個人再生で友人や親族からの借金は隠せる？ 個別で返済する方法

迷惑をかけちゃうなぁ。これって何とか隠し通すことできないかな？

まず最初に、個人再生手続とはどんなものなのかを確認しておこう。

個人再生とは、裁判所に返済計画を認めてもらい、借金の総額を大幅に減額してもらって、これを原則として3年間かけて分割返済していく手続きのことだ。

ここで注意すべきこととして個人再生において債務整理の対象となる債務は、自分で選ぶことができない、ということなんだ。

それなら、個人再生をすることを友達に知られることもないし、個人再生をすることを友達に知られることもないし、友達には借金を全額返済することもできますよね。

さっきも言った通り、個人再生では３～５年かけて減額された借金を完済するんだけど、収支がどのくらいなのか、家計簿を提出したりもしないといけないんだ。

個人再生を担当する裁判官や、それを補佐する個人再生委員は、 証拠からお金の流れを把握するプロなんだ。

彼らをの目を騙すことはできないと思った方がいいよ。

弁護士に依頼するのが一般的だけど、僕たち弁護士が個人再生手続きを受任すると全ての債権者に対して受任通知というものを送付するんだ。

この受任通知には、債務者が個人再生手続きに入ったことや、 今後は債務者に対して取り立て行為を行ってはならない旨などが記載されている。

だから、債務者が個人再生をするということは、 お金を借りてる友達にはすぐにバレてしまうことになるね。

ちなみにその場合には、手続きにかかったお金は返金されないし。

最初に弁護士に支払った着手金が返ってくることもないから、大きな損をしてしまうことになるよね。

借金自体も減額されないし、そう考えると友達からの借金だけ隠して、個人再生をしないというのは合理的じゃないよね。

だから、特定の債権者を有利にするために優先的に弁済をする行為(＝偏波弁済・へんぱべいさい)は絶対的に禁止されているんだ。

いくら友人からの借り入れが少額だからといって、先に友人にお金を返すようなことをしていると、偏波弁済をしたとして個人再生が認められない可能性があるから、絶対にやらないようにね。

この場合にも偏頗弁済とみなされて個人再生手続が失敗する可能性があるから、あらかじめきちんと会社に対して確認をしておくようにしよう。

偏頗弁済が絶対に NG な行為だっていうのは分かったんですが、そもそもどんな行為が偏頗弁済になるのかがよく分かりません…。

法律では、次のように定義されている。

例えば、家賃や住宅ローンの支払い、公共料金の支払い、保険料の支払い 、税金の支払いなどがこれにあたる。

じゃあやっぱり、個人再生をすると、お金を借りている友達に対して迷惑がかかるのは不可避っていうことになりますね…。

先生、どうにかして友達に迷惑をかけずに借金を減らす方法はありませんか？

個人再生が認められると、再生計画に従い、友人に対しても減額された債務を分割返済していくことになる。

例えば友人から10万円を借りていた場合に、減額された2万円を分割して返済するような感じだね。

そして再生計画を実行していき、晴れて全ての債務を弁済し終わった後は、もう債権者を平等に取り扱う必要はないんだ。

個人再生手続き中に債権者を平等に取り扱わないといけないのは、個人再生をしたその本人だけなんだ。

だから、友人への借金は別の人に立て替えてもらって、個人再生手続きが終わった後に立て替えてもらっていた分を返済することで、結果的に友人への借金を返済したことになるよね。

任意整理の場合には整理の対象となる債務を自分で選択することができるから友人からの借金は債務整理の対象から外すことも可能だ。

例えば、サラ金２社と友人から借金をしている場合は、サラ金２社だけ任意整理すればいい。

サラ金や銀行からの借金を任意整理して、返済が楽になった分を友人への返済に充てる、ということも可能だね。

友人は業者じゃないから自己破産できないとかあるんですか？

そもそも自己破産は、裁判所から許可が下りれば、ほぼすべての借金の返済義務が免除される手続きなんだ。

だから、友人からの借金の返済義務もなくなる。

明文化はされていないけど、自己破産においては重要な原則なんだよ。

これは、さっき話した「債権者は平等に扱われないといけない」という原則に反しているからなんだ。

除外してしまうと自己破産が認められないばかりか、最悪、詐欺破産罪(さぎはさんざい)に問われるから気をつけようね。

ただし、破産者が返済にあてられるだけの財産を持っていない場合だってあるし、配当率が低いケースも珍しくないんだ。

一部の債権者にだけ優先して返済するのは、さっき話した平等に反するよね。自己破産が認められない理由のひとつになるんだよ。

規制する法律もないよ。

ちなみにひとつ注意してほしいんだけど、個人間の借金では、手続き開始後の取り立てを禁じている貸金業法第21条が無意味になるんだ。

個人は貸金業者ではないから、貸金業法の手が届かないんだ。

だから、友人からの取り立てがあまりに苛烈な場合は弁護士に相談をしよう。

裁判所に掛け合って、対策を講じてくれる可能性が高いよ。

これまで述べてきたように、偏頗弁済をしたことがバレてしまうと、個人再生手続は失敗に終わってしまうんだ。

そうすると、弁護士や裁判所に対して支払った費用や、これまでかけてきた時間がすべて無駄になってしまうからね。