目次
ジェイックの概要
ジェイックの基本情報
はじめに株式会社ジェイックの基本情報を紹介します。上場日は2019年10月29日、市場はマザーズ、想定時価総額は41.7億円、上場時の時価総額は93.4億円でした。
会社名 | 株式会社ジェイック |
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設立日 | 1991年3月7日 |
上場日 | 2019年10月29日(承認日:2019年9月24日) |
市場 | マザーズ |
証券コード | 7073 |
業種 | サービス業 |
決算期 | 1月 |
ホームページアドレス | http://www.jaic-g.com/ |
発行済株式総数 | 834,000 株(2019 年 9 月 24 日現在) |
上場時発行済株式総数 | 905,500 株 ※公募分を含む。 ※新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。 |
公募株数 | 71,500 株 |
想定価格 | 4,750円 |
想定時価総額 | 41.7億円 (※上場時発行済株式総数×想定価格で計算) |
初値 | 10,320円 |
上場時時価総額 | 93.4億円(※上場時発行済株式総数×初値で計算) |
時価総額 | 30.2億(2020年9月28日現在) |
資本金 | 96,503 千円(2019 年 9 月 24 日現在) |
1単元の株式数 | 100株 |
監査人 | EY 新日本有限責任監査法人 |
主幹事証券会社 | SMBC日興証券 |
引受幹事証券会社 | SBI証券 大和証券 東洋証券 楽天証券 岩井コスモ証券 岡三証券 北洋証券 |
ジェイックの沿革
株式会社ジェイックは、1991年にユーティーサービス株式会社として設立した、教育研修や人材紹介サービスを運営する企業です。
1997年に現在の社名に名称を変更し、2019年10月に東証マザーズへ上場しました。
1991年3月 | 東京都渋谷区渋谷四丁目3番1号にユーティーサービス株式会社(現 株式会社ジェイック)設立 |
1993年3月 | 東京都新宿区大久保一丁目9番12号に本社移転 |
1995年9月 | 東京都港区西麻布三丁目21番24号に本社移転 |
1997年3月 | 株式会社ジェイックへ社名変更 |
1997年4月 | 東京都新宿区西新宿三丁目1番5号に本社移転 |
1998年1月 | 営業社員と幹部社員を対象とした教育研修事業を開始 |
1999年9月 | 東京都千代田区神田和泉町1番地6の1に本社移転 |
2000年4月 | 一般労働者派遣事業許可を取得 |
2000年8月 | 有料職業紹介事業許可を取得 |
2001年4月 | 教育研修事業の顧客のご要望で営業職を中心とした即戦力人材紹介事業を開始 |
2002年4月 | 東京都千代田区神田神保町一丁目101番 神保町101ビル7階に本社移転 |
2004年3月 | 行政(各都道府県の労働局など)の委託を受け雇用対策支援事業を開始 |
2005年5月 | 20代の未就業者を対象とした教育融合型人材紹介サービス「営業カレッジ®」を開始 |
2007年9月 | 「営業カレッジ®」の需要拡大により、大阪支店を開設 |
2009年3月 | プライバシーマークを取得 |
2011年1月 | 大学の要望で4年生後半の就職活動を支援する「新卒カレッジ®」を開始 |
2011年4月 | 「7つの習慣®」のフランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社と業務提携 |
2012年1月 | 「営業カレッジ®」の需要拡大により、横浜支店を開設 |
2013年1月 | 「営業カレッジ®」の需要拡大により、大宮支店を開設 |
2013年2月 | 香港に杰意可有限公司を設立 |
2013年6月 | 上海に上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司を設立 「原田メソッド」の株式会社原田教育研究所と業務提携 |
2013年10月 | 「営業カレッジ®」の需要拡大により、名古屋支店を開設 |
