目次
フィーチャの概要
フィーチャの基本情報
はじめにフィーチャ株式会社の基本情報を紹介します。上場日は2020年6月24日、市場はマザーズ、想定時価総額は25.4億円、上場時の時価総額は254.8億円でした。
会社名 | フィーチャ株式会社 |
---|---|
設立日 | 2005年8月5日 |
上場日 | 2020年6月24日(承認日:2020年5月21日) |
市場 | マザーズ |
証券コード | 4052 |
業種 | 情報・通信業 |
決算期 | 6月 |
ホームページアドレス | https://ficha.jp/ |
発行済株式総数 | 5,409,000株(2020年8月14日時点) |
上場時発行済株式総数 | 5,409,000 株 ※公募分を含む |
公募株数 | 150,000 株 |
想定価格 | 470円 |
想定時価総額 | 25.4億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算) |
初値 | 4,710円 |
上場時時価総額 | 254.8億円(※上場時発行済株式総数×初値で計算) |
時価総額 | 219.0億円 (2020年8月24日現在) |
資本金 | 213,000 千円(2020 年 5 月 21 日現在) |
1単元の株式数 | 100株 |
監査人 | EY 新日本有限責任監査法人 |
主幹事証券会社 | SMBC日興証券 |
引受幹事証券会社 | 大和証券 水戸証券 極東証券 みずほ 証券 エース証券 東洋証券 SBI証券 楽天証券 いちよし証券 岩井コスモ証券 |
フィーチャの沿革
フィーチャ株式会社は、2005年にクワンター・ビュー有限会社として横浜市で創業しました。 当初は、レンズ検査装置事業を運営していましたが、2012年以降、画像認識ソフトウェアの事業を軸に運営し、2020年6月に東証マザーズへ上場しました。
2005年8月 | 神奈川県横浜市都筑区にクワンター・ビュー有限会社設立 レンズ検査装置事業を開始 |
2009年4月 | 本社を埼玉県新座市に移転 |
2009年5月 | クワンタービュー株式会社へ組織変更 |
2012年8月 | 画像認識ソフトウェア開発事業を開始 |
2015年7月 | 新設分割によりレンズ検査装置事業をクワンタービューシステム株式会社に承継 フィーチャ株式会社に社名変更 本社を東京都豊島区に移転 |
2018年3月 | ディープラーニングの研究開発促進のため、中華人民共和国北京市に北京飞澈科技有限公司 (連結子会社)を設立 |
2018年12月 | 本社を東京都豊島区内で移転 |
2020年6月 | 東証マザーズに上場 |
フィーチャの事業内容
フィーチャ株式会社は、「Make Things Intelligent」をミッションとして掲げ、画像認識ソフトウェア開発事業を行う企業です。
フィーチャは、創業時から、主にレンズ検査装置事業を行ってきましたが、2012年に画像認識ソフトウェア開発事業を開始しました。
2012年以降は、車載カメラやドライブレコーダ向けの画像認識ソフトウェアの開発を行い、自動車部品メーカーや商社などの顧客企業へ提供を行っています。
フィーチャの主な事業の事業系統図は以下の通りです。
主な提供プロダクト
フィーチャが画像認識ソフトウェアとして主に提供するシステムの詳細は以下の通りです。
主な役割としては、運転時の車外環境の把握による事故防止と、ドライバーの監督など車内環境を把握することによる事故防止の2つの観点からそれぞれシステムが開発されています。
- ADAS(先進運転支援システム)
ADASは、Advanced driver-assistance systemsの略語であり、自動車の運転手の運転操作を支援するシステムです。
このシステムは、主に物体検知に利用され、道路上の障害物や、前方車・歩行者衝突、交通違反などの危険運転をリアルタイムで判定し交通事故の防止に役立ちます。
具体的には、前方を走行する車両との距離を測定し、危険と判断した場合は警報を鳴らす機能や、信号や標識などの検知や判別を行い、交通違反の未然防止に役立つ機能などを示しています。 - DMS(ドライバー監視システム)
DMS は、Driver Monitoring Systemの略語であり、自動車の運転手を監視するシステムです。DMSは、車内カメラによってドライバーの運転状態を監視し、危険運転・事故防止を目的としています。
具体的には、ドライバーの状態を観察し、よそ見運転や居眠り運転の兆候がみられた場合には、アラートを鳴らし注意喚起を行うことで事故の未然防止を行うなどの機能です。
また、DMSに搭載されている顔認証システムは、ドライバーの顔を記録するため、盗難防止などにも役立ちます。
ビジネスモデル
フィーチャは、顧客企業の車両に搭載される車載カメラやドライブレコーダ向けに画像認識ソフトウェアを受託開発することで収益を得ています。
受託開発とは、顧客企業から外注されたソフトウェアなどの製品開発を顧客の要望などに合わせ開発、提供することです。
