目次
ベビーカレンダーの概要
ベビーカレンダーの基本情報
はじめに、株式会社ベビーカレンダーの基本情報を紹介します。 上場日は2021年3月25日、市場はマザーズ、想定時価総額は32.1億円、上場時の時価総額は77.8億円でした。
会社名 | 株式会社ベビーカレンダー |
---|---|
設立日 | 1991 年 4 月 5 日 |
上場日 | 2021 年 3 月 25 日(承認日:2021年2月19日) |
市場 | マザーズ |
証券コード | 7363 |
業種 | サービス業 |
決算期 | 12月 |
ホームページアドレス | https://corp.baby-calendar.jp/ |
発行済株式総数 | 743,000 株(2021 年 2 月 19 日現在) |
上場時発行済株式総数 | 828,000 株 ※公募分を含む。 ※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。 |
公募株数 | 85,000 株 |
想定価格 | 3,880円 |
想定時価総額 | 32.1億円(※上場時発行済株式総数×想定価格で計算) |
初値 | 9,400円 |
上場時時価総額 | 77.8億円 (※上場時発行済株式総数×初値で計算) |
時価総額 | 70.8億円(2021年4月1日現在) |
資本金 | 56,790 千円(2021 年 2 月 19 日現在) |
1単元の株式数 | 100 株 |
監査人 | 東陽監査法人 |
主幹事証券会社 | SBI証券 |
引受幹事証券会社 |
SMBC日興証券 |
Sharing Innovationsの沿革
株式会社ベビーカレンダーは、1991年、横浜市において株式会社ロジスティクスコンサルティングとして設立されました。その後、クックパット社から出資を受けるなど再編を複数回繰り返し、2021年3月25日、東証マザーズに上場しました。
1991年4月 | 経営コンサルティング業務を目的として、横浜市港区に株式会社ロジスティクスコンサルティングを設立(資本金100万円) |
1994年3月 | 日本テクト株式会社に商号変更 |
1996年5月 | 医療用液晶情報端末の開発・製造及びシステム開発を開始 |
2006年7月 | 本社を東京都港区に移転 |
2008年7月 | 産婦人科向けのベッドサイドシステム「MediPac mama」(現ベビーパッドシリーズ)を発表し、産婦人科向け事業を開始 |
2015年6月 | 株式会社クックパッドベビーに商号変更 クックパッド株式会社から妊娠・出産サイト「クックパッドベビー(現ベビーカレンダー)」を譲り受け、メディア事業を開始 |
2017年2月 | オオサキメディカル株式会社と「ファーストプレゼント」の協業を開始 |
2017年5月 | 株式会社クックパッドベビー代表取締役である安田啓司がMBOを実施し、クックパッド株式会社より 経営権を取得、株式会社ベビーカレンダーに商号変更 |
2018年5月 | 本社を東京都渋谷区に移転 |
2019年10月 | アンチエイジングサイト「ウーマンカレンダー」をリリース |
2019年11月 | 介護情報サイト「介護カレンダー」をリリース |
2020年1月 | gaデザイン株式会社の株式を取得し、完全子会社化 |
2020年3月 | gaデザイン株式会社を吸収合併、大阪gaデザイン支社を設立し、Webマーケティング事業を開始 |
ベビーカレンダーの事業内容
ベビーカレンダーは、「赤ちゃんの笑顔でいっぱいに -A Sea of Smiling Babies-」をキーワードに掲げ、妊娠・出産・育児といった領域の情報提供を行う「メディア事業」や産婦人科の支援事業である「産婦人科向け事業」、業種問わずWeb領域でのマーケティング支援を行う「Webマーケティング事業 」の3つのセグメントを運営しています。
- メディア事業
- 産婦人科向け事業
- Webマーケティング事業
(1) メディア事業
メディア事業は、自社で運営する妊娠・出産・育児領域の専門サイト「ベビーカレンダー」を広告媒体とした、インターネット広告枠の販売を行う事業セグメントです。
「ベビーカレンダー」は、妊娠中のプレママ・子育て中のママとパパに医師・専門家監修の安心かつ信頼できる妊娠・出産・育児の情報を提供することを目的としており、ママとパパが安心して赤ちゃんを産み、笑顔で子育てできるようサポートする内容が発信されています。
また、信頼性の高い情報の掲載や、無料相談への対応、厳選した専門家からのメッセージを日替わりで届ける仕組みなど、リアルとバーチャルの組合せのバランスを念頭に置いたサイトが制作されている点が特徴です。

(2) 産婦人科向け事業
産婦人科向け事業は、産婦人科が抱える様々な課題に対してITを介したソリューションを提供する事業セグメントです。
具体的には、産婦人科ごとにカスタマイズしたコンテンツをiPadに搭載して提供する「ベビーパッドシリーズ」、ホーム ページの制作・管理、かんたん診察予約システム、エコー動画館など、幅広いラインナップで産婦人科の業務効率化や生産性向上を目指したシステムを提供しています。

