目次
ローランドの概要
ローランドの基本情報
はじめに、ローランド株式会社の基本情報を紹介します。
上場予定日は2020年12月16日、市場は東証1部または2部、想定時価総額は891.4億円です。
会社名 | ローランド株式会社 |
---|---|
設立日 | 1972年4月18日 |
上場日 | 2020年12月16日(承認日:2020年11月11日) |
市場 | 東証1部または東証2部 |
証券コード | 7944 |
業種 | その他製品 |
決算期 | 12月 |
ホームページアドレス | https://www.roland.com/jp/ |
発行済株式総数 | 27,343,830 株(2020年11月11日現在) |
上場時発行済株式総数 | 27,343,830 株 ※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。 |
公募株数 | – |
想定価格 | 3,260円 |
想定時価総額 | 891.4億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算) |
資本金 | 9,421,401 千円(2020年11月11日現在) |
1単元の株式数 | 100 株 |
監査人 | 太陽有限責任監査法人 |
主幹事証券会社 | SMBC日興証券 |
引受幹事証券会社 | UBS証券 野村證券 松井証券 楽天 証券 SBI証券 マネックス証券 |
ローランドの沿革
ローランドは、1972年に大阪市で創業した、電子楽器の製造・販売を行う企業です。
世界中へ事業規模を拡大し、1989年大証2部へ上場、1999年には、東証1部・大証1部銘柄に指定されました。
しかし、その後リーマンショックなどの影響を受け、経営やガバナンスの再建が必要となるなか、2014年に米国ワシントン州を拠点とするTaiyo Pacific Partners, L.P.の支援の下、MBO及び上場廃止などの措置を受け、経営再編、ガバナンス強化、成長分野への投資などを行いました。
1972年4月 | 大阪府大阪市住吉区(現 住之江区)に資本金3,300万円でローランド株式会社設立 |
1972年8月 | 東京営業所、大阪営業所開設 ローランドブランド第1号商品となるリズムマシン発表 |
1972年11月 | ギターアンプ、エフェクター発売 |
1973年3月 | 大阪府大阪市にエフェクター製造のメグ電子株式会社(後の ボス株式会社)設立 |
1973年4月 | シンセサイザー、電子ピアノ発表 |
1976年5月 | オーストラリアに販売会社設立 |
1978年4月 | アメリカに販売会社設立 |
1981年1月 | イギリス、ドイツに販売会社設立 |
1981年3月 | デンマークに販売会社設立 |
1981年5月 | 大阪府大阪市住之江区にエフェクター・キット/コンピュータ周辺機器のアムデック株式会社 (現 ローランド ディー.ジー.株式会社)設立 |
1981年11月 | カナダに販売会社設立 |
1982年3月 | ベルギーに販売会社設立 |
1984年11月 | 大阪市に音楽教室(現 ローランド・ミュージック・スクール)開設 |
1985年2月 | セット式電子ドラム発表 |
1986年1月 | イタリアに販売会社設立 |
1986年3月 | 静岡県引佐郡(現 浜松市)に細江工場(現 本社工場)完成 |
1988年7月 | スイスに販売会社設立 |
1989年12月 | 大阪証券取引所市場第二部に上場 |
1990年2月 | スペインに販売会社設立 |
1990年5月 | ハンガリーに販売会社設立 |
1990年9月 | 浜松研究所完成 |
1991年10月 | ブラジルに販売会社設立 |
1993年5月 | 本社を大阪市北区堂島に移転 |
1997年7月 | 浜松市に都田工場完成 |
1997年10月 | フランスに販売会社設立 |
1998年3月 | ポルトガルに販売会社設立 |
1998年6月 | 東京証券取引所市場第二部に上場 |
1999年9月 | 東京証券取引所及び大阪証券取引所市場第一部銘柄に指定 |
2000年10月 | ローランド ディー.ジー.株式会社が東京証券取引所市場第二部に上場 |
2001年1月 | ポーランドに販売会社設立 |
2001年7月 | 中国に生産会社設立 |
