自己破産

自己破産の流れは?かかる期間や必要書類も解説

さいむくん
さいむくん
先生、僕自己破産をしようと思ってるんだけど、自己破産の手続きにかかる期間ってどのくらいなの?

1分1秒でも早く、借金から解放されたいんだ!

そうだね。自己破産の手続きにかかる期間は、おおよそ6ヶ月~1年ほどだよ。

ただし、自己破産の手続きにも色々あるし、どのくらい早く書類が集まるかなどにも左右されるんだ。

じゃあ今日は、自己破産の手続きにどのくらいの期間がかかるのか、手続きごとに教えてあげよう。

せんせい
せんせい

自己破産を検討されている方や、自己破産をしている方は、一刻も早く借金から解放されたいですよね。

時間がかかると、「自己破産が認められないのでは?」と不安になります。

自己破産の手続きにかかる期間はおおよそ6ヶ月~1年程度ですが、手続きや書類がどのくらい早く集まるのかなどによっても左右されます。

この記事では、自己破産の手続きごとにかかる期間や流れ、自己破産の手続きを最短にするコツ、自己破産の影響が続く期間などを解説します!

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この記事の内容
  1. 自己破産にかかる期間は6ヶ月~1年
  2. 自己破産の手続き別にかかる期間
  3. 自己破産の手続き別の流れ
  4. 自己破産にかかる期間を最短にするコツ6つ
  5. 自己破産よりも早いのは任意整理:3~6ヶ月程度
  6. 自己破産による影響が続く期間は?
  7. 自己破産をスムーズに進めるなら弁護士に相談しよう
  8. まとめ

自己破産にかかる期間は6ヶ月~1年

せんせい
せんせい
まぁさっき答えちゃったけど、自己破産にかかる期間はおおよそ6ヶ月~1年程度だよ。

自己破産の申し立てまでに2~3ヶ月かかる

せんせい
せんせい
自己破産にかかる期間は6ヶ月~1年程度だけど、実際弁護士に相談してから自己破産の申し立てにかかる期間は早くて2~3ヶ月くらいなんだ。

これは、相談をしたり、書類作成などにかかる期間なんだね。

ずいぶん大がかりなんですね…。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうだね。弁護士でさえ、書類作成に数ヶ月かかるし、書類を集めるだけでも時間がかかる。

この期間が長くなってしまうのは、「書類が集まるか」だけじゃない。「弁護士費用が払えるか」にもよるんだね。

どういう意味ですか?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
自己破産にかかる弁護士費用は分割払いもできる。

ただし、弁護士費用の支払いが終わってからでないと、自己破産の手続きに進めないケースが多いんだ。

裁判所の費用もかかるから、途中で払えないってなると弁護士も対応できなくなってしまう。

だから弁護士費用を払い終わってから、自己破産に着手ってことになるよ。

弁護士費用はたしか多くて12回払いくらいのケースが多いから、長いと準備に1年くらいかかっちゃうんですね。

まぁ…依頼した段階で取り立ては止まるんで、そこまで負担はないとは思いますが…。

ともだち
ともだち

自己破産は手続きによってかかる期間が異なる

せんせい
せんせい
さっき話した通り、自己破産の手続きによってかかる期間は異なるんだ。自己破産の手続きはこんな感じだよ。
同時廃止事件(どうじはいしじけん)
  • 財産が20万円以下など費用がない、免責不許可事由に該当しない場合に適用される手続き
  • 財産を没収されない
  • 財産調査がないので手続き期間が短い
管財事件(かんざいじけん)
  • 財産が20万円以上、借り入れ数が多い、負債総額が5,000万円以上のような規模が大きい場合に適用される手続き
  • 財産調査が必要になるので手続きに時間がかかる
少額管財事件(しょうがくかんざいじけん)
  • 管財事件を簡易化した手続き
  • 財産が20万円以上で弁護士が申し立てるなどした場合に適用される
  • 財産調査が必要になるので手続きに時間がかかる

※各裁判所によって運用が異なる点は注意

余談だけど、日本弁護士連合会の統計によると、2020年の自己破産の約68%が同時廃止事件らしい。
せんせい
せんせい

同時廃止【引用:2020 年破産事件及び個人再生事件記録調査 – 日本弁護士連合会 消費者問題対策委員会

同時廃止事件になれば期間もそこまでかからないからね。

じゃあ、自己破産の手続き別に細かく期間とを解説していくね!

せんせい
せんせい

自己破産の手続き別にかかる期間

せんせい
せんせい
じゃあ、自己破産の手続き別にかかる期間と、流れを解説していくね!

下記は自己破産の申し立てから自己破産が認められるまでの期間だよ。

手続き かかる期間
同時廃止事件 約3~4ヶ月
少額管財事件 約4~6ヶ月
管財事件 約6ヶ月~1年

同時廃止事件:約3~4ヶ月

せんせい
せんせい
まずは同時廃止事件。かかる期間はこんな感じだよ。
相談から申し立てまで 約2~3ヶ月
申し立てから自己破産が認められるまで 約3~4ヶ月
トータル 約5~7ヶ月
他の手続きから考えるとかなり早いですね。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
自己破産は、一定以上の財産を失う代わりに返済義務がなくなる手続きなんだ。

