自己破産は自分で出来る？手続きの流れやポイントを紹介

自己破産したいけど、弁護士に支払うお金もないし、自分で手続きできるのかな？

そんな理由から、自分で手続きをしようかなって思ってる人もいるんじゃないかな？

自己破産の手続きは自分でもできるんだよ。

いってしまえば、必要な書類を集めて裁判所に提出するだけだから。

破産法(自己破産のルールをまとめた法律)にも、自分でやってはいけないとは書かれていないからね。

ただ、自己破産の手続きは複雑でデメリットも多いから、実際に自分でやり通すのは難しいんだ。

多くの人は、法律事務所に依頼して自己破産の手続きを代行してもらっているよ。

その証拠に「2020 年破産事件及び個人再生事件記録調査」では、2020年に自己破産を行った人のうち、自分で手続きを行った人は1240人中わずか9人だったんだ。

さいむくんはこの9人に肩を並べられるかな？

それを見て、自分でやるかどうか判断するのでも遅くはないと思うから！

自己破産では、借金の返済義務をなくすにあたり、借金額はいくらか、所有している財産はどれくらいか裁判所に報告しないといけないからね。

借金額と収入を照らし合わせて、どうやっても借金が返済できないかどうかを確認しないといけない。

それに、高価な財産を所有している場合には、借金の返済義務をなくす代わりに財産を処分しないといけない。

だから、裁判所に報告するために、借金額や財産について正確に把握しないといけないんだね。

例えば、過去の返済履歴や、自分の預貯金の残高など調べて、裁判所に書類で提出しないといけないよ。

そもそも書類の不備で自己破産の手続きが開始されない可能性もあるよ。

自己破産のNG行為については「免責不許可事由に該当して自己破産が認められない可能性がある」で解説するからね。

どんな書類が必要なのかは人によって異なりますが、おおむね次の通りだよ。

これらの書類は、「人によっては」揃えなければならない書類。

以下のリストは、破産の申立てをする人が、必ず、用意しなければならない書類の一覧だよ。

ただし個人的には、裁判所へ行って、裁判所職員の方に書き方などを聞くことをおすすめするよ。

でも、書類さえ揃えてしまえば、あとは提出するだけなんですよね？

なんだか罪を犯したみたいで、いやだな…。

破産管財人は、簡単にいえば裁判所のサポート役で、財産の処分などを行う人のこと。

財産の管理や処分を行うために、詳細な状況の打ち合わせが必要になるんだね。

もっともこれは、20万円以上の財産があるなど、財産調査が必要な場合。

財産調査が不要であれば、破産管財人との打ち合わせもないんだよ。

破産管財人の打ち合わせでは、下記のような内容が聞かれるよ。

そもそも、自己破産は大きく2つのステップに分かれるんだ。

この段階では、ちゃんと反省しているか確認するために裁判所に出向かなければならない場合があるよ。

裁判所では、裁判官との面接があるんだ。

でも、特に問題がなければ自己破産が認められるからね。

しかも、裁判所に行かなきゃいけないかもしれないとか、めんどくさい…。

もちろん、お金を払って弁護士に依頼した方がいいってことはわかるんですけど。

自己破産を自分でやるデメリットとかあるんですか？

これは、弁護士が送る受任通知の効果。

自己破産を弁護士が請け負いましたよという通知なんだけど、これを送られると、債権者からの取り立ては法律上禁止されるんだ(貸金業法第21条第1項第9号)。

でも、自分で自己破産をする場合、自己破産の手続きが始まるまで取り立てを止めることはできないんだね。

もし自己破産を弁護士に依頼したときには、最短でその日に受任通知が送られるよ。

それに、自己破産を申し立てるための書類の準備は、弁護士でさえ2~3ヶ月はかかる。

自力で早めに申し立てられればいいけど、手続きが開始されるまで、最短でも約1ヶ月は取り立てが続くと考えておこう。

とはいえ、裁判所って土日は休みだから、お休みの日に裁判所に聞きに行くことはできないんだ。

自己破産が認められない行為などのことを免責不許可事由というんだ(破産法第252条第1項)。

例えば下記のようなケースが該当する。

他にも、財産の処分が終わった後、債権者集会というものにも参加しないといけない。

債権者集会ってのは、財産の換金、分配の状況を債権者に知らせる集会なんだね。

債権者集会だからって特に何かするわけではないし、債権者に詰められたりすることもないし、ほとんどのケースでは債権者が来ないことが多いらしいけどね…。

すべての借金の返済義務をなくすワケだから、ちゃんと申告が必要なんだね。

万が一申告から漏れた債権者がいる場合、申告漏れをした借金の返済義務が免除されない可能性があるんだ。

弁護士に依頼していれば、二重にチェックしてくれるし、申告漏れの心配も少なくなるだろうね。

自己破産で債権者の申請漏れをしてしまった場合の扱いや対処法については、こちらの記事でも解説しているから参考にしてね。

返済義務が残るってのは、つまり取り立ても続くんだ。

借金の返済義務が残り続けると、債権者は差し押さえなどを行い、借金を回収しようとする。

