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【新規上場企業分析】アースインフィニティのIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

アースインフィニティの概要

アースインフィニティの基本情報

はじめに、株式会社アースインフィニティの基本情報を紹介します。
上場予定日は2020年10月16日、市場はJASDAQ、想定時価総額は59.4億円です。

会社名 株式会社アースインフィニティ
設立日 2002年7月18日
上場日 2020年10月16日(承認日:2020年9月10日)
市場 JASDAQ スタンダード
証券コード 7692
業種 小売業
決算期 7月
ホームページアドレス https://www.earth-infinity.co.jp/
発行済株式総数 2,995,500 株(2020年9月10日現在)
上場時発行済株式総数 3,013,300 株 
※公募分(新株式発行)を含む。
公募株数 17,800 株
想定価格 1,970円
想定時価総額 59.4億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
資本金 87,250 千円(2020年9月10日現在)
1単元の株式数 100株
監査人 仰星監査法人
主幹事証券会社 みずほ証券
引受幹事証券会社 SBI証券
丸三証券
岡三証券
マネックス 証券

アースインフィニティの沿革

アースインフィニティは、2002年に大阪市において株式会社ネオインターナショナルとして創業しました。
インバーターやブレーカーなどの電気関連の機器を創業期から取り扱っており、近年ではガス小売などにも事業領域を拡大しています。

2002年7月 大阪市淀川区に省電力のための設備機器に関する企画・設計・販売・設置工事及びそれらのコンサルタント業務を目的とした、株式会社ネオインターナショナル(資本金10百万円)を設立、インバーター及びブレーカー(ノーマルブレーカー)を販売。
2003年12月 電子ブレーカーの製造を開始。
2004年4月 電子ブレーカーの販売を開始。
2010年2月 電子ブレーカー特許(特許第4457379号)を取得。
2013年11月 本社を現在の大阪市北区に移転
2015年3月 特定規模電気事業者の届出
2016年4月 小売電気事業者の登録(登録番号:A0281)。
小売電気に参入。
2017年6月 商号を株式会社アースインフィニティに変更。
2018年6月 プライバシーマーク認定事業者の登録(認定番号第20002342号)。
2018年8月 登録電気工事業者の登録(登録先を経済産業省から大阪府に変更)。
2019年6月 ガス小売事業者の登録(登録番号:A0073)。
2019年10月 ガス小売に参入。

アースインフィニティの事業内容

アースインフィニティは、「『人や仲間が集まり続け 求められ応え続ける会社」を企業理念として掲げ、ビルや工場、飲食店などに向けてインバーターやブレーカーの製造・販売を行い、顧客の省電力化に貢献するための事業を運営してきました。

事業セグメントは、主にブレーカーの製造販売を行う「電子機器事業」と、電気やガスの販売を行う「エネルギー事業」に分割されています。
以下は、アースインフィニティの主要な事業セグメントと事業系統を表した図です。

  1. 「電子機器事業」
  2. 「エネルギー事業」
アースインフィニティ 事業系統

① 電子機器事業 

「電子機器事業」は、主に中小企業を対象として電子ブレーカーの製造・販売・ 設置を行うことで、顧客のエネルギーコスト削減に貢献することを目的とした事業セグメントです。

電子ブレーカーは、アースインフィニティの特許技術を使用して協力会社が製造しており、アースインフィニティは、製造以外の販売・設置に経営資源を集中させるモデルでの事業を運営しています。

また、ブレーカーの販売方式は、既存顧客に対して新しいブレーカーの入れ替えを提案し販売する方法である「リプレイス販売」を中心とした営業手法を採用しており、顧客のもとを1件1件訪問し契約を締結する方法でブレーカーの販売を行っています。

② エネルギー事業 

「エネルギー事業」は、電気を販売する「小売電気」とガスを販売する「ガス小売」を運営する事業セグメントです。

「小売電気」では、一般家庭や小規模工場、飲食店、中規模工場などに電力の販売が行われています。
アースインフィニティの電力販売は、発電所から電力を調達し、顧客へ安価な電力を届けることをコアバリューとしたビジネスモデルです。
また、小売電気でターゲットとなる顧客の大多数は、創業期から製造・販売を行っているブレーカー販売のターゲットでもある小規模工場、店舗、飲食店などであり、営業を行う上でシナジー効果を見込むことができる仕組みとなっています。