ただ借金をなくすんじゃなくて、一定上財産があるなら、売却して貸主(債権者)に平等に分配するんだね。

でも同時廃止事件は財産がない場合に適用されるから、財産の調査・売却という工程がないんだ。だから早いんだよ。

同時廃止事件になるケース

さいむくん
さいむくん
先生、僕も同時廃止がいいんですけど!どうしたら同時廃止になりますか?
そうだね。同時廃止になるケースはこんな感じかな。
せんせい
せんせい
同時廃止になるケース
  1. 20万円以上の価値があるものを持っていない(預貯金・持ち家・車・保険の返戻金 など)
  2. 現金33万円以上を持っていない
  3. 免責不許可事由に該当しない
せんせい
せんせい
①②は、各裁判所によっても異なるよ。これは東京地裁の場合。

大阪地裁の場合は、預貯金・現金合わせて50万円以上なら、管財事件になるんだね。

各裁判所によって違うから、弁護士に相談した方が確実だよ。

免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)ってのはなんでしょうか?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
免責不許可事由ってのは、自己破産が認められない行為のことだよ(破産法252条)。
免責不許可事由に該当する行為
  • 没収されたくないからと財産を隠す・他人に贈与する
  • 特定の債権者にだけ優先して返済する・特定の債権者だけを手続きから除外する
  • 借金の原因が、収入に見合わない浪費・ギャンブルによるもの
  • 自己破産開始の申し立ての1年前から借金が返済できない状態なのに、嘘を吐くなどしてクレジットカード等を利用する行為
  • 破産管財人の調査に協力しない・必要な書類等を提出しない など
虚偽申告とか、裁判所の手続きに協力しないとか、借金の原因がギャンブルや浪費とか、色々あるんだ。

財産の虚偽申告や、ギャンブルや浪費が原因の借金なら、ちゃんと調べないとねってことで、管財事件になっちゃうんだね。

せんせい
せんせい
ともだち
ともだち
まとめると、財産がなくて、免責不許可事由に該当しなければ、同時廃止事件になる可能性が高いんですね。

少額管財事件:約4~6ヶ月

せんせい
せんせい
次は少額管財事件だね。かかる期間はこんな感じだよ。
相談から申し立てまで 約2~3ヶ月
申し立てから自己破産が認められるまで 約4~6ヶ月
トータル 約6~9ヶ月
財産が20万円以上ある場合、基本は管財事件になる。ただ、管財事件は裁判所の費用が50万円くらいと高額なんだ。

高額になる理由は破産管財人(はさんかんざいにん)が選任されるからだね。

破産管財人ってのは、財産の処分なんかをやってくれる弁護士なんだけど、財産があるとこの人の報酬が費用に上乗せされるので高額になるんだ。

これじゃ自己破産を利用できないよねってことから運用され始めたのが「少額管財事件」なんだね。

少額管財事件の場合は、弁護士が財産をある程度整理した上で、自己破産を申し立てるから、破産管財人の手間も少ないんだ。

だから、費用も安く、手続き期間も短くなるんだね。

せんせい
せんせい

少額管財事件になるケース

さいむくん
さいむくん
少額管財事件にしたいとは思わないですけど、どんな時に少額管財事件になるんですか?

やっぱり財産がある場合でしょうか?

そうだね。少額管財事件になるケースはこんな感じかな。
せんせい
せんせい
少額管財事件になるケース
  1. 20万円以上の価値があるものを持っている(預貯金・持ち家・車・保険の返戻金 など)
  2. 現金33万円以上を持っている
  3. 免責不許可事由に該当する行為があった
  4. 借金総額500万円を超える
  5. 弁護士が自己破産を申し立てた
せんせい
せんせい
①~③は同時廃止事件にならない条件だからわかるよね。

①~③のいずれかを満たした上で、借金総額が500万円以上と高額になると、少額管財事件ではなく、通常の管財事件になる傾向があるよ。

借金総額が大きいと、債権者数が増えたり、借金の確認が大変だからね。

だから法人や企業の自己破産だと、管財事件になりやすいんだ。

借金総額がそこまで大きくなくて、かつ、弁護士が申し立てていれば少額管財事件になる可能性が高いといえるね。

管財事件:約6ヶ月~1年

せんせい
せんせい
最後は管財事件。かかる期間はこんな感じだよ。
相談から申し立てまで 約2~3ヶ月
申し立てから自己破産が認められるまで 約6ヶ月~1年
トータル 約8~15ヶ月(1年3ヶ月)

管財事件になるケース

せんせい
せんせい
管財事件は、少額管財事件の所で話した通り。
管財事件になるケース
  • 20万円以上の価値があるものを持っている(預貯金・持ち家・車・保険の返戻金 など)
  • 現金33万円以上を持っている
  • 免責不許可事由に該当する行為があった
  • 借金総額500万円を超える・債権者数が300名以上など大多数の時
  • 債務者が個人ではなく法人・企業
  • 自分で自己破産を申し立てた
管財事件の特徴としては、借金総額や債権者数が多いかどうか。債務者が企業であるかどうか。

そして、自分で自己破産を申し立てると管財事件になる可能性が高いよ。

財産関係について、弁護士がある程度チェックしていないと、破産管財人の手間も増えちゃうからね。

まぁ、管財事件はめったにならないからそこまで不安にならなくていいけど…。

少しでも管財事件になる可能性をなくすなら、弁護士に依頼した方がいいね。

せんせい
せんせい

自己破産の手続き別の流れ

せんせい
せんせい
ここまで、各手続きにかかる期間を紹介したけど、実際どんな流れで進むのか気になるよね。

流れを理解しやすくするために説明すると…自己破産では「破産」と「免責」は別で、この2つをあわせて自己破産になるんだ。

①破産 財産の調査・処分、債権者に分配する手続き
②免責 借金の返済義務をなくすかどうか裁判所が決める手続き
ここでは、この破産と免責のブロックに分けながらわかりやすく解説するね。
せんせい
せんせい

