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【新規上場企業分析】 インバウンドテックのIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

インバウンドテックの概要

インバウンドテックの基本情報

はじめに、株式会社インバウンドテックの基本情報を紹介します。
上場予定日は2020年12月18日、市場はマザーズ、想定時価総額は48.4億円です。

会社名 株式会社インバウンドテック
設立日 2015年4月1日
上場日 2020年12月18日(承認日:2020年11月16日)
市場 マザーズ
証券コード 7031
業種 サービス業
決算期 3月
ホームページアドレス https://www.inboundtech.co.jp/
発行済株式総数 663,000 株(2020 年 11 月 16 日現在)
上場時発行済株式総数 849,200 株
※公募分を含む。
※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。
公募株数 186,200 株
想定価格 5,700円
想定時価総額 48.4億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
資本金 36,625 千円(2020 年 11 月 16 日現在)
1単元の株式数 100 株
監査人 三優監査法人
主幹事証券会社 東海東京証券
引受幹事証券会社 SBI証券
香川証券
エイチ・エス証券
エース証券
水戸証券

インバウンドテックの沿革

インバウンドテックは、2015年に東京都でブレインプレス株式会社として創業しました。
多言語に対応したCRM(顧客管理)を特徴とした事業運営を行い、現在では12か国語に対応したサービスに発展しています。

2015年4月 24時間365日、6カ国語(日本語、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語)対応の 多言語コンタクトセンターの運営及びセールスアウトソーシング事業を目的とし、東京都新宿区にブレインプレス株式会社を設立
1分単位で通訳サービスを提供する「エコノミー通訳®」を発表
2016年3月 マルチリンガルCRM事業にてタイ語・ベトナム語対応を常時通訳可能言語に追加。8カ国語対応開始
2016年10月 プライバシーマークを取得
2017年1月 マルチリンガルCRM事業にてロシア語を常時通訳可能言語に追加。9カ国語対応開始
2017年3月 マルチリンガルCRM事業にてフランス語を常時通訳可能言語に追加。10カ国語対応開始
2017年4月 マルチリンガルCRM事業にてタガログ語を常時通訳可能言語に追加。11カ国語対応開始
2017年9月 株式会社インバウンドテックに社名変更
2018年2月 クラウド型の通訳AIを活用した対面型AI通訳サービスを提供開始
2018年4月 マルチリンガルCRM事業にてネパール語を常時通訳可能言語に追加。12カ国語対応開始
2018年8月 鹿児島県南さつま市にコンタクトセンター(SATSUMA BPOセンター)を開設
セールスアウトソーシング事業にて東京電力グループからの営業代行業務を受託

インバウンドテックの事業内容

インバウンドテックは、「私たちが関わる全ての人に最上級の感動を提供し続けること」をミッションとして、企業のカスタマーサポートと営業サポートをメインとしたサービスを運営する企業です。
インバウンドテックの運営する事業は、「マルチリンガルCRM事業」「セールスアウトソーシング事業」の2つのセグメントに分割されており、以下はインバウンドテックのセグメントと事業系統を表した図です。

  1. マルチリンガルCRM事業
  2. セールスアウトソーシング事業

 

インバウンドテックの事業系統図

 

 

① マルチリンガルCRM事業 

「マルチリンガルCRM事業」は、主にクライアントの顧客向けに展開するカスタマーサポート業務をコンタクトセンターで対応し代行するサービス運営を行う事業セグメントです。

「マルチリンガルCRM事業」の特徴は、24時間365日体制で稼動しているため、夜間や休日などでもユーザーからの問い合わせを逃すことなく対応が可能である点と、日本語を含めた12カ国語(日本語、 英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、ベトナム語、ロシア語、フランス語、タガログ語、ネパール語)で常時オペレーターが対応している点です。

この事業では、1人のオペレーターが複数案件対応できる体制を導入しているため、専用の人員を用意する規模に満たない小型案件にも柔軟に対応することが可能な体制が整えられています。


さらに、小規模オフィス・店舗向けにクラウド型ビデオ通話システムを利用した1分150円から利用可能な通訳サービス「エコノミー通訳®」の開発・提供を行うなどが併せて運用されています。
このように、多ヶ国語での対応が可能な知見を生かした新サービスや、コンタクトセンターの設計、運用、オペレーターの採用や研修、マニュアルやトークスクリプト作成の構築サービスを提供している点も「マルチリンガルCRM事業」の特徴です。


