目次
バルテスの概要
バルテスの基本情報
はじめにバルテス株式会社の基本情報を紹介します。
上場日は2019年5月30日、市場はマザーズ、想定時価総額は38.6億円、上場時の時価総額は47.2億円でした。
会社名 | バルテス株式会社 |
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設立日 | 2004年4月19日 |
上場日 | 2019年5月30日(承認日:2019年4月18日) |
市場 | マザーズ |
証券コード | 4442 |
業種 | 情報・通信業 |
決算期 | 3月 |
ホームページアドレス | https://www.valtes.co.jp/ |
発行済株式総数 | 7,150,000 株(2019年4月18日現在) |
上場時発行済株式総数 | 7,150,000 株 |
公募株数 | 843,000 株 |
想定価格 | 540円 |
想定時価総額 | 38.6億円(※上場時発行済株式総数×想定価格で計算) |
初値 | 660円 |
上場時時価総額 | 47.2億円 (※上場時発行済株式総数×初値で計算) |
時価総額 | 200.9億円 (2020年11月5日現在) |
資本金 | 90,000 千円(2019年4月18日現在) |
1単元の株式数 | 100 株 |
監査人 | 有限責任監査法人トーマツ |
主幹事証券会社 | SBI証券 |
引受幹事証券会社 | 野村證券 藍澤證券 岩井コスモ証券 エイチ・エス証券 SMBC日興証券 エース証券 極東証券 東洋証券 ひろぎん証券 丸三証券 むさし証券 |
の沿革
バルテス株式会社は、2004年に大阪府で設立しました。
創業期からソフトウェア関連のサービスを展開しており、事業領域の拡大を続け、2019年5月に東証マザーズに上場しました。
2004年4月 | ソフトウェアテストサービスの提供及びソフトウェアテスト技術者の派遣を目的として、バルテス株式会社を大阪市中央区に設立(資本金30,000千円) |
2004年7月 | 一般労働者派遣事業許可を取得 |
2006年1月 | 東京オフィスを開設 |
2006年3月 | 大阪テストセンターを大阪市中央区に開設 |
2006年8月 | 横浜テストセンターを横浜市港北区に開設 |
2007年5月 | 名古屋オフィス兼テストセンターを名古屋市中区に開設 |
2007年11月 | 東京本部を東京都新宿区に開設し、東京オフィスを廃止 |
2008年12月 | 情報セキュリティマネジメントシステム「ISO27001」認証取得 |
2009年7月 | 東京本部及び横浜テストセンターを統合し、東京都港区へ移転 |
2009年12月 | 名古屋オフィスを名古屋市中村区に開設し、名古屋オフィス兼テストセンターを廃止 |
2012年10月 | 開発段階も含めたソフトウェアの品質向上のトータルサポートを目的として、バルテス・モバイルテクノロジー株式会社(現連結子会社)を大阪市中央区に設立 |
2013年1月 | 福岡オフィスを福岡市中央区に開設 |
2014年2月 | オフショアテスト・開発の提供を目的として、VALTES Advanced Technology, Inc.(現連結子会社)をフィリピン共和国に設立 |
2015年5月 | 有料職業紹介事業許可を取得 |
2016年9月 | 名古屋オフィスを名古屋市中区へ移転 |
2017年5月 | 東京本社を東京都千代田区へ移転 |
2018年4月 | 東京第2テストセンターを東京都千代田区に開設 |
2018年9月 | 当社及びバルテス・モバイルテクノロジー株式会社の本社を大阪市西区へ移転 |
2019年5月 | 東京第3テストセンターを東京都千代田区に開設 |
2019年5月 | 東京証券取引所マザーズに株式を上場 |
2019年8月 | 福岡オフィスを福岡市博多区へ移転 |
バルテスの事業内容
バルテスは、「私たちは品質にコミットし、安心・安全なICT社会の実現に貢献します」を企業理念として掲げ、ソフトウェアの品質面でも問題点や不具合などを解決するための事業を中核として運営する企業です。
バルテスが運営する事業セグメントは、「ソフトウェアテストサービス事業」、「Web/モバイルアプリ開発サービス事業」、「オフショアサービス事業」で構成されており、主要な事業と事業系統を表した図は以下の通りです。
① ソフトウェアテストサービス事業
ソフトウェアテストサービス事業は、製造業や、ソフトウェアの製造販売を行うソフトウェアベンダーを顧客として、テストサービスを提供する事業セグメントです。
具体的には、顧客が取り扱うソフトウェアをテストし、その不具合を発見することで、不具合解決のための改善案を策定の策定や、テストレポートの発行など、第三者の中立的立場でサービス提供が行われています。
ソフトウェアテストサービス事業の顧客は、エンタープライズ系(業務システムや情報システム等)、組込系(AV 機器や家電、産業機器等)、Web・スマートフォン系(Webサイトやモバイルアプリケーション等)のソフトウェアを取り扱う企業が中心です。
また、テストの種類も、予定した動作が正常に作動するかどうかを試すためのテストだけでなく、継続性、耐久性、セキュリティ面など、ソフトウェアの脆弱性を総合的に発見できるサービスであることが強みです。
② Web/モバイルアプリ開発サービス事業
Web/モバイルアプリ開発サービス事業は、Webアプリやモバイルアプリの開発とセキュリティ診断を行う事業セグメントです。
アプリケーションの開発においては、企画開発、デザイン、運用までがトータルで提供さrています。
また、このサービスの特徴は、ソフトウェアテスト事業で得たノウハウを生かし、セキュリティ性の強いソフトウェア開発が行われている点です。
セキュリティ診断サービスは、熟練した技術者の診断ノウハウがマニュアル化されており、より効率的に脆弱性が発見や安全性の調査が可能なサービス設計が採用されています。
③ オフショアサービス事業
オフショアサービス事業は、ソフトウェアテストサービスとソフトウェア開発サービスを海外で現地のエンジニアが提供するサービスです。
バルテスでは、この事業を主にフィリピンで展開しており、現地の安価で豊富な労働力を背景に、現地のエンジニアがバルテスの教育プログラムを受講し、現地の日系企業に向けてサービスの提供を行う事業として運営されています。
有価証券報告書情報
連結の経営指標(過去3期分)
第16期の連結指標の数値は以下の通りです。