自己破産の基本的な流れ

せんせい
せんせい
自己破産は各手続きによって流れが微妙に違うんだけど、前半は一緒なんだ。全体像はこんな感じだね。
申し立て前
2~3ヶ月
①弁護士に自己破産を依頼
②弁護士に着手金を支払う
③必要書類の準備
破産手続き開始決定 ④自己破産の申し立て・即日面接
⑤面接(破産審尋)
同時廃止事件 管財事件・少額管財事件
⑥破産手続開始決定・同時廃止決定
⑦意見申述期間
⑥破産手続開始決定・破産管財人の選定
⑦引継予納金の納付
⑧破産管財人との打ち合わせ
⑨債権の調査
⑩債権者集会・免責審尋
免責確定:約1~2ヶ月 ⑧免責審尋
⑨免責許可決定
⑩免責確定
⑪免責許可決定・免責確定
⑫債権者への配当
基本的に、⑥破産手続開始決定~免責の間が違うんですね。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうだね。財産を売却・債権者に分配って手続きがあるかないかの違いだね。

どちらの手続きにも共通する部分まで解説していくね!

申し立て前:2~3ヶ月

せんせい
せんせい
自己破産を申し立てる前の流れはこんな感じだよ。この辺は想像できるんじゃないかな?
  1. 弁護士に自己破産を依頼
  2. 弁護士に着手金を支払う
  3. 必要書類の準備

自己破産申し立て~破産手続き開始決定

申し立て後の流れ

④自己破産の申し立て・即日面接
⑤面接(破産者審尋)

せんせい
せんせい
ここの手続きが破産に該当する部分だね。

自己破産を申し立てると、行われるのが面接なんだ。面接では、申告した内容が正しいのかどうか裁判官に聞かれることになる。

この内容によっては少額管財事件になったりもするんだね。

自己破産で行われる面接
破産者審尋(はさんしゃしんじん) 申し立てた人と弁護士が出席
ただし裁判所によっては省略することもある
申し立てから1~3週間以内に行われる
即日面接 東京地裁で運用されている面接
弁護士が裁判官と面接してその場で手続きを決める
申し立ての当日~3日以内に実施される
即日面接が終わるとすぐに破産手続き開始決定と同時廃止決定がされる
えっ…即日面接、めっちゃ早いじゃないですか…。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうだね。東京地裁の場合、処理件数も多いからこうした手続きを行ってるんだね。

また、弁護士がいないと即日面接にはならないから注意してね。

同時廃止事件の流れ

せんせい
せんせい
じゃあ同時廃止事件事件の流れを教えてあげるね。
期間 流れ
申し立て前
2~3ヶ月
①弁護士に自己破産を依頼
②弁護士に着手金を支払う
③必要書類の準備
破産手続き開始決定
約1~2ヶ月
④自己破産の申し立て
⑤面接(破産審尋)
⑥破産手続開始決定・同時廃止決定
⑦意見申述期間
免責確定
約1ヶ月
⑧免責審尋
⑨免責許可決定・免責確定
聞きなれない言葉が多くて難しいです…!
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうだよね。ピンポイントで説明していくね!

自己破産申し立て~破産手続き開始決定:約1~2ヶ月

申し立て後の流れ

④自己破産の申し立て・即日面接
⑤面接(破産者審尋)
⑥破産手続開始決定・同時廃止決定
⑦意見申述期間

せんせい
せんせい
④⑤はさっき「自己破産の基本的な流れ」で説明した通り、裁判所によっては申告内容を確かめる面接があるよ。

同時廃止事件の場合は、このあと破産手続き開始から同時廃止が決定されて、自己破産を認めるかどうかの流れになるんだ。

⑦の意見申述期間(いけんしんじゅつきかん)ってのは何ですか?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
これから自己破産を認めるかどうかが決まるんだけど、債権者から意見を集める期間なんだ。

官報にも掲載されるよ。期間は約1~2ヶ月程度だね。

(免責についての意見申述)
第二百五十一条 裁判所は、免責許可の申立てがあったときは、破産手続開始の決定があった時以後、破産者につき免責許可の決定をすることの当否について、破産管財人及び破産債権者(第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権を有する者を除く。次項、次条第三項及び第二百五十四条において同じ。)が裁判所に対し意見を述べることができる期間を定めなければならない。
2 裁判所は、前項の期間を定める決定をしたときは、その期間を公告し、かつ、破産管財人及び知れている破産債権者にその期間を通知しなければならない。
3 第一項の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して一月以上でなければならない。
【引用:破産法 – e-Gov

債権者に反対されたら、自己破産は認められないんですか?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
意見申述はあくまでも債権者の意見を聞くだけだから、最終判断は裁判所が下すよ。

反対があっても認められることがあれば、反対がなくても認められないこともある。

とはいえ、さっきの日弁連の統計によると、2020年で申し立てが棄却されたのは0.16%。そんなに心配しなくても大丈夫だよ。

同時廃止【引用:2020 年破産事件及び個人再生事件記録調査 – 日本弁護士連合会 消費者問題対策委会

免責確定:約2~3ヶ月

せんせい
せんせい
最後は免責確定、つまり自己破産が認められるってことだね。ここの流れは少額管財事件も管財事件も一緒だ。

免責確定までの流れ

⑧免責審尋 裁判官と申し立てた人で行われる面談
自己破産を認めるかどうか、借金の理由や反省しているかどうか聞かれる
⑨免責許可決定 自己破産が官報に約2週間掲載され、債権者からの異議申し立てを待つ
⑩免責確定 異議がなければ2週間後に免責確定する
⑧の免責審尋は、破産手続き開始から約2ヶ月後に行われるよ。