2013年12月 | 対象者を20代の女性未就業者に絞った「女子カレッジ®」を開始 |
2014年7月 | 「営業カレッジ®」の需要拡大により、新宿支店を開設 |
2015年4月 | 1年間で次世代リーダーを育成する「リーダーカレッジ」を開始 |
2016年3月 | 職業紹介優良事業者認定を取得 |
2017年4月 | 「営業カレッジ®」の需要拡大により、福岡支店を開設 |
2017年8月 | 「営業カレッジ®」の需要拡大により、池袋支店を開設 対象者を大学中退者に絞った「セカンドカレッジ®」を開始 |
2018年1月 | 「営業カレッジ®」の需要拡大により、梅田支店を開設 |
2018年4月 | 基準適合一般事業主認定(えるぼし)を取得 |
2018年8月 | 若手社員の定着・活躍を支援する半年間の研修プログラム「エースカレッジ」を開始 |
2018年12月 | 「営業カレッジ®」を「就職カレッジ®」に名称変更 |
2019年10月 | 東京証券取引所マザーズに株式を上場 |
2020年1月 | 「就職カレッジ®」の需要拡大により、仙台支店を開設 |
2020年2月 | 「就職カレッジ®」の需要拡大により、広島支店を開設 30代限定の教育融合型人材紹介サービス「30代カレッジ」を開始 |
ジェイックの事業内容
株式会社ジェイックは、「企業のホームドクター、人材のメンターとなり、
人と組織の限りない可能性に貢献し続ける。」をミッションに掲げ、主に中小企業を中心として、「就職ポテンシャル層」に教育の機会を提供したうえで紹介をするという教育融合型人材紹介サービスを展開する企業です。
「就職ポテンシャル層」とは、フリーターや第二新卒、大学中退者など、採用市場において不利な立場に置かれているものの、就職活動という人生の中でも大きなライフイベントを経て成長を遂げたり、自分に合った企業や仕事に出会うことで意欲や才能に目覚めたりする可能性がある人材層であると定義させたグループを示します。
以下は、ジェイックの展開する教育融合型人材紹介サービスの事業系統を表した図です。
① 主要なサービス概要
ジェイックでは、「就職ポテンシャル層」に対して、教育を行い就職先企業を紹介する人材紹介サービスと、クライアント企業に採用される求職者や入社後の人材に対して集中的に研修を行う研修サービスが展開されています。 「就職ポテンシャル層」に対して教育の機会を提供し、就職先企業を紹介するために展開される主なサービスは以下の通りです。
- 「就職カレッジ®」
主に20代の就職に苦戦するフリーター、第二新卒層を対象としたサービスです。 「就職カレッジ®」に所属する人材の多くは、サービス・販売職、エンジニア職、技術職として採用されます。 - 「女子カレッジ®」
「女子カレッジ」の対象となる人材は、フリーター、第二新卒層のなかでも、特に20代を中心とした女性に特化している点が特徴です。
このことから、女性ならではのビジネスマナーや、ライフイベントを考慮したキャリアを考えるコンテンツなど、研修カリキュラムが「女性」にフォーカスされています。 - 「セカンドカレッジ®」
「セカンドカレッジ」では、大学中退者を専門にサービスが提供されています。 このサービスの研修では、研修でも「やり切る」ことを1つのテーマにしており、やり切ったことを自信に変えるカリキュラム設計となっています。 - 「新卒カレッジ®」
「新卒カレッジ」は、新卒で就職活動を行う大学4年生を専門としたサービスです。
企業の内定出しのピークを迎える6月を過ぎてもまだ内定を取得していない学生や部活動や単位取得、留学、公務員や資格試験で就職活動自体が遅れている学生の支援を強みとする特徴を持ちます。 - 「30代カレッジ」
「30代カレッジ」は、一部の就職氷河期を含む30代の正社員就職希望者を対象とした就職支援サービスです。20代の人材に混ざっての研修などに参加する30代の人材には心理的に抵抗がある点に考慮し、「就職カレッジ®」の30代専門コースとして派生しています。
また、以下のサービスは、クライアント企業に採用される求職者や入社後の人材に対して集中的に教育を行う主要な研修サービスです。
- 「7つの習慣®」研修
