また、任意整理の対象にしていないクレジットカードも、そのうち使えなくなってしまうよ。
任意整理を考えているなら、クレジットカードの代わりに使える代替手段についても知っておいた方がいいよ!
任意整理とは、債権者(借金をしている相手)と交渉をして利息や遅延損害金(延滞料のようなもの)をカットしてもらう手続きです。
クレジットカードを任意整理の対象にすると、リボ払いや分割払いの残高にかかる将来利息や、これまでに発生している遅延損害金を減額できる可能性があります。
また、翌月一括払いになっている返済を分割に変更することもできます。
任意整理は、月々の支払いに追われている際には非常に有効な手段ですが、任意整理をするとクレジットカードが使えなくなってしまう点に注意しましょう。
この記事では、以下の3点を中心に任意整理とクレジットカードの関係について詳しく解説していきます。
- 任意整理するとクレジットカードはどうなる?
- 任意整理をした後クレジットカードはいつから使える?
- 任意整理後でクレジットカードが使えない際の代替手段
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任意整理するとクレジットカードはどうなる?
任意整理で借金を減額するとクレジットカードはどうなるのか気になりますよね。
任意整理後にクレジットカードを使い続けられるかどうかは、ご利用中のカードを任意整理の対象にしたかどうかによって異なります。
減額対象にしたクレジットカードは強制解約になる
任意整理では、クレジットカードのリボ払いや分割払いも減額対象にできます。
任意整理で減額対象にしたクレジットカードは、手続き開始したと同時に強制解約になるケースがほとんどです。
弁護士に任意整理を依頼すると、弁護士はカード会社などの債権者に対して「受任通知」という手紙を送ります。
カード会社は、受任通知を受け取った段階で「当初の契約通りには返済してもらえなくなった」とわかるため、それ以降利用されないように強制解約されてしまいます。
また、各カード会社の利用規約にも次のように定められているため、支払いできないと判断されてしまうと、強制解約となるのです。
第19条(カード利用の停止、会員資格取消し)
3.当社は、会員が次の各号のいずれかの事由に該当した又は当社が該当したと判断した場合、会員資格を取消すことができ、加盟店等に当該カードの無効を通知又は登録することがあります。
中略
(3)会員が支払債務の履行を怠った場合。
(4)差押・破産・民事再生申立・取引停止処分があった場合等会員の信用状態が著しく悪化した場合。
【一部引用:カード会員規約 – 楽天カード】
任意整理の対象から外したクレジットカードもそのうち使えなくなる
借入残高が少ないなど、任意整理をしても効果が薄いカードに関しては、任意整理で減額する対象から外すという選択肢もとれます。
しかし、任意整理の対象から外したカードも、いずれは使えなくなってしまうと覚えておきましょう。
任意整理をしたという事実は、個人の借金に関する情報を保管している「信用情報機関」という会社に記録されてしまいます。
カード会社は、「途上与信」といって定期的に信用情報機関の情報を確認しています。
そのため、任意整理の対象から外したカード会社にも「借金が返せなくて任意整理をした」という事実はバレてしまい、契約を打ち切られてしまう可能性が高いです。
また、途上与信を頻繁に行っていない会社でも、契約更新ができないケースがほとんどです。
公共料金や携帯電話の支払いにクレジットカードを利用している場合は、突然の解約によって未払いが発生する可能性もあるため、任意整理をした段階で支払い方法を変えるべきでしょう。
任意整理から一定期間が経てば新たにクレジットカードは作れる
信用情報機関に任意整理の記録が残るのは、「減額した借金を完済してから最長で5年間」となっています。
そのため、任意整理をしてから一定期間が経てば新たにクレジットカードを作ることは可能です。
しかし、一度任意整理の対象にしたクレジットカードは二度と契約できない可能性が高いです。
信用情報機関の情報とは別に、カード会社ごとが管理している顧客リストには、「任意整理をした」という記録が半永久的に記録されるケースがほとんどです(社内ブラック)。
一度社内ブラックとなってしまうと、任意整理によって減額をしたカード会社はもちろんのこと、関連会社などとも契約ができない可能性があると覚えておきましょう。
任意整理後はクレジットカードはいつから使える?
