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商標登録の費用はいくらかかるのか?費用の種類別に徹底解説!

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商標登録の申請は、法人、個人、企業規模の大小を問わず毎年10万件以上行なわれています。多くのニーズがある申請のため、商標登録を委託しようとすると、弁理士や法律事務所、オンラインサービスなどが提示する金額に幅があり、どこに任せればいいのか迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか。

今回は、商標登録にかかる費用をまとめ、弁理士への依頼の費用を検討する際に気をつけるべきポイントについて解説します。

1.商標登録とは

(1)商標登録とは

商標とは、商品やサービスを「だれが作ったものか」を認識するために使用される標識(文字、図形、記号、立体的形状など)を指す言葉です。例えば「コカコーラ」はコカコーラ社が製造する清涼飲料水の商品名を表す商標であり、「宅急便」はヤマト運輸株式会社のサービス名を表す商標として登録されています。

これらの商標は商品の識別だけではなく、品質保証まで示すことができ、ほかの類似商品・サービスとの差別化や広告宣伝効果にも関わってきます。商品名やサービス名を商標として取り扱うためには、特許庁が定める商標権が必要になります。

商標権を得た商品やサービスを「登録商標」といい、商標登録者はその商標を独占的、排他的に使用することができます。

商標登録とは、この商標権を特許庁に申請して認可されるまでの行政的な手続きのことを示します。商標登録は早い者勝ちのため、法人、個人、企業規模の大小に関わらず毎年多くの人が手続きをしている状況です。

(2)商標登録によって得られる利点

商標には【自他商品区別】【出所表示】【品質保証】【宣伝広告】の機能があり、それらの機能を最大限に活かすことでマーケティングやブランディングの効果を大いに高めることができます。商標権を一度登録することでその商標を「類似商標まで」「全国的な営業地域で」「(更新をすれば)半永久的に」独占して使用することができます。

そのため、商標登録の利点をまとめると以下のポイントになります。

  • 登録商標を自分だけが独占的に使用できる。
  • よく似た商標の登録を防ぐため、他社商品やサービスと混同されにくくなる。
  • 「登録商標マーク ®」(registered trademark)を付けることで、顧客からの信頼性やブランド価値を高めることができる。
  • 知的財産権(商標権)が得られ、更新を行なうことで半永久的に保持できる。
  • 模倣商品・サービスの使用差し止め、損害賠償請求ができる。

個人・法人問わず、年間10万件以上の商標権が毎年出願されています。商標権は早い者勝ちとなりますので、自分たちの商品やサービスできちんと商標権を出願できるよう、プロセスやコストなどを確認する必要があります。

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2.商標出願の手続きと期間

商標登録に関する手続きの主な手続きと必要な期間は以下となります。

(1)調査

まずは商標登録をしたい商品やサービスが商標権を獲得できる可能性を探るため、すでに似たような商標が登録されていないかについて調査します。特許庁への出願には後述する出願費用がかかり、商標登録が拒絶された場合でもこの費用は返ってこないため、この調査の段階が今後を左右する非常に重要なポイントになります。

莫大なデータから商品・サービスの内容を精査する必要があるため、弁理士などプロの専門家に依頼した場合は通常1〜2週間で済みますが、個人ではより多くの時間がかかってしまう点に注意が必要です。

(2)出願

調査により商標権取得の可能性が高いことが分かったら、次は特許庁への出願種類を作成し提出します。商標権の出願区分は商品で34種類、サービスで11種類に分かれており、選択する区分の数によって商標権取得の権利範囲が異なります。

一度の出願で平均して3区分ほどに出願すると言われています。区分は多岐にわたり、これからの商品戦略も含めて決める必要があるため、自社の商品やサービスをどの区分で出願するかについては専門家と相談して決めることをおすすめします。

(3)審査

特許庁に出願書類が提出されると、数ヶ月から1年ほどで審査が行なわれます。特許庁の審査は30項目にのぼり、商標権の侵害がないか、類似性のある商品やサービスがすでに存在していないかについて精密に審査が行なわれます。もし商標権の出願内容の中に認められない理由があった場合、「拒絶理由通知」が送られてきます。理由に対し的確な反論を行なうことで認められることもあるため、一度拒絶された方と言って必ずしも審査に通らないというわけではありません。