2001年9月 | ビクター・テクニクス・ミュージック株式会社と当社音楽教室を統合し、ローランド ミュージック スタジオ株式会社(現 ローランド・ミュージック・スクール)設立 |
2002年3月 | ローランド ディー.ジー.株式会社が東京証券取引所市場第一部銘柄に指定 |
2003年3月 | 中国に物流会社設立 |
2004年8月 | ベルギーとフランスの販売会社統合 スペインとポルトガルの販売会社統合 |
2005年7月 | 本社を浜松市細江町(現 浜松市北区細江町)に移転 |
2007年7月 | 中国に販売会社設立 |
2009年4月 | ロシアに販売会社設立 |
2014年2月 | イギリスに欧州地域販売子会社10社の持株会社設立 |
2014年7月 | 株式会社常若コーポレーションが当社普通株式を取得し、同社の子会社となる |
2014年10月 | 東京証券取引所市場第一部上場廃止 |
2014年11月 | マレーシアに生産会社設立 |
2015年1月 | 当社を存続会社として、株式会社常若コーポレーションと合併 |
2015年4月 | Roland RVS Holding Inc.(RVSの持ち株会社)設立 |
2015年5月 | アメリカに音楽/メディア製作用ソフトウェアの開発・販売会社(RVS)を設立 |
2015年8月 | ローランド ディー.ジー.株式会社の保有株式一部売却により、同社を持分法適用の範囲から除外 |
2016年3月 | Roland VM Corporation(V-MODAの持ち株会社)設立 |
2016年5月 | アメリカのヘッドホン開発製造会社(V-MODA)を子会社化 |
2017年4月 | マレーシアにグローバルでの商流管理会社を設立 |
2018年1月 | ボス株式会社を吸収合併 |
2018年7月 | メキシコに販売会社設立 |
ローランドの事業内容
ローランドは、「創造の喜びを世界にひろめよう」、「BIGGESTよりBESTになろう」、「共感を呼ぶ企業にしよう」という3つのスローガンを経営理念として掲げ、電子ピアノ、電子ドラムなど電子楽器分野で世界的なシェアを持つ企業です。
特に、海外において事業を大きく展開しており、グループの収益の85%は日本国外からの収益で計上されています、(2019年12月期)
以下は、ローランドの事業系統を表した図です。
① 事業の特徴
ローランドは、子会社29社、関連会社1社を傘下として構成される「電子楽器事業」を展開するグローバル企業です。
電子楽器専業メーカーとして、グローバルに幅広い製品群を提供しており、1972年の設立以来、先進的な技術を利用した多くの技術や製品を生み出し、電子楽器の分野で世界的なブランドを確立してきました。
現在は、電子ピアノ、電子ドラム、シンセサイザー、ギター関連機器など、「電子楽器分野」だけでなく、「音」と「映像」の融合させた映像関連機器の開発・販売を事業として運営しています。
特に、電子楽器分野の成長は、新興国市場において著しいとされており、現地の音楽文化や需要に即した製品を投入し、販売網を拡大しています。
また、製造に関しては、海外生産を基本として、自社工場と外部委託から最適な拠点を選択することでバランスがよくリーズナブルな生産を確立している点が特徴です。
② 市場シェア
現在、世界的な楽器市場の世界的シェアを見た場合、市場規模は、北米が最大となっています。
また、各地域の年平均市場成長率を見ると、日本は低迷している一方、中国をはじめとする海外市場においては伸びが見られ、楽器市場の成長は海外が牽引しているといえる状況です。
ローランドは、収益の85%を海外から計上しており、海外市場へ注力するモデルで事業運営を行っています。
特に、最大の楽器市場である米国では電子ドラムや電子ピアノ、ギター関連機器で強いシェアを保有しており、主力製品の具体的シェアは以下の通りです。
有価証券報告書情報
連結の経営指標(過去2期分)
第48期の連結の業績は以下の通りです。
- 売上高:632.5億円(前年比+3.4%)
- 経常利益:47.3億円(前年比△9.4%)
- 当期純利益:26.3億円(前年比△15.9%)
期 | 第47期 | 第48期 |
決算年月 | 2018年12月 | 2019年12月 |
売上高(百万円) | 61,153 | 63,247 |
経常利益(百万円) | 5,169 | 4,726 |
