立 |
2020年1月 | セルフマッチング形式「ビザスクlite」においてセルフマッチング形式のスポットコンサルを利用 する企業向けにチームプランを提供開始 |
2020年3月 | 東証マザーズに上場 |
ビザスクの事業内容
ビザスクは、「世界中の知見をつなぐ」というビジョンに掲げ、「企業」と、その業界やビジネスについての知見を持つ「アドバイザー(知見者)」をマッチングする事業を運営しています。
この事業は、「知見プラットフォーム事業」と名付けられているサービスであり、企業がよりスピーディーかつ手軽に知見者とマッチングし、その知見をビジネスへ生かすことを目的としています。
ビザスクが運営する「知見プラットフォーム事業」の事業系統図は以下の通りです。
① サービス概要
ビザスクのサービスの目的とサービス内容についての解説を行います。
現在、スタートアップから大企業まで、企業活動においては、新規事業や業務改革、投資などに関する業界動向調査の必要性や、情報収集ニーズが常時発生しているのが現状です。
このような場合、従来は書籍や調査会社の発行するレポートを購入する、自社内の知見者にヒアリングする、知人経由で知見者にアプローチするなどが課題解決における一般的な方法でした。
しかし、自社の保有するネットワークには限界があるため、迅速に適切な知見者にアプローチすることは一般的に大変困難です。
このような背景を受け、ビザスクは、顧客のニーズに応じて、ビジネス知見を有するアドバイザーと顧客をマッチングし、顧客が、自社にとって有用な情報やアドバイスを手軽に受けることのできるサービスを開発しました。
ビザスクでは、顧客の課題や予算に応じて複数のタイプのマッチングサービスの運営が行われています。
一方で、事業全体の売上の80%以上は、1時間単位の電話や対面でのインタビュー(スポットコンサル)のプラットフォームである「ビザスクinterview」によって収益化されており、このサービスはビザスクのメインサービスとなっています。
「ビザスクinterview」の業務フローは、専任の担当者が顧客からの依頼事項(どのような課題を抱えているのか)を確認し、適任者をリサーチしたうえで、顧客に対してアドバイザーを提案し、インタビュー実施のアレンジまで全面的にサポートするフローによって構成されています。
なお、ビザスクで運営されているサービスの一覧とその概要は以下の通りです。
② 主要なKPI
ビザスクは、「知見プラットフォーム事業」の運営において、顧客企業から「サービス利用料」を受け取る形で収益を計上しています。
そのため、業績を拡大し、持続的な成長を続けるためにはマッチングサービスの登録者数が重要な指標であるといえます。
以下の図は、2017年2月期1Qから2020年2月期3Qまでの国内におけるビザスクのサービス登録者数の推移を表したグラフです。
グラフの通り、ビザスクは登録者数を増やし続け、現在では一部の海外ユーザーも含めると、10万人以上の登録者数を抱えるサービスとなっています。
また、グラフの集計期間内は、1Qあたり約5000人づつ比較的コンスタントに登録者数が増加しているため、しばらくこの傾向が続くことも予測できます。
登録者の属性は、約500もの業種を網羅しており、製造業をはじめ、小売・飲食・生活、医療・ヘルスケア、業務 支援、金融、教育、メディア、建設・不動産、エネルギー・インフラ、農林水産などです。
職域別では、営業・マーケティング、経営・管理部門、IT・システム、新規事業・R&D、海外ビジネス、専門職、生産・調達など多岐に渡り、幅広い業界・職域をカバーしています。
有価証券報告書情報
経営指標(過去3期分)
第8期の業績は以下の通りです。
- 売上高:9.8億円(前年比+60.2%)
- 経常利益:0.6億円(前年比137.8%)
- 当期純利益:0.5億円(前年比+92.3%)
期 | 第6期 | 第7期 | 第8期 |
決算年月 | 2018年2月 | 2019年2月 | 2020年2月 |
売上高(千円) | 264,047 | 614,204 | 983,978 |
経常利益(千円) | △58,049 | 24,075 | 57,252 |
当期純利益(千円) | △58,579 | 27,488 | 52,872 |
純資産額(千円) | 18,682 | 46,170 | 99,672 |
総資産額(千円) | 369,317 | 480,628 | 648,216 |