とはいえ、この免責審尋を省略している裁判所も多い。東京地裁ではしっかり行われるよ。

せんせい
せんせい
さいむくん
さいむくん
じゃあ、この免責審尋を突破すれば、自己破産が認められるんですね。
そうだね。⑨で免責許可が決定するけど、まだ終わりじゃない。免責が確定するまでは、まだ約1ヶ月ほどある。

2週間は官報に決定をのせて、債権者の異議申し立てを待つ期間なんだね。

異議がなければ、さらに2週間後にそのまま自己破産が認められて晴れて返済義務がなくなるってわけ。

せんせい
せんせい

管財事件・少額管財事件の流れ

せんせい
せんせい
管財事件・少額管財事件の場合も、流れはそこまで大きく変わらない。一部違うだけだよ。
期間 流れ
申し立て前
2~3ヶ月
①弁護士に自己破産を依頼
②弁護士に着手金を支払う
③必要書類の準備
破産手続き開始決定
少額管財事件:約2~3ヶ月
管財事件:約2~3ヶ月
④自己破産の申し立て・即日面接
⑤破産者審尋
⑥破産手続開始決定・破産管財人の選定
⑦引継予納金の納付
⑧破産管財人との打ち合わせ
⑨債権の調査
⑩債権者集会・免責審尋
免責確定
約2~3ヶ月
⑪免責許可決定・免責確定
⑫債権者への配当
管財事件・少額管財事件の場合、財産を売却、債権者に分配しないといけない。

そのために、債権者の集会が開かれるんだね。破産手続開始決定から流れを解説するね。

せんせい
せんせい

自己破産申し立て~破産手続き開始決定

申し立て後の流れ

④自己破産の申し立て・即日面接
⑤破産者審尋
⑥破産手続開始決定・破産管財人の選定
⑦引継予納金の納付
⑧破産管財人との打ち合わせ
⑨債権の調査
⑩債権者集会・免責審尋

破産手続開始決定後~破産管財人の選任
せんせい
せんせい
東京地裁の場合は、④の自己破産を申し立てると同時に、裁判官と弁護士の即日面接が行われて、破産手続開始決定が決まるんだね。

裁判所にもよるけど、破産手続開始決定と同時に、破産管財人の選任が行われるんだね。

破産管財人は、該当する裁判所の管轄内にいる弁護士が選ばれるんだ。

へぇ、意外ですね。裁判所が管轄内の弁護士を選ぶってことですね。
さいむくん
さいむくん
引継ぎ予納金の納付
せんせい
せんせい
そして、破産管財人が選任されると、破産管財人の報酬、引継予納金が必要になるんだ。

基本的には20万円くらい、指定の口座に振り込むことになる。

うぇぇ…20万円も払えない場合、どうなるんですか…?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
裁判所によっては、月5万ずつで分割に応じてくれる所もあるから、破産者審尋などで聞いてみてもいいかもしれないね。

ただし、積み立てが終わるまで手続きも進められない。

それに、原則一括払いだと思うから、弁護士と相談して事前に積み立てておくことになると思うよ。

破産管財人との打ち合わせ
せんせい
せんせい
破産管財人との打ち合わせでは、借金や財産、家計の状況などの確認が行われるよ。

それを見て、免責不許可事由の有無や、自己破産を認めるのか判断するんだ。

ちなみに、破産管財人との面接は、破産管財人が所属する法律事務所へ行って行うからね。

裁判所じゃないんですね…ちょっと安心しました。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうだね。打ち合わせの後は、破産管財人が財産を調査・管理・処分・免責不許可事由の調査などを行うよ。

破産管財人に協力を求められたら、資料の提出など早めに対応しよう。

管財事件の場合、借金総額や債権者数も増えるから、この調査には時間がかかるよ。

その後に行われるのが債権者集会だね。

なんか怖そうです…。
さいむくん
さいむくん
債権者集会・免責審尋
せんせい
せんせい
債権者集会では、財産や調査結果、手続きに関する意見を聞いたりするんだ。

うまくいけば早く終わるけど…例えば、持ち家の買い手がつかなければ、2回、3回と続くことになるよ。

債権者集会は、申し立てからおおよそ2~3ヶ月後に裁判所で行われる。開催の間隔は3ヶ月ごとだ。

うわ…1回目で終わらないとまたやるんですね…。でも僕は出なくていいんですよね?出ても役には立ちませんよ?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
さいむくん、残念だったね。破産者(申し立てた人)には、説明義務があるから参加しないとなんだよ。

まぁ弁護士が一緒だから大丈夫だよ!

そして、債権者集会が終わるとそのまま免責審尋に移るからね。

あれ…同時廃止事件だともうちょい後だったような…。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
少額管財事件では、債権者集会のすぐ後に免責審尋に移るんだ。この時、債権者が参加したり、意見を述べることもできるんだよ。

まぁ、自己破産を認めるのが妥当かどうか、破産管財人が裁判官に報告したりするんだね。

免責確定:約2~3ヶ月

せんせい
せんせい
債権者集会を乗り切って免責が認められればおしまいだよ!
免責確定までの流れ

⑪免責許可決定・免責確定
⑭債権者への配当

同時廃止事件と違うのは、最後に債権者への配当がある点だね。没収された財産を換金して債権者に配るわけだ。

自己破産する場合、めぼしい財産がないことも少なくない。この場合、債権者集会の段階で配当が行われることもあるよ。

まぁこれは、破産者は参加しなくていいから、あんまり関係ないかな?

