目次
トビラシステムズの概要
トビラシステムズの基本情報
はじめに、トビラシステムズ株式会社の基本情報を紹介します。
上場日は2019年4月25日、市場はマザーズ、想定時価総額は65.6億円、上場時の時価総額は174.3億円でした。
会社名 | トビラシステムズ株式会社 |
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設立日 | 2006年12月1日 |
上場日 | 2019年4月25日(承認日:2019年3月22日) |
市場 | マザーズ |
証券コード | 4441 |
業種 | 情報・通信業 |
決算期 | 10月 |
ホームページアドレス | https://tobila.com/ |
発行済株式総数 | 3,120,000 株(2019 年 3 月 22 日現在) |
上場時発行済株式総数 | 3,215,000 株 ※公募分を含む。 |
公募株数 | 95,000 株 |
想定価格 | 2,040円 |
想定時価総額 | 65.6億円(※上場時発行済株式総数×想定価格で計算) |
初値 | 5,420円 |
上場時時価総額 | 174.3億円 (※上場時発行済株式総数×初値で計算) |
時価総額 | 161.4億 (2020年11月6日現在) |
資本金 | 52,300 千円(2019 年 3 月 22 日現在) |
1単元の株式数 | 100 株 |
監査人 | 三優監査法人 |
主幹事証券会社 | 大和証券 |
引受幹事証券会社 | みずほ証券 SMBC日興証券 SBI証券 東海東京証券 いちよし証券 岡三証券 エース証券 マネックス証券 |
トビラシステムズの沿革
トビラシステムズ株式会社は、2006年に岐阜県で設立されました。
現在は、迷惑電話をフィルタリングするための事業を中心に展開し、2019年4月に東証マザーズに上場しました。
2006年12月 | 岐阜県大垣市において、株式会社A&A tecnologiaを設立 |
2008年8月 | 本社を愛知県名古屋市中区丸の内に移転 |
2010年5月 | 「トビラシステムズ株式会社」に社名を変更 |
2011年2月 | 大阪営業所を大阪府大阪市中央区瓦町に開設 |
2011年6月 | 迷惑電話の社会問題解決を目的とした迷惑電話フィルタ「トビラフォン」を開発、販売開始 |
2012年1月 | 愛知県警察と特殊詐欺電話の実証実験に関する覚書締結 以降、各都道府県警察との覚書締結を進め、特殊詐欺対策に関する情報提供を受ける体制を構築 |
2012年3月 | 第三者割当増資により資本金を30,000千円に増資 |
2013年2月 | 第三者割当増資により資本金を47,850千円に増資 株式会社ウィルコム(現ソフトバンク株式会社)と迷惑電話データベース提供契約締結 |
2013年5月 | 東京支店を東京都港区新橋に開設 |
2014年6月 | マカフィー株式会社とスマートフォンアプリ「あんしんナンバーチェック」用の電話番号データベース提供の覚書締結 |
2015年1月 | 資本準備金からの組入れにより資本金を50,700千円に変更 |
2015年3月 | 警察庁と特殊詐欺電話に関する覚書を締結し、特殊詐欺対策に関する情報提供を受ける体制を構築 |
2015年7月 | スマートフォン用迷惑電話フィルタアプリを株式会社NTTドコモの「あんしんナンバーチェック」として、オプション契約「あんしんパック」に含めて提供開始 |
2015年11月 | 本社を愛知県名古屋市中区錦に移転 大阪営業所を大阪府大阪市北区天神橋に移転 フィーチャーフォン用迷惑電話フィルタアプリをソフトバンク株式会社の「迷惑電話ブロック」として提供開始 |
2016年2月 | スマートフォンアプリ「トビラフォンモバイル for au」をKDDI株式会社のauスマートパスプラットフォームを通じて提供開始 |
2016年11月 | スマートフォン用迷惑電話フィルタアプリをソフトバンク株式会社の「迷惑電話ブロック」として、オプション契約「iPhone基本パック」「スマートフォン基本パック」に含めて提供開始 |
2017年4月 | 東京支店を東京都千代田区丸の内に移転 |
2017年6月 | ビジネスフォン向け迷惑電話フィルタ「トビラフォンBiz 光回線用」の販売を開始 |
2017年12月 | ドコモケータイ(iPhone)向け迷惑電話フィルタアプリを株式会社NTTドコモの「あんしんナンバーチェック」として、オプション契約「あんしんパック」に含めて提供開始 |
