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【新規上場企業分析】 オーケーエムのIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

オーケーエムの概要

オーケーエムの基本情報

はじめに、株式会社オーケーエムの基本情報を紹介します。 上場予定日は2020年12月17日、市場は東証2部、想定時価総額は47.0億円です。

会社名 株式会社オーケーエム
設立日 1962年5月31日
上場日 2020年12月17日(承認日:2020年11月12日)
市場 東証2部
証券コード 6229
業種 機械
決算期 3月
ホームページアドレス https://www.okm-net.jp/
発行済株式総数 3,315,200 株(2020 年 11 月 12 日現在)
上場時発行済株式総数 4,315,200 株 ※公募分を含む。 ※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。
公募株数 1,000,000 株
想定価格 1,090円
想定時価総額 47.0億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
資本金 499,665 千円(2020 年 11 月 12 日現在)
1単元の株式数 100 株
監査人 EY 新日本有限責任監査法人
主幹事証券会社 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
引受幹事証券会社 SMBC日興証券
SBI証券
みずほ証券
いちよし証券
西村証券

オーケーエムの沿革

オーケーエムは、1902年に滋賀県において誕生し、その後1962年に株式会社奥村製作所としてバルブや鉄工品を扱う会社となりました。 その後、商品を多様化させつつ業容を拡大し、現在に至ります。

1902年1月 滋賀県蒲生郡蒲生町において奥村清太郎が鋸切製造所を創業
1952年8月 バルブコック専門工場に転換
1962年5月 バルブ及び鉄工品の製造販売を行う事を目的として滋賀県蒲生郡蒲生町に株式会社奥村製作所として設立
1962年8月 東京都渋谷区に東京営業所開設
1967年5月 ネオピンチバルブを開発
1967年6月 大阪市南区に大阪営業所開設
1969年6月 滋賀県蒲生郡日野町に本社・工場(第一工場)を竣工移転
1975年11月 本社・工場に加工のための第二工場を増設
1977年8月 515型バタフライバルブを開発
1980年4月 バタフライバルブの一貫組立ラインを新設
1982年3月 ML-515型電子式バタフライコントロールバルブを開発
1982年10月 5400型ハイパフォーマンス・バタフライバルブを開発
1984年9月 336D型ナイフゲートバルブを開発
1986年6月 空調用電子制御バルブ・バブトロールS1を開発
1988年10月 空調用電子制御バルブ・バブトロールS2を開発
1990年10月 バルブの製造販売を目的としてマレーシア国スランゴール州にOKM VALVE(M)SDN.BHD.(現・連結子会社)を設立
1992年7月 615X型汎用バタフライバルブ、606F型フランジタイプバタフライバルブを開発
1992年8月 加工・組立のための第一工場を改築
1993年4月 社名を株式会社オーケーエムに変更
1997年10月 本社にてISO9001認証取得
1998年6月 本社社屋を竣工
1998年8月 622H型高圧用バタフライバルブを開発
1999年10月 バブトロールDN型電子式バタフライバルブを開発
2000年6月 602型アルミダイキャスト製バタフライバルブ、336J型マルチシートタイプナイフゲートバルブを開発
2001年8月 618H型高圧用バタフライバルブを開発
2002年4月 612X型汎用バタフライバルブ、606K型フランジタイプバタフライバルブ、603A型アルミダイキャスト製バタフライバルブ、5410型ハイパフォーマンス・バタフライバルブを開発
2003年2月 バルブの製造を目的として中国蘇州市に蘇州奥村閥門有限公司(現・連結子会社)を設立
2005年10月 ウェハーチェッキバルブ111S、110S、121S、120S型を開発
2006年8月 バルブの中国国内販売を目的として中国蘇州市に蘇州奥科曼閥門貿易有限公司を設立
2008年4月 ウェハーチェッキバルブ110Z、120Z型を開発
2008年12月 OKM VALVE(M)SDN.BHD.をマレーシア国スランゴール州内別地区の新社屋へ移転
2012年3月 蘇州奥科曼閥門貿易有限公司を閉鎖し、蘇州奥村閥門有限公司で中国国内販売事業
2018年8月 本社にてISO27001認証取得
2019年3月 中国常熟市に奥村閥門(江蘇)有限公司(現・連結子会社)を設立
2019年4月 滋賀県東近江市に船舶排ガス用バルブの製造を目的として滋賀東近江工場を竣工
2020年10月 滋賀県野洲市に研究開発の強化を目的として研究開発センターを竣工

オーケーエムの事業内容

オーケーエムは、「独創的な技術」、「最高の品質」、「最低の資源消費」、「余裕のある生活と豊かな心」、「地域社会に貢献する」を理念に掲げ、建築、発電、造船、プラントなどの流体配管に使用されるバタフライバルブを中心とした流体制御機器の製造、販売を主な事業として運営する企業です。 サービス領域は、業界ごとに「陸用」と「舶用」に区分されており、「陸用」は、工場市場や建築市場の向け製品の製造・販売を行い、「舶用」は、船舶市場を顧客の基盤としています。    