また、提供したソフトウェアを使用した車両の量産が終了した後は、提供したソフトウェアを搭載した車両数に応じたソフトウェア使用料をライセンス収入として計上しています。
このようなビジネスモデルを構築することで、一度開発したシステムからの収益を一定期間確保し続けることが可能です。
有価証券報告書情報
連結の経営指標(過去2期分)
15期の業績は以下の通りです。
- 売上高:4.2億円(前年比+48.6%)
- 経常利益:0.9億円
- 当期純利益:0.6億円
期 | 第13期 | 第14期 | 第15期 |
決算年月 | 2018年6月 | 2019年6月 | 2020年6月 |
売上高(百万円) | 210 | 282 | 419 |
経常利益(百万円) | 51 | △5 | 90 |
当期純利益(百万円) | 43 | △8 | 66 |
純資産額(百万円) | 395 | 386 | 524 |
総資産額(百万円) | 439 | 449 | 578 |
自己資本比率 | 90.0 | 86.0 | 90.7 |
営業キャッシュフロー(百万円) | 49 | △1 | 36 |
投資キャッシュフロー(百万円) | △5 | △47 | △18 |
財務キャッシュフロー(百万円) | 223 | △5 | 62 |
現金・現金同等物の期末残高(百万円) | 396 | 339 | 419 |
従業員数 | 16人 | 22人 | 35人 |
単体の経営指標(過去5期分)
5期の業績を見ると、売上高は4年で4.5倍増加しています。
また、利益に関しては経常利益、純利益共に2020年6月期は黒字転換していることがわかります。
フィーチャは2019年11月30日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行いました。その影響で発行済株式総数には大きな変動が現れています。
期 | 第11期 | 第12期 | 第13期 | 第14期 | 第15期 |
決算年月 | 2016年6月 | 2017年6月 | 2018年6月 | 2019年6月 | 2020年6月 |
売上高(百万円) | 93 | 84 | 210 | 282 | 419 |
経常利益(百万円) | △5 | △28 | 53 | △17 | 83 |
当期純利益(百万円) | △6 | △28 | 45 | △17 | 70 |
資本金(百万円) | 66 | 91 | 213 | 213 | 213 |
発行済株式総数 | 1,542 | 1,577 | 1,753,000 | 1,753,000 | 5,409,000 |
純資産額(百万円) | 87 | 108 | 398 | 380 | 580 |
総資産額(百万円) | 121 | 149 | 441 | 440 | 522 |
自己資本比率 | 72.24% | 72.52% | 90.17% | 86.29% | 90.0% |
従業員数 | 6人 | 8人 | 16人 | 21人 | – |
上場時の株主構成
上位10位までの株主は、以下の通りです。
株主 | 所有株式数 | 比率 | ロックアップ |
曹 暉 | 1,716,000 | 32.23% | 180日間 |
王 潞 | 1,146,000 | 21.53% | 180日間 |
脇 健一郎 | 954,000 | 17.92% | 180日間 |
惠州市德赛西威汽车电子股份有限公司 (常任代理人 S M B C 日興証券株 式会社) | 528,000 | 9.92% | 180日間 |
NVCC7号投資事業有限責任組合 | 273,000 | 5.13% | 90日間 |
株式会社SMBC信託銀行 | 264,000 | 4.96% | 90日間 |
ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限 責任組合 | 219,000 | 4.11% | 90日間 |
名古屋大学・東海地区大学広域ベンチャ ー1号投資事業有限責任組合 | 105,000 | 1.97% | 90日間 |
三菱UFJキャピタル5号投資事業有限責 任組合 | 54,000 | 1.01% | 90日間 |
横田 和之 | 10,524 | 0.20% | 180日間 |
上場時(IPO)の募集・売出し情報
公募・売出し・調達額情報
公募価格は520円、吸収金額(調達額)は3.5億円とされています。
また初値は、4,710円となりました。
仮条件 | 470円 ~ 520円 |
---|---|
公募・売出価格 | 520円 |
想定価格 | 470円 |
初値 | 4,710円 (公募価格比+805.8%) |
公募株数 | 150,000 株 |
売出株数 | 430,000 株 |
オーバーアロットメントによる売出し株数 | 87,000 株 |
吸収金額(調達額) | 3.5億円 (※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算) |