せんせい
せんせい

自己破産にかかる期間を最短にするコツ6つ

さいむくん
さいむくん
同時廃止事件は楽ですけど、少額管財にでもなったらけっこうかかりますね。

なんかこう、少しでも期間を最短にするコツってないですか?

そうだね。じゃあ、自己破産にかかる期間を最短にするコツを紹介していこう。
せんせい
せんせい
自己破産にかかる期間を最短にするコツ
  1. 法テラスではなく自分で弁護士に依頼する
  2. 弁護士費用を早めに支払う
  3. 必要書類を早めに集める
  4. 免責不許可事由に該当する行為はしない
  5. 借金の把握と借金の原因を分析しておく
  6. 東京地裁なら「即日面接」制度を利用する

法テラスではなく自分で弁護士に依頼する

せんせい
せんせい
コツその①は、法テラスでなく自分で弁護士に依頼すること、かな。

なぜなら、法テラスだと利用条件の審査で2週間、長いと1ヶ月くらいかかるからね。

けっこうかかりますね。それに、自分で弁護士を選べば、早い段階で取り立ても止まるし、気持ちも楽になりますよね。
ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
そうだね。弁護士に依頼すると、弁護士は債権者に「受任通知」ってものを送付するんだ。

「これから弁護士が債務整理しますよ」って通知なんだけど、この受任通知が届くと、法律上、取り立ても禁止されるんだね(貸金業法21条)。

法テラスだと弁護士が決まってから受任通知ってことになるから、自分で弁護士に依頼してしまったほうが早いね。

弁護士費用を早めに支払う

せんせい
せんせい
自己破産の申し立てまでに2~3ヶ月かかる」でも話したけど、弁護士が自己破産に着手するには、弁護士費用を払い終えてないといけない。

だからいかに早く弁護士費用が払えるかってのが、手続き短縮のコツだよ。

たしか、自己破産にかかる弁護士費用の相場は40~50万円でしたっけ…一括で払えれば、最短で自己破産に着手してもらえるってワケですか…。

正直お金がないから無理です…。

さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうだね。ちょっときついかもしれないね。弁護士費用は一般的に6~12回払いを想定している。

弁護士費用50万円を分割払いした場合

6回 月8.3万円
12回 月4.1万円
だから、早さを優先するか、お金を優先するか、かな。もちろん、法テラスで依頼してしまうのも手だしね。

準備に1年かかると、貸金業者などに訴えられるリスクがあるから、早めに着手できることは望ましいけどね。

個人的には、そこまで早さを優先しなくてもいいかなって思うよ。弁護士に依頼した時点で、取り立ては止まるから、返済の負担はない。

弁護士に依頼しても待っていれば自己破産は認められることが多いからね。

せんせい
せんせい

必要書類を早めに集める

せんせい
せんせい
もしさいむくんが、少しでも自己破産にかかる期間を短くしたいなら、必要書類を早めに集めることだ。

人によっては数ヶ月や1年近くかかっちゃうこともあるからね。

ひえ…そんなにかかるんですか?必要な書類にもよりますけど…。
さいむくん
さいむくん

自己破産で必要になる書類の一覧

申し立てに必要な書類・裁判所で入手可能 自己破産申立書
陳述書
債権者一覧表
財産目録
自分で作成・準備 家計簿(申し立て2~3ヶ月分)・預金通帳のコピー(2年分・ネットバンクはネットで発行)
車検証・自動車税の報告書・車の名義証明書類・査定書
確定申告書
クレジットカード
職場で入手可能 給与明細(申し立て前2~3ヶ月分)・源泉徴収票(納税証明書・非課税証明書)・退職金見込証明書
役場で入手可能 住民票(申し立て前1ヶ月以内)・戸籍謄本
税金の滞納がわかる書類
課税証明書
生活保護・年金などの受給証明書
不動産評価額関係書類
法務局・インターネットで入手 所有不動産がある場合は、不動産登記簿謄本・固定資産税評価証明
陸運局 登記事項証明書のコピー
保険会社 保険契約書・保険証券・解約返戻金証明書
金融機関・銀行 ローン残高証明書
預金通帳の発行
管理会社・不動産屋・大家さんに連絡
賃貸借契約書
証券会社
株・FXの取引明細(あるいはネットでの取引記録のプリントアウト)
せんせい
せんせい
注意してほしいのは、家計簿や収入証明、資産関係のものは、同居家族の分も集めないといけないってことだよ。

一応申し立ての書類に関しては、書式を貼っておくから、参考にしてみてね。必要なものや、書類の書式は、各裁判所によって微妙に違うから、必ず確認しよう。

申し立ての書類
  • 自己破産申立書・陳述書
  • 債権者一覧表
  • 財産目録

【参考:申し立て等で使う書式例 – 高知地方裁判所
【参考:破産申立添付資料一覧表 – 高知地方裁判所

めちゃくちゃ量があるけど…効率よく回れば集められるかもしれないな…。
さいむくん
さいむくん

免責不許可事由に該当する行為はしない

せんせい
せんせい
自己破産では、持っている財産とは別に、免責不許可事由に該当する行為があると、少額管財事件になったり、自己破産が認めれなかったりするわけだ。

だから、免責不許可事由に該当するような行為は避けよう。

免責不許可事由に該当する行為
  • 没収されたくないからと財産を隠す・他人に贈与する
  • 特定の債権者にだけ優先して返済する・特定の債権者だけを手続きから除外する
  • 借金の原因が、収入に見合わない浪費・ギャンブルによるもの
  • 自己破産開始の申し立ての1年前から借金が返済できない状態なのに、嘘を吐くなどしてクレジットカード等を利用する行為
  • 破産管財人の調査に協力しない・必要な書類等を提出しない など
財産がなくなれば、同時廃止だ!なんていって、財産を処分するような行為はNGですね!
ともだち
ともだち
さいむくん
さいむくん
ぎくり…。