① 主な製品 

以下は、オーケーエムの製造・販売する代表的な製品です。 液体や空気、粉塵などを制御しコントロールする弁となる部品であるバルブの開発を専業で製造販売しています。 なお、オーケーエムでは、バタフライバルブがメインの商材となります。


  • バタフライバルブ
    バタフライバルブは、弁体(輪っかの中の円板)を90度回転して開閉する装置です。 中間開度での流量調整機能に優れ、幅を取らず、省スペースでの設置が可能であり、電子制御バルブについては、コンピューターからの信号によって弁体の開度を調整し、流体をコントロールするための製品となります。


  • ナイフゲートバルブ
    ナイトゲートバルブは、鋭いエッジを有するプレートの出し入れで開閉する製品です。 ガスや水、各種スラリー、粉粒体、固形物、パルプストック等、一般のバルブでは処理できない流体を止めるための装置となります。



  • ピンチバルブ
    ピンチバルブは、ゴムチューブを押し挟んで流路を開閉する装置です。 流体はバルブ本体の中を流れないので、液溜まりができず衛生的であるため薬液等の制御を目的とする製品となります。

  バタフライバルブ

② 事業の特徴 

オーケーエムの売上を顧客特性別に分類すると「陸用」が52.3%「舶用」が47.7%の割合となります。

「陸用」に関しては、建築設備、化学、電力ガス、鉄鋼、紙パルプ、水処理業界などが顧客の中心です。 一方、「舶用」は、主に造船所向けに提供されています。

また、オーケーエムの海外売上高比率は全体の約3割を占めており、主に韓国や中国向けに船舶排ガス用バルブを販売しております。
このように、オーケーエムの製品は、空調設備、造船、半導体、石油、化学、鉄鋼、電力、水道、など多様な業界を顧客対象としていますが、最終需要先は、高層ビル、工場、空港、船、駅、ドーム、遊園地などであり、例えば、大阪府の超高層ビル「あべのハルカス」では、すべての空調設備がオーケーエムの製品となります。 オーケーエムの取引先

有価証券報告書情報

連結の経営指標(過去2期分)

第59期の連結の業績は以下の通りです。

  • 売上高:88.5億円(前年比+23.8%)
  • 経常利益:8.5億円(前年比+57.2%)
  • 当期純利益:5.7億円 (前年比+55.4%)
第58期 第59期
決算年月 2019年3月 2020年3月
売上高(千円) 8,646,186 8,852,118
経常利益(千円) 1,335,461 849,447
当期純利益(千円) 891,193 573,307
純資産額(千円) 5,161,388 5,650,465
総資産額(千円) 10,884,916 10,318,395
自己資本比率 47.4% 54.8%
営業キャッシュフロー(千円) 288,430 1,573,930
投資キャッシュフロー(千円) △1,389,783 △819,373
財務キャッシュフロー(千円) 545,542 △859,435
現金・現金同等物の期末残高(千円) 2,147,524 2,015,202
従業員数 293人 316人

 

単体の経営指標(過去5期分)

過去5期の業績を見ると、売上高は、第55期と比較して約1.4倍に増加しており、終始右肩上がりに増加しています。 また、利益に関しても、概ね右肩上がりで増加を続けており、過去5期で赤字で計上されたタームは一度もありません。

第55期 第56期 第57期 第58期 第59期
決算年月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月 2020年3月
売上高(千円) 5,713,685 5,488,724 5,850,637 7,720,971 8,158,448
経常利益(千円) 267,489 468,083 407,241 1,270,755 843,717
当期純利益(千円) 192,250 325,681 182,959 892,255 579,575
資本金(千円) 454,000 454,000 499,665 499,665 499,665
発行済株式総数 320,000 320,000 331,520 331,520 331,520
純資産額(千円) 3,096,922 3,383,726 3,714,261 4,532,149 5,044,403
総資産額(千円) 4,765,598 5,355,168 7,577,845 9,709,576 8,990,426
自己資本比率 65.0% 63.2% 49.0% 46.7% 56.1%
従業員数 155人 164人 174人 199人 223人

 

株主構成

上位10位までの主要な株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
有限会社クローバー通商 618,500 18.23% 180日間
OKM従業員持株会 379,640 11.19% 180日間
奥村 晋一 280,030 8.26% 180日間
奥村 恵一 204,690 6.03% 180日間
奥村 芳柾 185,850 5.48% 180日間
株式会社滋賀銀行 158,000 4.66% 180日間
奥村 勇樹 113,440 3.34% 180日間
奥村 俊慈 112,230 3.31% 180日間
日本生命保険相互会社 100,000 2.95% 180日間
須田 美奈子 80,810 2.38% 180日間

新規上場(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

想定価格は1,090円、吸収金額(調達額)は16.5億円と予想されています。

仮条件 未発表
公募・売出価格 未発表
想定価格 1,090 円
初値
公募株数 1,000,000 株
売出株数 317,000 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 197,500 株
吸収金額(調達額) 16.5 億円 (※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算)

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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