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【新規上場企業分析】i-plug(アイプラグ)のIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

i-plugの概要

i-plugの基本情報

はじめに、株式会社i-plugの基本情報を紹介します。
上場日は2021年3月18日、市場はマザーズ、想定時価総額は92.2です。

会社名 株式会社i‐plug(あい ぷらぐ)
設立日 2012 年 4 月 18 日
上場日 2021 年 3 月 18 日(承認日:2021年2月12日)
市場 マザーズ
証券コード 4177
業種 情報・通信業
決算期 3月
ホームページアドレス https://i-plug.co.jp/
発行済株式総数 3,462,500 株(2021 年 2 月 12 日現在)
上場時発行済株式総数 3,732,500 株
※公募分を含む。
※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。
公募株数 270,000 株
想定価格 2,470円
想定時価総額 92.2 億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
資本金 215,000 千円(2021 年 2 月 12 日現在)
1単元の株式数 100 株
監査人 有限責任 あずさ監査法人
主幹事証券会社 大和証券
引受幹事証券会社 みずほ証券
SBI証券
岡三証券
いちよし証券
マネックス証券
松井証券

アピリッツの沿革

アピリッツは、2000年に神奈川県において、株式会社ケイビーエムジェイとして設立されました。 ウェブ関連の事業を創業初期から運営し、2010年以降はゲーム領域にも着手するなど、業容を拡大してきました。

2012年4月 兵庫県伊丹市大鹿に株式会社i-plugを設立(資本金5,000千円)
2012年10月 新卒ダイレクトリクルーティング「OfferBox(オファーボックス)」のサービス提供を開始
2013年6月 本社を大阪市淀川区西中島に移転
2013年9月 資本金を20,000千円に増資
2014年9月 東京オフィスを東京都港区東麻布に開設
2015年3月 資本金を30,000千円に増資
2016年6月 プライバシーマークを認証取得
2017年2月 株式会社イー・ファルコンと業務提携し、適性検査eF-1G(エフワンジー)をOfferBoxに導入
2018年3月 株式会社イー・ファルコン(現・連結子会社)の株式取得
資本金を205,000千円に増資
2018年8月 名古屋オフィスを名古屋市中区に開設
東京オフィスを東京都品川区大崎に移転
2018年11月 資本金を215,000千円に増資
2019年6月 本社(大阪オフィス)を大阪市淀川区内で移転
2020年10月 株式会社イー・ファルコンの議決権の100%を取得し、同社を完全子会社化

アピリッツの事業内容

i-plugは、「つながりで世界をワクワクさせる」というミッションに基づき、就職活動中の学生と企業を対象に新卒ダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox(オファーボックス)」と適性検査サービス 「eF-1G(エフワンジー)」を提供する企業です。
主に新卒採用領域において、インターネット上でのダイレクトリクルーティング、適性検査をサービスに組み込んでおり、人材の要件を分析、要件と合致する学生を探し採用することを可能にしている点がサービスの特徴となります。

以下は、i-plugで運営されている主要なサービスと事業系統を表した図です。

  • 新卒ダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox(オファーボックス)」
  • 適性検査サービス 「eF-1G(エフワンジー)」
i-plugの事業系統図

OfferBox(オファーボックス)

オファーボックスは、新卒採用支援の領域において、企業側からのオファーによって、企業と学生との接点を創出し、両者をマッチングすることができる仕組みを実現したサービスです。

 日本の新卒採用は、これまで経団連が指針を公表し、一定のルールの下、行われてきましたが、グローバル展開の加速やテクノロジーの進化などにより、経団連が定めた就活ルールによって、新卒採用を行うスタイルが限界を迎えつつあります。

このような背景を受け、i-plugが運営する「OfferBox」は、2つの料金プランを企業に提供しています。
1つ目は、政府が定める新卒採用スケジュールに合わせ、 入社合意に至った時点で費用が発生する成功報酬型の料金プランです。
成功報酬型は、導入費用なしでオファー送信などサービスの利用開始が可能であり、入社までに学生が内定を辞退した場合は成功報酬費用を返金する契約とすることで、企業側の負担を軽減できるサービスとなります。この手法は、企業にとって新しい採用手法であるダイレクトリクルーティング導入の障壁を下げることを狙いとしたサービスです。

