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【新規上場企業分析】 リビングプラットフォームのIPO・時価総額・業績・事業内容・有価証券報告書を徹底分析

リビングプラットフォームの概要

リビングプラットフォームの基本情報

はじめに株式会社リビングプラットフォームの基本情報を紹介します。上場日は2020年3月17日、市場はマザーズ、想定時価総額は51.2億円、上場時の時価総額は54.4億円でした。

会社名 株式会社リビングプラットフォーム
設立日 2011年6月28日
上場日 2020年3月17日(承認日:2020年2月10日)
市場 マザーズ
証券コード 7091
業種 サービス業
決算期 3月
ホームページアドレス http://www.living-platform.com/
発行済株式総数 1,378,000 株(2020年2月10日現在)
上場時発行済株式総数 1,533,000 株 
※公募分を含む。
公募株数 155,000 株
想定価格 3,340円
想定時価総額 51.2億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算)
初値 3,550円
上場時時価総額 54.4億円(※上場時発行済株式総数×初値で計算)
時価総額 61.2億円 (2020年9月1日現在)
資本金 79,000 千円(2020年2月10日現在)
1単元の株式数 100株
監査人 EY 新日本有限責任監査法人
主幹事証券会社 野村證券
引受幹事証券会社 大和証券
SBI証券
みずほ証券
エース証券
極東証券

リビングプラットフォームの沿革

株式会社リビングプラットフォームは、2011年に札幌市で創業しました。
社会福祉事業の運営を包括的に行い、介護事業、保育事業などを複数運営しています。

また、リビングプラットフォームは、2020年3月に東証マザーズへ上場を行っています。

2011年6月 北海道札幌市中央区に㈱リビングプラットフォーム(資本金1,000千円)を設立
2011年10月 北海道札幌市中央区にて介護施設、高齢者共同住宅「ライブラリ円山」を開設
北海道札幌市中央区にて訪問介護事業所「ライブラリ札幌訪問介護事業所」を開設
北海道札幌市中央区にて障がい者訪問介護事業所を開設
2012年4月 北海道札幌市東区にて居宅介護支援事業所「ライブラリ札幌居宅介護支援事業所」を開設
2012年7月 北海道札幌市東区にて訪問看護事業所「ライブラリ札幌訪問看護事業所」を開設
2012年9月 北海道札幌市東区にてサービス付き高齢者向け住宅「ライブラリ元町」を開設
2012年10月 北海道札幌市東区にて定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所「ライブラリ札幌定期巡回・ 随時対応型訪問介護看護事業所」を開設
2013年7月 千葉県柏市にて住宅型有料老人ホーム「ウェルライフヴィラ柏(現:ライブラリ柏)」を事業承継
2013年8月 東北エリアへの事業強化を図るため宮城県仙台市若林区に㈱リビングプラットフォーム東北 (現 連結子会社)を設立
2014年5月 北海道札幌市東区にて障がい者支援事業開始。障がい者就労支援B型事業所「サニースポット 札幌東就労支援事業所」、「サニースポット江別就労支援事業所」を開設
2014年9月 北海道エリアにて介護事業拡大を図るため㈱ケアプロダクツをグループ化
2014年10月 北海道札幌市白石区にて住宅型有料老人ホーム「ライブラリ白石はな壱号館」及び住宅型有料老人ホーム「ライブラリ白石はな弐号館」を事業承継
2015年6月 北海道エリアにて介護事業拡大を図るため㈱シルバーハイツ札幌をグループ化(現 連結子会 社、北海道札幌市豊平区)
2015年12月 介護事業拡大を図るため㈱アイケアパートナーズ東京(2016年1月に㈱リビングプラットフォーム東京に名称変更し、2017年4月に当社に吸収合併)を子会社化
2016年1月 介護事業拡大を図るため㈱Good・Better・BESTを子会社化
2016年2月 東京都大田区に㈱OSプラットフォーム(現 連結子会社)を設立し、給食事業の内製化を開始
2016年3月 介護事業拡大を図るため「ウェルライフガーデン取手(現:ライブラリ取手)」を事業承継
2016年3月 介護事業拡大を図るため㈱ライフミクスを子会社化
介護事業拡大を図るため㈱ケアプロダクツ及び㈱シルバーハイツ札幌(現 連結子会社)を株式交換により子会社化
2016年4月 ㈱IMAGINE保育園(現 連結子会社㈱ナーサリープラットフォーム、東京都港区)を子会社化し、 保育事業を開始
「ほいくみー」を事業承継し、保育士の人材紹介業を開始
2016年5月 介護事業拡大を図るため、㈱アルプスの杜(現 連結子会社、神奈川県相模原市南区)を子会社化
2017年1月 介護事業拡大を図るため「クローバーケアホーム(現:ライブラリ葛西)」を事業承継
2017年4月 介護事業の効率化を目的とし、子会社4社(㈱リビングプラットフォーム東京、㈱ケアプロダクツ、㈱Good・Better・BEST、㈱ライフミクス)を吸収合併
介護事業拡大を図るため「こまち(現:ライブラリこまち)」、「花こまち(現:ライブラリ花 こまち)」を事業承継
2018年4月 北海道札幌市中央区に企業主導型保育所「きゃんばすmini中島公園保育園 ⁺ M」及び、「きゃ んばすmini羊ヶ丘保育園 ⁺ M」を開設
宮城県仙台市宮城野区に企業主導型保育所「きゃんばすmini陸前高砂保育園 ⁺ M」を開設
神奈川県横浜市神奈川区に認可保育所「きゃんばす子安台保育園」を開設
2020年3月 東証マザーズへ上場

