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【新規上場企業分析】 Macbee Planet(マクビープラネット)のIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

概要

Macbee Planetの基本情報

はじめに株式会社Macbee Planetの基本情報を紹介します。上場日は2020年3月31日、市場はマザーズ、想定時価総額は60.0億円、上場時の時価総額は70.7億円でした。

会社名 株式会社Macbee Planet(まくびーぷらねっと)
設立日 2015年8月25日
上場日 2020年3月31日(承認日:2020年2月25日)
市場 マザーズ
証券コード 7095
業種 サービス業
決算期 4月
ホームページアドレス https://macbee-planet.com/
発行済株式総数 2,640,000 株(2020 年 2 月 25 日現在)
上場時発行済株式総数 3,010,000 株
※公募分を含む。 
※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。
公募株数 370,000 株
想定価格 1,860円
想定時価総額 60.0億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
初値 2,348円
上場時時価総額 70.7億円(※上場時発行済株式総数×初値で計算)
時価総額 85.5億円 (2020年8月26日現在)
資本金 394,000 千円(2020年4月現在)
1単元の株式数 100株
監査人 東陽監査法人
主幹事証券会社 SBI証券
引受幹事証券会社

SMBC日興証券
みずほ証券
岩井コスモ証券
エース証券
極東証券
東海東京証券
マネックス証券
藍澤證券
エイチ・エス証券
東洋証券
むさし証券

Macbee Planetの沿革

株式会社Macbee Planetは、2015年に東京都で創業しました。
企業のマーケティングを支援する事業を運営しており、創業から5年後の2020年3月に東証マザーズへ上場を行っています。

2015年8月 東京都渋谷区渋谷に株式会社Macbee planetを設立
データ解析プラットフォーム「ハニカム」をリリース
2017年11月 Web接客ツール「Robee」をリリース
2018年10月 東京都渋谷区渋谷に研究開発拠点「TECH LABO」を開設
2018年12月 福岡県福岡市に営業活動拠点「福岡オフィス」を開設
2020年4月 東証マザーズに上場

事業内容

Macbee Planetは、「革新的なマーケティングにより、世界を牽引する企業になる」というビジョンのもと、企業のマーケティング支援を軸とした事業運営を行っています。
事業系統は、Webメディアの一元管理とデータ分析を行うことを目的とした「アナリティクスコンサルティング事業」消費者行動の予測を行う「マーケティングテクノロジー事業」の2つのセグメントに分割されており、どちらの事業も企業のマーケティングをサポートする事業です。
Macbee Planetで運営されている事業系統と主要な事業セグメントを表した図は以下の通りです。

  1. アナリティクスコンサルティング事業
  2. マーケティングテクノロジー事業 macbee planetの事業系統図

① アナリティクスコンサルティング事業

アナリティクスコンサルティング事業は、Web広告運営の最適化を行うことで、顧客企業のマーケティング活動の戦略立案や運用支援を行うことを目的とした事業セグメントです。

この事業では、Macbee Planetで開発されたデータ解析プラットフォーム「ハニカム」というツールが利用されています。
「ハニカム」は、複数のメディアに出向しているWeb広告の一元管理を行うツールです。
このツールは、広告運用の簡略化や広告効果の可視化を目的としており、「ハニカム」によって分析され可視化されたデータをもとに、Macbee Planetは、顧客に対してマーケティング目標に合致した適切な出稿先を選定し、クライアントのマーケティング活動の戦略立案や運用支援を行います。

また、Macbee Planetは、顧客と成果地点を定め、成果地点に連動した報酬を受け取る形で顧客から報酬を受け取ります。
成果地点とは、「ユーザーが仮登録した地点」「資料を申し込んだ地点」「商品を注文し、代金が支払われた地点」などを示し、Macbee Planetは、顧客との間で報酬が発生する成果地点を決定します。

一般的には、仮登録<資料申し込み、資料申し込み<商品注文のように成果地点に応じて難易度が上がるため、成果報酬の単価は、通常、難易度が高い成果地点を選択するとその分高くなります。

② マーケティングテクノロジー事業

マーケティングテクノロジー事業は、データ解析と機械学習によって消費者の行動を予測することで、顧客企業のマーケティング活動の戦略立案や運用支援を行うことを目的とした事業セグメントです。

この事業では、Macbee Planetで開発された接客ツール「Robee」というツールが利用されています。「Robee」 は、顧客企業のWebサイトへ到達したユーザーの成約率や離脱率、Webサイト内での滞在時間などの「消費者行動」をレポート化し、マーケティング活動における課題を抽出するためのツールです。

Macbee Planetは、「Robee」によってレポート化された「消費者行動」をもとに戦略策定を行います。
ここで策定される戦略は、「どのような点を改善すれば、Webサイトの訪問から注文まで行うユーザー割合を増やすことができるのか」や「どのような取り組みを行うことでユーザー解約率を低下させることができるのか」などユーザーの「消費者行動」を根拠とした趣旨の戦略です。

