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【新規上場企業分析】 いつものIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

いつも.の概要

いつも.の基本情報

はじめに、株式会社いつも.の基本情報を紹介します。
上場予定日は2020年12月21日、市場はマザーズ、想定時価総額は77.8億円です。

会社名 株式会社いつも
設立日 2007年2月14日
上場日 2020年12月21日(承認日:2020年11月16日)
市場 マザーズ
証券コード 7694
業種 小売業
決算期 3月
ホームページアドレス https://itsumo365.co.jp/
発行済株式総数 4,600,000 株(2020 年 11 月 16 日現在)
上場時発行済株式総数 5,400,000 株
※公募分を含む。
公募株数 800,000 株
想定価格 1,440円
想定時価総額 77.8億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
資本金 11,500 千円(2020 年 11 月 16 日現在)
1単元の株式数 100 株
監査人 太陽有限責任監査法人
主幹事証券会社 みずほ証券
引受幹事証券会社 野村證券
岩井コスモ証券
松井証券
極東証券
SBI証券
楽天証券

いつも.の沿革

いつも.は、2007年に東京都でECコンサルティングサービスを提供する企業として創業しました。 その後、サービスの幅を拡げ、業容を拡大し、現在に至ります。

2007年2月 東京都千代田区において設立 ECコンサルティングサービスの提供開始
2007年10月 本社を東京都港区芝に移転
2007年12月 ECサイトデザイン制作サービス(現 マーケティング・クリエイティブ)の提供開始
2010年7月 本社を東京都港区芝浦に移転
2011年7月 楽天市場出店企業向けにECマーケティング支援サービス(現 ECコンサルティング)の 提供開始
2012年4月 Yahoo!ショッピング出店企業向けにECマーケティング支援サービス(現 ECコンサルティング)の 提供開始
2012年6月 ECサイト運営オペレーション支援サービス(現 ECコンサルティング)の提供開始
2013年6月 本社を東京都港区三田に移転
2013年10月 フルフィルメントサービス(現 ECフルフィルメント)の提供開始
2013年11月 Amazon出店企業向けにECマーケティング支援サービス(現 ECコンサルティング)の提供開始
2015年3月 本社を東京都港区六本木に移転
2016年3月 中国向け越境EC(現 ECビジネスパートナー)の提供開始
2016年8月 ブランドメーカーD2C事業支援サービス(ECビジネスパートナー)の提供開始
2018年5月 本社を東京都千代田区へ移転
2019年2月 中国に上海常常商貿有限公司を100%子会社として設立(非連結子会社)
2019年11月 ロシア郵便と共同事業として、ロシア郵便が運営する越境ECサイト「kupiJapan」における日本ブラ ンド商品の販売を開始
2020年8月 ECビックデータの提供開始

いつも.の事業内容

いつも.は、「日本の未来をECでつくる」をミッションとして掲げ、ブランドメーカーのEC事業を総合支援するサービスを提供する企業です。 近年、EC市場の成長やD2C(製造者が直接消費者と取引を行うビジネス)の流れが加速し、メーカーEC事業への新規参入や事業強化を図る中、いつもは製造・販売を行うブランドメーカーに対する支援を行っています。 「いつも」では、EC事業の支援を目的として「ECマーケットプレイスサービス」「ECマーケティングサービス」の2軸がメインのサービスとして運営されています。 また、サービスECマーケティングサービスで培ったノウハウと実績を元に、フルフィルメント(物流・カスタマーサービス)、ブランドメーカーのD2C事業支援サービスの提供を開始し、大手企業の保有するブランドのEC事業を一括で代行するECマーケットプレイスサービスを展開しています。

  1. ECマーケットプレイスサービス
  2. ECマーケティングサービス

 

① ECマーケットプレイスサービス 

「ECメーケットプレイスサービス」は、ブランドメーカーとのE販売契約に基づき、国内、海外の最適なプラットフォームで販売のサポートを行うサービスです。 このサービスは、「ECビジネスパートナー」「ECフルフィルメントの2つのサービス区分で構成されており、大手企業向けのサービスとして運営されています。   ECマーケットプレイスサービスの事業系統図  

ECビジネスパートナー

「ECビジネスパートナー」は、ブランドメーカーのD2Cを総合支援するサービスであり、主にブランドメーカー企業を対象としています。 このサービスでは、ブランドメーカーの公式ECビジネスパートナーとして、EC戦略・販売計画の策定、デジタルマーケティング、サイト構築・運営、在庫最適化、カスタマーサービス、倉庫保管・物流までの業務をワンストップ型で総括してサポートする事業としてサービス運営が行われています。 また、このサービスでは、日本のブランドメーカーの海外進出もサポートしており、海外越境ECへの出店や小売事業者への卸売サービスも提供されています。

ECフルフィルメント

「ECフルフィルメント」は、EC専用のカスタマーサービスであり、倉庫保管・物流サービスを提供する事業です。 いつも.のサービスは、日本全国10社、16拠点の委託先物流企業をネットワーク化しており、消費エリアに近い場所に物流拠点を置くことで配送スピードの加速化、コストの低下、商材特徴に合わせたフルフィルメントを実現している点が特徴です。