もちろん、さいむくんに財産がなければ、回収しようもない。

でも、裁判を経て差し押さえを行われる場合、差し押さえはいつでもできるようになるんだ。

だからさいむくんが生活を立て直した頃に差し押さえを受けるかもしれない。

それに、さいむくんが亡くなった場合、借金は家族に相続されることになるよ。

弁護士に相談すれば、自己破産以外の債務整理で解決できないかも考えてくれるからね。

借金の返済義務は、自己破産をしない限りなくせないんだ。

忘れた頃に財産を差し押さえられてしまわないように、弁護士に相談してみたほうがいいよ。

先ほど、裁判所に対して「破産手続開始・免責許可申立書」を提出しなければならないと紹介したよね。

この書類には、「破産手続開始の原因となる事実」とか、「債務者の財産に関してされている他の手続又は処分で申立人に知れているもの」などを記入しなければいけないんだ。

確かに自己破産の手続きは、書類を準備して裁判所に提出！とシンプルではあるけど、その書類の作成自体がとても難しいので、個人でやるのは大変だと思うよ。

もし書類に不備があったら、破産が認められないことになっちゃうんですか？

でも、裁判所から通知があるなら、安心ですね！

では先生、弁護士に依頼するメリットも教えてもらえますか？

これは、「手続きの開始まで取り立てが止まらない」でも解説したけど、受任通知という通知が、債権者に送られるからなんだ。

受任通知は、弁護士が依頼を受けた際に債権者に送る通知。自己破産を担当しますよ、以後の連絡は弁護士にくださいという挨拶みたいなものだね。

でも、受任通知が届いたあとの取り立ては、法律で禁止されているんだよ。

だから今までの返済分を弁護士費用にあてることもできるってワケだ。返済と弁護士費用を二重で負担する必要もないんだよ。

さきほど、自己破産には用意すべき書類が多いことを紹介したけど、これらの書類は弁護士が集めて作成することができるため、書類不備になることがほとんどないことが理由のひとつなんだ。

そういえばさいむくん、自己破産は、ギャンブルや浪費などが原因でつくった借金は免責されにくいって知ってたかな？

したがって、さいむくんがギャンブルを理由に借金をつくってしまっていても、弁護士が裁判官を説得できれば、自己破産が認められることになるんだ。

こうした面談にひとりで出席するのは、けっこう不安ではないかな？

実は自己破産手続きは司法書士に依頼することもできるのですが、司法書士の場合にはこうした面談に同席することはできず、ひとりで対応をしなければならないんだ。

借金や収入によっては他の債務整理のほうが合っている場合もあるんだ。

自己破産にも条件があるから、「自己破産じゃなくても解決できる」と裁判所に判断されてしまえば、自己破産の申立ては却下されてしまうしね。

例えば、収入がある程度あるのに返済が苦しいという場合には、支出を見直せないか考えてくれる。

そうすれば自己破産しなくていいかもしれないよね。

だから僕は、自分で自己破産しようと思ったんですけど…。

借金の返済ができないなら、弁護士費用が払えない人も多いんじゃないんですか？

まず、手続きを弁護士に依頼した際の、自己破産にかかる費用はこんな感じだよ。

弁護士費用を1回で支払えるなら、最初から返済にあてているはずだしね。

「取り立てが止まる」でも解説したけど、取り立てが止まれば、今まで返済にあてていた分は弁護士費用にあてることができるんだ。

弁護士費用も分割払いなら、無理なく支払っていけるよね。

分割回数は法律事務所により多少の差があるけど、しっかりしたところなら、分割回数はきちんと明示してくれるから安心してね。

法テラスは国が設立した機関で、解決方法が分からない法律トラブルについて、相談にのったり、弁護士などに依頼ができるんだ。

法テラス経由で弁護士に依頼すれば、相場よりも安く、自己破産をしてくれるからね。

例えば、法テラス埼玉で自己破産を行った場合の費用は、こんな感じだよ。

確かに弁護士費用は高額だけど、自分で手続きして失敗すると、時間もお金もムダになるし、取り立ても再開しちゃうんだ。

それなら、弁護士費用を支払って、以降借金の返済をなくしてしまったほうが、早く借金から解放されるよね。

お金がないから自己破産はできないと思い込まず、まずはいくつかの法律事務所で、事情を相談してみたらどうかな？

これは、自己破産の手続きの指揮をとるのが、裁判所だからなんだ。

だから、ぼくたちの都合で手続きする借金を選べないんだ。

もし特定の債権者だけ優遇して返済するようなことがあると、他の債権者からしたら不公平だよね。

自己破産が認められない原因にもなってしまうから注意が必要だよ。

もし事情があって手続きしたくない借金があるなら、まずは弁護士にそのことを相談するのがおすすめだね。

自己破産は、高価な財産を処分する代わりに借金の返済義務をなくす手続きだからね。

例えば、持ち家や車は、処分される可能性が高い。

だから、家族に隠し通すのは無理じゃないかな？

また、処分できるような高価な財産がなかったとしても、自己破産では家族の給与明細や家計簿を提出しないといけない。

家族にバレずに自己破産をするのは難しいかな。