当期純利益(百万円) | 3,048 | 2,629 |
純資産額(百万円) | 18,522 | 18,227 |
総資産額(百万円) | 41,144 | 43,532 |
自己資本比率 | 45.2% | 41.3% |
営業キャッシュフロー(百万円) | 3,250 | 4,992 |
投資キャッシュフロー(百万円) | 154 | △1,588 |
財務キャッシュフロー(百万円) | △5,797 | △3,146 |
現金・現金同等物の期末残高(百万円) | 9,052 | 8,815 |
従業員数 | 2,402人 | 2,565人 |
単体の経営指標(過去5期分)
過去5期の業績を見ると、売上、利益ともに第46期をピークに減少していますが、赤字で計上されている期はありません。
ローランドは、2014年に米国ワシントン州を拠点とするTaiyo Pacific Partners, L.P.の支援の下、MBO及び上場廃止などの措置を受け、リーマンショック以降、課題とされていた、ガバナンス強化や経営再建を図りました。
従って、下記の年表の期間は、Taiyo Pacific Partners, L.P.の影響下で、経営やガバナンスの強化、成長投資などに注力した時期であるといえます。
なお、第44期は、決算期変更に伴い、2015年4月1日から2015年12月31日までの9か月間となっています。
期 | 第44期 | 第45期 | 第46期 | 第47期 | 第48期 |
決算年月 | 2015年12月 | 2016年12月 | 2017年12月 | 2018年12月 | 2019年12月 |
売上高(百万円) | 31,880 | 37,392 | 43,081 | 24,655 | 24,924 |
経常利益(百万円) | 4,889 | 3,497 | 5,863 | 3,214 | 3,341 |
当期純利益(百万円) | 6,847 | 6,256 | 4,065 | 1,660 | 2,220 |
資本金(百万円) | 9,421 | 9,421 | 9,421 | 9,421 | 9,421 |
発行済株式総数 | 1,033,417 | 1,033,417 | 911,461 | 911,461 | 911,461 |
純資産額(百万円) | 24,747 | 23,651 | 27,453 | 16,687 | 17,448 |
総資産額(百万円) | 46,148 | 39,713 | 40,119 | 34,869 | 37,863 |
自己資本比率 | 53.6% | 59.5% | 68.3% | 47.7% | 45.8% |
従業員数 | 756人 | 737人 | 761人 | 828人 | 857人 |
株主構成
上位10位までの主要な株主は、以下の通りです。
株主 | 所有株式数 | 比率 | ロックアップ |
Taiyo Jupiter Holdings, L.P. | 25,949,430 | 90.98% | 360日間 |
三木 純一 | 582,300 | 2.04% | 360日間 |
株式会社日本カストディ銀行 | 491,010 | 1.72% | 180日間 |
ローランド社員持株会 | 347,520 | 1.21% | 180日間 |
柳瀬 和也 | 255,130 | 0.89% | 360日間 |
池上 嘉宏 | 252,820 | 0.88% | 360日間 |
ゴードン・レイゾン | 130,000 | 0.45% | 360日間 |
田村 尚之 | 98,320 | 0.34% | 360日間 |
ジェイ・ワナメイカー | 78,000 | 0.27% | 360日間 |
湯川 純郎 | 77,520 | 0.27% | – |
新規上場(IPO)の募集・売出し情報
公募・売出し・調達額情報
想定価格は3,260円、吸収金額(調達額)は381.7億円と予想されています。
仮条件 | 未発表 |
---|---|
公募・売出価格 | 未発表 |
想定価格 | 3,260 円 |
初値 | – |
公募株数 | |
売出株数 | 11,710,000 株 |
オーバーアロットメントによる売出し株数 | 585,500 株 |
吸収金額(調達額) | 381.7 億円 (※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算) |