目次
松屋R&Dの概要
松屋アールアンドディの基本情報
はじめに株式会社松屋アールアンドディの基本情報を紹介します。上場日は2020年4月6日、市場はマザーズ、想定時価総額は24.3億円、上場時の時価総額は21.2億円でした。
会社名 | 株式会社松屋R&D(アールアンドディ) |
---|---|
設立日 | 1982年8月7日 |
上場日 | 2020年4月6日(承認日:2020年3月2日) |
市場 | マザーズ |
証券コード | 7317 |
業種 | 輸送用機器 |
決算期 | 3月 |
ホームページアドレス | http://matsuyard.com/ |
発行済株式総数 | 2,250,000 株(2020年3月2日現在) |
上場時発行済株式総数 | 2,530,000 株 ※公募分を含む |
公募株数 | 280,000 株 |
想定価格 | 960円 |
想定時価総額 | 24.3億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算) |
初値 | 838円 |
上場時時価総額 | 21.2億円(※上場時発行済株式総数×初値で計算) |
時価総額 | 85.5億円 (2020年8月26日現在) |
資本金 | 125,000 千円(2020年3月2日現在) |
1単元の株式数 | 100株 |
監査人 | 有限責任監査法人トーマツ |
主幹事証券会社 | 野村證券 |
引受幹事証券会社 | SBI証券 みずほ証券 岡三証券 東洋証券 |
松屋アールアンドディの沿革
株式会社松屋アールアンドディは、1982年に松屋縫製機器販売株式会社としてスタートしました。
自動車や血圧計に利用される縫製品を製造する機械や、縫製品の製造販売を行う事業を主軸として運営しています。
松屋アールアンドディは、2020年4月にマザーズへ上場しました。
1982年8月 | 福井県大野市元町にて縫製機械の製造、販売及び委託検査業務を目的として、資本金200万円で松屋縫製機器販売株式会社を設立、縫製関連機器の開発・製造・販売を開始 |
1994年5月 | 株式会社松屋アールアンドディに商号変更し、福井県大野市鍬掛(現在の本店所在地)に事務所・工場を移転 |
2000年10月 | 福井県大野市鍬掛に新工場を増設し、従来の工場を第2工場、新工場を第1工場とする |
2001年2月 | 第1工場にて血圧計腕帯の製造を開始 |
2004年12月 | 縫製品事業における血圧計腕帯の製造・販売を目的として、中国遼寧省大連市に子会社として松屋科技発展(大連)有限公司を設立 |
2005年10月 | ISO 9001 認証取得 |
2006年4月 | ISO 14001 認証取得 |
2007年5月 | 松屋科技発展(大連)有限公司に血圧計腕帯の製造を全部移管 |
2007年7月 | 縫製自動機の販売を目的とし、子会社として、中国上海市に瑪茨雅商貿(上海)有限公司(現 連結 子会社)を設立 |
2008年5月 | 血圧計腕帯の製造・販売拠点拡大のため、子会社として、ベトナム国ドンナイ省にMatsuya R&D (Vietnam)Co.,Ltd.(現 連結子会社)を設立 |
2012年4月 | Matsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.にてカーシートカバーの製造を開始 |
2014年12月 | 血圧計腕帯の製造拠点拡大のため、子会社として、ミャンマー国ヤンゴン市にMatsuya R&D (Myanmar)Co.,Ltd.(現 連結子会社)を設立 |
2015年2月 | 縫製品事業における血圧計腕帯の生産量増加に伴い、Matsuya R&D(Vietnam) Co.,Ltd.の生産スペース確保のため同社の工場をベトナム国ドンナイ省の新工場に移転 |
2016年1月 | ミャンマー国ヤンゴン市にMatsuya R&D(Myanmar) Co.,Ltd.の工場を新設し、血圧計腕帯の製造を 開始 |
2016年10月 | 縫製品事業における血圧計腕帯の販売を目的とし、中国遼寧省大連市に松屋科技発展(大連)有限公 司の子会社として、松屋国際貿易(大連)有限公司を設立 |