また審査期間中は出願書類を書き換えたり書き足したりができないため、出願書類の作成時に申請漏れ、記入漏れがないかどうか入念なチェックが必要です。

(4)登録

特許庁から許可が出たら、正式な登録手続きに進みます。商標登録は特許庁で行なわれ、今後の商標権は特許庁で管理されます。権利発生や失効、更新などの手続きも登録後は特許庁との手続きが必要になります。

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3.商標登録にかかる費用

商標登録を弁理士などの専門家に依頼する場合は、プロセスや出願区分数などに応じて費用がかかります。商標登録にかかる主な費用を流れに沿ってご紹介します。

(1)出願時の費用

まず特許庁に出願する時点で、特許庁に支払う出願費用(出願時特許庁印紙代)がかかります。出願には1区分で最低12,000円の費用がかかり、区分が増えることで1区分につき8,600円ずつ費用が加算されます。権利が認められなかった場合でも返金されません。

出願のコストや期間を無駄にしないためにも、出願前の入念な事前調査が重要になります。専門家に依頼することでスピーディーかつ詳細に調査を進めることができますが、多くの場合はこの時点で弁理士に支払う調査費用がかかります。調査費用は無料~数万円程度が相場ですが、オンラインサービスなどで調査費用が無料の場合もあります。その場合は登録時の成功報酬が他事務所よりも高い水準である場合があるため、弁理士に払う費用は総合的に考える必要があります。

また、弁理士に支払う出願時の費用は区分数などや事務所のポリシーによって異なってきますが、3万円~5万円程度の事務所が多いようです。

(2)審査時のコスト

特許庁での審査時、スムーズに許可が出れば問題はありませんが、不許可の場合は拒絶理由通知が出され、特許庁との交渉が必要になります。弁理士が拒絶理由通知への対応書や意見書を作成する場合、交渉の工数や内容の重さなどに応じて専門家に支払う費用が必要になります。

一般的なケースであれば内容が軽微なものであれば無料、再度詳しい調査が必要になるなど対応が難しい場合には1件あたり数万円ほどの費用がかかることが多いです。

なお、この工程でのコストは一部の格安業者などで多額の見積もりを出す場合が多いため、拒絶理由通知の可能性を事前に見込んだ上で専門家選びを行なうことをおすすめします。また拒絶理由通知の対応や商標権が取得できなかったケースなどを恐れて出願時に権利範囲を狭く申請するという対応をする場合もありますが、その場合はせっかく商標を得ても他社にほかの範囲での権利を奪われてしまう可能性もあるため、拒絶を恐れず商品やサービスに沿った内容で申請した方が良いです。

(3)登録時のコスト

特許庁で許可が出た場合、登録日から30日以内に登録料を特許庁に支払う必要があります。登録料は10年分で28,200円×区分数、5年分で16,400円×区分数となります。

なお、成功報酬型の契約の場合はここで弁理士に成功報酬を支払いますので、弁理士費用は1区分あたり10,000円〜30,000円×区分数となります。

(4)更新時のコスト

特許庁での商標権の管理には期限があるため、商標権の期限が切れる前に更新を行なう必要があります。その際の手続きや必要書類の提出などの特許庁のやりとりを弁理士が行なう場合はその手数料がかかります。特許庁は登録商標の期限管理をしないため、更新手続きを怠ると商標権が消滅してしまいますので、商標権登録後のアフターフォローも含めて信頼できる専門家と一緒に申請することをおすすめします。

(5)その他のコスト

商品やサービスを海外にも展開したい場合でも、商標権は申請した国のみで保護されるものになります。海外企業に模倣される可能性がある場合、事業を展開する国ごとに商標登録の出願が必要になります。その場合は(1)〜(4)の基本費用に加え、翻訳費用や現地の代理人を雇う費用などが加算されます。

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4.まとめ

商標登録にかかる費用をこれまで紹介しました。商標を登録すればお客様の信頼やブランディング価値、マーケティング効果を高めることができる反面、商標登録にかかるプロセスが多く、多くの知識や事前準備が必要になります。

年間10万件以上の申請があるため、代理人や弁理士が提示する費用も格安なものなどさまざまなパターンがありますが、入り口の安さに惑わされず、全体の総コストを確認した時に不要な費用を支払う必要のない代理人を見つけることが重要なポイントになります。

 

ABOUT ME
知財編集部
知財に関する専門家です。 わかりやすい記事の監修を心がけています。

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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