目次
INCLUSIVEの概要
基本情報
はじめにINCLUSIVE株式会社の基本情報を紹介します。上場日は2019年12月20日、市場はマザーズ、想定時価総額は54.0億円、上場時の時価総額は106.9億円でした。
会社名 | INCLUSIVE(インクルーシブ)株式会社 |
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設立日 | 2007年4月3日 |
上場日 | 2019年12月20日(承認日:2019年11月18日) |
市場 | マザーズ |
証券コード | 7078 |
業種 | サービス業 |
決算期 | 3月 |
ホームページアドレス | https://www.inclusive.co.jp |
発行済株式総数 | 2,156,700 株(2019年11月18日現在) |
上場時発行済株式総数 |
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公募株数 | 200,000 株 |
想定価格 | 2,290円 |
想定時価総額 | 54.0億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算) |
初値 | 4,535円 |
上場時時価総額 | 106.9億円(※上場時発行済株式総数×初値で計算) |
時価総額 | 32.43億円 (2020年9月10日現在) |
資本金 | 21,700 千円(2019 年 11 月 18 日現在) |
1単元の株式数 | 100株 |
監査人 | 有限責任監査法人トーマツ |
主幹事証券会社 | みずほ証券 |
引受幹事証券会社 |
SBI証券 |
沿革
INCLUSIVE株式会社は、2007年にターゲッティング株式会社として東京都で創業しました。広告やプロモーション関連の事業を行い2016年にINCLUSIVE株式会社に社名を変更しています。
また、INCLUSIVEは、2019年12月に東証マザーズへ上場しています。
2007年4月 | インターネットサービスの運営・収益化事業を展開するため、東京都港区において、ターゲッティング株式会社設立・登記 |
2012年6月 | アドテクノロジーサービスを中心とした収益化を目的として、子会社パシフィック・メディアパートナーズ株式会社設立 |
2014年5月 | 愛媛県松山市に松山事業所を設置 |
2015年6月 | PR・広告企画・広告代理事業を中心とした収益化を目的として、子会社パシフィック・コミュニケーションズ株式会社設立 日本のコンテンツと親和性の高い台湾マーケットにおける事業展開を見据え、中国語社名「達傑汀有限公司」にて、台湾現地法人を有限会社形態で設立 大阪府大阪市に大阪事業所を設置 |
2016年2月 | 編集者及びライター等のマネジメント並びにプロモート・広告制作業務を中心とした収益化を目的として、子会社United Editors株式会社設立 |
2016年3月 | 社会の一員として当社が進むべき方向性をより明確に示す社名として、ターゲッティング株式会社からINCLUSIVE株式会社へ社名変更 |
2016年10月 | 愛知県名古屋市に名古屋事業所を設置 |
2017年5月 | 開発から運営まで一貫したワンストップソリューションやサービスの提供拡大を目的に、株式会社グルコースを株式交換により子会社化 |
2017年7月 | 業務目的や方向性の明確化と業務機会の最適化を図るため、 子会社パシフィック・メディアパートナーズ株式会社の社名をData Tailor株式会社へと変更 |
2018年3月 | 松山事業所を閉鎖 |
2018年6月 | 事業の選択と集中の観点からUnited Editors株式会社を解散 |
2019年6月 | 広告運用サービス強化の観点から、松山事業所を再設置 |
2019年7月 | 新規広告ソリューションの開発・拡販と地域メディア開拓を推進する目的で、株式会社Y&Iメディアソリューションズを設立 |
2019年12月 | 東京証券取引所マザーズに株式を上場 |
INCLUSIVEの事業内容
INCLUSIVEは、「必要なヒトに、必要なコトを。」をビジョンに掲げ、企業のデジタルトランスフォーメンションや収益化の支援を行う「デジタルコミュケーション事業」を運営する企業です。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、企業がデータとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルの変革を目指すことを意味する概念であり、インターネットやSNSが急速に普及した現在、多くの企業に求められている技術革新のことを示します。
INCLUSIVEは、「メディアマネジメントサービス」を中心に「広告運用サービス」「プロモーション企画・PRサービス」「エンジニアリングサービス」の4つのサービスを展開することでメディア・広告関連のプロモーションやマーケティングを支援するサービスを提供しています。
以下は、INCLUSIVEで提供される主要な製品と事業系統を表した図です。
- メディアマネジメントサービス
- 広告運用サービス
- プロモーション企画・PRサービス
- エンジニアリングサービス
① メディアマネジメントサービス
メディアマネジメントサービスは、主にテレビ局や出版社などのメディア企業をメインの顧客としたサービスであり、ウェブ上で展開されるコンテンツ制作やメディア運営に関するコンサルティングを行うことで、メディア企業の収益化の支援を目的としたサービスです。
また、INCLUSIVEの収益の半数以上は、メディアマネジメントサービスによる収益となります。
このサービスの主な業務は、顧客企業が運営しているWebサイトやメディアの情報を解析し、解析されたデータに応じたコンサルティングサービスを提供することです。
具体的には、顧客がターゲットとするユーザーと、提供しているコンテンツがマッチ具合やメディアの質に関する情報の可視化し、その情報をもとに、ネットメディア運用改善に向けたコンサルティングを行い、サイトやメディアの効率的かつ効果的な運営をサポートします。
また、メディアマネジメントサービスは、メディア企業以外のクライアントにも利用されており、2020年時点で38の顧客を持つINCLUSIVEのメイン事業となっています。
以下の図は、INCLUSIVEが運用・支援するメディア数(棒グラフ)と1メディア当たりの売上高指数(折れ線グラフ)の推移を表したグラフです。
