差し押さえるものがなくて強制執行が空振りに終わった後はどうなる？

でもこの後どうなるのかな…？

強制執行を受けたものの、差し押さえるものがなくて空振りしたその後、どうなるのか、家族や保証人などの影響も含めて、教えてあげるね！

裁判などの判決で得た、強制執行ができる「債務名義(さいむめいぎ)」って書面の時効は10年。

つまり10年、お金を貸した側はいつでも好きな時に強制執行ができるってわけ。

というのも、さいむくんの住所がわからなくても裁判は申し立てられる。

裁判で判決が下れば、さいむくんの財産はいつでも強制執行できる状態になるんだ。

仮にさいむくんが働いて生活が安定してきたとしても、強制執行に怯えることになるよ。

でも相手が『財産開示手続』をしてくれば、さいむくんは財産を裁判所に報告する義務が生じるんだよ(民事執行法196条、213条)。

それに応じなければ、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金と重い罰則が科されることになるよ。

そして借金は、仮にさいむくんが死んでしまっても消えないんだ。今度は家族に相続されることになるんだよ。

さいむくんが今後生活を立て直して、ちゃんとした生活をおくりたいと思っているならなおさら、借金はさいむくんの足を引っ張ることになる。

『強制執行を受けそうな場合の対処法』では債務整理を含めて、対処法を教えてあげるね！

借金は連帯保証人でない限り、借りた本人に返済義務が生じるよ。

仮に亡くなった家族の借金を相続してしまっても、相続放棄や時効援用、債務整理といった方法がとれるから、弁護士に相談してみよう。

差し押さえの対象には不動産などもあるんだけど、不動産を差し押さえると今度はその不動産を売却する手間がかかるんだね。

一方預貯金や給料であれば、現金を差し押さえられるから一番狙われやすいんだね。

逆に口座に200万円くらい入っていれば、請求額である100万円だけ差し押さえられることになる。

また給料に関しては、手取り額にもよるけど、おおよそ20%くらいが差し押さえられてしまうんだね。

その上、口座と違って、借金が完済できるまで差し押さえられ続けるから注意が必要だね。

請求額が大きい場合、不動産が強制執行の対象になる。

もし持ち家などが差し押さえされた場合は、裁判所などによって売りに出されてしまうんだ。

これは、車のローンを滞納すると未納の金額を回収するために、ローン会社が車を引き揚げてしまうから。

裁判所が行う差し押さえとはちょっと違うんだね。

生活を立て直してちょっとでもお金が入ったら、狙われるかもしれないし…。

それに、時効も夜逃げもできない上に、死んでも家族に迷惑がかかるんですよね…。

それならいっそのこと早めに解決したいな…。

また空振りに終わってしまうくらいなら、こちらから事情を話してできる範囲で返済していく方が相手も助かるよね。

だから応じてもらえる可能性はあるよ。

でも相手が交渉に応じてくれないなら、弁護士にお願いするのがおすすめだね。

弁護士ならこんな対応をしてもらえるんだ。

それに、借金問題の場合は、個人再生や自己破産などの債務整理という方法で、借金の減額や免除が可能だよ。

この手続きが開始されれば、強制執行も法律上行うことができなくなるんだ。

例えば今月々借金を返済できている人なら、弁護士に依頼するのも負担は少ないと思うよ。

弁護士に依頼することで、貸金業者の取り立ては止まるし、月の返済を止めてしまっても問題ないんだ。

今まで返済していた分は弁護士費用に回して分割払いもできるから、追加で費用を用意する必要はないんだね。

それでも費用を支払うのが難しいって人は法テラスがおすすめだよ！

特徴は、収入が一定以下などの利用条件があって、費用のない人が相談できる窓口なんだ。

ただし、収入が一定以下など条件があるから、もし条件に当てはまらずに法テラスが利用できないって人は、一般的な法律事務所に相談してみよう！

今回は強制執行をされずに済んだって人も、今後いつ強制執行を受けるかわからない。

人によっては、やっと入った給料が差し押さえられて、『もう弁護士に依頼する費用もない…』『生活が一層苦しくなった』という人もいる。

