ファイナンス

【新規上場企業分析】グッドスピードのIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

グッドスピードの概要

グッドスピードの基本情報

はじめに、株式会社グッドスピードの基本情報を紹介します。
上場日は2019年4月25日、市場はマザーズ、想定時価総額は17.5億円、上場時の時価総額は25.4億円でした。

会社名 株式会社グッドスピード
設立日 2003年2月20日
上場日 2019年4月25日(承認日:2019年3月22日)
市場 マザーズ
証券コード 7676
業種 小売業
決算期 9月
ホームページアドレス https://goodspeed-group.co.jp/
発行済株式総数 900,000 株(2019 年 3 月 22 日現在)
上場時発行済株式総数 1,450,000 株
※公募分を含む。
公募株数 550,000 株
想定価格 1,210円
想定時価総額 17.5億円(※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
初値 1,750円
上場時時価総額 25.4億円 (※上場時発行済株式総数×初値で計算)
時価総額 45.9億 (2020年11月9日現在)
資本金 30,000 千円(2019 年 3 月 22 日現在)
1単元の株式数 100 株
監査人 監査法人A&Aパートナーズ
主幹事証券会社 東海東京証券
引受幹事証券会社 大和証券
SBI証券
エース証券

安藤証券
丸三証券
岩井コスモ証券

グッドスピードの沿革

株式会社グッドスピードは、2002年に愛知県で有限会社グッドスピードとして設立されました。
グッドスピードは、中古車販売を中心とした事業を東海エリアで集中的に展開し、2019年4月に東証マザーズに上場しています。

2002年8月 当社創業店であるグッドスピード春日井SUV専門店(現 グッドスピード春日井ミニバン専門店)を愛知県春日井市にオープン
2003年2月 中古車販売を目的に、資本金300万円で有限会社グッドスピード設立、名古屋市守山区に本社所在地を置く
グッドスピード名東・守山SUV専門店(現 グッドスピードプレミアム名古屋本店)を名古屋市守山区にオープン
2005年9月 グッドスピード中川・港SUV専門店を名古屋市港区にオープン
2006年7月 有限会社グッドスピードを株式会社グッドスピードへ商号変更
2008年4月 グッドスピード小牧SUV専門店(現 グッドスピード小牧ミニバン・ハイエース専門店)を愛知県小牧市にオープン
2009年8月 グッドスピード安城SUV専門店(現 グッドスピード安城ミニバン専門店)を愛知県安城市にオープン
2010年12月 輸入車販売を目的に、インターナショナル店(現 SPORT名古屋アメ車専門店)を愛知県尾張旭市にオープン
2011年7月 車両品質管理・コーティング事業を目的に、子会社として株式会社グッドサービスを設立
2011年11月 グッドスピード岐阜SUV専門店を岐阜県岐阜市にオープン
2012年4月 本社を名古屋市東区に移転
2012年10月 グッドスピード豊橋SUV専門店(現 グッドスピード豊橋ミニバン専門店)を愛知県豊橋市にオープン
2013年2月 インターナショナル岡崎ベンツBMW専門店(現 SPORT岡崎輸入車専門店)を愛知県岡崎市にオープン
2013年5月 鈑金・塗装修理部門としてグッドスピード中川BPセンターを名古屋市中川区にオープン
2014年2月 グッドスピード春日井BPセンターを愛知県春日井市にオープン
2014年12月 MINI販売を目的に、UNITED MINICARSを名古屋市名東区にオープン
2015年3月 レンタカー事業を開始
2015年7月 グッドスピード四日市SUV専門店を三重県四日市市にオープングッドスピード浜松SUV専門店を浜松市西区にオープン
2015年9月 マッハ車検名古屋守山店を車検専門店として初のフランチャイズ契約で名古屋市守山区にオープン
2016年4月 SPORT三重MINI専門店を三重県津市にオープン
2017年1月 グッドスピード緑SUV専門店を名古屋市緑区にオープン
2017年7月 子会社である株式会社グッドサービスを吸収合併
2017年10月 グッドスピードMEGA SUV春日井店を愛知県春日井市にオープン
2018年7月 グッドスピード四日市ミニバン専門店を三重県四日市市にオープン
2018年12月 グッドスピード大府有松インター買取専門店を愛知県大府市にオープン
2019年2月 グッドスピードMEGA 大垣店を岐阜県大垣市にオープン
2019年4月 東京証券取引所マザーズに株式を上場
2019年8月 グッドスピード小牧BPセンターを愛知県小牧市にオープン
グッドスピードMEGA SUV知立店を愛知県知立市にオープン

 

グッドスピードの事業内容

グッドスピードは、「すべての人に感謝・感動・感激を与え続ける伝道師でありたい」をミッションに掲げ、中古自動車販売を中心とした事業を展開する企業です。
グッドスピードでは、主軸となる中古車販売以外にも、自動車買取、整備・鈑金、保険代理店、レンタカー事業がサービスとして運営されており、以下は、グッドスピードの主要なサービスと事業系統を表した図になります。

  1. 中古車販売サービス
  2. その他のサービス


グッドスピードの事業系統図

 

① 中古車販売サービス     

中古車販売サービスは、グッドスピードの主軸となる事業であり、店舗を出店し販売を行う形での事業運営が行うサービスです。
MEGA専門店、国産車専門店、輸入車専門店の3タイプの店舗において販売が行われており、取扱車種を絞ることや、専門性の高い店舗作りに注力している点がグッドスピードにおける店舗ビジネスの特徴となります。

