強制執行とは｜意味・方法や流れは？何度でもできるってホント？

具体的には、借金を滞納している人(債務者)が所有している財産を売却処分して、その代金を回収することで返済とするんだ。

さいむくんがいつまでも借金を返済しないでいると、貸した側(債権者)は困るよね。

だから裁判所に訴えて財産を差し押さえてもらうってわけだ。

その代わり裁判所に訴えて財産を回収してもらうってワケだ。

強制執行にもいくつか種類があるから、簡単に紹介するよ。

借金の滞納に対して、口座のお金とか給料などを差し押さえるのがこの直接強制だね。

債務者の意思に関係なく行われるから、強制執行ではよく使われる手段なんだ。

でも、本人にしてほしい行動を強制することはできない。だから、〇〇をしなければ、〇万円を支払えと圧力をかけて、実行させるのが間接強制だよ。

例えば、離婚して奥さんと一緒にいる子どもに会いたいって時。子どもを無理やり連れ去ることはできない。

奥さんが子どもに会わせないようなケースでは、間接強制を使うんだ。子どもに会わせなければ、1回〇万円などの制裁金が課せられるってわけだ。

でも、本人にしてほしい行動を強制することはできない。そういう時に使われるのが、代替(だいたい)執行だね。主に不動産の差し押さえで使われる手段。

例えば、ともだちの家の庭に、さいむくんが家を建てたとする。

強制執行も、債務名義を取得しているだけじゃダメなんだ。だから、執行文が必要なんだね。

それに、もし滞納しているのが税金なら、差し押さえるのに債務名義がいらないんだ。

だから、税金は滞納してから強制執行されるまでのスピードが早いんだね。

ただ、基本は裁判所に申し立てて債務名義を取得する。その後、金融機関などに差押命令などが送られて、金融機関などが財産を差し押さえるんだ。

そして、債権者がそれを受け取るって流れだね。

支払督促には強制力はない。ただ、支払督促を無視すると、仮執行宣言付支払督促(かりしっこうせんげんつきしはらいとくそく)というものにレベルアップする。

その仮執行宣言付支払督促には、執行文が付与されることになり、裁判をしなくても財産を差し押さえられるようになるんだ。

債権者にとってはこれらのメリットがあるから、強制執行ではよく使われる方法なんだ。

例えば、持ち家や土地などが差し押さえられるケースだね。

借金をまとめて回収できる可能性が高いけど、債権者にとってはこんなデメリットもあるよ。

強制執行の優先順位については「強制執行で優先的に差し押さえられる財産」で解説するよ。

差し押さえられるのは、預金残高のうち、債務名義に記載された金額全額。

例えば、差し押さえ金額が50万円で預金残高が30万円しかなかったら、30万円全額が差し押さえられてしまうんだ。

実行するのは銀行だね。銀行は預金を差し押さえて、債権者に支払うよ。

ただし、手取り額が44万円を超えるときは、手取り額から33万円を引いた残りの金額が差し押さえられてしまうよ。

その上、裁判所から会社に差押命令が送られるし、会社が給料を差し押さえて債権者に送ることになるから、会社にバレるのは避けられない。

単純に手取り額が少なくなるから配偶者にもバレる可能性が高いね。

こういうものが強制執行の対象になるよ！

動産執行では執行官が直接くるため、債務者にプレッシャーをかける目的で動産執行が申し立てられるケースもあるよ。

住宅ローンを滞納すると、担保にされている持ち家は競売にかけられることになる。裁判所主導のオークションのようなもので売られることになるよ。

また、住宅ローンでなくても財産の差し押さえとして、持ち家が競売にかけられることもある。

ただし、「不動産執行｜動かせない財産に対する差し押さえ」でも話したように、債権者側の労力が必要。

滞納額が高額じゃないかぎり、不動産を差し押さえられる可能性は高くないんだ。

だから預金や給料といった債権が一番差し押さえられやすいんだね。

要するにすべて強制執行されちゃうと、生活できなくなってしまうからね。強制執行できる範囲は決まってるんだ。

債務名義にも色々な種類があるんだ。

強制執行を実行するには、許可証が必要なんだね。

基本は裁判をすることで執行文が付与された債務名義を取得できる。この債務名義があれば、強制執行の手続きを行うことができるんだね。

この許可証にはいくつか種類があるから、これから解説するよ。