② その他のサービス
INCLUSIVEの収益の半数以上はメディアマネジメントサービスからの収益ですが、INCLUSIVEでは、その他にも3つのサービスが運営されています。
- 広告運用サービス
広告運用サービスは、顧客企業のネット広告の運用に関する支援を行うサービスです。
具体的には、顧客が広告運用を行う際、どのような配信プラットフォーム(ウェブ、SNSなど)が適切であるかのアドバイスや、顧客企業にとって効果的な広告運用の企画・提案などが行われています。 - プロモーション企画・PRサービス
プロモーション企画・PRサービスでは、顧客企業の広告企画の立案・実施や、モノやサービスを販売する上で重要である戦略PRサービスを提供する事業です。
- エンジニアリングサービス
エンジニアリングサービスは、主にアプリケーションやインターネットサービスの開発を行うサービスであり、INCLUSIVEでは2017年5月からサービス運用が行われています。BtoB向け、BtoC向け問わず、幅広いアプリケーションを開発する事で、クライアントが持つ幅広いニーズに応じたシステムを構築し、商品の販売促進や、業務の最適化・効率化に向けた取り組みを支援しています。
有価証券報告書情報
連結の経営指標(過去3期分)
第13期の業績は以下の通りです。
- 売上高:15.0億円(前年比△9.9%)
- 経常利益:2.6億円(前年比△19.1%)
- 当期純利益:1.7億円(前年比+8.5%)
期 | 第11期 | 第12期 | 第13期 |
決算年月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 |
売上高(千円) | 1,014,328 | 1,669,188 | 1,504,519 |
経常利益(千円) | △21,404 | 307,678 | 258,259 |
当期純利益(千円) | △35,852 | 154,127 | 167,228 |
純資産額(千円) | 442,337 | 596,464 | 1,275,586 |
総資産額(千円) | 686,702 | 930,642 | 1,588,666 |
自己資本比率 | 64.4% | 64.1% | 80.3% |
営業キャッシュフロー(千円) | △43,322 | 281,214 | 218,183 |
投資キャッシュフロー(千円) | △8,801 | △21,154 | △18,149 |
財務キャッシュフロー(千円) | △18,624 | △18,556 | 480,432 |
現金・現金同等物の期末残高(千円) | 264,385 | 505,889 | 1,186,356 |
従業員数 | 69人 | 74人 | 66人 |
単体の経営指標(過去5期分)
5期の業績を見ると、4年間で売上を1.2倍程度売上を増加させています。
一方で、利益に関しては、第10期、第11期に赤字を計上していますが、第12期以降は黒字回復に成功しています。
また、第13期は売上、利益ともに5年間で過去最高の数値となりました。
また、INCLUSIVEは、2019年9月30日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っています。
期 | 第9期 | 第10期 | 第11期 | 第12期 | 第13期 |
決算年月 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 |
売上高(千円) | 707,506 | 547,436 | 542,816 | 762,607 | 873,083 |
経常利益(千円) | 50,046 | △50,004 | △70,790 | 170,341 | 188,266 |
当期純利益(千円) | 32,960 | △54,025 | △70,879 | 42,821 | 118,079 |
資本金(千円) | 21,700 | 21,700 | 21,700 | 21,700 | 277,647 |
発行済株式総数 | 20,200 | 20,200 | 21,567 | 21,567 | 2,420,400 |
純資産額(千円) | 298,638 | 251,225 | 340,346 | 383,167 | 1,013,140 |
総資産額(千円) | 385,199 | 423,764 | 521,109 | 629,497 | 1,269,658 |
自己資本比率 | 77.5% | 59.4% | 65.3% | 60.9% | 79.8% |
従業員数 | 55人 | 41人 | 44人 | 45人 | 42人 |
上場時の株主構成
上位10位までの株主は、以下の通りです。
株主 | 所有株式数 | 比率 | ロックアップ |
藤田 誠 | 1625300 | 70.81% | 180日間 |
アーキタイプ株式会社 | 22700 | 9.70% | 180日間 |
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 | 100000 | 4.36% | 180日間 |
安達 真 | 96300 | 4.20% | 180日間 |
株式会社カヤック | 64700 | 2.82% | 180日間 |
後藤 健太郎 | 22700 | 2.20% | 180日間 |
大向 一輝 | 50600 | 0.99% | 180日間 |
株式会社デルフィス | 20000 | 0.87% | – |
原 直志 | 7900 | 0.34% | – |
渡邊 淳一 | 6100 | 0.27% | – |
上場時(IPO)の募集・売出し情報
公募・売出し・調達額情報
公募価格は2,110円、吸収金額(調達額)は10.3億円とされています。 また初値は、4,535円となりました。
仮条件 | 2,010円 ~ 2,110円 |
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公募・売出価格 | 2,110円 |
想定価格 | 2,290円 |
初値 | 4,535円 (公募価格比+114.9%) |
公募株数 | 200,000 株 |
売出株数 | 225,000 株 |
オーバーアロットメントによる売出し株数 | 63,700 株 |
吸収金額(調達額) | 10.3億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算) |