リビングプラットフォームの事業内容

リビングプラットフォームは、「持続可能な社会保障制度を構築する」をミッションに掲げ、介護、障がい者支援、保育事業を中心とした「ライフケア事業」を運営する企業です。
また、リビングプラットフォームは、連結子会社5社を含む計6社によるグループ企業として構成されており、それぞれの子会社およびリビングプラットフォームは所有する施設の運営管理を行っています。

以下は、リビングプラットフォームで運営されている主要なサービスと事業系統を表した図です。

  1. 介護事業
  2. 障がい者支援事業
  3. 保育事業
  4. その他事業

リビングプラットフォーム 事業系統

① 事業の特徴

リビングプラットフォームの事業運営の特徴は、複数の異なる社会福祉事業を運営している点です。
一般的に、多くの介護事業者や保育事業者は、介護施設や保育施設のみの運営に特化する形で事業運営を行いますが、リビングプラットフォームは、介護、障がい者支援、保育など異なる事業を包括的に運営しています。

このような包括経営のメリットとして、例えば、障がい者の方が人材が不足している介護事業や保育事業のサポートとして参加できるという点が挙げられます。
事業間で就労体験や就労支援を行うことで、介護事業や保育事業の部門が人材不足の解消につなげることができるだけでなく、障がい者の方に対して就労の機会が提供されることで自立への手助けを図ることが可能です。
このように、異なる事業間での交流や助け合いを行うことができる点が、リビングプラットフォームの運営する社会福祉事業のメリットであり、最大の特徴であるといえます。

リビングプラットフォームの事業系統

② 主要なKPI

以下は、2015年3月から2019年12月までの事業別の累積施設数の変化を表したグラフです。

累積施設数の推移
施設数の総計は増え続けており、事業全体として拡大していることがわかります。
事業別に注目すると、介護事業が最も多くの施設を保有しており、売上構成比は施設数に連動していて、全体の88.5%となっています。(2020年3月時点)

また、他の事業も売上を伸ばしつつあり、特に保育事業に関しては2期前の売上構成比は、全体の2%程度でしたが、現在では8.3%と障がい者事業の売上構成比を上回る水準へと成長しました。(2020年3月時点)

有価証券報告書情報

連結の経営指標(過去3期分)

第9期の業績は以下の通りです。

  • 売上高:77.3億円(前年比+16.6%)
  • 経常利益:2.3億円(前年比+1.7%)
  • 当期純利益:1.0億円(前年比△51.9%)
第7期 第8期 第9期
決算年月 2018年3月 2019年3月 2020年3月 
売上高(千円) 5,679,172 6,627,713 7,730,589
経常利益(千円) 145,373 230,734 234,364
当期純利益(千円) 76,338 158,915 104,726
純資産額(千円) 241,162 408,119 1,070,469
総資産額(千円) 5,790,815 5,821,285 6,884,788
自己資本比率 4.2% 7.0% 15.5%
営業キャッシュフロー(千円) △120,679 378,491 60,172
投資キャッシュフロー(千円) △406,638 △248,112 △210,562
財務キャッシュフロー(千円) 608,154 △153,470 817,209
現金・現金同等物の期末残高(千円) 918,145 895,053 1,561,873
従業員数 394人 472人 523人

 

単体の経営指標(過去5期分)

5期の業績を見ると、売上は4.5倍増加していることがわかります。

一方で、利益に関しては、プラスの期もあればマイナスの期もあり、比較的不安定な推移を見せています。推移の原因としての正確な理由は不明ですが、一つの原因としては新規で施設を開設した際のコストが原因であることが予想されます。

また、リビングプラットフォームは2018年3月15日付で株式1株につき2,000株の分割を行っている影響で、それに連動して発行済株式総数に大幅な変動が見られます。

第5期 第6期 第7期 第8期 第9期
決算年月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月 2020年3月
売上高(千円) 1,090,852 1,735,254 3,454,060 4,011,122 4,939,252
経常利益(千円) 31,137 △12,845 16,151 62,918 2,416
当期純利益(千円) 9,030 △20,673 △192,239 58,547 △29,126
資本金(千円) 79,000 79,000 79,000 79,000 357,070
発行済株式総数 689 689 1,378,000 1,378,000 1,533,000
純資産額(千円) 1,578,372 1,297,834 1,325,594 1,392,392 1,919,405
総資産額(千円) 2,358,158 3,197,786 3,686,061 3,722,732 4,745,007
自己資本比率 66.9% 40.6% 36.0% 37.4% 40.5%
従業員数 67人 107人 245人 259人 297人

 

上場時の株主構成

上位10位までの株主は、以下の通りです。

株主 所有株式数 比率 ロックアップ
株式会社HCA 812,000 59.26% 90日間
金子洋文 418,000 30.50% 90日間
大和PIパートナーズ株式会社 58,400 4.26% 90日間
有限会社ミロス 28,000 2.04% 90日間
77ニュービジネス投資事業有限責任組合 18,000 1.31% 90日間
ほくほくキャピタル株式会社 3,600 0.26% 90日間
伊藤浩太郎 3,600 0.26% 継続保有
小林伸也 3,600 0.26% 継続保有
林隆祐 3,600 0.26% 継続保有
井﨑義博 2,000 0.15% 継続保有

上場時(IPO)の募集・売出し情報

公募・売出し・調達額情報

公募価格は3,900円、吸収金額(調達額)は13.0億円とされています。 また初値は、3,550円となりました。

仮条件 3,530円 ~ 3,900円
公募・売出価格 3,900円
想定価格 3,340円
初値 3,550円 (公募価格比△9.0%)
公募株数 155,000 株
売出株数 136,000 株
オーバーアロットメントによる売出し株数 43,600 株
吸収金額(調達額) 13.0億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算)

この記事の監修者

赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。
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