この研修は、全世界で3,000万部のベストセラーとなったビジネス書「7つの習慣®」に基づき、中堅中小企業向けにカスタマイズした研修であり、スキルよりも考え方の変革を重視した内容となっています。
組織全体のベクトルを合わせ、理念や目標の浸透をスムーズにする「考え方」と「組織文化」を作り、自ら考え、自ら行動する組織風土の醸成を目的とするサービスとして展開されています。 - 「原田メソッド」研修
「原田メソッド」とは、中学校の教員であった原田隆史氏が大阪の公立中学校の陸上部を指導し、7年間で13回の日本一という成果を出した、人間の行動科学や心理学に基づいた目標達成方法であり、中堅中小企業向けに「原田メソッド」としてカスタマイズされた内容で提供されています。
目標を自ら設定し、目標を達成する計画を立て、計画を実行していくセルフマネジメントの手法を習得し、目標達成に向けた質の高いコミュニケーションの活性化が目的とされます。
② サービスの特徴
複数の人材紹介サービスや研修サービスを「就職ポテンシャル層」に対して提供するジェイックですが、サービス全体の主な特徴は、以下の4点です。
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「就職ポテンシャル層」への特化
ジェイックでは、いわゆるキャリアを持った求職者の転職支援ではなく、フリーターや大学中退者、二極化が進む就職活動において苦戦する大学4年生などの「就職ポテンシャル層」の就職支援に特化したサービスを展開している点が非常に大きな特徴です。
このような人材紹介会社は非常に少なく、独自性と社会性があるとジェイックではみなされています。 - 就職後を見据えた無料就職支援講座の提供
ジェイックでは、「7つの習慣」研修や「原田メソッド」研修など「企業向けの教育研修サービスで培ったノウハウを活かし、無料就職支援講座をクライアントに紹介する前の求職者の方々に無料で提供しています。
この無料就職支援講座では、就職を勝ち取るための自己分析や面接対策といった内容だけでなく、社会人として働く心構えやビジネスマナー、コミュニケーションについて学ぶことができます。 - クライアントと求職者が確実に会える機会の提供
ジェイックでは、求職者とクライアントをマッチングさせる機会として、「集団面接会」という求職者とクライアントが総当たりで面接をする場が提供されます。
「集団面接会」は、売手市場で求人媒体に求人広告を出しても、人材紹介会社に紹介を依頼してもなかなか面接に人が来てくれないという悩みを抱えるクライアントにとっては、求職者に確実に会うことができる機会となり、求職者にとっては、一度に多くの企業と面接をすることで自分との相性を効率的に見極めたり、興味がなかった業界や職種に目を向けて視野を広げる機会になると考えられています。 -
求職者の入社後の定着・活躍支援
ジェイックでは、クライアントへの求職者紹介だけでなく、求職者の入社後における支援も行われています。
このサービスでは、教育研修サービスで培ってきた若手社員を育成するノウハウを活かして、入社前の不安を和らげる入社前研修や、入社後1年にわたって報連相や人間関係、タイムマネジメントなど、求職者が働き始めてからぶつかりやすい壁を突破するための研修プログラムを提供することで、求職者の定着と活躍が支援されています。
有価証券報告書情報
連結の経営指標(過去3期分)
第29期の業績は以下の通りです。
- 売上高:30.3億円(前年比+12.2%)
- 経常利益:3.3億円(前年比+50.9%)
- 当期純利益:2.1億円(前年比+22.8%)
期 | 第27期 | 第28期 | 第29期 |
決算年月 | 2018年1月 | 2019年1月 | 2020年1月 |
売上高(千円) | 2,473,812 | 2,702,050 | 3,030,857 |
経常利益(千円) | 155,425 | 221,067 | 333,586 |
当期純利益(千円) | 84,537 | 173,843 | 213,547 |
純資産額(千円) | 239,72 | 408,033 | 1,027,579 |
総資産額(千円) | 1,876,485 | 2,188,052 | 2,080,304 |