借金の把握と借金の原因を分析しておく

せんせい
せんせい
書類集めと同じく、弁護士に協力することで、効率よく手続きを進めることができるよ。

例えば、どこからいくら借金をしているのか、借金の整理や、借金の原因をしっかり分析しておくことも重要だ。

特に自己破産では、借金の原因によっては、認められないこともある。

しっかり原因を分析して、どう改善していくのかを訴えることによって、自己破産も認められるケースがあるから、この辺はしっかり対策しておこう。

東京地裁なら「即日面接」制度を利用する

せんせい
せんせい
管轄裁判所が東京地裁なら、「即日面接」制度を利用しよう。

即日面接なら、債務者審尋もないし、申し立てと同時に同時廃止か管財事件か決まるから、かなり時間短縮になるよ!

通常、申し立てから破産手続開始決定までは1ヶ月くらいかかっちゃうんですよね。この1ヶ月を短縮できるってのはすごい!
ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
そうだね。地裁によっては「即日面接」に近い制度を整えている所もあるから、確認してみよう!

自己破産よりも早いのは任意整理:3~6ヶ月程度

さいむくん
さいむくん
先生、まぁ頑張れば自己破産にかかる期間も短縮できるとは思いますけど…もっと短い手続きってないんですか?
そうだね…まぁ債務整理なら、一番時間がかからないのは任意整理だろうね。

任意整理なら貸金業者と交渉するだけだから、3~6ヶ月程度で話がまとまるよ。

ただし!自己破産と違って、返済義務がなくなるわけじゃない。

利息のカットに落ち着くのが一般的で、おおよそ3~5年、上手くいけば7年くらいで分割返済していくことになる。

せんせい
せんせい
さいむくん
さいむくん
なんだ…ちゃんと返さないといけないのか…。
任意整理は魅力的だけど、そもそも収入がない人や、借金総額が大きい人には向かないよ。
せんせい
せんせい

自己破産による影響が続く期間は?

さいむくん
さいむくん
先生、自己破産にかかる期間以外にも、自己破産による影響ってどのくらい続くんですか?なんか気になってきました。
そうだね。確かに、自己破産をした影響は最長で7年くらい続いたりするから、その辺を紹介していくね。
せんせい
せんせい
自己破産による影響が続く期間
  • クレジットカードやローンが利用できない期間:5~10年
  • 手続き中の資格制限を受ける期間:3~12ヶ月
  • 銀行口座の凍結期間:約1~3ヶ月
  • 差し押さえが止まるまでの期間:最速で5ヶ月~
  • 持ち家が競売で売却される期間:約8ヶ月以内
  • 官報に掲載される期間:インターネット版は約30日
  • 2度目に自己破産できる期間:7年

クレジットカードやローンが利用できない期間:5~7年

せんせい
せんせい
自己破産後は、クレジットカードやローンが利用できなくなる。この期間はおおよそ5~7年程度だよ。
ああ…いわゆるブラックリストの状態ですね。
ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
そうだね。クレジットカードやローンは、審査する際に、「信用情報」というものを参照する。

信用情報ってのは、借金の利用状況や返済状況を管理している情報のこと。これには、自己破産をしたというネガティブな情報も記録されてしまうんだ。

その情報が記録される期間が5~7年程度なんだね。

結局、自己破産後に、クレジットカードやローンを契約しようとしても、信用情報を見られて、審査に通らなくなるってことですね。
ともだち
ともだち

各信用情報機関によって期間は異なる

さいむくん
さいむくん
まぁシステムはわかったけど、なんで5~7年と幅があるの?
信用情報を保管している信用情報機関は3つあって、それぞれで記録される期間が異なるからだよ。
せんせい
せんせい
信用情報期間 主な加盟店 掲載される期間
CIC(株式会社シー・アイ・シー) クレジットカード会社 契約期間中および契約終了後5年以内
JICC(株式会社日本信用情報機構) 消費者金融

契約日2019/9/30以前:自己破産から5年を超えない期間

契約日2019/10/1以降:契約継続中及び契約終了後5年以内

KSC(全国銀行個人信用情報センター) 銀行・信用金庫など 破産手続開始決定等を受けた日から7年を超えない期間
さいむくん
さいむくん
KSCは7年も残っちゃうんですね…。
そうだね。それに各信用情報機関は情報共有を行ってるからね。

時間が経過したら、情報開示って方法で、自己破産の記録が消えたか確認してみるといいよ。

せんせい
せんせい

手続き中の資格制限が復権するまでの期間:3~12ヶ月

せんせい
せんせい
自己破産の手続き中は、一定の資格が制限を受けることになるんだ。制限を受ける資格はこんな感じだね。
自己破産で制限される資格
  • 士業(弁護士・公認会計士・税理士など)
  • 金融関係(銀行の役員・生命保険募集人など)
  • 公務員(国家公安委員会の委員など)
  • その他(警備業・探偵業・酒類の製造免許など)
なるほど…人の金銭を扱う仕事や、公的な立場の仕事に制限がかかるんですね。
ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
そうだね。ただし、資格を喪失するわけじゃない。あくまでも自己破産の手続き中に制限を受けるだけなんだ。