グッドスピードでは、創業以来SUV・4WD専門中古車販売店、輸入中古車販売店として蓄積してきたブランドイメージを武器として、高年式、低走行の絞り込んだ車種に特化した専門店としての店舗展開を行っています。
また、出店方針は、東海エリア内に集中的に出店を行うドミナント方式によるものです。

2019年9月末現在、MEGA専門店3店舗、国産車専門店11店舗、輸入車専門店4店舗、買取専門店1店舗を東海4県で展開しており、第17期の販売実績は10,151台となりました。

② その他のサービス

グッドスピードでは、主軸となる中古車販売サービスの他にも、付帯事業として自動車関連のサービスが4種類展開されています。

  • 自動車買取

    自動車買取サービスは、店頭における自動車の買取サービスである店頭買取、顧客のもとへ出張し買取査定を行う出張買取サービスの2つのサービスを運営しています。
    このサービスは、主に自社の店頭在庫を確保するための仕入ルートの開拓強化を目的としたサービスとして位置付けられています。

  • 整備・鈑金

    整備・板金サービスは、販売した車両の整備や車検などを展開するサービスです。
    このサービスは、中古車販売店の来客が休日に顧客が集中する特性を生かし、販売と整備を分離運営することで、サービス向上や業務効率化を目的としています。
    また、近年では鈑金を専門に行うBPセンターを併せて展開しており、より安心安全な車両利用を可能とする充実したサポート体制の強化が図られています。

  • 保険代理店

    保険代理店サービスは、損害保険会社の代理店業務のサービスを展開する事業です。
    各店舗において、自動車保険を提案、新規獲得が行われており、販売後のアフターケアとして、社内に専門部署が設置されています。

  • レンタカー
    レンタカーサービスでは、車両の貸出サービスを提供しており、新たな収益の柱を作ること、顧客のレンタカー利用体験を動機として車両販売に繋げることを目的としたサービスです。
    レンタカーサービスでは、グッドスピードのレンタカーを利用した顧客が、実際に中古車を購入する見込み客への転換が図られています。

有価証券報告書情報

経営指標(過去3期分)

第17期の連結指標の数値は以下の通りです。

  • 売上高:323.9億円 (前年比+42.4%)
  • 経常利益:3.2億円 (前年比+113.1%)
  • 当期純利益:1.9億円 (前年比+111.8%)
第15期 第16期 第17期
決算年月 2017年9月 2018年9月 2019年9月
売上高(千円) 20,253,310 22,751,642 32,393,959
経常利益(千円) 93,201 149,280 318,082
当期純利益(千円) 76,888 91,281 193,349
純資産額(千円) 351,122 397,404 1,396,413
総資産額(千円) 7,679,137 9,379,807 12,672,905
自己資本比率 4.6% 4.2% 11.0%
営業キャッシュフロー(千円) 432,903 △318,011 △502,586
投資キャッシュフロー(千円) 158,238 △484,892 △1,611,282
財務キャッシュフロー(千円) 204,122 1,152,580 2,277,325
現金・現金同等物の期末残高(千円) 1,141,557 1,491,233 1,654,689
従業員数 218人 256人 340人

 

経営指標(過去5期分)

過去5期の業績を見ると、売上高は、第13期と比較して約2.5倍に増加しており、右肩上がりに推移しています。
また、利益に関しては、増減を繰り返しているものの、概ね黒字で推移しており、第17期は経常益、純利益ともに過去5年で最高の数値となりました。

なお、グッドスピードは、2018年9月29日付で普通株式1株につき10株の株式分割を、2018年12月28日付で普通株式1株につき150株の株式分割を実施しています。

第13期 第14期 第15期 第16期 第17期
決算年月 2015年9月 2016年9月 2017年9月 2018年9月 2019年9月
売上高(千円) 12,980,516 15,993,190 20,253,310 22,751,642 32,393,959
経常利益(千円) 224,359 133,520 93,201 149,280 318,082
当期純利益(千円) 109,192 △209,275 76,888 91,281 193,349
資本金(千円) 30,000 30,000 30,000 30,000 437,330
発行済株式総数 600 600 600 6,000 1,532,500
純資産額(千円) 503,238 274,233 351,122 397,404 1,396,413
総資産額(千円) 6,433,812 7,353,582 7,679,137 9,379,807 12,672,905
自己資本比率 7.8% 3.7% 4.6% 4.2% 11.0%
従業員数 183人 191人 218人 256人 340人

 

上場時の株主構成

上場時の主要な株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
加藤 久統 450,000 47.45% 180日間
株式会社Anela 450,000 47.45% 180日間
横地 真吾 18,750 1.98% 継続保有
平松 健太 5,700 0.60% 継続保有
大崎 勝士 1,950 0.21% 継続保有
塗 利樹 1,500 0.16% 継続保有
松井 靖幸 1,500 0.16% 継続保有

上場時(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

公募価格は1,400円、吸収金額(調達額)は7.7億円とされています。 また初値は、1,750となりました。

仮条件 1,210円 ~ 1,400円
公募・売出価格 1,400円
想定価格 1,210円
初値 1,750円 (公募価格比+25.0%)
公募株数 550,000 株
売出株数
オーバーアロットメントによる売出し株数 82,500 株
吸収金額(調達額) 7.7億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算)

 


この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
ブロックを追加