自己資本比率 | 5.1% | 9.6% | 15.3% |
営業キャッシュフロー(千円) | △39,543 | 46,678 | 139,511 |
投資キャッシュフロー(千円) | △6,358 | △47,257 | △33,954 |
財務キャッシュフロー(千円) | 194,444 | △16,668 | △22,106 |
現金・現金同等物の期末残高(千円) | 257,874 | 240,764 | 324,066 |
従業員数 | 38人 | 59人 | 108人 |
経営指標(過去5期分)
5期の業績を見ると、売上高は4年間で40倍以上伸長していることがわかります。
また、利益に関しては、第6期まで赤字で計上されていましたが、第7期からは黒字に転換しています。
また、発行済株式総数の変動についての注釈は以下の通りです。
- 2016年8月24日付で株式1株につき50株の株式分割を実施。
- 2019年8月30日付で普通株式1株につき50株の株式分割を実施。
期 | 第4期 | 第5期 | 第6期 | 第7期 | 第8期 |
決算年月 | 2016年2月 | 2017年2月 | 2018年2月 | 2019年2月 | 2020年2月 |
売上高(千円) | 22,369 | 100,205 | 264,047 | 614,204 | 983,978 |
経常利益(千円) | △87,792 | △121,221 | △58,049 | 24,075 | 57,252 |
当期純利益(千円) | △88,871 | △122,386 | △58,579 | 27,488 | 52,872 |
資本金(千円) | 168,676 | 168,676 | 168,676 | 18,682 | 18,682 |
発行済株式総数 | 3,074 | 153,700 | 153,700 | 153,700 | 7,685,000 |
純資産額(千円) | 199,648 | 77,261 | 18,682 | 46,170 | 99,672 |
総資産額(千円) | 226,104 | 164,922 | 369,317 | 480,628 | 648,216 |
自己資本比率 | △88.3% | 46.8% | 5.1% | 9.6% | 15.3% |
従業員数 | 11人 | 21人 | 38人 | 59人 | 108人 |
上場時の株主構成
上位10位までの株主は、以下の通りです。
株主 | 所有株式数 | 比率 | ロックアップ |
端羽 英子 | 4,559,600 | 51.56% | 90日間 |
A-Fund Ⅱ, L.P. | 1,025,000 | 11.59% | 90日間 |
DACベンチャーユナイテッド・ファンド1号投資事業有限責任組合 | 855,000 | 9.67% | 90日間 |
花村 創史 | 437,500 | 4.95% | – |
CA Startups Internet Fund1号投資事業有限責任組合 | 375,000 | 4.24% | – |
DBJキャピタル投資事業有限責任組合 | 217,500 | 2.46% | – |
みずほ成長支援投資事業有限責任組合 | 217,500 | 2.46% | – |
CA Startups Internet Fund2号投資事業有限責任組合 | 180,000 | 2.04% | 90日間 |
平林 芳彦 | 125,800 | 1.42% | 継続保有 |
瓜生 英敏 | 108,050 | 1.22% | 90日間 |
上場時(IPO)の募集・売出し情報
公募・売出し・調達額情報
公募価格は1,500円、吸収金額(調達額)は38.3億円とされています。
また初値は、1,310円となりました。
仮条件 | 1,300円 ~ 1,500円 |
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公募・売出価格 | 1,500円 |
想定価格 | 2,100円 |
初値 | 1,310円(公募価格比△12.7%) |
公募株数 | 500,000 株 |
売出株数 | 1,721,000 株 |
オーバーアロットメントによる売出し株数 | 333,000 株 |
吸収金額(調達額) | 38.3億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算) |