免責が確定すれば、制限が解除(復権)されるよ。自己破産が認められるまでだから、3~12ヶ月間くらいだね。

資格を使って仕事はできなくなるから、職場などに部署異動などを相談してみよう。

銀行口座の凍結期間:約1~3ヶ月

せんせい
せんせい
債務整理をすると、銀行から借り入れがある場合、銀行の口座が一時的に凍結されることになるよ。

銀行は口座を凍結して、引き落としができないようにして、預貯金を回収するんだね。

受任通知の送付から約1~3ヶ月程度で凍結は解除される。

ええっ…なんで口座を凍結されるんですか?ひどくないですか?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
銀行からすれば、「債務整理するなら口座にあるお金、回収するよ」ってことなんだね。

これは「相殺」といって、民法・破産法でも認められた行為だし、銀行との契約書にも記載されているよ。

(相殺権)
第六十七条 破産債権者は、破産手続開始の時において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。
【引用:破産法 – e-Gov

預金で借金が完済されればいいけど、借金が残ってしまった場合、今度は保証会社がさいむくんの代わりに立て替えてくれる。
せんせい
せんせい
さいむくん
さいむくん
マジですか?それならいいかなぁ…
まぁ、債権者が銀行⇒保証会社に変わるだけなんだけどね。銀行は保証料を支払っている保証会社に借金を肩代わりしてもらうんだ。

これを代位弁済(だいいべんさい)なんていうけど、今回は覚えなくていいや。

せんせい
せんせい

凍結対象になる口座

せんせい
せんせい
対象となる口座はこんな感じだね。
借り入れのあるA銀行A支店 凍結される
借り入れのあるA銀行B支店 凍結される
借り入れのないC銀行D支店 凍結されない
借り入れのある銀行は、支店が違う口座でも凍結されちゃうんですね…。
ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
そうだね。まぁ、弁護士に依頼しておけば、最初にこれに関しても説明があるから、事前に口座の中身を引き出すってこともできるよ。

差し押さえが止まるまでの期間:最速で5ヶ月~

せんせい
せんせい
借金を滞納すると、貸金業者などに訴えられて、給料の差し押さえを受けることになる。

借金が完済するまで毎月一定額を差し押さえられるわけだ。

自己破産には、この差し押さえを止める力があるんだ。

自己破産すごっ…!
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
この差し押さえが止まるまでの期間も、手続きによって異なるよ。
同時廃止事件 管財事件
①自己破産の申し立て
②破産審尋
③破産手続開始決定・同時廃止事件終了
④意見申述期間
⑤免責審尋
⑥免責許可決定・免責確定
①自己破産の申し立て
②破産審尋
③破産手続開始決定・破産管財人の選任
④引継予納金の納付
⑤破産管財人との打ち合わせ
⑥債権の調査
⑦債権者集会・免責審尋
⑧免責許可決定・免責確定
⑨債権者への配当
⑥の免責が決定してから効力を失う ③の破産手続開始決定を持って、差し押さえの効力を失う
管財事件の場合は、③の破産手続開始決定以降から、給料は通常通り受け取れるようになるよ。

一方同時廃止事件の場合は、③同時廃止事件決定と共に差し押さえは中止されるものの、解除には至らない。

差し押さえられていた分の給料は、職場にプールされ続けるんだ。⑥の免責決定からやっと、通常通り給料が受け取れるようになるんだね。

せんせい
せんせい
さいむくん
さいむくん
意外ですね…管財事件は時間もかかるのに、差し押さえの効力を失うのは早いんですね。
そうだね。自己破産では、すべての債権者を平等に扱わないといけないんだ。

そのため、差し押さえが続くと、差し押さえている債権者が得をするよね。

管財事件だと、破産管財人がその辺を確認して、差し押さえを止めてくれるんだね。

せんせい
せんせい

持ち家が競売で売却されて退去するまでの期間:約8ヶ月以内

せんせい
せんせい
自己破産では、20万円以上の価値のあるものは没収・売却されることになる。当然持ち家もそうなるよ。

持ち家については、「競売」といって裁判所主導のオークションのようなもので売却される。かかる期間はこんな感じ。

競売で持ち家が売却された場合
  • 持ち家が買い取られてから手放すまでの期間:1ヶ月半~2ヶ月以内
  • 競売で自宅が売れるまでの期間:おおよそ6ヶ月~1年程度
つまり、家が売れるまでの期間はおおよそ6ヶ月~長いと1年程度。

もちろん売却されるまでの期間は異なるから、あくまでも目安ですね。

そして、購入されて、退去するまでの期間が1ヶ月半~2ヶ月以内って感じか。

最短で8ヶ月程度で引き渡す感じになるんですね。

ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
そうだね。そうなるまでには一応持ち家に住むことができるよ。

とはいえ、裁判所から執行官って人が調査に来たりするけどね…。

官報に掲載される期間:インターネット版は約30日

せんせい
せんせい
自己破産をすると、破産手続き開始決定の時と、免責許可決定時に官報にのることになる。

官報ってのは国が発行する新聞のようなもので、破産情報や公務員の人事異動なんかが掲載されてるんだね。

官報には、紙面とインターネット版がある。

紙面 自己破産の場合2回のる
基本は購読者なら閲覧可能。
過去の紙面は、図書館でも見られる。
インターネット版 直近30日まで掲載。過去のものは、データベースとして半永久的に記録されるが閲覧は有料
どちらも見ようと思えばいつでも見られるんですね…。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうだね。ただし、インターネット版をわざわざ有料で見ようとか、図書館で官報を見ようって人はそういないと思うよ。