(3) Webマーケティング事業
Webマーケティング事業は、顧客企業が抱えるマーケティングの課題を解決するために、Webマーケティング施策をの企画・提供を行う事業セグメントです。
顧客の業種は、一般事業会社だけでなく、産婦人科以外の総合病院やクリニック、官公庁、弁護士事務所など官民あわせて広範囲に渡り、特に医療機関向けにはWebマーケティングだけでなく、事業運営の課題解決の提案も行われています。

有価証券報告書情報
連結の経営指標(過去3期分)
第29期の連結指標の数値は以下の通りです。
- 売上高:6.0億円 (前年比+22.9%)
- 経常利益:0.3億円
- 当期純利益:0.7億円
期 | 第28期 | 第29期 |
決算年月 | 2018年12月 | 2019年12月 |
売上高(千円) | 488,348 | 600,045 |
経常利益(千円) | △17,313 | 32,742 |
当期純利益(千円) | △19,208 | 70,756 |
純資産額(千円) | 159,670 | 283,923 |
総資産額(千円) | 250,597 | 373,292 |
自己資本比率 | 63.7% | 76.0% |
営業キャッシュフロー(千円) | 38,879 | 68,480 |
投資キャッシュフロー(千円) | △22,833 | △8,434 |
財務キャッシュフロー(千円) | △22,389 | 44,601 |
現金・現金同等物の期末残高(千円) | 68,364 | 173,012 |
従業員数 | 31人 | 31人 |
単体の経営指標(過去5期分)
過去5期の業績を見ると、売上高は右肩上がりの成長を続けています。
利益に関しても、第28期まで赤字で計上されていましたが、第29期は黒字転換に成功しました。
期 | 第25期 | 第26期 | 第27期 | 第28期 | 第29期 |
決算年月 | 2015年12月 | 2016年12月 | 2017年12月 | 2018年12月 | 2019年12月 |
売上高(千円) | 220,609 | 220,084 | 415,596 | 488,348 | 600,045 |
経常利益(千円) | △61,178 | △115,377 | △302 | △17,313 | 32,742 |
当期純利益(千円) | △61,617 | △117,062 | △11,746 | △19,208 | 70,756 |
資本金(千円) | 290,000 | 290,000 | 30,000 | 30,000 | 56,790 |
発行済株式総数 | 1,372 | 1,372 | 1,372 | 1,372 | 1,486 |
純資産額(千円) | 307,604 | 190,541 | 179,036 | 159,670 | 283,923 |
総資産額(千円) | 536,491 | 326,766 | 303,465 | 250,597 | 373,292 |
自己資本比率 | 57.3% | 58.3% | 59.0% | 63.7% | 76.0% |
従業員数 | 22人 | 26人 | 26人 | 31人 | 31人 |
主要なセグメント別の業績
以下は、ベビーカレンダーのセグメント別の指標です。
メディア事業が全体の約7割を占めており、売上の軸となっています。
なお、Webマーケティング事業は売り上げが過小であるため、記載を省略しています。
- メディア事業:68.3%
- 産婦人科向け事業:31.7%
指標 | 全体 | メディア事業 | 産婦人科向け 事業 |
売上高(千円) | 600,045 | 409,947 | 190,098 |
前年同期比 | 135.4% | 102.3% | |
セグメント利益(千円) | – | 127,890 | 19,659 |
前年同期比 | – | 120.3% | – |
ベビーカレンダーは2019年5月、三菱UFJキャピタル株式会社他複数の出資元から資金調達を実施しました。調達金額は明かされていませんが、新サービスを中心とするシステムや事業基盤の拡張ならびに人員の拡充など社内体制の強化が目的であると公表されています。
<資金調達のお知らせ>三菱UFJキャピタル、オオサキメディカルほか、お取引先を引受先とした第三者割当増資を実施
上場時の株主構成
上位10位までの株主は、以下の通りです。
株主 | 所有株式数 | 比率 | ロックアップ |
安田 啓司 | 265,000 | 30.01 | 180日間 |
山田 育代 | 228,500 | 25.88 | 180日間 |
高谷 康久 | 153,500 | 17.38 | 180日間 |
高谷コンサルティング株式会社 | 75,000 | 8.49 | 180日間 |
福島 智晴 | 23,000 | 2.60 | 180日間 |
オオサキメディカル株式会社 | 15,000 | 1.70 | – |
大崎 将男 | 10,000 | 1.13 | – |
三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合 | 10,000 | 1.13 | – |
髙桑 忠久 | 7,500 | 0.85 | 180日間 |
佐々木 和幸 | 6,500 | 0.74 | 180日間 |
上場時(IPO)の募集・売出し情報
公募・売出し・調達額情報
公募価格は4,200円、吸収金額(調達額)は7.4億円とされています。 また初値は、9,400円となりました。
仮条件 | 3,960円 ~ 4,200円 |
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公募・売出価格 | 4,200円 |
想定価格 | 3,880円 |
初値 | 9,400円 (公募価格比+123.8%) |
公募株数 | 85,000 株 |
売出株数 | 80,000 株 |
オーバーアロットメントによる売出し株数 | 24,700 株 |
吸収金額(調達額) | 7.4 億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算) |