「任意整理によって減額された借金を完済してから最長で5年間」経過すれば新たにクレジットカードを使えるようになります。
任意整理をすると、個人の借金に関する情報を記録している信用情報機関に「任意整理をした」という情報が記録されます。
任意整理や自己破産などをして、「契約通りに返済ができなかった」という記録が信用情報機関に記録された状態のことを、一般的に「ブラックリスト」と呼びます。
カード会社や消費者金融などは、契約審査の際に信用情報機関の情報を参照する権限を持っています。
任意整理をしたという記録は「減額された借金を完済してから最長で5年間」信用情報機関に残り続けるため、その間はクレジットカードの作成や金融会社の審査に通りにくくなってしまうため、借入は難しいでしょう。
任意整理中はクレジットカードを作れる?
任意整理を弁護士に依頼して、債権者と交渉している最中でも、新たにクレジットカードを作ることは難しいでしょう。
ブラックリストになっているため審査に通らない可能性がある
「任意整理後はクレジットカードはいつから使える?」で解説した通り、任意整理をすると信用情報機関に事故情報が残り、ブラックリストになってしまいます。
「ブラックリストになっている」=「過去に(他社で)契約通りの返済ができなかった」ということです。
ブラックリストになっている人は支払いが遅れるおそれがあり、カード会社からすると、契約するのはリスクがあると考えるため、審査に通らない可能性が高いといえるでしょう。
業者によっては審査に通るケースがある
ブラックリストになっている方でも、業者によっては審査に通るケースもあります。
カード会社は、基本的に信用情報機関の情報を元に審査を行いますが、審査基準は会社ごとに異なり、実際に契約するかどうかを決めるのは総合的な判断によります。
たとえブラックリストになっている方でも、収入が十分であると見なされるなど返済能力があると判断されれば、審査に通りカードを作れる可能性もあると覚えておきましょう。
任意整理中にクレジットカードを作ると辞任されるリスクがある
任意整理の手続き最中にクレジットカードを作るのは、弁護士に辞任されるリスクがあるので、やめましょう。
任意整理を引き受けた弁護士は、債務者(お金を借りた人)が計画的な返済をできるように、相談者の日々のお金の使い方を把握しておく必要があります。
そのため、弁護士への相談なしにクレジットカードを作ったことがバレてしまえば、計画的な返済が難しいとして辞任されてしまう可能性があるといえます。
一度依頼した弁護士に辞任された場合には、再度任意整理を行うために新たな弁護士を探さなくてはいけません。
仮に弁護士にバレなかったとしても、任意整理の手続き中に相談者がクレジットカードを作って翌月払いやリボ払いを利用してしまうと、任意整理後に計画的に返済ができなくなる恐れもあります。
任意整理がうまくいかなかった場合には、個人再生や自己破産といった債務整理を選ばなくてはいけなくなり、弁護士費用もさらにかかることになるのです。
このような事情から、任意整理の手続き中にクレジットカードを新たに作るのは避けるべきです。
任意整理後でクレジットカードが使えない際の代替手段
任意整理後は、一定期間クレジットカードが使えないため、現在クレジットカードに頼った生活を送っている方は不便に感じるかもしれません。
しかし、クレジットカードが使えない状況であっても、以下のような代替手段があると覚えておきましょう。
- デビットカード
- プリペイドカード
- 家族カード
- ETCパーソナルカード
それぞれ簡単に紹介していきます。
デビットカード
デビットカードとは、銀行口座にある残高から即時引き落としをする形で支払いができるカードです。
銀行のキャッシュカードと一体化しているものが一般的で、見た目はクレジットカードとほぼ同じです。
カード番号やセキュリティコードなどがカードに記載されており、ネットショッピングや街のお店での決済に利用できます。
クレジットカードのように信用情報を元にした審査もないため、ブラックリストになっている方でも利用できます。