- 売上高:48.8億円 (前年比+48.7%)
- 経常利益:3.3億円 (前年比+72.6%)
- 当期純利益:2.2億円 (前年比+51.5%)
期 | 第14期 | 第15期 | 第16期 |
決算年月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 |
売上高(千円) | 2,457,347 | 3,279,146 | 4,875,865 |
経常利益(千円) | 33,974 | 187,182 | 323,046 |
当期純利益(千円) | △2,519 | 147,961 | 224,138 |
純資産額(千円) | 267,647 | 414,708 | 1,246,634 |
総資産額(千円) | 890,148 | 1,167,780 | 2,089,992 |
自己資本比率 | 30.1% | 35.5% | 59.6% |
営業キャッシュフロー(千円) | △2,055 | 248,581 | 246,095 |
投資キャッシュフロー(千円) | △41,649 | △54,138 | △81,283 |
財務キャッシュフロー(千円) | △11,533 | △91,733 | 538,511 |
現金・現金同等物の期末残高(千円) | 169,862 | 272,969 | 976,456 |
従業員数 | 232人 | 288人 | 383人 |
単体の経営指標(過去5期分)
過去5期の業績を見ると、売上高は、第9期と比較して約2.3倍に増加しており、終始右肩上がりに推移しています。
また、利益に関しては、第14期のみ赤字で計上されましたが、その後回復し右肩上がりに増収増益で推移しています。
なお、バルテスは、2016年12月13日付で普通株式1株につき100株の株式分割を実施しました。
期 | 第12期 | 第13期 | 第14期 | 第15期 | 第16期 |
決算年月 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 |
売上高(千円) | 1,879,456 | 2,111,307 | 2,137,592 | 2,955,620 | 4,435,546 |
経常利益(千円) | 117,822 | 102,828 | △2,132 | 151,063 | 256,089 |
当期純利益(千円) | 44,106 | 12,138 | △988 | 108,014 | 178,102 |
資本金(千円) | 90,000 | 90,000 | 90,000 | 90,000 | 90,000 |
発行済株式総数 | 71,500 | 7,150,000 | 7,150,000 | 7,150,000 | 7,150,000 |
純資産額(千円) | 257,619 | 269,328 | 268,339 | 376,354 | 1,162,787 |
総資産額(千円) | 879,215 | 898,675 | 819,343 | 1,063,395 | 1,918,568 |
自己資本比率 | 29.3% | 30.0% | 32.8% | 35.4% | 60.6% |
従業員数 | 140人 | 152人 | 171人 | 226人 | 313人 |
セグメント別業績
第16期のセグメント別経営成績は表の通りです。
売上構成比は以下の通りで、売上の9割以上は、ソフトウェアテストサービス事業の売上となっています。
第16期はソフトウェアテストサービス事業と、Web/モバイルアプリ開発サービス事業が前年比で大きく伸長し、全体の売上は前年比+48.7%となりました。
一方、オフショアサービス事業は新型コロナウイルスによるマニラ市のロックダウンなどの影響で収益性が悪化したと発表されています。
- ソフトウェアテストサービス事業:90.8%
- Web/モバイルアプリ事業:8.5%
- オフショアサービス事業:0.7%
指標 | 全体 | ソフトウェアテストサービス事業 | Web/ モバイルアプリ 開発サービス事業 |
オフショア サービス事業 |
売上高(千円) | 4,875,865 | 4,428,906 | 416,717 | 30,241 |
売上高前年同期比 | 148.7% | 150.2% | 148.1% | 60.9% |
セグメント利益(千円) | – | 333,490 | 63,162 | △9,063 |
セグメント利益前年同期比 | – | 152.4% | 182.1% | – |
上場時の株主構成
上位10位までの株主は、以下の通りです。
株主 | 所有株式数 | 比率 | ロックアップ |
田中 真史 | 4,050,000 | 67.89% | 180日間 |
バルテス社員持株会 | 689,500 | 11.56% | 180日間 |
HC8号投資事業有限責任組合 | 250,000 | 4.19% | 90日間 |
野村證券株式会社 | 150,000 | 2.51% | 90日間 |
西村 祐一 | 120,000 | 2.01% | 180日間 |
大薗 雅嗣 | 120,000 | 2.01% | 180日間 |
SBIベンチャー企業成長支援3号投資事業有限責任組合 | 115,200 | 1.93% | 90日間 |
SBIベンチャー企業成長支援4号投資事業有限責任組合 | 83,400 | 1.40% | 90日間 |
SBIベンチャー企業成長支援2号投資事業有限責任組合 | 59,700 | 1.00% | 90日間 |
株式会社三菱UFJ銀行 | 50,000 | 0.84% | 90日間 |
上場時(IPO)の募集・売出し情報
公募・売出し・調達額情報
公募価格は660円、吸収金額(調達額)は6.5億円とされています。 また初値は、1,820円となりました。
仮条件 | 600円 ~ 660円 |
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公募・売出価格 | 660円 |
想定価格 | 540円 |
初値 | 1,820円 (公募価格比+175.8%) |
公募株数 | 843,000 株 |
売出株数 | 203,500 株 |
オーバーアロットメントによる売出し株数 | 156,900 株 |
吸収金額(調達額) | 6.5億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算) |