2017年4月 | 縫製品事業におけるカーシートカバーの製造・販売を目的とし、全株式取得によりタカハター株式会社を完全子会社化(現 連結子会社) Matsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.にてエアバッグの製造を開始 双腕縫製ロボットによる縫製自動機を開発 |
2017年10月 | 松屋国際貿易(大連)有限公司に対する持分を含む松屋科技発展(大連)有限公司の全持分を売却 |
2017年11月 | エアバッグ用2ヘッド自動縫製ステーションを開発 |
2018年9月 | 本店を福井県大野市鍬掛に移転 |
2019年5月 | Matsuya R&D(Vietnam) Co.,Ltd.内にグループの研究開発拠点MATSUYA INNOVATION CENTER(MIC) を設置 |
2020年4月 | 東証マザーズに上場 |
松屋R&Dの事業内容
松屋アールアンドディは、「Safety & Medical Healthcareを通して科学技術の向上を図り人類に貢献する」を企業理念として、縫製自動機の製造販売と、縫製製品の製造販売を行う企業です。
松屋アールアンドディで製造販売される縫製自動機は、エアバッグやシートベルトなど自動車関連を中心とした機器に使用される縫製製品の製造を目的として利用される産業用機械です。
また、縫製品事業では、自社で製造された縫製自動機を使用して、血圧計腕帯の他、自動車関連の縫製製品の製造販売を行っています。
- 縫製自動機事業
- 縫製品事業
① 縫製自動機事業
松屋アールアンドディの縫製自動機事業は、自動車の安全装置(エアバッグ・シートベルト)の製造に使用される自動機の開発・製造・販売を行う事業セグメントです。
縫製自動機の製造は、市場的に競合他社が少ない分野であるとされており、加えて、松屋アールアンドディは顧客の要望に応じて、カスタマイズされた縫製自動機をを提供できることを強みとしています。
現在は、自動車の安全装置を製造するため縫製自動機だけでなく、アパレル・航空機分野などに向けた機器の製造も注力分野です。
また、縫製自動機事業は、国内のみならず上海にも拠点を設置することで、海外における販売にも対応しています。
② 縫製品事業
縫製品事業は、自社で製造された縫製機器を使用して縫製品を製造する事業セグメントです。
主にベトナムを拠点に製造が行われており、製造される製品に応じて「血圧計腕帯部門」と「自動車関連品部門」の2つの部門に分類されます。
- 血圧計腕帯部門
血圧計腕帯部門は、血圧の計測に使用される血圧計腕帯を製造する部門です。
松屋アールアンドディーで製造された血圧計腕帯は、オムロンヘルスケア株式会社をはじめとしたオムロングループへ提供されています。
血圧計腕帯は、ベトナム、ミャンマーの工場で製造され、オムロンに向けて出荷されています。 - 自動車関連部門
自動車関連品を扱う部門では、カーシートカバーやエアバッグを中心とした商品の製造販売が行われており、製造された商品は、国内外の自動車関連メーカーに向け出荷されます。
また、自動車関連の製品はベトナムの工場と、松屋アールアンドディーの連結子会社であるタカハター株式会社によって製造が行われています。
有価証券報告書情報
連結の経営指標(過去3期分)
38期の業績は以下の通りです。
- 売上高:86.3億円(前年比+14.8%)
- 経常利益:3.8億円(前年比70.4%)
- 当期純利益:2.2億円(前年比+96.2%)
期 | 第36期 | 第37期 | 第38期 |
決算年月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 |
売上高(百万円) | 6,767 | 7,517 | 8,631 |
経常利益(百万円) | 493 | 223 | 380 |
当期純利益(百万円) | 207 | 113 | 223 |
純資産額(百万円) | 1,757 | 1,777 | 2,002 |
総資産額(百万円) | 3,404 | 4,091 | 5,054 |
自己資本比率 | 51.6% | 43.5% | 39.6% |
営業キャッシュフロー(百万円) | △59 | 8 | 219 |