クレジットカードとは異なり、現在口座にある分しか支払いに利用できないため、使いすぎてあとで払えないという心配がない点がデビットカードの大きなメリットです。
プリペイドカード
プリペイドカードとは、事前にコンビニATMなどからチャージした分だけ利用ができるカードです。
交通系ICカードの「Suica」なども、プリペイドカードの一種です。
プリペイドカードの中には、クレジットカードと同様にネットショッピングや街の店舗で利用できるものもあるので、ぜひ利用を検討してください。
家族カード
家族カードとは、クレジットカードを契約している方が、自分の家族が使う用途で作成できる2枚目のカードです。
家族カードの機能は、クレジットカードとほとんど同じですが、契約の際に審査を受けるのは現在利用している契約者です。
そのため、ブラックリストになっている方でも、自分の家族が契約している家族カードを利用させてもらうという形であれば、クレジットカードの利用ができます。
ただし、家族カードは利用限度額は、契約者本人のカードと共有となるため、利用の仕方については家族と相談しながら決める必要があるでしょう。
ETCパーソナルカード
仕事などで高速道路を頻繁に利用する方は、クレジットカードが利用できないと非常に不便でしょう。
そんな方におすすめなのが「ETCパーソナルカード」です。
ETCパーソナルカードとは、ETC利用専用のクレジットカードのようなもので、事前にデポジットとして預けた金額の範囲内であれば、通常のクレジットカードと同様にETCの支払いに利用できるものです。
ETCパーソナルカードは信用情報を元にした審査がないため、任意整理後でブラックリストになっている方でも作成ができます。
任意整理とクレジットカードの関係についてよくある質問Q&A
最後に、任意整理とクレジットカードの関係についてよくある質問をまとめたので参考にしてください。
任意整理をするとクレジットカードは強制解約になる?
任意整理の対象にしたクレジットカードは、手続き開始後数日で強制解約となります。
任意整理を弁護士に依頼した段階で、弁護士は債権者に対して「受任通知」を送るため、任意整理の対象になったカードは、今後は利用できないようにすぐに解約されてしまうでしょう。
また、任意整理の対象から外したカードも、途上与信や契約更新のタイミングで強制解約となってしまいます。
クレジットカードで携帯料金を支払っている場合はどうしたらいい?
携帯料金の支払い方法を口座引き落としや振り込み用紙での支払いに変更しましょう。
任意整理の対象にするか否かに関わらず、現在使っているクレジットカードは一定期間が経つと利用できなくなってしまいます。
そのため、支払い方法をクレジット払いのままにしておくと、携帯料金未払いなどにつながるリスクがあります。
任意整理の対象から外したクレジットカードは更新できる?
任意整理の対象から外したカードも、基本的には契約更新の際に解約となってしまいます。
カード会社は、契約更新の際にも信用情報機関を元に審査をするため、任意整理によってブラックリストになっている方は更新を断られる可能性が高いでしょう。
ただし、信用情報はあくまで審査の参考なので、「これまで滞納がない」「限度額が少ない」「収入が十分である」などの事情があれば、更新できるケースもまれにあります。
まとめ
- 任意整理の対象にしたクレジットカードは即日強制解約となる
- 任意整理の対象から外したカードも途上与信や契約更新のタイミングで使えなくなる
- 任意整理をした後、借金の完済から最長で5年が経過すれば再びクレジットカードが使えるようにになる
- クレジットカードを使えないうちはデビットカードやプリペイドカードなどの代替手段を利用しよう
だけど、デビットカードとかプリペイドカードは使えるならそこまで心配しなくてもいいのかも。
任意整理後の生活については色々と気になる点もあるし、一度弁護士に相談してみます!
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。