この事業セグメントにおいてMacbee Planetは、施策による成果をベースに計算される成果報酬、もしくはサービスの利用期間に応じて計算される定額報酬で顧客から報酬を獲得します。

有価証券報告書情報

経営指標(過去3期分)

第5期の業績は以下の通りです。

  • 売上高:64.7億円(前年比+38.0%)
  • 経常利益:3.6億円(前年比86.7%)
  • 当期純利益:2.6億円(前年比+89.2%)
第3期 第4期 第5期
決算年月 2018年4月 2019年4月 2020年4月 
売上高(百万円) 3,361 4,685 6,466
経常利益(百万円) 108 195 364
当期純利益(百万円) 79 139 263
純資産額(百万円) 156 296 1,331
総資産額(百万円) 925 1,348 2,316
自己資本比率 16.9% 22.0% 57.5%
営業キャッシュフロー(百万円) 114 150 240
投資キャッシュフロー(百万円) △19 △27 △21
財務キャッシュフロー(百万円) 327 4 584
現金・現金同等物の期末残高(百万円) 438 566 1,370
従業員数 26人 45人 60人

 

経営指標(過去5期分)

5期の業績を見ると、経営指標の数値変化が非常に激しい経営指標であることがわかります。
Macbee Planetは創業から5年というスピードで上場し、売上等の増加は指標を見る限り驚異的です。

また、発行済株式総数が2度にわたり大幅に変化していますが、Macbee Planetは、2017年10月6日付で普通株式1株につき2株、2019年12月4日付で普通株式1株につき1,500株の株式分割を行っています。

第1期 第2期 第3期 第4期 第5期
決算年月 2016年4月 2017年4月 2018年4月 2019年4月 2020年4月
売上高(百万円) 6 719 3,361 4,685 6,466
経常利益(百万円) 103 108 195 364
当期純利益(百万円) 68 79 139 263
資本金(百万円) 8 8 8 8 394
発行済株式総数 880 880 1,760 1,760 3,097,900
純資産額(百万円) 8,832 77 156 296 1,331
総資産額(百万円) 13,661 296 925 1,348 2,316
自己資本比率 64.7% 26.0% 16.9% 22.0% 57.5%
従業員数 7人 12人 26人 45人 60人

セグメント別業績

第5期のセグメント別の売上実績は、以下の表の通りです。
販売実績の内訳は以下の通りで、アナリティクスコンサルティング事業の数字が全体のほぼ全てを占めています。
一方で、前年と比較した売上実績の伸び率はマーケティングテクノロジーの方が上回っています。

  • アナリティクスコンサルティング事業:98.2%
  • マーケティングテクノロジー事業:1.8%
指標 全体 アナリティクスコンサルティング事業 マーケティングテクノロジー事業
売上高(百万円) 6,466 6,349 116
売上高前年同期比 138.0% 137.7% 154.7%
営業利益(百万円) 374
営業利益前年同期比 188.5%
経常利益(百万円) 364
当期純利益(百万円) 263

 

Macbee Planetは、2020年7月に株式会社サイバーセキュリティクラウドと、サイバーセキュリティとマーケティングを組み合わせた新たなサービスを共同開発することを発表しました。

この共同開発は、Macbee Planetが持つマーケティング分野と、サイバーセキュリティクラウドが持つインターネットセキュリティ分野の強みを活用して開発されるサービスです。

このサービスは、新型コロナウイルスの影響などで急速に拡大するインターネット市場の拡大を背景としたサイバー攻撃対策の需要拡大をバックグラウンドに開発を決定したと発表されています。

以下は、Macbee Planetとサイバーセキュリティクラウドによる新サービスの開発について執筆された記事URLです。

2020年7月のサイバーセキュリティクラウドとの共同開発に関する記事

CSCとの共同開発の画像

 

上場時の株主構成

上位10位までの株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
MG合同会社 1,452,000 49.72 180日間
小嶋雄介 768,000 26.30 180日間
松本将和 340,500 11.66 180日間
長谷川正和 162,000 5.55 90日間
浦矢秀行 94,500 3.24 180日間
千葉知裕 21,000 0.72
高原英実 15,000 0.51
小嶋美穂 13,500 0.46
前橋匠 10,500 0.36
高松ちひろ 7,500 0.26

上場時(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

公募価格は1,830円、吸収金額(調達額)は21.1億円とされています。
また初値は、2,348円となりました。

仮条件 1,830円 ~ 1,990円
公募・売出価格 1,830円
想定価格 1,860円
初値 2,348円(公募価格比+28.3%)
公募株数 370,000 株
売出株数 633,500 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 150,500 株
吸収金額(調達額) 21.1億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算)

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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