② ECマーケティングサービス

ECマーケティングサービスは、ECに関わる顧客の課題に対して、国内の主要ECプラットフォーム・自社ECサイトにおける、マーケティング・コンサルティング、 デザイン、サイト運営等のEC業務をサポートし、取引先のEC戦略の運営をサポートするサービスです。 このサービスは、具体的には、いつもに所属するコンサルタントが取引先のサイト運営状況を分析し、売上拡大のためのアドバイスをする「ECコンサルティング」、ECサイト構築・広告運用・制作を代行する「マーケティング・クリエイティブ」、Amazon、楽天市場での市場規模、販売数予測、検索占有率データ等を提供し改善アドバイスをする「ECビッグデータ」の3つの部門によって構成されています。   ECマーケティングサービスの事業系統図

ECコンサルティング

ECコンサルティングは、「いつも.式ECコンサルティング」を、EC事業に関して専門的な知識やノウハウを持つ、いつも.のECコンサルタントが提供するコンサルティングサービスです。 この部門の特徴は、ECプラットフォームごとに、専任のコンサルタントが分かれている点が特徴となります。 そのため、「Amazonコンサルティング」、「楽天鉄則コンサルティング」、「Yahoo!ショッピング鉄則コンサルティング」、「自社EC鉄則コンサルティング」、「大手企業向けオーダーメイドコンサルティング」とプラットフォームや課題ごとに分割された領域を各コンサルタントが担当する設計となっています。

マーケティング・クリエイティブ

「マーケティング・クリエイティブ」では、EC事業に必須のマーケティングである広告運用やSEO対策、サイト構築、サイト運用などのデザインに関するサポート事業を提供しています。 このサービスもプラットフォームごとに専門領域が分割されている点が特徴であり、マーケティング支援として「Amazonマーケティング代行」、「楽天マーケティング代行」、「Yahoo!ショッピングマーケティング代行」、「自社ECマーケティング代行」のプランが運用されています。 また、クリエイティブ支援としては、「ECサイト制作・運営代行・SUGOUDE」がプランとして提供されています。

ECビッグデータ

「ECビッグデータ」は、取引先がECビジネスを成功させる上で必要となるデータを活用したマーケティング活動、販売計画のを策定するためのデータを提供するサービスです。 ここでは主な取引先となるAmazon、楽天市場での市場規模、販売数予測、商品レビュー分析データ、検索キーワードなどが、「ECビッグデータ」として提供されています。

有価証券報告書情報

経営指標(過去2期分)

第13期の業績は以下の通りです。

  • 売上高:52.6億円(前年比+19.5%)
  • 経常利益:2.0億円(前年比+145.6%)
  • 当期純利益:1.4億円(前年比+106.5%)
第12期 第13期
決算年月 2019年3月 2020年3月
売上高(千円) 4,404,052 5,261,614
経常利益(千円) 80,677 198,165
当期純利益(千円) 69,682 143,910
純資産額(千円) 32,442 176,352
総資産額(千円) 1,627,523 2,260,370
自己資本比率 2.0% 7.8%
営業キャッシュフロー(千円) 32,756 234,814
投資キャッシュフロー(千円) △197,269 △50,661
財務キャッシュフロー(千円) 184,652 346,140
現金・現金同等物の期末残高(千円) 481,410 1,011,703
従業員数 130人 147人

 

経営指標(過去5期分)

過去5期の業績を見ると、売上高は、第9期と比較して6倍以上と大きく成長しており右肩上がりの推移を見せています。 利益に関しては、第10期までは赤字での計上、また、第11期までは純資産がマイナスと債務超過に陥っていましたが、現在は黒字に回復し、債務超過の状態からも脱しています。 なお、いつも.は、2019年8月9日付で株式1株につき1,000株の株式分割を実施しました。

第9期 第10期 第11期 第12期 第13期
決算年月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月 2020年3月
売上高(千円) 841,500 1,055,090 2,282,705 4,404,052 5,261,614
経常利益(千円) 9,897 △17,543 21,351 80,677 198,165
当期純利益(千円) △4,357 △18,539 3,955 69,682 143,910
資本金(千円) 10,000 10,000 11,500 11,500 11,500
発行済株式総数 200 200 230 230 230,000
純資産額(千円) △24,156 △42,696 △37,240 32,442 176,352
総資産額(千円) 576,322 899,272 1,096,055 1,627,523 2,260,370
自己資本比率 △4.2% △4.7% △3.4% 2.0% 7.8%
従業員数 65人 81人 107人 130人 147人

 

株主構成

上位10位までの主要な株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
株式会社つづく 2,400,000 48.03% 180日間
株式会社望月智之事務所 1,200,000 24.02% 180日間
坂本 守 600,000 12.01% 180日間
望月 智之 400,000 8.00% 180日間
高木 修 26,000 0.52% 継続保有
関 豊 26,000 0.52% 継続保有
立川 哲夫 22,000 0.44% 継続保有
義家 聖太郎 22,000 0.44% 継続保有
本多 正史 22,000 0.44% 継続保有
杉浦 通之 22,000 0.44% 継続保有

新規上場(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

想定価格は1,440円、吸収金額(調達額)は 23.2と予想されています。

仮条件 未発表
公募・売出価格 未発表
想定価格 1,440 円
初値
公募株数 800,000 株
売出株数 600,000 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 210,000 株
吸収金額(調達額) 23.2 億円 (※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算)

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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