2つ目は、学生が採用広報解禁よりも前から利用開始が可能な早期定額型の料金プランとなります。このプランは成功報酬型とは異なり、契約時に利用料金や採用枠料金をあらかじめ受領することで、1名あたりの採用単価を割引している一方、契約時の料金は、内定辞退が生じた場合であっても返金しない契約となります。

このように、企業のニーズに合わせ採用方法を選択できる点が「OfferBox」の強みです。

eF-1G(エフワンジー)  

i-plugが運営するもう1つの主要なサービスは、適性検査サービス「eF-1G」であり、高い網羅性によって、戦力となる人材を選び、育て、活かすという人事活動を一貫して支援することを目的とした適性検査サービスです。

このサービスでは、194項目の測定項目数を用意しており、就業上必要なストレス耐性や継続力、面接では見極めにくい幼少期から青年期の経験、変わりにくい気質などのデータを確認することができます。
また、このサービスは新卒採用のシーンだけでなく、既存従業員の適性検査結果を利用することで、個々の企業の活躍し定着する人材の要件を見極めることが可能です。

有価証券報告書情報

連結の経営指標(過去2期分)

第8期の業績は以下の通りです。

  • 売上高:16.0億円(前年比 +18.5%)
  • 経常利益:0.3億円(前年比 △233.7%)
  • 当期純利益:△0.4億円
第7期 第8期
決算年月 2019年3月 2020年3月
売上高(千円) 1,348,986 1,598,291
経常利益(千円) 88,489 26,340
当期純利益(千円) 72,988 △40,296
純資産額(千円) 244,768 233,025
総資産額(千円) 1,105,278 1,580,393
自己資本比率 19.6% 11.1%
営業キャッシュフロー(千円) 249,392 217,139
投資キャッシュフロー(千円) △50,135 △61,336
財務キャッシュフロー(千円) △43,235 345,184
現金・現金同等物の期末残高(千円) 659,378 1,159,600
従業員数 115人 148人

 

経営指標(過去5期分)

以下は、i-plugの過去5期分の業績です。
売上は、第4期と比較して約8.5倍に増加しており、右肩上りに成長しています。
一方、利益に関しては、第6期、第7期に黒字に転換した一方、第8期は赤字での計上となりました。

第4期 第5期 第6期 第7期 第8期
決算年月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月 2020年3月
売上高(千円) 155,337 306,337 691,100 1,052,796 1,314,553
経常利益(千円) △72,351 △132,622 34,957 101,141 △55,794
当期純利益(千円) △72,736 △133,007 48,392 86,048 △60,159
資本金(千円) 30,000 30,000 205,000 215,000 215,000
発行済株式総数 3,000 3,000 343,750 346,250 346,250
純資産額(千円) △130,189 △263,197 135,195 241,243 346,250
総資産額(千円) 142,191 139,987 671,582 910,380 1,359,050
自己資本比率 △91.6% △188.0% 20.1% 26.5% 13.3%
従業員数 35人 52人 68人 93人 121人

i-plugは、2018年4月、複数のVCなどから、第三者割当増資により総額3.5億円を調達したことを発表しました。調達された資金は、人工知能(機械学習)や、適性診断を用いたマッチングの精度を更に高め、サービス品質の向上に充てられる予定です。

第三者割当増資による資金調達実施のお知らせ

株主構成

上位10位までの主要な株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
中野 智哉 2,310,000 62.90 180日間
山田 正洋 390,000 10.62 180日間
ニッセイ・キャピタル8号投資事業 有限責任組合 無限責任組合員 ニッセイ・キャピタル株式会社 300,000 8.17 90日間
田中 伸明 210,000 5.72 180日間
直木 英訓 103,100 2.81 180日間
おおさか社会課題解決投資事業有限 責任組合 無限責任組合員 フューチャーベンチャーキャピタル株式会社 62,500 1.70 90日間
りそなキャピタル4号投資事業組合業務執行組合員 りそなキャピタル株式会社 37,500 1.02 90日間
株式会社シタシオンストラテジックパートナーズ 37,500 1.02 180日間
阪田 貴郁 36,800  
青木 崇 32,400 0.88 180日間

新規上場(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

想定価格は2,470円、吸収金額(調達額)は14.5と予想されています。

仮条件 2,470円 ~ 2,620円
公募・売出価格 2,620円
想定価格 2,470円
初値
公募株数 270,000 株
売出株数 241,600 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 76,700 株
吸収金額(調達額) 14.5 億円
(※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算)

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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