「ガス小売」も、「小売電気」と同様に、ガスを調達し安価で販売するビジネスモデルであり、電気とガスをセットで販売することで収益増加を図る構図で運営されています。

エネルギー事業では、電気やガスを継続的に販売することで収益を計上しています。
競争激化により、他社への切り替えによる解約が毎年一定割合発生しますが、顧客との契約が継続されている限り、 サービスを提供出来るため、継続的な収入及び収益を見込むことができるサービスであるといえます。

有価証券報告書情報

経営指標(過去2期分)

第18期の連結の業績は以下の通りです。

  • 売上高:34.7億円(前年比+40.0%)
  • 経常利益:2.3億円(前年比+126.6%)
  • 当期純利益:1.7億円(前年比+157.4%)
第17期 第18期
決算年月 2018年7月 2019年7月
売上高(千円) 2,481,681 3,465,186
経常利益(千円) 101,408 229,761
当期純利益(千円) 64,784 166,738
純資産額(千円) 146,101 311,939
総資産額(千円) 841,426 1,150,984
自己資本比率 17.4% 27.1%
営業キャッシュフロー(千円) △4,357 122,296
投資キャッシュフロー(千円) △2,574 △1,020
財務キャッシュフロー(千円) 70,924 85,276
現金・現金同等物の期末残高(千円) 128,441 334,993
従業員数 45人 45人

 

経営指標(過去5期分)

5期の業績を見ると、売上は約6倍の増加を見せています。
利益に関しても、売上同様、概ね右肩上がりに推移しており、過去5期で赤字を計上したタームはなく、第18期は、売上・利益ともに過去5期で最高の数値を記録しました。

また、アースインフィニティは、2017年2月28日付けで株式1株につき500株の割合で株式分割を実施しています。

第14期 第15期 第16期 第17期 第18期
決算年月 2015年7月 2016年7月 2017年7月 2018年7月 2019年7月
売上高(千円) 584,827 652,725 1,362,564 2,481,681 3,465,186
経常利益(千円) 25,228 4,724 61,101 101,408 229,761
当期純利益(千円) 23,718 14,606 38,143 64,784 166,738
資本金(千円) 84,600 84,600 87,250 87,250 87,250
発行済株式総数 1,944 1,944 998,500 998,500 998,500
純資産額(千円) 25,917 40,523 81,316 146,101 311,939
総資産額(千円) 193,639 244,727 550,774 841,426 1,150,984
自己資本比率 13.4% 16.6% 14.8% 17.4% 27.1%
従業員数 31人 24人 29人 45人 45人

 

セグメント別業績

第18期のセグメント別業績は表の通りです。
全体の売上構成に対し、9割以上はエネルギー事業の売上によって占められています。
一方、電子機器事業の売上は10%以下と過少であり、業績も前年比でマイナスとなっていますが、エネルギー事業が大きくプラスで計上されているため、全体としての業績は、前年を大きく上回りました。

  • エネルギー事業:92.0%
  • 電子機器事業:8.0%
指標 全体 エネルギー事業 電子機器事業
売上高(百万円) 3,465 3,190 274
売上高前年同期比 +40.0% +45.4 △4.2
営業利益(百万円) 353 96
営業利益前年同期比 +92.1% △3.2%
経常利益(百万円) 229
当期純利益(百万円) 166

 

株主構成

上位10位までの株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
濵田 幸一 2,181,900 73.76% 180日間
坂本 守孝 120,000 4.06% 180日間
上田 朝雄 90,000 3.04%
浅原 香織 75,000 2.54% 180日間
津田 真奈美 60,000 2.03%
一氏 亮佑 51,000 1.72% 180日間
亀田 純 51,000 1.72%
西村 雄治 48,000 1.62%
松田 ありさ 33,000 1.12%
菰田 寛 30,000 1.01%

新規上場(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

想定価格は1,970円、吸収金額(調達額)は6.9と予想されています。

仮条件 未発表
公募・売出価格 未発表
想定価格 1,970円
初値
公募株数 55,000 株
売出株数 251,000 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 45,900 株
吸収金額(調達額) 6.9億円 (※オーバーアロットメントを含む株数×想定価格で計算)

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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