一度差し押さえられてしまうと、解除はとても難しい。

弁護士に相談する余力があるうちに、対処しておこう！

ここでは、オマケとして強制執行を受けるケースを紹介しておくね！

身に覚えがある人は注意が必要だよ。

さいむくんが借金を返済しない以上、貸した相手は法的措置に踏み切るしかない。

というのも、裁判で認められて、『債務名義』って書類を得ないと、強制執行はできないからだね。

だからお金を貸した側は、『支払督促』や裁判に訴えて『訴状』を送ってもらうんだね。

税金は国民の義務として支払いが確定しているから、いちいち裁判で強制執行の許可を得ることはしなくていい。

つまり裁判なしでいきなり強制執行を受ける恐れがあるってことだね。

ちなみに、税金の差し押さえは督促状から10日以内に納めないと財産を差し押さえられることになるよ(地方税法331条)。

税金は債務整理でも減額・免除はできないから、支払えないのならすぐに役所に分割相談をしよう。

公正証書っていうのは、公証役場って所で公証人って人が作成した公的な文書のことで、裁判をしなくても債務名義になる強力なものだよ。

国に認められた専門家、公証人って人が作ってくれるんだ。

一般的な契約書に強制力がついたものすごいものって覚えておけばいいよ。

他にも慰謝料の支払いなど、公正証書で作っていると、強制執行を受ける可能性があるよ。

強制執行は空振りに終わったからって、油断して放置していると…またいつ強制執行を受けるかわからないからね。

相手が債務名義を持っていて、失効しない間は、『いつでも好きな時に』強制執行ができてしまうんだ。

それに今回の強制執行は空振りに終わったかもしれないけど…今度は動産を差し押さえて、自宅に執行官がやってくる可能性だってあるんだよ。

目の前で財産を差し押さえられるとしたら、精神的なダメージも大きいよね。

財産が本当に差し押さえられてしまうと、弁護士に依頼したいと思っても、その余力すらなくなってしまうこともある。

一度強制執行を受けると解除するにも時間がかかってしまう。

だから強制執行される前の対処が肝心なんだよ。

また、持ち家が競売にかけられた後に立ち退かなければ、執行官が来て追い出されることになるよ。

だって、事前に『差し押さえしまーす』なんて通知を出したら…。

差し押さえが行われる際は、裁判所から『債権差押命令』というのが、債権者に送られるよ。

債務者(お金を払う側)にも通知は行くけど、それは差し押さえがすべて終わった後なんだ。

だから送られた『債権差押命令正本』や、通帳の「サシオサエ」といった記録や、給与明細の「差し押さえ控除」といった記載から、差し押さえを知ることになるよ。

『財産開示手続』を裁判所に申し立てれば、さいむくんには財産を開示する義務が発生するし、開示しなければ罰則が待ち受けているからね。

財産があるかどうか、相手に隠し通すのは難しいんだね。

それに、生活保護費や年金は、差し押さえが禁止されているんじゃないですか(生活保護法58条・59条・国民年金法24条・厚生年金保険法41条)？

実際それで生活保護費が差し押さえられて問題になったこともある。

もし生活保護費や年金が差し押さえられた場合は、裁判所に申し立てることができるよ。

でも一番いいのは、差し押さえを受けてしまう前に、法テラスで相談して自己破産をしてしまうこと。

生活保護なら費用は免除されるからね。返済できないのなら、早めに自己破産をして、人生をやり直せるようにしておこう。

家族の財産は差し押さえの対象にならないから安心してね。

ただし、自宅などが支払い義務のある人と家族の共有名義になっている場合は、差し押さえられる可能性があるから注意が必要だね。

それに、車などを差し押さえられてしまうと、一緒に使っていた家族にとっても不便になるなどの影響があるね。

今の時代はスマホもパソコンも生活必需品だからね。

ただし、スマホやパソコンを複数台所持していたりすると、1台は残して差し押さえられる可能性があるよ。

そうなってしまう前に、まだ『弁護士に相談する余力があるうち』に、借金問題を解決してしまおう。

そうすれば、借金の問題はなくなるから、後は生活を立て直すだけだよ。