投資キャッシュフロー(百万円) | △349 | △119 | △41 |
財務キャッシュフロー(百万円) | △125 | 330 | 35 |
現金・現金同等物の期末残高(百万円) | 325 | 528 | 738 |
従業員数 | 1,109人 | 1,371人 | – |
単体の経営指標(過去5期分)
5期の業績を見ると、売上高は4年で2倍程度増加しています。
利益に関しては、第34期は赤字でしたが、第35期以降は黒字の状態を続けています。
また、松屋アールアンドディは、2019年3月27日付で普通株式1株につき1,000株の割合で株式分割を行っており、その影響で第37期以降の発行済株式総数が大幅に増加しています。
期 | 第34期 | 第35期 | 第36期 | 第37期 | 第38期 |
決算年月 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 |
売上高(百万円) | 1,128 | 1,505 | 1,475 | 2,239 | 2,324 |
経常利益(百万円) | △55 | 48 | 266 | 57 | 77 |
当期純利益(百万円) | △49 | 58 | 220 | 41 | 20 |
資本金(百万円) | 125 | 125 | 125 | 125 | 125 |
発行済株式総数 | 2,250 | 2,250 | 2,250 | 2,250,000 | 2,250,000 |
純資産額(百万円) | 382 | 441 | 1,679 | 546 | 567 |
総資産額(百万円) | 1,223 | 1,435 | 505 | 1,716 | 1,902 |
自己資本比率 | 31.3% | 30.8% | 30.1% | 31.9% | 29.8% |
従業員数 | 21人 | 22人 | 28人 | 30人 | – |
セグメント別業績
第38期のセグメント別の売上実績は表の通りです。
売上構成比は以下の通りで、縫製品事業が全体の売上のほぼ9割を占めており、売上の伸長率も高くなっています。
一方で、縫製自動機事業の前年と比較した売上の落ち込みについては、アメリカを中心とした貿易摩擦を原因とする、中国とメキシコにおける需要停滞が原因であるとされています。
- 縫製自動機事業:10.1%
- 縫製品事業:89.9%
指標 | 全体 | 縫製自動機事業 | 縫製品事業 |
売上高(百万円) | 8,631 | 875 | 7,762 |
売上高前年同期比 | 114.8% | 70.8% | 122.4% |
上場時の株主構成
上位10位までの株主は、以下の通りです。
株主 | 所有株式数 | 比率 | ロックアップ |
後藤 秀隆 | 600,000 | 25.53% | 90日間 |
後藤 倫啓 | 550,000 | 23.40% | 90日間 |
後藤 匡啓 | 550,000 | 23.40% | 90日間 |
オムロンヘルスケア株式会社 | 250,000 | 10.64% | 90日間 |
CBC株式会社 | 100,000 | 4.26% | 90日間 |
ゴトウホールディング株式会社 | 100,000 | 4.26% | 90日間 |
NVCC7号投資事業有限責任組合 | 57,000 | 2.43% | 90日間 |
後藤 久代 | 43,000 | 1.83% | – |
中野 雅史 | 8,000 | 0.34% | 継続保有 |
長谷川 克人 | 8,000 | 0.34% | 継続保有 |
上場時(IPO)の募集・売出し情報
公募・売出し・調達額情報
公募価格は910円、吸収金額(調達額)は6.5億円とされています。
また初値は、838円となりました。
仮条件 | 910円 ~ 960円 |
---|---|
公募・売出価格 | 910円 |
想定価格 | 960円 |
初値 | 838円(公募価格比△7.9%) |
公募株数 | 280,000 株 |
売出株数 | 343,000 株 |
オーバーアロットメントによる売出し株数 | 93,400 株 |
吸収金額(調達額) | 6.5億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算) |