2018年3月 | ホームゲートウェイ光電話向け迷惑電話フィルタをKDDI株式会社の「迷惑電話 発着信ブロック」として、オプション契約「電話オプションパックEX」に含めて提供開始 |
2018年5月 | 三重県警察本部と特殊詐欺対策に関する覚書を締結し、迷惑メール防止対策のため犯行利用電話番号の情報提供を受ける体制を構築 |
2018年10月 | 静岡県警察本部と特殊詐欺対策に関する覚書を締結し、迷惑メール防止対策のため犯行利用電話番号の情報提供を受ける体制を構築 |
2019年4月 | 東京証券取引所マザーズ市場へ新規上場 |
2019年6月 | KDDI株式会社より、当社電話番号データベースを使用したアプリ「迷惑メッセージ・電話ブロック」が提供開始 |
2019年9月 | 茨城県警察本部と特殊詐欺対策に関する覚書を締結し、迷惑メール防止対策のため犯行利用電話番号の情報提供を受ける体制を構築 |
トビラシステムズの事業内容
トビラシステムズは、「私たちの生活 私たちの世界を よりよい未来につなぐトビラになる」を企業理念として掲げ、近年多発する携帯電話を介した詐欺の防止に有効な商品・サービスとして、迷惑電話を自動的に着信拒否設定としてフィルタリングする「迷惑情報フィルタ事業」を主要事業として展開しする企業です。
また、トビラシステムズが運営する事業セグメントは、「迷惑情報フィルタ事業」、「その他事業」、で2つの事業セグメントで構成されています。
① 迷惑情報フィルタ事業
迷惑情報フィルタ事業は、悪質な迷惑電話や詐欺電話を防止する「トビラフォン」の開発・販売を行うトビラシステムズの主軸となる事業セグメントです。
この事業セグメントで運営されているサービスは、利用者のアプリやサービスから得られるログ情報、警察などの公的機関による情報提供、自社の調査活動など、日々膨大なデータを収集・蓄積した情報をもとに展開されています。
「トビラフォン」は、これらの収集・蓄積されたデータ利用して独自の迷惑電話番号抽出技術を用いることで、利用者に着信した電話が迷惑電話かどうかの判別を行い、自動的に着信拒否や警告レベルに応じた「危険」「警告」の表示が適用されるセキュリティシステムです。
また、公的機関や法人の電話番号など公開された電話番号もデータベース化されており、予め携帯電話の電話帳に登録されていなくても、自動的に発信者情報を表示する仕組みとして機能しています。
迷惑情報フィルタ事業では、
- 国内の主要通信キャリア(ソフトバンク,ドコモ,KDDI)と提携し、顧客に対してフィルタリングサービスをアプリ形式で提供する「モバイル向けフィルタサービス」
- 固定電話の通信回線事業者と提携し、固定電話を経由した迷惑電話をフィルタリングする「 固定電話向けフィルタサービス」
- 法人向けサービスとしてビジネスフォンを経由した迷惑電話をフィルタリングする「ビジネスフォン向けフィルタサービス」
の3つのサービスが展開されており、このセグメントの事業系統を表した図は、以下の通りです。
② その他事業
トビラシステムズの第2の事業セグメントである「その他事業」では、ホームページの制作運営支援システム「HP4U」の販売と、システムの受託開発などを行う事業セグメントです。
ただし、会社の方針として、今後は迷惑情報フィルタ事業に注力するため、積極的に展開はしない方針であるとされています。
以下は、トビラシステムズの事業系統を表した図です。
有価証券報告書情報
経営指標(過去3期分)
第13期の連結指標の数値は以下の通りです。
- 売上高:9.8億円 (前年比+16.5%)
- 経常利益:3.9億円 (前年比+76.3%)
- 当期純利益:2.5億円 (前年比+68.1%)
期 | 第11期 | 第12期 | 第13期 |
決算年月 | 2017年10月 | 2018年10月 | 2019年10月 |
売上高(千円) | 591,984 | 842,458 | 981,682 |
経常利益(千円) | 192,225 | 222,748 | 392,648 |
当期純利益(千円) | 109,416 | 147,942 | 248,667 |
純資産額(千円) | 119,722 | 270,864 | 1,000,953 |
総資産額(千円) | 413,809 | 469,150 | 1,310,128 |
自己資本比率 | 28.9% | 57.7% | 76.4% |
営業キャッシュフロー(千円) | 166,448 | 215,264 | 380,087 |
投資キャッシュフロー(千円) | △61,798 | △52,121 | △63,015 |
財務キャッシュフロー(千円) | △27,084 | △133,982 | 455,153 |