確定判決ってのは、もう争えない判決のことだよ。地裁⇒高裁⇒最高裁まで争うともうそれ以上は争えない。

あるいは、不服申し立ての期間が過ぎてしまうと、判決が確定して債務名義が取得できるんだ。

判決文の中に「この判決は仮に執行できる」という旨の文言が含まれているんだ。

この仮執行宣言がつくと、判決が確定する前に強制執行が可能になるよ。

原状回復が可能であり、また、金銭賠償による処理が可能な請求については裁判官の裁量で仮執行宣言付判決が出るんだ。

仮執行宣言ってのは、さっきいったように、判決が確定しなくても強制執行ができるんだ。

仮執行宣言付支払督促が送られると、異議申し立てをしても強制執行を受けてしまうんだね。

裁判でもちゃんとした証拠として扱われるんだ。

例えば、個人間の借金で使える借用書や遺言書などに効力を持たせたい場合に、公正証書にするんだね。

公正証書や公正役場ってとこで、公証人って人が認めてくれるんだ。

契約の際は注意が必要だね。

だから、債務名義を取得される前なら対処できる可能性があるよ。

例えば、借金を滞納してしまって、貸金業者から支払督促が送られて来る前や、来た時なら、債務整理って方法がある。

債務整理は、債権者との交渉や裁判所の許可で借金を減額・免除できる手続きだね。

債務名義は、借金が回収できるまで何度でも行うことができるからね。

それに、強制執行ができるから相手も交渉に応じてくれないんだ。

2021年から強制執行がしやすいように、「第三者からの情報取得手続」というものが新設されたんだよね。

今までは金融機関などが、お金を借りた側の情報をお金を貸した側に提供するってことはなかったんだ。

でも「第三者からの情報取得手続」が施行されたことによって、お金を貸した側が情報を開示するよう裁判所に求めることができるようになったんだ。

たとえば今無職で、差し押さえられる給料や財産がなくても、債務名義の効力はなくならない。

その後就職して収入を得ればその給料が差し押さえられてしまうんだね。

ただしこれは現実的ではないかな…。執行命令が出てから債権者に取り下げをお願いしても遅いんだ。

強制執行は強制的にお金を回収する手続きだけど、いきなり強制執行にはならない。

前段階には、これらの手段による支払いの催促があるはずだよね。

ぼくが債権者だったら、「払えないんだったらもっと早い段階でいってよ」って思います。

特定調停は、簡単にいえば「裁判所で行う当事者間の話し合い」だね。

裁判は争う場。調停は話し合いの場なんだ。

調停のときに別途、強制執行の停止を申し立てれば、強制執行を止められる可能性があるんだよ。

それに、債権者が応じてくれれば、分割払いなどを交渉する余地もある。

個人再生や自己破産は、さっき話していた債務整理の一種だ。手続きを行うことで、強制執行を停止することができるんだ。

それぞれの手続きについては簡単に表にまとめるね。

ただ、個人再生は手続きに6ヶ月~1年ほどかかる。

すぐに強制執行が止められないところは注意が必要だね。

ただこれが認められるのは次のうちどちらかだと思った方がいいかな。

でも単に抗議して強制執行を停止することはできないんだね…だからこうなっちゃう前に対処しないとダメだよ！

債務整理とは、債権者との交渉や裁判所の許可で借金を減額・免除できる手続きのことだったね。

債務整理には3種類あるから、それぞれ紹介するよ。

利息のカットに落ち着くケースが多いよ。

裁判所を通さないから強制力がなく、強制執行を止める力はない。

でも、借入先が複数ある場合は手続きする対象を自分で選べるのがメリットだよ。

減額された借金は36回(3年)の分割払いで返済するよ。

任意整理よりも大幅な減額が期待できる一方で、自己破産と違い、財産を手元に残せる可能性が高い手続きなんだ。

強制執行を取り消すまでには6ヶ月~1年ほど時間がかかってしまうけど、持ち家を手元に残せるのがメリットだね。

財産を失うといっても無一文になるわけではないよ。

基本的に没収の対象になるのは、売却価格が20万円以上になる財産なんだ。

強制執行が取り消せるタイミングは手続きによって違うけど、どうしても返済できないって場合は、検討してみてね。

だから、返せない借金がある場合は、早めに借金問題の専門家に相談するのが大切なんだ。

専門家には、弁護士がいるよ。

彼らに相談して債務整理を依頼すれば、取り立てを止められる(貸金業法第21条第1項第9号)からね。