多言語CRMのイメージ

② セールスアウトソーシング事業  

「セールスアウトソーシング事業」は、インバウンドテックが、クライアントに代わり、見込み顧客に対して営業を行う事業セグメントです。
具体的には、クライアントに代わり、インバウンドテックのコンタクトセンターや業務委託先から、クライアントの見込み顧客に対して、商品等の紹介、販売勧誘、アンケート調査などの営業活動を電話(アウトバウンド)や訪問によって行っています。


一般的なセールスアウトソーシングは、契約獲得量をベースに収益が計上されますが、この事業では、営業スタッフの契約獲得量のみではなく、稼動人数あたりの固定売上を加味した運営が行われています。
こうした体制は、安定的な収益の計上と、クレームになるような過剰な販売勧誘を抑止するコンプライアンス体制へ繋がる効果があります。


また、この事業では、営業代行事業だけでなく、クライアントの営業員や営業スタッフに対する研修の展開など、営業に関連する様々な業務を請け負っており、オペレーターの採用・育成、業務設計、オペレーターを指導・監督するスーパーバイザー(SV)業務など、営業に関する育成の請負業務もあわせて行われています。

有価証券報告書情報

経営指標(過去2期分)

第5期の業績は以下の通りです。

  • 売上高:29.8億円(前年比+1.0%)
  • 経常利益:2.1億円(前年比+319.2%)
  • 当期純利益:1.4億円 (前年比+614.0%)
第4期 第5期
決算年月 2019年3月 2020年3月
売上高(千円) 2,953,728 2,983,411
経常利益(千円) 50,213 210,503
当期純利益(千円) 19,739 140,930
純資産額(千円) 313,660 454,392
総資産額(千円) 750,287 910,105
自己資本比率 41.7% 49.9%
営業キャッシュフロー(千円) △123,501 291,016
投資キャッシュフロー(千円) △38,807 △7,457
財務キャッシュフロー(千円) 159,144 △42,112
現金・現金同等物の期末残高(千円) 272,842 514,289
従業員数 29人 31人

 

経営指標(過去5期分)

過去5期の業績を見ると、売上高は、創業1期目と比較して約2.2倍に増加しており、概ね右肩上がりで推移しています。
また、利益に関しても、終始増加傾向で推移しており、創業期から赤字のタームは一度もありませんでした。
また、第5期は過去最高益を達成しています。

第1期 第2期 第3期 第4期 第5期
決算年月 2015年12月 2016年12月 2017年12月 2018年12月 2019年12月
売上高(千円) 1,335,031 1,969,876 2,280,722 2,953,728 2,983,411
経常利益(千円) 6,158 105,741 148,924 50,213 210,503
当期純利益(千円) 4,585 74,098 104,464 19,739 140,930
資本金(千円) 23,500 36,625 36,625 36,625 36,625
発行済株式総数 1,860 2,210 663,000 663,000 663,000
純資産額(千円) 88,249 189,456 293,920 313,660 454,392
総資産額(千円) 382,461 617,383 610,254 750,287 910,105
自己資本比率 23.1 30.5 48.0 41.7% 49.9%
従業員数 108人 140人 30人 29人 31人

 

セグメント別業績

第5期のセグメント別の売上実績は、以下の表の通りです。
販売実績の内訳は以下の通りで、「マルチリンガルCRM事業」の売上が全体の約35%「セールスアウトソーシング事業」は、全体の約65%の売上を占めています。

  • 「マルチリンガルCRM事業」:35.5%
  • 「セールスアウトソーシング事業」:64.5%
指標 全体 マルチリンガル
CRM
事業
セールス
アウト
ソーシング
事業
売上高(千円) 2,983,411 1,058,030 1,925,380
前年同期比 101.0% 104.5% 99.2%
セグメント利益(千円) 139,699 294,700
前年同期比 193.6% 173.8%
経常利益(千円) 210,503
当期純利益(千円) 140,930

 

株主構成

上位10位までの主要な株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
株式会社a2media 154,200 20.99% 90日間
下大薗豊 101,600 13.83% 180日間
株式会社グローバルキャスト 76,500 10.41% 90日間
アイビスAM投資事業組合 55,800 7.59% 90日間
株式会社光通信 52,500 7.15% 90日間
株式会社アクセル 52,500 7.15% 90日間
金子将之 36,300 4.94% 180日間
株式会社ベクトル 33,000 4.49% 90日間
ソケット株式会社 33,000 4.49% 90日間
東間大 28,800 3.92% 180日間

新規上場(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

想定価格は5,700円、吸収金額(調達額)は13.5と予想されています。

仮条件 未発表
公募・売出価格 未発表
想定価格 5,700円
初値
公募株数 186,200 株
売出株数 20,000 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 30,900 株
吸収金額(調達額) 13.5 億円 (※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算)

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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