現金・現金同等物の期末残高(千円) | 196,439 | 226,249 | 998,475 |
従業員数 | 37人 | 43人 | 49人 |
経営指標(過去5期分)
過去5期の業績を見ると、売上高は、第9期と比較して約4.8倍に増加しており、終始右肩上がりに推移しています。
また、利益に関しては、第9期は、赤字で計上されましたが、その後回復し右肩上がりに推移、第13期は5期で最も高い収益を計上しました。
なお、トビラシステムズは、2018年1月26日付で株式1株につき50株、2019年1月16日付で株式1株につき100株、2019年10月11日付で株式1株につき3株株式分割を実施しました。
期 | 第9期 | 第10期 | 第11期 | 第12期 | 第13期 |
決算年月 | 2015年10月 | 2016年10月 | 2017年10月 | 2018年10月 | 2019年10月 |
売上高(千円) | 205,103 | 275,460 | 591,984 | 842,458 | 981,682 |
経常利益(千円) | △32,949 | 11,695 | 192,225 | 222,748 | 392,648 |
当期純利益(千円) | △33,299 | 17,298 | 109,416 | 147,942 | 248,667 |
資本金(千円) | 50,700 | 50,700 | 50,700 | 52,300 | 293,010 |
発行済株式総数 | 705 | 705 | 705 | 31,200 | 10,222,800 |
純資産額(千円) | 29,566 | 46,865 | 119,722 | 270,864 | 1,000,953 |
総資産額(千円) | 275,016 | 265,457 | 413,809 | 469,150 | 1,310,128 |
自己資本比率 | 10.8% | 17.7% | 28.9% | 57.7% | 76.4% |
従業員数 | 22人 | 21人 | 37人 | 43人 | 49人 |
セグメント別業績
第13期のセグメント別経営成績は表の通りです。
売上構成比は以下の通りで、迷惑情報フィルタ事業が主軸となっています。
第13期は、両セグメントとも前年比でプラスとなり、全体の収益も伸長しました。
- 迷惑情報フィルタ事業:88.1%
- その他事業:11.9%
指標 | 全体 | 迷惑情報フィルタ事業 | その他事業 |
売上高(千円) | 981,682 | 865,230 | 116,452 |
売上高前年同期比 | 116.5% | 113.4% | 146.0% |
セグメント利益(千円) | – | 608,915 | 60,235 |
セグメント利益前年同期比 | – | 143.9% | 142.0% |
上場時の株主構成
上位10位までの株主は、以下の通りです。
株主 | 所有株式数 | 比率 | ロックアップ |
明田 篤 | 2,407,800 | 71.65% | 90日間 |
松下 智樹 | 661,800 | 19.69% | 90日間 |
後藤 敏仁 | 135,400 | 4.03% | 90日間 |
結城 卓也 | 25,000 | 0.74% | 90日間 |
岩井 健治 | 25,000 | 0.74% | 90日間 |
坂倉 翼 | 25,000 | 0.74% | 90日間 |
株式会社Kips | 20,000 | 0.60% | 90日間 |
藤井 智康 | 15,000 | 0.45% | 継続保有 |
佐々木 貴浩 | 6,000 | 0.18% | 継続保有 |
菊地 耕平 | 3,000 | 0.09% | 継続保有 |
上場時(IPO)の募集・売出し情報
公募・売出し・調達額情報
公募価格は2,400円、吸収金額(調達額)は18.4億円とされています。 また初値は、5,420円となりました。
仮条件 | 2,100円 ~ 2,400円 |
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公募・売出価格 | 2,400円 |
想定価格 | 2,040円 |
初値 | 5,420円 (公募価格比+125.8%) |
公募株数 | 95,000 株 |
売出株数 | 689,000 株 |
オーバーアロットメントによる売出し株数 | 117,600株 |
吸収金額(調達額) | 18.4億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算) |