自己資本比率 | 12.9% | 18.7% | 49.4% |
営業キャッシュフロー(千円) | 115,080 | 152,338 | 384,801 |
投資キャッシュフロー(千円) | △144,516 | △88,624 | △222,997 |
財務キャッシュフロー(千円) | 188,071 | 27,395 | △247,747 |
現金・現金同等物の期末残高(千円) | 1,157,245 | 1,247,84 | 1,162,012 |
従業員数 | 181人 | 187人 | 203人 |
単体の経営指標(過去5期分)
過去5期の業績を見ると、売上は4年間で約1.6倍の成長しています。
また、利益に関して見ると、タームによって変動がありますが、業績は概ね右肩上がりで推移しており、第25期と比較すると、経常益が約3.2倍の成長、純利益が約3.1倍に成長しています。
なお、ジェイックは、2019年7月11日付で普通株式1株につき100株の株式分割を実施しています。
期 | 第25期 | 第26期 | 第27期 | 第28期 | 第29期 |
決算年月 | 2016年8月 | 2017年1月 | 2018年1月 | 2019年1月 | 2020年1月 |
売上高(千円) | 1,800,314 | 1,969,694 | 2,409,539 | 2,627,144 | 2,956,556 |
経常利益(千円) | 100,934 | 45,519 | 156,293 | 221,655 | 330,901 |
当期純利益(千円) | 56,653 | △27,173 | 82,410 | 174,938 | 174,938 |
資本金(千円) | 77,395 | 77,395 | 77,395 | 77,395 | 252,827 |
発行済株式総数 | 7,779 | 7,779 | 7,779 | 7,779 | 905,800 |
純資産額(千円) | 229,923 | 176,619 | 243,020 | 410,684 | 1,027,435 |
総資産額(千円) | 1,368,829 | 1,523,556 | 1,868,286 | 2,186,615 | 2,075,484 |
自己資本比率 | 16.8% | 11.6% | 13.0% | 18.8% | 49.5% |
従業員数 | 137人 | 156人 | 176人 | 181人 | 197人 |
上場時の株主構成
上位10位までの株主は、以下の通りです。
株主 | 所有株式数 | 比率 | ロックアップ |
株式会社エンスー | 530,000 | 59.15% | 180日間 |
佐藤 剛志 | 186,000 | 20.76% | 180日間 |
株式会社ティーケーピー | 30,000 | 3.35% | 90日間 |
山本 太 | 22,500 | 2.51% | 180日間 |
近藤 浩充 | 17,500 | 1.95% | 180日間 |
知見寺 直樹 | 13,500 | 1.51% | 180日間 |
尾崎 三昌 | 10,000 | 1.12% | 180日間 |
ファイブアイズ・ネットワークス株式会社 | 10,000 | 1.12% | 180日間 |
古庄 拓 | 7,500 | 0.84% | 180日間 |
ジェイック従業員持株会 | 6,100 | 0.68% | 180日間 |
上場時(IPO)の募集・売出し情報
公募・売出し・調達額情報
公募価格は4,750円、吸収金額(調達額)は7.6億円とされています。 また初値は、10,320円となりました。
仮条件 | 4,610円 ~ 4,750円 |
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公募・売出価格 | 4,750円 |
想定価格 | 4,610円 |
初値 | 10,320円 (公募価格比+117.3%) |
公募株数 | 71,500株 |
売出株数 | 71,500株 |
オーバーアロットメントによる売出し株数 | 21,400株 |
吸収金額(調達額) | 7.6億円(※オーバーアロットメントを含む株数×公募価格で計算) |