2度目に自己破産できる期間:7年以上

せんせい
せんせい
実は、自己破産を申し立てられる回数は法律で決められていない。

しかし、次の自己破産ができるまでの期間なら、7年以上と定められているよ。

ふーん、じゃあダメならまた7年後に自己破産ってことですね。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
確かに回数制限はないよ。でも免責が得られるかは別だ。2回目の自己破産は、1回目より厳しいってことを覚えておこう。

1回目と同じ理由での自己破産ってなると、「反省はしなかったのか」と思われる。

それに、2回目の自己破産は管財事件になる可能性が高いから費用もかかる。

なるほど…制度的にはあるけど、1回目でしっかり反省しろってことですね…。
さいむくん
さいむくん

自己破産をスムーズに進めるなら弁護士に相談しよう

せんせい
せんせい
ここまで自己破産の手続きにかかる期間を解説してきたけど、手続きをスムーズに進めるなら弁護士に相談しよう。
自己破産を弁護士に相談すべき理由
  • 弁護士に依頼することで取り立てはすぐ止まる
  • スムーズなサポートを手続きしてもらえる
  • 免責許可が得られやすい
  • 司法書士だと「即日面接」制度が利用できない

弁護士に依頼することで取り立てはすぐ止まる

せんせい
せんせい
弁護士に依頼するメリットの1つは、債権者からの取り立てが止められる点だね。

受任通知については、「法テラスではなく自分で弁護士に依頼する」でも解説したよね。

「受任通知」ってのが届くと、債権者は法的に取り立てが禁止される。

もちろん、破産手続開始決定になれば、取り立ては止まるけど、弁護士に依頼した方が遥かに早いんだ。

その間は、返済も止めてしまって問題ない。だから弁護士費用を積み立てて、余裕を持って手続きを進められるよ。

スムーズな手続きやサポートをしてもらえる

せんせい
せんせい
弁護士に依頼することで、スムーズな手続きや、書類集めや作成についてサポートを受けることもできるよ。

特に裁判所に提出する資料は多岐にわたるし、申し立ての書類作成もわからない点があるよね。

弁護士がいれば、書類に関するサポートから、免責が得られるように迅速に動いてくれるからね。

免責許可が得られやすい

せんせい
せんせい
2020年の司法統計によると、個人の自己破産は、72,329件。うち却下・取り下げなど免責を得なかったのは1,249件。

約98%は免責が得られていることになる。だから心配する必要はないけど、自己破産では免責不許可事由に該当したり、免責が得られない可能性もある。

弁護士に依頼することで、免責が得られるように裁判官を説得したり、心証がよくなるようにサポートしてもらえるよ。

実際に、日本弁護士連合会が公表している2020年の資料によると、自己破産で弁護士をつけた人の数は全体の90%。だから免責が得られる割合も高いのかもしれないね。

【引用:2020 年破産事件及び個人再生事件記録調査 – 日本弁護士連合会 消費者問題対策委員会

司法書士だと「即日面接制度」が利用できない

せんせい
せんせい
東京地裁や、「即日面接制度」を導入している裁判所が居住地にあるなら、弁護士に依頼すべきだといえるね。

弁護士なら「即日面接制度」を利用して早く自己破産の手続きを進められるよ。ただし、この制度を利用できるのは弁護士のみ。

司法書士だと利用できないから注意してね。

それに、仮に管財事件になりそうでも、弁護士がいれば少額管財事件が適用されて、引継予納金の負担も抑えられるからね。

まとめ

ともだち
ともだち
さぁ、さいむくん、今日はどうだったかな?ちょっとまとめようか!
まとめ
  • 自己破産の手続きにかかる期間は申し立てから免責確定まで約6ヶ月~1年
  • 自己破産を申し立てるまでは、弁護士費用の支払いによって左右する

各手続きによって申し立てから免責確定までの期間は異なる

  • 同時廃止事件事件:約3~4ヶ月
  • 少額管財事件:約4~6ヶ月
  • 管財事件:約6ヶ月~1年

自己破産の手続きにかかる期間を短縮するコツは6つ

  1. 法テラスではなく自分で弁護士に依頼する
  2. 弁護士費用を早めに支払う
  3. 必要書類を早めに集める
  4. 免責不許可事由に該当する行為はしない
  5. 借金の把握と借金の原因を分析しておく
  6. 東京地裁なら「即日面接」制度を利用する
うーん、早く手続きが終わるポイントは、②~④らへんにありそうですね。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうだね。早く手続きを進めたいなら、任意整理の選択もアリだ。ただし、借金の返済が苦しいなら自己破産が適しているだろうね。

早く借金をなくしたいって気持ちはわかるけど、焦って手続きをしてもミスするかもしれない。

期間を短縮するというよりも、着実に手続きを終えられるようにしようね。

弁護士に相談することで
借金を大幅に減らせる可能性があります。
催促の電話を止めたい
毎月の返済額を減らしたい
返済するのが難しくなった
過払い金があるのか気になる

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著者情報

この記事の監修者
赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

監修者の詳細なプロフィール
この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。

20代後半に作ってしまった借金100万円を自力で完済した。

筆者の詳細なプロフィール